9ーⅤ話 18歳 対ナンギン帝国紛争編⑤ ブルー辺境伯爵軍(フリート君)側のターン
9ーⅤ話です。
ブルー辺境伯軍側から見てみよう。
初手からフリート君側が有利な様な?
9ーⅤ話
8月5日
ワンタイ島上空15,000m付近
マザーバード内、フリートとマックの会話
「お、やっとお出ましの様だな。早速連絡するか! 」
「まさかのタイミングだね。しかもこんな上空から見張ってるとは敵さんも思わないだろうね。にしても遅いな! 」
「それは仕方がないのでは? 大きいし重いだろうし、何より帆走と水竜に引かせた位では無理だろうに? 」
「ほんと敵に魔導ウォータージェットスラスターが無くて良かったよ 」
「それでも………ほら、例の送風機は付いてるみたいだな? 数は足りてないけどね 」
「あれって聖国の船に載ってた奴と同じって事は? 」
「いや、たぶん違うかな? まぁその辺は後で調べるさ! 」
マザーバードはその後撮影をしてから引き上げた。
途中、カクセン諸島の防衛基地に予定通りに撤退と罠の設置を命令していた。
8月8日、早朝
カクセン諸島西方10km
ドルフィンⅡ級哨戒挺、ドルフィンBu16艦橋内
「艦長、敵艦を確認! 報告通り前衛艦隊10隻です 」見張り員A
「やっと来たか! しかし連絡を受けてから3日もかかるものか? 」 艦長
「もう魚釣りも飽きた所で良かったですよ。流石に干物作りも飽きましたし(笑) 」 副長
「まぁ、この船は漁船に偽装中だからな! さぁ、それでは早速逃げ出そうか(笑) 」 艦長
「そこは"撤退"または"転進"って言いましょうよ! 」 副長
「挺長、敵艦2隻が突っ込んで来ます! 此方を拿捕する気ですかね? 」 見張り員B
「よし、全速で離脱! 作戦通り、このまま本島まで撤退! 」 艦長
「「「「「ハ! 」」」」」
「さて、ちゃんと引っ掛かってくれるかな? 」
ドルフィンBu16挺は集結地フェロー本島に向かった。
8月25日、早朝
ブルー島西方遥か沖合50km、敵襲撃想定地点より南方20km付近
強襲揚陸艦ホワイト艦内
「皆さんおはよう! 準備は良いですか? 本番ですよ! 」
「ハ、準備は完了しています。何時でも突入できます 」 艦長
「折角の新造艦を早速傷物にするのが気が引けるがまぁ、大丈夫だろう? 」
「この艦はそう言う用途用ですので仕方がないのでは? 」 副長
「あぁ、なるだけ傷物には…………無理だな(笑) 」
「そこは大丈夫ですよ。ブルー島のドックは空いてますので直ぐに修理可能です。ですので多少壊しても問題ないでしょう(笑) 」 艦長
「壊す気マンマンだな! 予定通りに突っ込めば壊れない筈だから無茶するなよ! 」
「マザーバードより連絡! 間もなく予定ポイントに敵島船と敵艦隊30隻到達します! 」 通信兵
「やっと来たか。では通信兵、空母ヒリュウのヒリュウ航空隊に連絡! 出撃してワイバーン隊を蹴散らしてビラ巻きしてこいと! 」
「 ハイ、直ちに! 」通信兵
「艦長、後は任せる。突入後は速やかに魔導兵部隊と海兵隊部隊を突入させて占領させて敵の大将の確保を! 無理の無いようにな(笑) 」
「いや、ブルー辺境伯爵様が自ら無理して何をするやら(笑) 」 艦長
「なぁ~に、ちょっと動力を潰しにね。 後ヨロシク♪ 」
強襲揚陸艦ホワイトから南方30km付近
空母ヒリュウ内航空隊搭乗員控え室
「旗艦ホワイトより入電、予定通りに出撃、ワイバーン隊を蹴散らしてからビラ巻きしてこいと! 以上です 」 通信兵
「ご苦労! では諸君、出撃する! 」 隊長
「隊長、もう少し気合の入った激は無いのですか? 」 マック
「お前なぁ! ならマックならどうする? 」
「え、単純に"野郎共、出撃だ! "で良いのでは? 」
「品が無いだろうに。お前本当に貴族の出か? 」
「悪かったですね。どうせ品の無い次男坊ですよ! 」
回りの航空隊員達は笑っていた。
「では気を取り直して、"作戦通り私とマックはビラ巻きをする。ワイバーンは恐らく見張りの2騎は降りるが残りの8騎が上空で待ち構えている。遠慮なく落とせ! 後、一人1騎だからな! 無線でお互い調整しろよ! 的の取り合いはするなよ! 」
「「「「「「「「ハ! 」」」」」」」
「さて、ビラ巻きに行きますか。先輩方、露払いお願いします 」
航空隊員達は大笑いしてそれぞれの乗機に向かった。
『セイバー11より各機、これより突入する。高度5000mでフライパス後、低空に降りてワイバーンを撃ち落とせ! 必ず一撃で倒せよ! その後、私とセイバー02が高度500mでビラ巻きをする! 』
『セイバー12 了解! 』
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『セイバー20了解! 』
『セイバー02了解! 』
『では行くぞ! 』
無線機も小型化がある程度できたがまだまだ大きかった。
ただし、近距離(500m以内)ならセイバータイプに搭載できるサイズにすることに成功した。
〔苦労したが何とか形になっていた 〕
その為、こうして密集体形で飛行すれば何とかお互いに連絡が取れた。
一応信号弾、発光信号等の連絡方法も有ったが戦闘前に無線機が使えるので便利になっていた。
強襲揚陸艦ホワイトより北方40km付近
強襲揚陸艦ブルー艦内、第1魔導装甲兵中隊第2小隊控え室
「バスター小隊長、出撃準備せよと中隊長よりです! 」 第1分隊員
「わかった、直ぐに準備を始めろ! はぁ~、いきなり実戦か 」 バスター
「大丈夫ですよ。ここに居る者は皆さん初めてですから(笑) 」 古参の副小隊長
「だからっていきなり小隊長にさせられたんだぞ! 全くブルー辺境伯爵様は! 」
「イエ、小隊長が優秀で、訓練で勝てるのが居ないから小隊長になったのでわ? 」 第1分隊長
「ブルー辺境伯爵様がわざわざ王国海軍から引き抜いたって聞きましたよ? 」 第2分隊長
「誰だ、そんな事言ったの? まぁ引き抜かれたのは本当だが、僕が誘われたのはこの魔導装甲の開発の元になった魔導鎧のスキルを持ってただけだぞ! しかも親父が元祖だからな! 」
「そう言っても隊長の実力は本物なんですから 」 第3分隊長
「さぁ、油を売ってないで艦首に向かうぞ! 海兵隊を守りつつ敵の大将を生け捕りにするぞ! 」
「「「「「「「「「オォ! 」」」」」」」」」
第2小隊11名は魔導装甲鎧を着込んで艦首突入口に向かった。
強襲揚陸艦ブルー 艦橋
「お、セイバー隊が無事にワイバーンを撃ち落とした様だな 」 艦長
「後は1時間以内で白旗を上げるかだが? 」 副長
「ま、上げないだろうね 」 航海長
「それなら予定通りだから問題ない 」 艦長
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1時間後!
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「さて、返事はないか……… 」 艦長
「次は我々ですか? 」 副長
「いや、シャーク級に連絡。回りの雑魚を蹴散らせと! 」
「まぁ確かに邪魔ですね? では、通信員、シャーク級各艦に連絡、回りのガレー船を撃沈せよと! 」
「ハ、直ちに! 」 通信兵C
「さて、ブルー級の真価を見せるか! 」
「………もっともブルー辺境伯爵様がおいしい所を持っていきそうですけどね(笑) 」
「………あの方は本当にするから困った者だよ(笑) まぁ今回は裏方をすると言っていたが………目立つだろうね? 」
「間違いなく(笑) 」
「ホワイトより連絡! 我、雑魚を排除後突入する。なお、ブルー辺境伯爵様が既に離艦。足止め作戦決行との事 」 通信兵D
「ホウ、速いな。………返信、我、既に雑魚の排除行動命令済み。突入は個々にて実施予定ならば気遣い無用! なお、賭けは私の勝ちだからな! と 」
「ハ、直ちに返信します! 」 通信兵D
「艦長、今度は何を賭けてるのですか? 」 副長
「な~に、ワインの樽をだよ! どちらの海兵隊が大将首を確保するかのな! 祝勝会はそれで祝う予定だからな(笑) 」
「全く、第3者(ブルー辺境伯爵様)が首を取ったらどうするのですか? 」
「あ、その可能性は考えて無かった! まぁその時は辺境伯爵様にたかるか(笑) 」
ブルーの艦橋は笑い声が響いていた♪
随伴中のシャーク級駆逐艦 シャークBu04号艦 艦橋
「戦隊旗艦ブルーより連絡。回りのガレー船を撃沈せよ! と 」通信兵
「さて諸君、旗艦ブルーから撃沈命令が来たぞ。日頃の訓練を活かして敵の雑魚を蹴散らすぞ! 」 艦長
「艦長、してどうやって? 」 副長
「まさかラム戦とか言わないですよね? 」 航海長
「ウ~ン、それでも良いが先ずは大砲を試そう。実際の船にどれだけ効果が在るか見るチャンスでも有るしね 」
「確かにそうですね。では最初は大砲で。ダメならラム戦って事で(笑) 」
「それで良い。砲術長、砲撃用意! 目標は事前の取り決め通りに! 」
「了解、艦長! 1番、2番砲塔、目標1.5km先、敵4番艦! 」
前部の連装砲塔2基が動き狙いを定める!
「1番照準よし! 」
「2番照準よし! 」
「撃てぇ! 」
「発射! 」
すると"ドドドドン! "と砲撃音が聞こえた!
「………4、5、6、間もなく着ダーン、今! 」 砲術長
敵艦の回りに水柱が3本と敵艦の後部が爆発1つ有った。
「報告! 1発命中! 3発至近! 」 見張り員C
「お、1発当てたな! 初撃で上出来だな? 」 艦長
「………訓練の賜物ですよね? 砲術長 」 副長
「でもまさか敵艦、回避もしないとわな。まさかの情報通りって? 」 砲術長
「まぁうちの大砲の情報は秘匿してるからね。まさか駆逐艦クラスでも最大2.5km飛ぶなんて想定外だろうね 」 艦長
「まぁその分命中率が悪くなりますけどね 」 副長
「報告! 敵4番艦、艦尾より沈み始めました? 」 見張り員C
「はぁ、なんだって! そんなに脆いのか、敵船は? 」 艦長
「まぁ、急造艦の手抜き欠陥品では? 」 副長
「ほんと、此方で良かったよ! 」 砲術長
シャークBu04号艦内の人達は皆さんそう思っていた。
アッチ側でなかった事を!
「よし、次も砲撃するぞ! 」
シャーク級駆逐艦達は砲撃して全ての敵護衛のガレー艦隊を沈めていた。
こうして島船の盾を剥がしていた。
「(さて、上は始まってるね。それではソロソロ行こうか、サファイア、トール、カイ♪ ) 」
「キィン♪ (ハ~イ♪ ) 」 サファイア
「キュリュ~♪ (ハ~イ♪ ) 」 トール
「キュイ♪ (ハ~イ♪ ) 」 カイ
魔竜騎士(水中戦仕様)に身を包み、海中を密かに進むフリート君とお供のペット軍団だった。
水中から強襲するために。
フリート君が今回、装備している魔竜騎士の制式仕様
[フリート専用魔導装甲騎士]
制式名称:魔竜騎士
解説:フリートが自ら用に製作した魔導鎧の完成品
外骨格型魔導鎧のフリート専用鎧
オリハルコンフレーム製でオリハルコン/ミスリルの複合装甲で表面にはブルードラゴンの鱗を加工して製作
関節部分もワイバーン系の革を加工してブルードラゴンの鱗を加工してカバーするように装着させているので関節攻撃にも多少は耐える事ができる
駆動系にはオートマトン系の人工筋肉技術を使用して機動性能を補佐しているので普通に動かせる
魔力タンクを追加した為、長時間の運用が可能に
機体各所に制御スラスター(風魔法利用)が付いていて多少の高速機動戦闘が可能に
脚部には水上、水中移動も可能な特殊装備付き
〔なので任意で浮き沈みができるようになった〕
各種武装ユニットを変える事でどんな場合でも対処可能に
〔オプション兵装で水中から・・まで対応可能に〕
魔竜騎士は普段、フリートのアイテムボックスの中に専用格納庫(アームドBOX)に入っていてキーワード"アームド"で現れて自動的に装着できる
〔オプション兵装も換装可能に〕
この装備には高度な[隠遁]が付与されていて普通には[鑑定]されない使用です
サブコントロール用に新開発の魔導コントロール機構(通称:魔導エンジン)を搭載、運用が多少楽になったとか
〔ただし、固有魔力でしか動かせないように魔力パターン登録型だった 〕
全高:2.5m
全重:0.6t
最大速度:地上30km/h(通常歩行時)
80km/h(エアスラスター使用時)
水上50km/h(同上+脚部浮遊装置使用時)
水中30km/h(脚部ウォータージェット
スラスター使用時)
稼働時間:魔力タンク(最大6h)使用後、装着者の
魔力切れまで
魔竜騎士のオプション兵装その①
[水中戦用オプション兵装]
制式名称:水竜
解説:魔竜騎士専用オプション兵装の1つ
水中戦専用に作った兵装
魔竜騎士の外に追加して取り付ける方式を採用
装甲にアマンダイド/ミスリルの複合装甲を採用
ユニットはボディーに耐圧ユニット、腕に武装ユニット、背部、脚部に推進ユニットの構成になる
ボディー用の耐圧ユニットはノーマルでは水深100mが限界だが、この耐圧ユニットを使えば水深500mまで潜航可能に
〔ただし、水深300m以下では武器の使用はクロー(爪)以外は使用不可能に 〕
腕に付ける武装ユニットは腕の先端に魔導砲を1門付け、3つのクロー(オリハルコン製)を囲む(ガードする)様に付けてある
魔導砲は火、水、氷、土の魔導カートリッチで4属性の魔法弾を撃てる仕様
クローは突く、掴み切る等の攻撃ができる
背部、脚部に付けている推進ユニットは全てを使えば水中を最大50km/hで移動可能
水面上でも最大80km/hで移動可能に
魔竜騎士に装着時
全高:3m
全重:1.2t(水竜自体は0.6t)
水中速度:50km/h
水上速度:80km/h
あれ、見た目がちっちゃなズ〇ック様みたいな様な!?
9ーⅤ
上空から見ていたフリート君
罠と知らずにカクセン諸島を奪取して喜んでたナンギン帝国艦隊(笑)
そして罠とは知らずに素直に予想海路を進む島船?
ワイバーンを一方的に撃墜する航空隊!
そして袋叩きなっていくナンギン帝国(海賊)艦隊?
フリート君の専用魔導装甲騎士[魔竜騎士]で水竜救助ミッションです。
あ、久しぶりにサファイアちゃん達の登場です。
明日も投稿します。