8ーⅥ話 18歳 イングスランド王国王立学園 卒業式① 卒業模擬試合 の前に①
8ーⅥ話です。
サァ、卒業前に一仕事です。
相手には、最強にお願いしましょう。
でもその前に前座の試合です。
8ーⅥ話
3018年1月
18歳になったフリートです。
3月には学園を卒業です。
〔短いようで長く楽しい学生生活でした………あれ、何か違う様な? 忙しかった様な? 〕
休み明け早々校長の全体攻撃が有ったけど、全生徒引っ掛からなかったという快挙を達成しました。
ヤハリ講習会は正解ですね。
〔教官達は成果を喜んでいた! 〕
そして朝からトラップ解除をしてから本日ご出勤されてるノアールちゃん(ナイトメアウルフ 4歳 ♀)にハリー校長の捜索を依頼。
即、襟首咥えて引きずってきて 捕まえてくれました。
〔ノアールちゃんは仕事ができて、とても優秀な良い子です! 〕
一応、お約束なので校長を簀巻きにしてたら、ノアールちゃんが引きずって行ってしまった!
しかも前回の引き回しコースを丹念に5周していた。
〔終わった後にドヤ顔で誉めて欲しい(尻尾ブンブン振ってる)ノアールちゃん 〕
一応誉めてあげたけど。
「何で誰も引っ掛からないのに5周なんだ! 」
ハリー校長が簀巻きのまま騒いでいた。
あ、ノアールちゃんがまたロープをくわえて走り出した!
〔あ、行っちゃった。どうするのこれ? 〕
結局、ノアールちゃんはまた5周引き回して戻って来て誉めて欲しいと(尻尾ブンブン振って)待ってる。
そしてノアールちゃんを誉めつつ、ハリー校長に一言。
「校長が何か文句言うと喜んで引っ張る見たいですね。誉められたいからね(笑) 」
ハリー校長は沈黙した。
流石にもう5周はしたくないらしい。
〔安心して下さい! この位で校長はホント、くたばらないよね? 〕
2月
エジンバラ雪まつりにての展示飛行の件が陛下の耳に入ってしまった様です。
更に王都にての幽霊音騒ぎにも気が付いてる様です。
〔ライリー隊長、バラしたな! 次の偵察飛行の時にアクロバッド飛行も追加しよう(笑) 〕
王城で会うなり"ズルイ! "と駄々を捏ねられました。
そしてしっかりとセイバータイプの専用機をねだられましたが……… 陛下、後ろ!
〔そして王妃様に引きずられて何処かに行きました? 〕
現在、王城にて城の改修工事が始まっていた。
そう、飛行船[ホエール]の格納庫兼発着場の工事です。
〔ホエール級が収納できる大きさの建物の建造をしていた 〕
建築中の場所は初代王妃様の専用動物園跡地で今はただの雑木林になっているスペースだった。
一応設計上では、窓の無い四方を壁で覆った建物で屋根が開閉できる様になっていた。
〔雨の日も安全に搭乗したり、点検と修理もできる安心設計です 〕
その肝心の[ホエール]ですが、現在はブルー島にて王城の施設の完成を待っている状態でした。
ブルー島にての装甲板の取り付け工事も済んで、現在は装甲飛行船になってます。
〔完成形です。早く引き取ってほしいです(笑) 〕
3月
無事に最後の試験も終わり首席のまま卒業出来そうです。
入学から最終順位が全く代わらなかったのは我がSクラスが初めてらしいです。
〔初の快挙とハリー校長が言ってました 〕
これで試験から解放されたと喜んだメルに、騎士団でも特に女性騎士は覚える事が多く厳しいよと教えてあげたら大変な事になっていた。
最近の王家の近衛は大変とキャロル姉様が言ってたな。
〔基本、王族の女性陣の警護がメインですけどね 〕
キャロル姉様は現在は王妃様の警護をしている部署にいます。
そして王妃様直々に花嫁修業みたいな事をやらされているそうです。
〔いつでも嫁に行けるようにと王妃様直々にスパルタ指導を受けてるってなに(笑) 〕
さて、今日は校長室でハリー校長と卒業式前日の卒業模擬試合の件の話し合いで。
「本気なのかな? フリート君。」
「エェ、本気でやって見たいのですよ。コレが最後のチャンスですしね! 」
「ほ、ほ、ほ、良いだろう。許可をしようじゃないか! 」
「でもどうでしょうかね? 断られそうですかね? 」
「あの戦闘凶が断るかのう? それなら任せて貰おう。ワシがチャンと試合をさせてあげよう 」
「流石にイタズラはやめて下さいよ。庇えませんから! 」
「そ、そんな危険な事はしないわ! グリッドにはワシが伝えよう 」
不安だったが校長に任せようと思う?
本当に不安だが………
卒業式前日
『サァ、始まります。卒業式前のお楽しみ、卒業模擬試合です。司会は私も今回が最後の司会でちょっと寂しい♪ でも最後までやり通すぞ! 3年A組エミリー・ダイドー☆です。
今年は歴代の学園卒業生の中でも最強と言われる学園総代、フリート・アール・ブルー君。実は今の所、対戦相手が発表されて無いと言う事で一体どうなっているのでしょうか?
この人しか対戦相手を知らない! 解説のイタズラ魔導師、ハリー校長です 』
『ほ、ほ、ほ、ハリー校長です。今年はフリート君が無茶を言ってのう、闘技場の調整が大変じゃったぞ! 』
『あの~ハリー校長、それで対戦相手は誰なんです? 』
『慌てるでない! 本人に聞いて見るのも良いかもね。フリート君、入って来なさい 』
『え、ではフリート君が東門より登場です? 』
僕が東門から颯爽と入場して舞台に上がる。
舞台上には既に審判のグリッド教官がスタンバイしていたが。
『今回、フリート君から相談を受けてのう、どうしても最後に勝負をしたい相手がいるのでと相談を受けて今回、私が許可をした 』
『それで誰なんですか? ハリー校長 』
『………目の前にいるじゃろう。 』
『エ、いませんよ? 誰もい……………まさか! グリッド教官ですか? 』
『グリッド教官、済まぬが相手をしてほしい。フリート君からのご指名じゃ♪ 』
「フリート、私と試合とは豪気だな 」
「やはり最後はお世話になった教官を相手にしたいじゃないですか? 」
「ほう、その意気込みは良い! では本気で相手をしてやろう。どれ武器と装備を用意するので暫し待って貰おう 」
「あれ、ハリー校長から事前に聞いてませんでしたか? 」
「いや、何も? 対戦相手は舞台に上がってから発表するとしか言われてないぞ? 」
「………校長、事前に話すって言いませんでした? 」
『………いやぁ、グリッド教官に話しづらくてね。いきなりの方が良いと思って黙ってた。もっとも闘技場の改良の方が大変だったよ 』
『………ハリー校長、進行上時間の無駄になるでしょう。どうするのですか? 』
『そこは大丈夫。余興をしようかとね。では出てきなさい 』
そして東門西門から出てきたのは………え、シャルロット様とクララちゃん?
『では卒業模擬試合の前哨戦、卒業生代表シャルロット君vs在校生(指名)代表クララ君の魔法戦試合を行う! 』
『エェ~と、(ガサ!) これは……… 今回、グリッド教官との試合の準備の為に空いた時間を利用して魔法戦での成績が良いシャルロット君に魔法戦の試合をお願いしたら、相手に初等部2年S組トップのクララ君を指名。今回の対戦となりました………って良いのコレ? 』
『問題ない。クララ君は指名をされて喜んで引き受けたぞ。先輩に胸を借りると言ってな。下級生にもその位の意気込みを見習って欲しいぞ 』
『………ハリー校長が無茶ブリしてますが、双方納得してるで良いのですね? 』
『そうじゃ、問題無い。それで審判なんだが……… 』
『ン、どうしました? ハリー校長。審判は魔法学の教官ですよね? 』
『この試合の審判をしたいと言ってね、かなりの無茶ブリをされて……… 』
『『『私たちが審判です! 』』』
颯爽と北門から登場したのは………エェ! 王妃様母上にエジンバラ夫人!?
どう言う事だよ、ハリー校長!!
『………ハリー校長、どう言う事ですか? 色々と不味いのでは? あ、私は関係無いですよ! 』
『今回の対戦を何処からか聞いた お三方が私達に審判をやらせろと………(圧力が……) 』
ハリー校長が断れば………無理だな。
あの三方を黙らすの陛下でも無理だしね(笑)
『(え、この原稿を読め? )………ウソ……… し、失礼しました。ご、ご紹介します。今回の特別魔法試合の審判を勤めるのは、この学園の卒業生で一応ハリー校長の教え子、公平を期すため主審には現エジンバラ辺境伯爵夫人、ミーヤ・アール・エジンバラ様、副審には現イングスランド王国王妃様、エリザベス・クイーン・イングランド様、そしてもう一人の副審には現バーミンガム辺境伯爵夫人、アン・アール・バーミンガム様のお三方です 』
会場中ザワザワしだしたよ!
『え~と、この お三方はハリー校長が赴任した当時に初等部に入学した幼馴染みで仲良し3人組。入学当時からハリー校長が仕掛けたトラップを粉砕しては、ハリー校長の引き回し刑を発案されたとの事。………え、ハリー校長って校長になってすぐにイタズラしてたんですね! ………え、………な、なんと! アン・アール・バーミンガム夫人が伝説の閃光の魔女様だったとは! あれ、するとフリート君もクララ君も閃光の魔女様のご子息とお嬢様? 納得です。フリート君がデタラメに強いのには納得です! 』
何バラしてる司会者!
更にザワザワしだしたよ、会場が!
〔ほんと、どうするんだコレ? 〕
一応、聞いておこう。
「え~と、何故この様な事に? 」
「あら、自慢の娘が試合をするのよ。近くで観たいじゃない? 」 エリザベス様
「私は、末っ子のクララがしっかりと魔法が使えているか見に来たのよ! 」 アン母上
「………そうね、お二方が暴走しないように監視よ♪ 」ミーア様
「エジンバラ夫人、お願いします 」
「「何で即答なのよ! 」」
「フフ、わかったわ。フリート君 」
『え~と、ルールを説明します。今回の特別魔法試合では、お互いの背後には特殊な魔力感知ボールと言う特殊な魔導具と言うか大きな玉を配置します。この玉にお互い魔法攻撃をしていきます。魔法が当たると徐々に色が替わります。威力も関係しますが、青→緑→黄→赤と色が替わっていきます。もうおわかりですよね? 玉が赤くなった時点で赤くなった方が負けです。お互い魔法障壁をかけて防ぐのも有りなので魔法の攻防も楽しめられます 』
この魔導具は魔砲兵の訓練用に考案した物で本来はサウス11の量産タイプのサウス12用の訓練標的として作ったんだよね。
人形の当たった所が赤くなるだけの物だったのを、大きなボール状に作って欲しいと校長に頼まれたのが5日前で昨日納品したんだよね。
〔あれは来年の授業用にだったんじゃなかったか? 〕
『(バザッ! )え~とナニナニ? この判定ボールは来年度から授業等に使いますので今回のエキシビションに使ってみました! との事です。ヘェ~結構良いものですね。私も使って見たかったです 』
『ほ、ほ、ほ、使いたいなら冒険ギルドロンドン本部にも似た物が有るのでそちらにて試すように。もっとも軍関係にはもう有るのかな、フリート君? 』
なんかムカつくな!
まぁ後で頼むか、ノアールちゃんに(笑)
『え~と……… それでは始めますので関係無いフリート君とグリッド教官は、一旦退場してください。判定ボールの設置をお願いします 』
納品した判定ボールを所定の位置に設置していた。
そして準備が整ったらしい。
〔まぁ見学はさせて貰おうかな。エ、何であなたが居るの? 〕
『それではエキシビション魔法戦。制限時間は5分です。シャルロット君vsクララ君の試合を始めます! 』
「双方準備は良いかな? 」
「「ハイ♪ 」」
「それでは魔法戦、始め! 」
こうして初めての魔法戦が始まった。
8ーⅥ
まさかのグリッド教官を指名したフリート君。
準備の為に何故か魔法戦をする事になったシャルロット様とクララちゃん?
そして何故か審判として現れた母の会??
今月は3話予定です。