8ーⅢ話 17歳 最後の文武祭の季節② 魔闘部門本選準決勝まで!
8ーⅢ話です。
文武祭2日目です。
カイル君の妹さんは男前ですね。
そして始まった最後の魔闘部門!
準決勝まで見てみよう♪
8ーⅢ話
文武祭2日目
朝から屋台チームは忙しなく動いていた。
既に噂になっていて校門前には人だかりができていた。
〔そんなに食べたいのかよ、ワイバーン肉を? 〕
アルバイトで他のクラスの子を雇ってなんとか回すと言ってたけど大丈夫か?
まぁ責任者のクラフト君に任せよう。
〔どうなっても知らないしね(笑) 〕
さて午前中は文武祭武闘部門の試合を見ようかな。
確かクララちゃんの盟友、シルク嬢の試合が有るしね。
〔ん、カイル君兄妹発見。何かソワソワしてるね 〕
「カイル君、どうしたの? 随分ソワソワしてるけど? 」
「やぁ、フリート君。そりゃ妹が出たら心配だろう? 」
「お兄様、心配し過ぎです。シルクなら余裕ですよ 」
「マリーさんの言う通りだよ。少しは信じてあげなよ。そうそうマリーさん、昨日の魔法部門優勝おめでとう! 」
「ありがとうございます。後、頂いた杖も使い易いです 」
「え、あの杖フリート君が作った物だったの? 」
「そうだよ。あの杖はベルガール頼んだ時の報酬だったけど? カイル君知らなかったの 」
「初めて知ったよ。なるほどね、それで私に見せてくれないんだね。そうかそうか(ニアニア♪) 」
「もう、お兄様は何か勘違いをされてるようですね。そんな事だとあの方に嫌われますわよ! 」
「わ、お前何言ってるんだ! それはまだ内緒だろう! フリート君、頼む、内緒の方向で! 」
「ハハハ! 良いじゃないか。僕なんかいきなり外堀埋められてから決まったんだからな(笑) ま、良かったじゃないか、おめでとうと言っとくよ。勿論、陛下には内緒にしとくよ 」
「そうしてくれるのは助かるよ 」
「あ、お兄様始まりますよ! 」
「では、お手並み拝見かな? 」
「怪我するなよ! 」
結果から言うとシルクさんは余裕で勝ち上がって優勝していた。
まるでカイル君の様な剣さばきだった!
〔カイル君のコピーだな! 〕
「まるでカイル君の試合を見てるようだよ! 」
「そりゃ師が同じなら似てくるよ! 」
「お兄様、シルクはお兄様を目標に頑張ってます。お兄様も頑張って下さいね 」
「ウグ、妹が厳しい! 」
「ま、頑張れよカイル君。当たったら全力で勝負しよう! 」
「あぁ、順調なら準決勝かな? 」
こうして午前中の試合は終った。
お昼は屋台チームの所でマリーさんとシルクさんにワイバーン肉入りお好み串をおごるのに屋台に向かうと………なにこの騒ぎ?
順番整理を仕切っていたトリスさんに聞くと、この肉はワイバーンじゃないといちゃもん付けて文句を言った何処ぞの男爵(貴族派?)のバカ息子がいたらしい。
〔そりゃ食べた事が無い奴はそう言うだろうね 〕
しょうがないのでその文句を言ったバカ貴族の前にマジックバッグ(本当はアイテムボックス)からワイバーンの頭の剥製(冒険ギルド製)を出して目の前に置いて見せた!
王家にも渡した贅沢な逸品です。
〔王城の壁にも飾って有るよ♪ 〕
それでも違うと騒いでいたら、"彼の事を知らないのか?"と 騒ぎを聞いた騎士団憲兵隊の人が来たよ。
これ以上騒ぎが大きくなるのも面倒なので、僕の身分を証すとそいつはビックリして土下座したよ!
〔上位貴族を干したら不味いよね。しかも本人の前で! 〕
結局、貴族のボンボンは憲兵隊に連行されて行った。
まぁ今回は騒いだだけだから、憲兵隊には一泊させてもらったよ。
〔コッテリとOHANASI付きで 〕
そして午後になり、メインイベントでも有る高等部魔闘大会が始まろうとしていた。
『お待たせしました♪ 第3回高等部魔闘大会本選トーナメントを始めます♪ 』
今回の司会は、たぶん大丈夫………かな?
『司会の高等部3年A組ミリー・ダイドーです。そして解説は神出鬼没のイタズラ魔導師、ハリー校長です! 』
『……………チィ、もう引っ掛からないか。校長のハリーです 』
『あの~ハリー校長、舌打ちは酷いですよ。それと今回も消えてましたけど、何ですぐに現れたんですか? 』
『ミリー君、本気で言ってるのか? ワシはまだ追いかけられたくはないのでな! 』
『あぁ、皆さんにも紹介しておきますね。この解説ブースの上段の王家専用席には、現在国王陛下御夫妻、王太子御夫妻とこの夏にお産まれになりました王子様がご来場です。また、バーミンガム辺境伯爵御夫妻と次期当主婦人と陛下のお孫様もご来場です。そして気になっている方もいらっしゃる様なのでご紹介者します。バーミンガム辺境伯爵軍所属の海兵隊員でもあり警備部所属、そして唯一当学園の中にフリーパスで入れる警備犬のノアールちゃん3才(♀)です。ワルイ狼デハナイデスヨ! カワイイワンコですよ♪ 』
ノアール 「ワン♪ (尻尾をフルスイング中) 」
知らない人は驚いていた。
だって陛下の隣で尻尾をフルスイングしている大きな狼(3m級)がいたらねぇ。
〔陛下にワイバーンジャーキーをもらってご機嫌なノアールちゃんだった 〕
『この子は仕事をサボって消えてる校長を探してくれるとっても良い子で教官、職員共々とっても助かってます。許可を出して頂いた陛下とバーミンガム辺境伯爵様に感謝したいとの教官、職員一同、生徒一同心からから感謝します。ありがとうございます♪ 』
会場からは、割れんばかりの拍手と校長に対してのクスクス笑いが起きていた。
今日、ここに来ている外部の人のほとんどが学園の卒業生なので皆さんハリー校長のイタズラ被害者の為納得した様だった。
〔校長の普段の行いの結果だった(笑) 〕
『ク、ワシは許可しとらんのに何でだよ! 』
『さぁ、それは自業自得では? さぁ始めましょう。第1試合から始まります♪ 』
こうして試合が始まった。
第1試合
マキシムvsマウント
伊達に騎士科トップの実力者であるマックは両手剣を巧みに使ってマウント君を圧勝して勝ち上がった。
第2試合
シャルロットvsジュリアン
魔法師vs騎士の対決になるかと思ったがシャルロット様は始まったと同時に[イースト7型改魔法杖(シャルロット専用)]の機能でもある魔導機関短銃を乱射して牽制、ジュリアンさんが怯んだ隙に風魔法のウインドストームを発動させてぶつけて吹き飛ばした。
飛ばされたがギリギリ闘技場の端で踏ん張たジュリアンさんだったが、追撃で放たれたウォーターランスの直撃を喰らって場外に落ちてシャルロット様の勝ちになった。
第3試合
カイルvsダイバー
二人が会場に現れた時に、二人は共に驚いていた。
カイル君は騎士剣と盾装備だったのに今回はバスターソードにスモールシールド装備になっていた。
ダイバー君はなんと普通の杖からサウス9改槍杖(ダイバー君仕様水魔法特化型)装備に変えてきていた。
そして試合が始まったが、ダイバー君の遠距離から水魔法攻撃をカイル君がバスターソードで斬り、スモールシールドで弾いて接近を試みるが近寄れない状況だった。
そしてこの均衡が崩れた!
カイル君がロックブラスト(土、特級)をぶっぱなした!
ダイバー君は慌ててウォーターウォール(水、中級)を展開したが、相性が悪くてそのまま飲み込まれて土石流になってダイバー君を襲っていた!
そのままダイバー君は場外まで流されてしまい、カイル君の勝ちになった。
しかし不味いね。
偶然とはいえ、王級魔法のデブリーブロー(土、水の混合魔法)が小規模ながら再現されたね。
〔規模が小さいが果たして気が付く方はいるかな? 〕
第4試合
メモリvsフリート
ウ~ンメルは基本脳筋だが、何をやらかすか読めないんだよね。
面倒なので開始の合図と同時にウインドストーム(風、特級)をいきなりぶつけてみた。
するとメルはウインドストームを切
りやがった!
前に僕が魔法を切って見せたのを見て、独学で練習してた様だ。
メルはそのまま切りかかって来たけど僕も魔法を付与したサウス9(訓練用)で受けたよ。
「メル、まさか魔法を切ってくるとはね! 驚いたよ 」
「そのわりには余裕で受け止めたわね 」
「しかし、まさか魔法剣を覚えたとはね。どうやって覚えたの 」
「練習してたらハリー校長がヒントを教えてくれたから頑張って覚えた? 」
あ、ハリー校長はメルを使って魔法付与術の指導できるのかと魔法効果のできを実験したな!
まぁメルに才能が有ったと言う事にしとくか。
〔メル本人はその辺は気が付いていないよね(笑) 〕
そうとわかれば後は簡単!
メルに向かって魔法をボンボン撃ち込む事に。
サウス9は魔力が続く限り、連射可能だし魔力消費も低く押さえられるからドンドン打ち込みができる。
メルは魔法が切れるのが嬉しいのか飛んでくる魔法弾をスパスパ切りまくっていた。
結果、メルは魔力切れをおこしてフラついたタイミングでウインドストームをぶつけて吹き飛ばし、場外に落とした。
こうして僕が勝った。
メルが脳筋で良かったよ(笑)
こうして初戦は終った。
結果は!
[マキシム ]┓
[マキシム]┓
[マウント ]┛ ┃
[ ]┓
[シャルロット]┓ ┃ ┃
[シャルロット]┛ ┃
[ジュリアン ]┛ ┃
[ ]
[カイル ]┓ ┃
[カイル ]┓ ┃
[ダイバー ]┛ ┃ ┃
[ ]┛
[メモリ ]┓ ┃
[フリート]┛
[フリート ]┛
こうなった。
引き続き準決勝が始まった。
準決勝第1試合
マキシムvsシャルロット
ウ~ン、流石にマックはヤリづらいと思ったが試合開始と同時にシャルロット様のフラッシュ(光、初級)で目潰しをしてマックが怯む隙に魔弾をバラ撒くが、既にマックはその場所に居なかった。
マックはフラッシュを喰らう寸前で消えてシャルロット様の後ろに回り込んでいた。
そして近付き首トンをして気絶させていた!?
〔おいマック、いつの間に"首トン"を覚えた? 〕
参ったな、マックは[縮地]と風魔法で加速と遮音をして近付き攻撃できるらしい。
普通に厄介だな。
〔ウ~ン、騎士団長辺りだよな? 恐らく鍛えたの! 〕
あ、それで速さになれたのか!
道理でセイバーの加速や旋回が平気な訳だ!
〔ん、関係無いかな? 〕
気絶の為、マックの勝ちになった。
次は僕の番か………
カイル君だと手が抜けないね。
準決勝第2試合
カイルvsフリート
カイル君は先程と同じバスターソードとスモールシールド、僕はサウス9(訓練用)で対峙した。
「フリート君、約束を覚えているかな? 」
「聞くだけ野暮だろ。正々堂々戦おう 」
そして試合開始の合図と同時にカイル君はバスターソードで斬りかかる!
僕は正面から受け止めて鍔迫り合い状態に。
「カイル君やるね。避け損ねたよ 」
「フリート君、その割には余裕だね? 」
「普段忙しいからって鍛えてない訳でも無いしね! 」
「確かにそうだよね。僕も見習わないと! 」
一旦離れてにらみ合う。
そしてまたお互いに接近戦に入る!
僕は乱れ突きを繰り出し、カイル君はスモールシールドとバスターソードで弾く攻防を見せた!
そして僕は一旦離れる振りをして再接近([縮地]をして)して後ろにまわって至近距離からのウインドストームをぶつけた!
至近距離からの奇襲の為、対応が遅れたカイル君は飛ばされたがギリギリ闘技場の端にバスターソードを刺して踏ん張った。
〔バスターソードは床に刺さってしまったが! 〕
カイル君はバスターソードを抜こうとしたがすぐに僕が追撃のアイスランスを撃ったので回避するのに精一杯で離れてしまった。
カイル君はスモールシールドだけになってしまった。
「で、どうするのかな? カイル君 」
「………流石だよ、フリート君。でもまだまだ行くよ! 」
左手のスモールシールドに右手を添えると思いっきり引くと中から鞭? が出てきた!
しかも金属製の長鞭(約2.5m)だった!
〔長鞭って有ったんだ? 〕
「え~とカイル君、その武器は? 」
"パチン! "って地面を叩いてるよ!
「あれ、フリート君が知らないの? メローマーツって武器なんだが、偶々蚤の市で見つけてね、有ったのは革製の物でマーツって言う物だったんですよ。それをミスリルを巻いてみたんだよ! 」
「しかしその長さの物をスモールシールドによく仕込めたね? 」
「それは冒険ギルドの武器屋さんで改良してもらったんだよ 」
ヤッパリスミスさんかよ!
もうしょうがないな。
「………でもその長さの物を扱えるの? 」
「まぁサブ武器として訓練はしたけどね。じゃ行くよ! 」
カイル君はおもいっきり鞭を振り抜いた!
避けた脇を鞭が通って"パチン! "っと音がして一直線に地面が凹んだが………あれ、どうしたの?
〔連続攻撃してこないね? 〕
「ヤッパリ当たんないかぁ? 」
………どうやら独学で研究した様だった。
確かに指導者がいないと無理だろうね?
僕は振りかぶった瞬間に[縮地]で近付き至近距離でサウス9の銃底で胸を殴ってそのまま突き飛ばした!
追撃でウインドストームをぶつけてカイル君をそのまま場外に落とした!
〔油断したね、カイル君 〕
こうして僕の勝ちになった。
なお、カイル君は試合後妹達になじられていたそうです。
〔しかしあの鞭は何処から流れてきたのかな? 〕
少し休憩の後、次は最後の魔闘大会決勝戦です。
悔いが残らない様に本気の勝負をしましょう。
〔マックが相手だと油断できないよね 〕
8ーⅢ
本日もご出勤のノアールちゃん。
しっかり陛下の護衛をしてます。
そして校長をロックオンですね。
マックは首トンを覚えていた?
ウ~ン、カイル君のその長鞭、どこで手に入れたの?
今日から令和になりましたけど何か変わったのかな?