7ーⅧ話 17歳 ウラジオストク要塞 偵察結果
7ーⅧ話です。
戻って着たら大変な事に?
写真の解析をしましょう。
おまけで王都でのサファイヤちゃん達の活躍話?
7ーⅧ話
ウラジオストク要塞の偵察から無事に帰って来たフリートです。
ま、帰って来たのが夜中だったのでそのままマザーバード専用格納庫に格納してから宿舎に戻った。
昨日のメルの暴れっぷりを基地要員に聞かされていたので現場を見に行ったら………何この惨状は? だった。
おい、何でルクスⅡ型が1台擱坐してるの?
〔一体何があったの? 〕
そして朝………
朝からマックを追いかけまくる、真剣を持ったメルと逃げるマック!
〔真剣を持って追いかけてるよ! 〕
基地指令に聞くと、置いてかれたメルは基地の隊員に片っ端から聞きまくって、何とかマザーバードらしきの存在をしった。
セイバー格納施設に向かおうとしたが流石にシークレット地区なので警備が厳重だった。
〔セイバー自体も機密の固まりだからね 〕
手前のセイバー格納地区前にて、タマタマ夜間訓練中の魔装兵小隊(魔導鎧装備部隊)との模擬戦って何?
警戒中のルクスⅡ型をボコって擱坐させたって何?
〔流石に怪我をさせるのは不味いので魔力切れで倒れるまで付き合ったとか? 〕
疲れと魔力切れで倒れたので捕縛、朝起きるまで牢屋に入れたらしい。
なお、メルがブルー島指令部初の牢屋に入った人になった。
〔何気にやらかしていたメルだった 〕
さて、仲良く追いかけっこしているマック達はほっといて、情報部を召集して早速の写真の鑑定作業です。
今回の撮影した物をテーブルに各々広げて担当別に解析鑑定していきます。
〔城壁や建物の専門分析官、兵士の装備の専門分析官、大砲等の武器の専門分析官と各自専門分析官によって詳しく調べます。〕
そして書記官が各々解析鑑定結果を纏めていきます。
僕は早速あの謎の魔法陣の解析をする事に。
〔あんな大きな魔法陣は初めて見たよ 〕
まだ途中までしかできていなかったが、随分と地面を固めてから魔法陣を作っている様だった。
ただ、魔法陣の内容(一部)は読めたのだが………ただの魔力放出魔法陣に見えた?
〔ダンジョンから魔力をこの魔法陣の中心から放出するだけに見えた? 一体何の為に? 〕
他にも新型の帆船に付いていた謎の妙な筒状な物は可能性として帆に風魔法を当てる為の魔道具ではないかと?
風の魔法を帆に当てて進む事はできるのでそれを魔道具化したのだろう。
〔聖国の魔道具製作レベルが何故か上がってないか? 〕
もしそうならば風向きに関係なく、しかも風が無くても進める事になる。
ただ、船速は多少は速くなる位だろうね。
〔でも誰が思い付いて作ったのかな? 〕
他にもウラジオストク要塞の城壁は厚く、上には大砲が配備されていて一応全方位に向けて配置されていた。
城門は東西南北に4ヶ所有り、2重門構造でできていたりと色々と街の大体の構造がわかった。
〔伊達に1000年かけて要塞化しただけはあるね! 〕
南側の港の方は造船や兵器工匠が集まっていて逆に北側には兵舎等の軍事施設があって中にダンジョンの入り口らしき偽装用の建物があった。
東側は一般人居住地と畑、西側は商業区と畑になっていた。
〔住み分けができているね。ダンジョン入り口の建物から外の魔法陣まで線上の道筋ができてるね? 〕
中央区には教会らしき城並の建造物があっておそらくは、そこが教会支部と領主館、それらの付属施設らしい。
ここが中枢だろうと?
〔ここなら城壁が邪魔で海上側や陸側から大砲で狙うのは無理な位置だろうね。普通の大砲なら……… 〕
しかし、何故か船舶が少ないし兵員も見た感じは多くもない。
ダンジョン自体おそらくは攻略済みの管理ダンジョンらしいのでもしかしたらダンジョン内で訓練している可能性もあった。
〔昔からダンジョンで訓練する国は多いらしい 〕
実はこの時期、聖国は、対ウラル公国のウラル要塞の攻略準備で動員中の為に人員も引き抜かれていて、ほっとかれている状態だった。
後にとんでもない物でウラル要塞は破壊される事に………
〔全く何て物を! と実態を知ったフリートに言わせる物だった 〕
結局今後、1月に1回、定期的に高高度偵察をする事になった。
あの魔法陣も気になる所だった。
〔何に魔力を補給するのかが、わからなかった為に? 〕
川向こうのホクギン公国のカミショヴィ要塞は、大砲要塞で接近する敵を砲撃で撃退できる数の大砲が3重配置されていて、おそらく一定間隔で発射できる体制になっている様だった。
まるで織田信長の鉄砲三段構えの様な?
〔やはり思い付くのはいるんだろうね? 〕
それとホクギン公国の特殊航空魔導兵は正式にはホクギン公国航空魔導師団と言うらしい。
上空からの魔法攻撃や大砲の着弾観測まで行うらしい。
〔流石に浸透作戦や航空爆撃には使えないらしい? 〕
「確かに守りに特化した使い方だよね。まぁ、あのエアロウィングって魔物にとっては魔法兵の方が軽くて良いかもね 」
「え、どう言う事ですか? 」 ライリー隊長
「普通の軽歩兵位が限界でしょうね、吊り下げるのは。鎧付けた重歩兵や重い武器なんか持った兵は重くて飛べないでしょうね 」
「あぁ、なるほど! 確かに無理ですな 」
実際のエアロウィングは大きい個体でも約100kg位しか持てないそうです。
ちなみにワイバーンは約500kg位は余裕で飛行できるらしい。
〔ワイバーンなら専用の騎乗鎧装備で、爆弾樽(約250kg)持っても余裕で飛べるらしい 〕
もっとも高度300m以上上がれば矢も魔法も届かないので一方的に攻撃はできたが、対ワイバーン用に開発された対空弩弓が登場した後は500m以上の高度に居ないと危険だった。
なので最近は偵察や着弾観測、防衛戦等に使われていた。
〔攻めるに使うのにはあまりにも貧弱でスピードも無かった為だった 〕
「それでこの人物は誰ですかね? 」
その写真にはこっちを睨んでいるエアロウィングと術者が写っていた。
どうもエアロウィングが見つけたのを見ている様だった。
〔おそらく[遠視]系のスキルも持ってるよね、この人 〕
「もう少しお待ちを。現在諜報部で調べて居ますので 」 ライリー
「でもこのエアロウィング、よく手入れされてますねぇ。この術者が可愛がってるのがよくわかりますよ 」
「そうですか? 」
「それだけなついてると言うか、よく訓練されてる証拠でも有りますよ。他のエアロウィングより綺麗ですね 」
「そうですか。それで此方にも気がついたと? 」
「そうでしょうね。元々猛禽類系の魔物は目が良いですからね。もっとも上空まで気を使ってるエアロウィングは、この個体位でしょうね 」
写っていた他のエアロウィングは全く見ていなかったが、この個体のみしっかりとこっちを見ていた。
恐らくはそれでこの人物も気がついたと思われた。
〔あの高度なら[遠視]系のスキルがあれば見つかるよね 〕
「まぁ当面ホクギン公国とは別に争う予定も無いから良いのですけどね 」
「そうですね。相手次第ですけどもね 」
ある程度分析も終わったのでお昼に向かうとマックとメルが疲れきった状態で食堂で昼食を食べていた。
シャルロット様も居たがこちらは優雅に食べていた。
〔メルの追求は無かったのかな? 〕
「で、どうなったんですか? シャルロット様 」
「そうね、追いかけ回ったあげく、訓練場にて激しい稽古をしてたわ。それで疲れきった? 」
「………そこまでやったんだ? それでマック、午後はどうするんだ? 」
「………予定はセイバーの訓練だったけど………流石に疲れたから休むよ………ハァ~ 」
「………私も休ませてもらいます。流石に疲れたわ……… 」 メル
「そうか、それじゃよく休みなよ。それじゃシャルロット様はどうします? 」
「ウ~ン、夕べも遅かったしビーチで休憩かしら? フリート君は? 」
「僕も休憩かな。後もう少ししたら、むさしちゃん達とクララちゃんが来ると連絡が有ったからそれからかな? 」
「来たら休めないわよ(笑) 」
その時はその時ですよ。
サファイヤちゃん達の飛行訓練も見ないとね。
〔あの4姉弟は仲良しだからね 〕
王都に居る時、時々訓練飛行と称してブルー辺境伯爵邸の上空を飛ばしていたら何故か見物人が増えて見ていた。
しまいには屋台まで出る始末で災防隊や憲兵隊まで警備に来てちょっとした騒ぎに。
〔普通にドラゴンやワイバーン(チビッ子達)が飛んでたら珍しいですよね 〕
流石に警備上困ると言われたので時間とコースを決めて飛ばす事になったけど。
………なぜ中央通りの上を飛ぶルートが有るのかがわからなかった。
〔ワザワザ人通りの多い所を何故? 〕
これにはナント、商業ギルドが絡んでいた。
単純に飛行する時間を決めておけば、その時は間違いなく中央通りには見物人が集まるので、前後には間違いなく露天の売り上げが伸びると予想しての嘆願だった。
〔露天の営業権は商業ギルドが管理していた為だった 〕
商業ギルドからの嘆願で何故か騎士団憲兵隊が合意していた。
憲兵隊としても警備が限定されて楽だからと言っていた。
〔確かに決まったコースを飛べば警備が楽だよね? 〕
結局、隔週で闇の日に大通りを飛行するコースでの訓練飛行をする事になった。
もっとも不定期開催で大体月3回位のタイミングで飛ぶことで合意した。
〔勿論、変なことしたら、取り締まりますよと警告してあったけどね! 〕
最初はうちの子達だけの4機編隊だった。
けど、3回目の時に何故かクララちゃん所のムーン君も飛び入り参加する事になった? ので今は5機編隊になった。
〔うん、様になってるよね 〕
海岸のビーチで寛いで居るとサファイヤちゃんがチビッ子ワイバーン達を引き連れて飛んできたよ!
後ろを見るとむさしちゃんとクララちゃんも到着した様だ。
〔さて、お相手をしないとね 〕
サファイヤちゃん達の王都ぶらり空中散歩♪
とある無の日(地球で言う日曜日)………
中央通り沿いの屋台通りには人が集まっていた。
勿論、お目当てはドラゴンとワイバーンの飛行を見る為だった。
〔既に名物になっていた! 〕
最近は中央公園にステージができてお昼になるとそこに降りて少し休むと言うか、屋台からの差し入れを貰う場になっていた。
一応、警備のブルー辺境伯爵軍の海兵隊員と商業ギルド職員、騎士団憲兵隊が警備していたが、基本フリーだった。
〔ワイバーン専用の止まり木とテーブルにサファイヤちゃん専用のテーブルが用意してあった 〕
テーブルの上に各々露店主の貢ぎ物を交代で置くようになっていた。
この日は串焼き屋台の串焼きが置いてあった。
〔勿論、串は海兵隊員が抜いてあげてますよ 〕
12時、時間丁度に降りてくるサファイヤちゃん達。
そして美味しそうに食べていた。
〔串焼き屋台の親父は喜んでいた 〕
するとサファイヤちゃんが"キュロォォォ♪(ウマイィィィ♪) "と鳴くと串焼き屋台には行列ができた。
サファイヤちゃんは普段の食事でかなりのグルメになっていて美味しいと食べ終わった後に鳴く事が多く、屋台側としては箔が付くと喜ばれた。
〔実際、まぁまぁ以下だと鳴かなかったのである意味ハッキリしていた 〕
鳴いた屋台にはサファイヤちゃんお墨付きのプレート(ミスリル製の盾)がブルー辺境伯爵より貰える事になっていた。
勿論、海兵隊員と商業ギルド職員が立ち会っているのが条件だった。
〔不正したら預金を全部一気に下ろすぞ! と冗談を言ったら商業ギルドマスターが焦っていた(笑) 〕
まぁ、サファイヤちゃんは本当に不味いと吐き出すからわかりやすいけどね。
基本フリーな存在だしね(笑)
〔今の所吐き出し案件は無いけどね 〕
そしてお食事が終わると颯爽と飛んで戻って行くのだった!
路上や屋台の人達が手を振ってる中を颯爽と!
〔たまにこの後、王城の後宮に5匹で寄り道してお菓子を頂いて食べてるそうです。王妃様と王太子妃の所で! 〕
ホクギン公国の成り立ち
ホクギン公国は分裂当初、北チョウカ帝国と名のっていた。
分裂前のチョウカ帝国最後の王太子が作った国だった。
〔チョウカ帝国を分裂させてしまった元々の原因を作ったバカ伯爵の後ろ楯がこの王太子だった 〕
分裂して内戦で2正面作戦をしていた為に、疲弊していた北チョウカ帝国。
それを憂いだ当時大公だった前皇帝の弟がクーデターを起こして政権をダッシュ、ホクギン公国を成立させた。
〔皇帝を逆賊として家臣達の前で処刑していた! 〕
クーデター成功後、ナンギン帝国とコウライ王国に呼び掛け、停戦に持っていった。
後に休戦条約を結び、国名をホクギン公国として現在に至る。
〔当事者の大公さんは中々優秀だったらしい。分裂した3国の中ではいち速く財政を立て直し、今のホクギン公国の基礎を磐石にしたらしい 〕
7ーⅧ
メルさんのアバレっぷりに驚愕!
ウ~ン、聖国の狙いは何?
サファイヤちゃん達の空中散歩です。
商業ギルドの商魂たくましい所に脱帽ですね。
ウ~ン新元号は令和だったね。
僕の予想は外れてしまった(笑)
でも予想当たった人居たのかな?
R2.2.3 一部修正。
ホクギン公国の成立辺りを