7ーⅥ話 17歳 ウラジオストク要塞 偵察訓練
7ーⅥ話です。
早速訓練を始めましょう。
大精霊は自由です。
しかしマックは何故操縦が上手いのかな?
7ーⅥ話
8月上旬
僕はブルー島航空基地の1区画に来ています。
ココでは現在、F―Ⅰセイバー戦闘機の訓練が行われている。
〔現在、6名の隊員が整列しています 〕
本日は新人の航空隊員のセイバーの初乗りの視察です。
ゲストのライリー隊長も一緒です。
〔おや、ライリー隊長の顔が青いですね? 〕
「大丈夫ですか? ライリー隊長 」
「………どうしても乗らないといけないのですか? 」
「流石にいきなりマザー乗るのも変でしょう? 一応、訓練しとかないとですね。万が一の時に困りますしね 」
「だからってあんな高い所から落とさなくても! 」
「万が一高い所から落ちた場合に安全に降りる為ですよ! 」
「基本あり得ないでしょうが! まだ墜落したって聞いてませんよ! 」
「そりゃそうですよ? その為にゴーレム化したのですよ。もっとも最初はヤバかった事が……… 」
隣で聞いていた、一緒に訓練した他の教官達も目を反らしていた!
「一体何が有ったんですか! 」
「ウ~ン………(僕以外、気絶した事が………)……… 」
教官達も最初の飛行訓練の時はGに耐えられなくて気絶していた。
そう、馴れるまでが大変だった!
「では、これよりF-Ⅰセイバー戦闘機、実機による機上訓練を始める。今回はブルー辺境伯爵様も特別参加している。良いか! 無様な姿は見せるなよ! 」 教官A
「「「「「「「ハ! 」」」」」」」 訓練生6人
「なお、今回はセイバー04~06の3機で訓練を行う。皆、この飛行訓練を楽しみにしていただろうが、ブルー辺境伯爵様の前で無様な姿を見せた者はもれなく地上訓練3セット程のプレゼントが有るのでお楽しみに 」 教官B
「「「「「「「ハ! 」」」」」」」 訓練生6人
現在、セイバー01は僕の専用機、02と03は交代で哨戒任務中、なので訓練には04~06を使っていた。
現在、セイバー戦闘機隊はブルー辺境伯爵軍海軍航空飛行大隊所属となってるが、機数が30機揃えば正式に空軍にする予定です。
〔ブルー島、フェロー島と後1ヶ所に空軍基地を作って10機づつ配備予定です 〕
なお、今回仕入れたワイバーン素材で何とか10機分の量産ができるが、飛行船ホエールの製作とマザーバードの改造で基本まだ手付かずだった。
ワイバーンの魔石は32個仕入れたので、20個をセイバー10機に使い飛行船ホエールに5個、僕用の新型専用機に3個、予備に4個取って置く事に。
〔実際はセイバー10機その物はできていて、本体制御用とエンジン用に魔石を組み込むだけなんだけどね。専用機は現在製作中(笑) 〕
「私からも一言。今回は私もセイバー01にて一緒に飛びますが、最初は誰でもあります。今までの訓練は最悪の想定の元に対応する為の訓練でした。ただ、本当に危険な事は、操縦中の気絶です。何も対応ができなくなるからです。教官達は今日の訓練飛行は君たち訓練生を気絶させてきます。なので今日は耐えて下さい。もし気絶せず耐えきったなら次の休み前の酒代を出しましょう。ちなみに今回の飛行訓練を担当する教官達は皆最初の飛行訓練時に全員気絶してますからここは教官を越えるチャンスですよ! 」
「フリート様、勘弁してください。我々の威厳が無くなるでしょう! 」 教官A
笑い合う教官達も目は真剣です。
早速セイバー01に乗り込みましょう。
取りあえずは、ライリー隊長を後部座席に固定してから出発です。
〔マスマス顔が青くなるライリー隊長 〕
「では出発しますね 」
「………よろしくお願いします 」
《もうダラシガ無いわね、ラルフは♪ 》
《シカタガナイダロウ。ラルフハ高イ所ハ苦手ダロウニ♪ 》
突然現れた大精霊達に高所恐怖症をばらされたライリー隊長。
高い所が苦手な人(エルフ?)はいるからね。
「ヘェ~、そうだったんですか? 」
「………昔から高い所が苦手でしてやっと城のシャトーまでだったら馴れたんですが……… 」
《ホウ、ナラ高ク上ガッテモ問題ナイナ? フリート、高ク上ガッテクレ♪ 》
《もうイフリートったら。私からもお願いね♪ 》
「大精霊様、ご勘弁を! 」
『ブルー島コントロールからセイバー01、離陸許可します 』
ラジオから管制塔からの指示が聞こえた。
セイバーの尾翼の上に付けたランプを光らせて合図を送る。
〔そう、モールス信号ですね 〕
「では出発します! 」
「………ハイ……… 」
《しっかりしなさい、ラルフ♪ 》
《シッカリシナイカ、ラルフ♪ 》
大精霊達はライリー隊長をからかってるね(笑)
当人はそれ所では無いだろうね。
〔顔が真っ青だしね。大丈夫かな? 〕
『訓練の無事を祈ります。アルテナ女神様のご加護を! グッドラック♪ 』
返信のランプを光らせてからセイバーを発進させた。
「ライリー隊長、上空8000mですよ。………起きてます? 」
「……… ハイ、だ、大丈夫です……… 」
相変わらず………あ、顔が白くなってるね。
大丈夫か、ライリー隊長?
《やっぱりココからの眺めは最高ね♪ 》
《ウ~ン。フリート、早ク曲芸飛行ヲ頼ムゾ! アレハ楽シイシナ♪ 》
大精霊達は自由です。
イフリートさんはスピード狂ですしね。
〔前にやったらハマってた? 〕
「イフリート、今日はやらないよ。流石にライリー隊長が持たないからね。なんなら訓練生の方が面白い事になってるかもね? 」
下方でセイバー3機が飛んでいたが………
早速のGの洗礼をやってるね、教官達は!
〔最初にあの飛行は無いだろうに! 〕
《ウム、確カニ楽シソウダナ。ソレナラ此所カラ高見ノ見物シテオコウ。デモ、フリートノ操縦ノ方ガ面白イシナ♪ 》
《もう、そんなに楽しいの? あの飛行? あれは人ならかなりキツいけど私たち精霊は関係無いけど………私はゆっくり景色を眺めていたいわよ♪ 》
精霊は自由なのだがこの性格の差は何でだろう?
イフリートは大雑把で過激? フラウはユルフワ系なんだよね?
「お、もう気絶したかな? 」
下方にて飛んでたセイバー各機が降りる様です。
『セイバー04、05、06が着陸します。滑走路要員は準備を! なお、救護班は準備をして待機! 』
ラジオから聞こえたので全員気絶で間違いないだろう。
「さて、ライリー隊長、もう慣れましたか? 」
「流石に馴れるのは……… 」
「では、まず足の前に有る物を引いて下さい 」
「え、この四角い物か? 」
ライリー隊長は箱を引くと足の間に挟む位置で固定した状態になった。
「では、上から覗いて見て下さい 」
「え、覗くのですか? ………ウワァァ! 」
「今見えてるのはブルー島ですね。どうです、見た感想は? 」
「………こんなにはっきりと見えるんですね? でもカメラはセイバーには搭載できないのでは? 」
「えぇ、だから今回はレンズだけですよ。流石にカメラ本体は無理ですから 」
今回、セイバー01には空撮訓練用にカメラ機材の一部を使って搭載した物だった。
セイバーに搭載できる大きさになれば偵察型も作る予定でも有るけどね。
〔流石に今現在は無理だったけどね 〕
「今回はそれで馴れて下さい。本番の方はもっと余裕で撮影できますのでお楽しみに! 」
《そうね、お菓子食べながら遊覧も楽しいからね♪ 》
《私ハ酒ガ有ルトナオ良イガナ♪ 》
精霊は自由です。
特に大精霊達は!
「大精霊様、遊びに行く訳では……… 」
「ライリー隊長、精霊は自由ですから……… 」
こうして恙無く訓練が続く。
そしてライリー隊長は、何とか乗り切った!
〔まぁ、アクロバットな飛行さえしなければね! 〕
3日後………
訓練の途中、シャルロット様といつもの仲間が来たよ。
どうやら宿題は終わったらしいです。
〔流石に去年の様な事は事前に阻止させてもらった。終わったら来て良いと。シャルロット様に監修をお願いして終わらせてもらった 〕
本来、ブルー島に来るには………
①バーミンガム領のポーツマツ港からシード島経由の専用定期便
②フェロー島フェロー港からの専用定期便
③ブルー辺境伯爵軍艦艇を利用しての直行便
………の3通りの方法がある。
〔今回は②フェロー島経由だったので、フェロー港に着いた時点で連絡が有った 〕
着いたばかりで疲れた様子のシャルロット様とメル。
マックは、鬱憤を晴らすとばかりに準備していたセイバー02に乗り込む?
そして僕との空中戦訓練です。
〔颯爽と離陸する2機! 〕
訓練生達は空中戦を見て驚いていた。
教官達はまた始まったと賭けを始めていた。
〔呆気に囚われる訓練生とマックが何回後ろを取るかを賭ける教官達だった! 〕
訓練では、空の上で後ろの取り合いをしてどちらが何回取るかが争われます。
意外なのはマックは空中戦の才能が有った事だった。
〔前回は5回に1回で後ろに付かれたが……… 今回は3回に1回だった。ヤバイ! 〕
地上に降りてから………
「クソー! また負けた! 」
「何言ってるマック! 何で確実に腕を上げられるんだよ! 」
「………わからん? 何でだろう? 」
「普段ろくに飛行訓練もしてないのに………お前別の意味ですごいよ! 見ろよ、今年の訓練生が驚いているぞ! 」
「え、そうか? 珍しい、フリートが誉めるって? 」
「………まぁいいや。それじゃ訓練生の訓練を見ようか? 」
この後は訓練生の訓練の様子を見ながらの教官達との訓練スケジュールの話になった。
まだ機体は増やせないが、近々10機程追加配備するのでと言っておいた。
〔近々、ブルー島とフェロー島間の飛行訓練をするそうです 〕
8月………
訓練も佳境に入りライリー隊長もだいぶ馴れた? ので本番前のテストでワンタイ島の空撮に行きます。
「ほう、あれが例の島? 島船ですか 」
「えぇ、あれをどうやって動かすかと思ったら、まさか普通に帆船航法とウォータードラゴン(水竜)に引かせて動かすとはね 」
ブルー辺境伯爵軍では勝手に島船と名前を付けて呼ぶことにしていた。
見た目が島のように大きく、上から見ると全体的に楕円形だった為だった。
〔しかし無駄にデカいよな! 〕
しかしどうやって捕獲したのかウォータードラゴンを使って引かせるとはね。
しかも数頭もどうやって捕まえたのか?
〔訓練なのか、1頭にガレー船1隻を引かせていた! 〕
「流石にどうやってウォータードラゴンをテイム? したのかがわからないけど、ライリー隊長は何か情報あります? 」
「ウ~ン、もしかしたら昔火竜様を捕まえる為の魔道具、[令束の首輪]でも使ってるのかな? 」
[令束の首輪]、それは先代火竜ロイエ様を捕まえる為、当時のチョウカ帝国が開発した魔物を従属させる魔道具だった。
ただ、それを使っての火竜確保作戦は失敗していた。
〔元々その首輪をどうやって付ける事自体が無謀だったけど、そもそも火竜クラスの魔物に首輪の効果が有る訳がなかった 〕
「でも、どうやって付けるの………って言うか普通に無理ですよね? 」
「しかしどうやって捕まえたんだ? 」
後にどうやったかは判ったが………その件でフリートが珍しくかなり怒っていた。
そして……………したのだった。
〔何をしたかは後の話になります 〕
8月中旬某日………深夜!
「では出発しますよ! 」
こうして本番のウラジオストク要塞偵察作戦が開始された。
7ーⅥ
実機での訓練はしないといけませんんね。
しかしどうやって水竜を捕まえた?
因みに水竜のモデルはフタバススキリュウタイプだとおもってね。
5/26 大精霊の会話の表記変更! 『 』から《 》に。