6ーⅡ話 16歳 先輩達の卒業………からの?
新年2日目の投稿です。
6ーⅡ話です。
卒業模擬試合の続きです。
ウ~ン、先輩は強いね。
そしてまさかの…………
6ーⅡ話
「それでは卒業模擬試合、開始! 」
バスター先輩vsフリート君の勝負が始まった。
最初の5分間は約束通り、槍の演武っぽく試合っていた。
〔回りの卒業生、在校生達は驚いてるよね(笑) 〕
5分ほどたった頃
「双方、ヴォーミングアップは良いかな? 」グリッド教官
「「ハイ! 教官 」」
間合いを取る二人。
『エ~ト、どういう事でしょうか? 』
『ホ・ホ・ホ・♪ どうやら最初は演武っぽくしてたようじゃのう。まぁ、グリッド教官も知っていてやらせた様じゃのう 』
『そうすると………何かすごい物を見せられた様な? 』
『そうなるのう。さて、これからが本番かのう? 』
「さて、先輩。魔導鎧はどうなりました? 」
「それは今から見せるよ♪ それに今回の魔導鎧は前回のとは違うぞ! 」
「なるほど! 改良に成功しましたか? 」
「そうだね。フリート君のおかげかな? 早速見せよう………新魔導鎧! 」
すると先輩の着ていたハーフメイルの鎧が少し大きくなって回りに黒い粉(恐らくはミスリルの粉)を蒔いていく。
そして回りの土が形を作って先輩に張り付いていくではないか!
〔前回は騎士鎧そのままだったが、今回はチェーンメイル? いやスケイルメイル(表面が鱗状になってる)だった 〕
なるほど、それが先輩の答ですか?
これは結構ヤッカイですね(笑)
「先輩、何ですかその鎧って言うか………鱗? 」
「フフ、ただの鱗では無いぞ! 」
「まぁそうでしょうね。ちなみにゴーレム核は使ってませんよね? 」
「それは大丈夫。ロイド教官のお墨付きだからね(笑) 」
「………まぁ先輩、御愁傷様。後がシツコイ………ア! 明日で卒業でしたね。先輩、逃げ切りましたね? 」
「そう言う事♪ ではやろうか! それとも準備する? 」
「先輩、それを言います? 僕が使うにはゴーレム核使うしかないのに! 」
「悪いワルイ、そうだったね。しかしあれは何なの? 親父が倒すのに苦労したって言ってたけどね? 」
「エ、倒したって何? 冒険ギルドで実験したって言ってたけど何してるの? 」
忘れてた。
ギルドマスターも脳筋だったのを!
「まぁ良いか? では前回の続きで、[ブリザード]! 」
「なんだと! 」
吹き荒れる雪吹の中、また氷のな……………凍り付く様子が無かった!?
「あれ、凍り付かない? どうして?? 」
「そりゃ改良はするよね? この鎧、ヒーター付きだしね(笑) 」
どうもヒーター? を付けたらしいってどうやったの?
ん、鱗の何枚かが赤くなってるね?
「………なるほどね。その赤くなってるのがヒーターの正体ね。その鱗だけミスリル製ねぇ……… 」
「あれ、もうばれた? まぁ専門家に見られたらバレるか(笑) 」
「………じゃぁ、暖めたらどうなるのかな? [ファイヤーストーム]! 」
「エ、ちょっと待て!! 」
炎の渦がバスター先輩を包む。
しかし………
「熱いぞ! フリート君 」
「ヤッパリそうですよね(笑) 」
やはり鱗の1部が青く光ってますよ(笑)
冷暖房装備って何?
「まさかの冷暖房完備ってすごいけど………高くない? 」
「あぁ、結構高くなりそうだよ。こいつは試作品だからね 」
「すると困ったね。一応、[ウォーターランス]っと! 」
「何でだよ! 」
ウォーターランスをぶつけて濡らしてみたがやはり冷暖房鱗のせいで効果が無かった。
まぁ当たり前か(笑)
「う、冷た! なにするんだよフリート君 」
「いや、暖めたから水で壊れないかと? ヤッパリダメか(笑) 」
「流石にそんな事はさせないよ(笑) ではこっちから行くぞ! 」
先輩はロックニードルを撃ってきた。
しかも連射してきた!?
〔流石スミスさん。良いものを作ってますね♪ 〕
僕はアイスウォールを展開、トーチカ風に展開して攻撃を防ぎながらアイスニードルを打ち返す。
照準の差で僕の攻撃は当たってるが魔導鎧の効果でイマイチ効いて無い様だった。
〔ウ~ン、何かズルいよね? 〕
「ウ~ン、先輩ズルくねぇ? ヤッパリ魔導鎧はダメってことにしとけば良かったかな? 」
「今さら言ってもダメ。認めたなら最後まで認めなさい! 」
「ク、仕方無い、奥の手を使うか! 」
「エ、エ~トフリート君、奥の手って何? 」
「では行きますよ。先ずは[ウォータートルネード(水魔法 特級)]! 」
バスター先輩の回りを水の渦が取り付く。
しかしすぐに水の渦は消えた!?
「オワ、冷たい! また凍らす気か! 」
「ウ~ン、ちょっと痺れてもらおうかと? 」
「エ、痺れるってまさか!? 」
「ハイ正解! [スポットサンダー(雷魔法 特級)! ]
"バヂン! "と音がして雷がバスター先輩に落ちる!
そして倒れる先輩………あ、威力が高すぎたか!
〔それでも起き上がる先輩って………ゾンビ? 〕
「ウグァ、痺れるぅぅぅ! 何で魔導鎧が効かないんだよ! 」
「いや先輩、予想より効いてませんね。おかしいな? もっと痺れても良いのに? 」
「いや、十分効いてるぞ! って何で効くのかな。もう頭がクラクラする。ドウナッテル? 」
「魔導鎧はあくまで魔法耐性を上げる事はできますけどね。ただ、ずぶ濡れの時に雷を落とすと濡れた部分を電気が通りますからソコソコ効いたのでしょうね。普通の装備、金属騎士鎧だったら殺られていますけどね? 」
実際に全身鎧の様な魔物、サンドアルマジロ? に襲われた時に水ぶっかけてからの氷攻撃で氷浸けで倒したって母上が言っていたけどね。
で、水から電気のコンボを思い付いてシーサーペントで試したら正解でしたけどね………素材がパァだったけど。
〔電気流したら皮から魔石まで痛んで使い物にならなくなったよ。肉は何故か美味しくなってたけど何で? 〕
「そんな攻撃するな! 普通の生徒だと即死するだろうが! 」
「エ、普通じゃない生徒に使いますよ。先輩(笑) 」
「ウグ、俺は普通の生徒だろう! 」
「またまた、ご冗談を(笑) 」
「クソ~、一死報いてやる! [ロックブラスト(土魔法 特級)]! 」
土魔法のロックブラストは土石を大量に相手に飛ばす魔法で大量に土石が飛んで来た。
「おっと危ないな! ではこっちも[ロックブラスト]! 」
ロックブラスト同士をぶつけるとどうなるか?
結果は土石の山ができる。
「………やはり無理か? ってフリート君も使えたの、ロックブラストを! 」
返事がない?
「さて、どっちだ? 右か左か………それとも山頂か? 」
答え………3方向(左右上)から岩の塊が飛んで来た!
「ナ、3方向から同時って! クソ~当たれ!! 」
先輩は左から来る岩を槍杖のロックニードルで、上からの岩をロックランスで迎撃、そして右から来る岩を槍杖で凪ぎ払った!!
「あれ、いない!? どこだ? 」
すると目の前の山が爆発した!?
そして土砂が崩れると言うか襲って来た。
「なんだと!! オワ…………… 」
バスター先輩は生き埋めになっていた。
そしてフリートは土砂の山の上で何故かサウス9改を山に刺して立っていた。
『エ~ト、フリート君は何をしてるのですか? 』
『そうじゃのう。おそらくは山を固めているのだろう? 』
『エ、そう言う事ですか? 』
『まぁ、封印しているのだろう(笑) さて、バスターは脱出できるのか? 』
そう、僕は岩を3方向から投げつけた隙に目の前の土石の山に魔力を注ぎ、アースコントロール(土魔法特級)を発動させて先輩ごと土石で封印するかの如く閉じ込めた。
しかもしっかりと破壊されない様に魔力の重ね掛けをしていた。
〔これで脱出したらすごいよね(笑) 〕
『あ、でもバスター先輩は今どうなってるかわからないですよね? もし気絶していてもわからないのでは? 』
『「「あ! 』」」
『それでどうします? 校長、教官 』
『そうじゃのう………2分たっても変化が無い場合はフリート君の勝ちで即拘束を解いてもらおう。2分以内で出て来たら勝負再開でよいじゃろう。それで良いか、グリッド? 』
「……………そうですな校長。バスター、2分以内で出て来れなかったら失格とする。以上、後残り1分50秒……… 」
グリッド教官のカウントは容赦無く続く。
会場も静まり、物音一つ聞こえない……………(コツ)………エ?
〔なんか聞こえた様な? 〕
封印した土石の山をよく見ると1ヶ所亀裂が入っていた!?
その亀裂が徐々に大きくなっている様な?
そしてギリギリの10秒前、バスター先輩は脱出したが………
「ハァハァハァ………参ったよフリート君。もう魔力が無いよ! ………(バタン!)………Zzzzzzz…………… 」
バスター先輩は倒れてそのまま寝てしまった?
「勝者、フリート! 」
なんとか勝てたけど本当しんどいね。
しかし先輩の魔導鎧はスゴイ改良されていたな。
〔流石スミス冒険ギルド専属職人♪ 〕
魔導鎧は欠点として常時魔力を使っていないと保持できない本来は短期決戦型の魔法だった。
バスター先輩とスミスさんは可動時間の延長の為に、魔力の消費を押さえるためと安定化のために魔導具化していた。
〔そう、先輩が着ていた軽装鎧がそうだった 〕
その可動時間の改善策としてフリートラボラトリではゴーレム核を利用した試作品を現在ブルー島にて試験中だった。
新設の試作実験中隊を使って。
〔航空隊とは別口ですが、降下鎧はこの部隊が試作品のテストをしました 〕
こうしてバスター先輩との卒業模擬試合は終わりました。
あ、バスター先輩の鎧を救護員が脱がせたのをチャッカリ持ち逃げしてるぞ、ロイド教官が!
〔ついでに槍杖も持っていったな。バスター先輩が回収するまで原型を留めているかな? 〕
次の日は卒業式です。
つつがなく卒業式も終わり恒例の水掛ですが、今年はリチャード、バスター先輩コンビを固定して卒業生が順番に一緒に水を被る事に。
ヤッパリお二人とも人気者ですね。
〔順番待ちの列が長いです。水玉用意するのも大変です 〕
最後はいつもの様にサッパリと流しましょう。
ウォータースライダーのごとく♪
〔先輩達は喜んでいた………よね? 〕
4月、僕たちは無事に高等部2年生になった。
ほんと順位が変わらんね?
〔Aクラスは実力者が上がってきてるけど3/4は庶民になったね 〕
そしてクララちゃんが初等部1年生として入学しました。
しかも首席ですか!
〔何気にお勉強ができたクララちゃん。お兄ちゃんは嬉しいですよ 〕
そして最近一番驚いたのは、王国海軍の入隊式に何故かバスター先輩とリチャード第2王子が入隊していたってどう言う事?
リチャード王子は普通騎士団の訓練部隊に入っていずれは何処かしらの領主か王家直轄領ダンジョン、クロイドン迷宮街の領主になるかだった筈だよね。
〔まさかの海軍に進むとは驚いた 〕
それにバスター先輩、あんた冒険者になるのではなかったの?
まさか海軍の門を叩くとは思わなかったよ!
〔後で話を聞いてみよう 〕
あ、ジェームズ・ナイト・クック王国統合連合艦隊総司令官殿とフィリップ・ナイト・カートレット王国海軍司令官殿の顔がヒキツッテるね。
裏で王家………陛下に無茶ぶりされたかな?
〔後でそれとなく聞いておこうかな? 〕
こうして波乱の王国海軍の入隊式典は終わったけど………
「何でリチャード王子が海軍に? 」
「いや何、海軍の方が面白そうだしね 」
「それでバスター先輩は? 冒険者になるんじゃなかったの? 」
「それは………リチャードに巻き込まれたと言うか……… 」
「嘘をつくな! お前、セイバーに乗りたいから海軍に入ったんだろう。確かにあの空を飛ぶのは楽しいけど訓練があれではねぇ。ま、入ったんだから楽しくやろう(笑) 」
「殿下と一緒だと楽しくないかもね。もうお守りはしたくないよ(笑) 」
「まさかまた依頼ですか? 王妃様の? 」
「今更依頼も何も無いよ! 本気でお守りはしたくないしね 」
「なぁ~んだ、それならブルー辺境伯軍に来れば良かったのに(笑) 」
「エ、フリート君所募集してたの? 」
「え、先輩見てなかったの? おかしいな? 募集要項を書いた資料は学園の募集掲示板に貼ったけどね。もっとも張ったのが2月だったから遅かったかな? 」
辺境伯軍になってますます人で不足になってきたので急遽、募集する事になったけど遅かったかな?
「おかしいな? 卒業式ギリギリまで掲示板を見てたんだが……………ん、………あ、まさか殿下! 」
「何のことかな? さて、式典も終わったし明日から訓練が……………って何、フリート顧問? 」
どうやらリチャード王子が何かしたらしい?
「まさか殿下のいたずらねぇ。それで募集しても誰も申し込みが無かったんだ? さて、これは王妃様の採決待ちかな? 」
「ちょっと待て、フリート卿。それは勘弁してくれ。マジで! 」
「あら、私がどうしたのかしら? 」
何故か海軍の女性士官の服装のエリザベス王妃様が後ろに立っていた。
「な、何で母上が居るのですか! 」
「それは息子の晴れ舞台を見に来ただけよ。フリート卿に頼んでお忍びでね。さてリチャード、詳しい話を聞きましょう。わかってますよね(ニコリ♪) 」
「いや、私は今日から海軍の宿舎に入りますので………って聞いてます母上。フリート卿、助けて! 」
「エ~ト、リチャード訓練生、明日の朝までには戻れば良いのでゆっくりして良いぞ(笑) 海軍司令部には私から話しを通しておきます。では王妃様、城までお送りいたします 」
「ではフリート卿、お願いしますね 」
「リチャード、宿舎の方は俺が言っとくよ。まぁガンバレ(笑) 」
「何でだよ! お前ら覚えておけよ! 」
こうしてリチャード王子はエリザベス王妃様に連行されて行った。
次の日の朝、目の下に隈を付けたリチャード訓練生が訓練初日を迎えたそうです。
6ーⅡ
まさか海軍に入隊するとはね。
アレ、ウチには?
王子の明日はどっちだ(笑)
今回は年末年始で投稿しましたけどどうでしたか?
次は2月頭の投稿予定です。