6ーⅠ話 16歳 災害防衛隊発足
新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
新年は2話投稿します。
6ーⅠ話です。
新年と言ったら消防出初め式?
災害防衛隊発足です。
6ーⅠ話
3016年1月
新年になり僕も16歳になりました。
昨年は色々と大変な事(行きなりの辺境伯爵への昇爵やシャルロット様との婚約発表等)が有って大変困惑したし、忙しかった。
〔あれ、ほぼ陛下絡み? 〕
今年こそはゆっくりしたい………です。
まぁ無理だろうね(笑)
〔最近は諦めモードのフリート君だった 〕
新年早々、王都に災害防衛隊が発足した。
宰相様指導で王都の防災を主眼に将来的には全国の主要都市に普及させる組織の見本として作られた。
〔宰相様が張り切って作っていたよ 〕
この組織、自然災害や火災等の早急な対処を元々考えていた宰相様がブルー辺境伯爵邸の隣の火災時にルクス達の活躍を聞いて必要と感じ、陛下に進言して発足した。
勿論、予算もしっかりと確保(王家の予備費からって!)して僕に特殊車両の開発を依頼されて来たよ!
〔忙しいのに無茶を言ってきたよ! この宰相様は!! 〕
バーミンガム領の工匠で現在トラックの量産化の研究をしているチームに荷台に水タンクと魔導ポンプとホースを積んだ消防車製作をお願いしてみたよ。
そしたら立派な消防車? が5台できて貨物船で運ばれて来たよ。
〔図面通りの結構立派な消防車? ができてたよ! 〕
しっかりとチェックして機能も確めてから王国に納品したのが観閲式前の11月下旬だった。
取りあえずはこの5台で最初の消防隊を組織する事に。
〔まぁ色々と助言しかできなかったけど、何とか形にした宰相様はすごいと思うよ 〕
災害防衛隊の初代司令官には王国陸軍より、防災の事をしきりに進言していた ケント・ナイト・ケンブリッチ災害防衛隊司令官が就任することに。
この人はケンブリッチ子爵家(貴族派寄りの中立派)の元三男坊で今は出奔して陸軍に入った変わり者だった。
〔家に残っても良かったが、兄達と反が合わなかったそうです。兄達は貴族派に罵倒していたらしいけど……… 〕
陸軍の一兵卒からの出世で陸軍の王都防衛隊の士官(結構上の方)に就いた日から火災等の備えがなってないと上司に噛みついていた。
その様子を偶然見ていた宰相様の部下(ロジャー先輩? )が報告、面談後引き抜いたそうです。
〔まぁ陸軍の上司は宰相様の引き抜きにどうぞどうぞだったらしい 〕
それならばとケント司令官は陸軍中心に人員の募集をすることになった。
陸軍を中心に人員を募集して王都を始めとして全国各街に災害防衛隊を作ると張り切っていた。
〔まぁ防災は備えあれば憂い無しだしね 〕
1月6日、この日イングスランド王国災害防衛隊発足式典が行われた。
今回は王城前広場にて各車両を並べて、一斉放水をして終る予定だったのだが………
「申し上げます。商業区にて火災が発生、現在騎士団が対応していますが、火の勢いが強く……… 」
「陛下、火災が発生したのでこのまま出動致します。無礼をお許しを! 」 ケント司令官
「何を言っておる! 直ぐに王国災害防衛隊は出動せよ。そして国民を守れ! 」
「「「「「「「「「「ハ! 」」」」」」」」」」
こうして緊急初出動になってしまった。
そして発足式典に出席していた装備開発者代表のフリート辺境伯爵を捕まえた陛下は!
「フリート卿、彼らの活躍を早速見に行くぞ! 」
「陛下、何を言ってるのですか? 我々が行っても邪魔なだけですよ。それよりも報告を大人しく王城で待つのも最高司令官でもある陛下の仕事では? 」
「ウ、………正論でも有るな。でも王国災害防衛隊の活躍を見たいぞ! 」
「そんな無茶な事を! 兎に角ダメです!! 」
「そうか? セイバーで上空から観ていれば邪魔にはなるまい? 」
確かに空の上から観ている分には邪魔にはならないが………
「セイバーは現在パイロットの養成で全機ブルー島に有りますので無理です。知ってましたよね? 」
「あ、そうだったかのう。ウ~ン代わりは無いのか? 」
「無いです! 」
「そうか………残念じゃ……… 」
あれ、ゴネナイネ?
………あ、バルコニーから王妃様が見ているね。
〔あぁ、納得(笑) 〕
王国災害防衛隊の活躍で火災の方はすぐに消火されたのだが………
後の調査でどうも同時に3ヶ所から出火していたらしい。
〔しかも風向きを考えた様に? 〕
騎士団憲兵隊の調査結果でこの火災は放火と断定、犯人グループの捜索が始まった。
懸命の調査の末、グループの一人を捕まえたがすぐに毒を飲んで自決していた。
〔この時点で愉快犯ではなく、ある組織ではないかと? 〕
「そうすると、スペクターの残党の可能性が有ると? 」
王城のいつもの会議室でいつものメンバー+αが揃っての会議です。
参加者は陛下、王太子、宰相様、父上、エジンバラ卿、ライリー隊長、ジェームズ・ナイト・クック王国海軍連合統合艦隊司令官(海軍代表)、アーサー・ナイト・パーシバル陸軍総司令官(陸軍代表)、ケント王国災害防衛隊司令官と僕フリートが参加してます。
〔匆々たるメンバーが揃っています。僕いるのかな? 〕
「ハイ、陛下。自決した者の周りを徹底して調査しまして、スペクターの残党であると結論でした。今回は特に指令書等の回収はできませんでしたが、どうもナンギン帝国系の諜報関係者も捜査線上に浮かびましたがただの連絡役と言うか………恐らくはただの手紙の配達人だった様です。まぁ良い商売になってる様ですね 」
どうもアルバイト的に指令書等の輸送業務を代行している者が居るらしいって?
この方法だと指令書等の阻止は無理だろうね。
〔どうなんだろうね。この辺の事は? 〕
「ただ、今回の火災にはどうも実験をしたかの状態でして……… 」
ケント司令官の話ではあの放火をした場所だとこの時期北西からの強風が吹くので下手をすると燃え広がって商業区は全滅した可能性が有ったとか。
もっとも火災の発見が早かった為、被害が小さい内に消火できたのが幸いしたと。
〔初期消火は大事だよね 〕
「ケント司令官、実験とは? 」 アーサー司令官
「この時期に火を付けた場合の燃え広がりがどのようになるかとかの調査なのでは? 」
「ウ~ン、そうすると例の件も絡んでくるようだのう 」 陛下
「恐らくは……… 」 宰相
「陛下、一刻も早く災害防衛隊の増員をお願いします 」
「ケント司令官、私の方からも人員は都合しよう。王都防衛隊からも応援を寄越そう。指揮下にして構わないぞ(笑) 」
「よろしいので? アーサー司令官 」
「な~に、それ位構わんよ。別にこき使っても良いぞ 」
何気にケント司令官を買っていたアーサー司令官だった。
そして………
「それでフリート卿にお願いが有ってな……… 」
「ん、何でしょうかアーサー司令官殿? 」
「別に殿は要りませんよ。所であの陸亀さんを陸軍に配備出来ないだろうか? 」
ウ~ン、そう来ましたか………
「………ウ~ン一応、ブルー辺境伯軍の切り札と言うか防衛の要でして………量産は難しいと言うか………一応、ゴーレムなので 」
「それならば仕方が無いですね 」
おや、あっさりと引きましたね?
「それならばルクスⅡ型の配備をお願いしますね。陛下、よろしいですかね? 海軍ばかりズルいですぞ(笑) 」
なるほど、本命はルクスⅡ型でしたか。
量産化した物ならば配備できるよね。
「そうじゃのう………宰相、来年度の予算は大丈夫か? 」
「はい、一応予算は組んでいますよ。一応、初年度で30台分配備を予定してます。どうでしょうか? アーサー司令官 」
「は、ありがとうございます。最初は第1師団内に配備して訓練していきます 」
「訓練は海軍海兵隊で請け負いますよ 」
「その時はお願いします。ジェームズ司令官 」
この後、ケント司令官がⅣ号リー工兵戦車の配備を希望したので現在テスト中の非武装パワーショベル型の試作車両を1台テストしてもらう条件で貸し出す事に。
後に放水砲塔付きのパワーショベル型消防車両ができるきっかけになった。
〔他にも特殊車両が誕生する事になったけどね 〕
新学期になって………うん、何時もの校長の全体攻撃が何時もの様に有った。
そして何時もの様に校長の簀巻き姿が観られたそうです。
〔最近は校長トラップの解除の仕方を聞きに来る生徒が多いですね(笑) 勿論、指導しますよ 〕
特に3学期は行事も無く、何時もの様に過ごしています。
発足した災害防衛隊(世間では防災隊と言われていた)はこの時期に多い建物火災や積雪による除雪等で大活躍していた。
〔除雪でブルー辺境伯軍からドーザー付きケベックⅡを3台貸し出して支援したら冬場だけ貸して欲しいと。来年度予算で購入するそうです 〕
そして3月、何時もの期末試験も終わった。
何時もの青い顔をしている方も居ましたが(笑)
そして卒業式前の卒業模擬試合ですが、何とバスター先輩の指名が入ってしまった。
まぁ、わからなくも無いけどね。
〔卒業前に闘いたいとはね! 〕
ウエポンマスターでもあるバスター先輩の武器は………ほう、そう来ましたか。
まさかの槍杖ですか!
〔おそらくはスミスさんが作ったかな? 〕
勿論、僕の武器はいつものサウス9(訓練用)ですけどね。
「先輩、スミスさんはよく作れましたね。結構難しいと思いますよ? 」
「な~に、サウス2だっけ? 王国連合海軍の装備を冒険ギルドで購入する事になってね。それをスミスさんが解析して何とか形にしたのがこの槍杖、試作ガイアランスG-12型(訓練用)だよ 」
バスター先輩は本当に武器マニアですね(笑)
他にも有りそうだけどね。
〔ガイアランスの詳細は下記に! 〕
「先輩も好きですね。もしかして脳筋? 」
「フリート君には言われたく無かったよ。別にリチャード殿下でも良かったけど見本の試合を見せるならフリート君との試合を見せた方が有意義だと思わないか? 」
「………確かにそうですね。では、今回は演武中心に見せる試合をします? 」
「そうだな。最初の5分はそうしてその後は本気の試合でどうだ(ニア♪) 」
「………まぁ構いませんよ。先輩を立てますよ 」
「だからってわざと負けるなよ! 」
「そんな事したらグリッド教官からの指導が入るから嫌です。堂々と勝負しますよ! 」
「では殺りやろうか! 」
「物騒ですね(笑) 」
こうして始まる試合ですが………
『さぁ、始まります。卒業生、生徒総代バスター先輩vs高等部1年生総代フリート君の卒業模擬試合です。司会は私、高等部1年A組、実況ならお任せ♪ エミリー・ダイドー☆と、いつも神出鬼没、イタズラ大好きハリー校長先生です。ハリー校長、この試合どう見ますか? ………校長? 居ますよね? 』
『………ほう、エミリー君は集中力があるのう。お姉さんとは違うようだのう 』
『そりゃこの1年校長先生と一緒に司会してわかりますよ! イタズラ好きな所もね♪ 』
『そこは余計じゃのう。まぁ姉よりはましか(笑) そう言えばミリー嬢はどうなった? 』
『お陰さまで隣街の商家に嫁ぐ事が出来ました。ハリー校長のお陰です 』
『それは良かったのう。本性がバレなくて(笑) 』
『エェ、校長先生のお陰です。夫婦仲は………良いはずです(笑) 』
会場は爆笑していた。
『さて、ハリー校長、今回の勝負はあの第1回魔闘大会決勝戦の再現ですね。今回はどうなりますか? 』
『そうじゃのう。お互いある程度の手の内は知っているからのう。まぁやってみないとわからんだろう。今回は楽しもうか。そうそう、卒業生特に騎士団や王国軍、冒険者になるものはよく見ておくと良いぞ! 在校生は今後の修行の目標になるからよく見ること。なお、春休み明けに今回の試合のレポートを提出すること。内容によっては成績評価を良くすることも吝かではないぞ! 』
何か宿題にされたような?
会場のザワツキがスゴいですね。
〔まぁどうするのかな校長は? 〕
『試合の審判は学園武闘派トップ、グリッド教官です 』
「双方準備は良いか? 」
「「ハイ! 」」
「それでは卒業模擬試合、開始! 」
こうして試合は始まった。
災害防衛隊の車両(初代消防車)の概要
[消火専用消防トラック]
解説:バーミンガム領ポーツマツ工房(トラック専用)にて製作している[魔導大型トラック]の消防車バージョン
【前世、陸上自衛隊73式3.5tトラックを参考に製作】
【前世、消防車を参考に魔導トラックを改造】
基本構造は[魔導大型トラック]と同じ
運転席及び乗員席を9席設けている
(前席3人、後席向い合わせの6人の最大9人乗り)
荷台部分には水タンクと魔導ポンプ、消火用ホースラックを装備、魔導ポンプにホースを繋げて火災を水を掛けて消す
水タンクには吸水用ポンプも付いて有り近くの水場より水を組み上げて補充もできる
運転席の上には魔導銃ウォーターボール発射機(ルクスに付いていたの12.7mm魔導銃)付きの単砲塔が1基付いてる
他にも各種消防、救命装備も搭載している
(例:魔導消火器、救命救急箱(各種ポーション)等 )
多少の不整地も走れる様に前輪2輪、後輪ツインタイヤ8輪仕様の車輌
最高速度:60km
武装:無し
重量:2.5t
乗員:9名
最大積載量:5t(内、最大積載貯水量4t )
ほんとポーツマツ工房の親方には感謝ですよ♪
図面通りに作ってもらえて良かったよ。
〔実際は親方達は大変だったらしいです(笑) 〕
ガイアランスの概要
[ガイアランスG-12型(訓練用) ]
解説:王国連合海軍で採用しているサウス2型を参考に王都ロンドン冒険ギルド専属魔道具師スミスが作った冒険ギルドオリジナル槍杖
基本思想は同じだが、形状は槍の刃の両サイドに魔砲弾発射機関が2個付いている
(基本はアースニードル専用)
発射口が2口有るので多少の連射が可能になった
(ただし、個人の魔力保有量に依存)
照準機構は無いので当てるにはかなりの熟練者じゃないと当たらない癖が強い武器になっているが、普通に槍として使う分には問題ない
通常の槍としても使えるが基本土属性専用仕様
なお今回のガイアランスは訓練用で刃が木製になっている
流石冒険ギルド(スミスさん)って事です。
6ーⅠ
しかしまだいたスペクターの残党?
まるでG並?
こうして全国に消防隊が普及していく事に。
明日も投稿しますね。
R2.1.31 消防車の概要を修正