閑話②-Ⅲ話 勇者井川君 召喚魔法陣破壊
閑話②-Ⅲ話です。
いよいよ召喚魔法陣を破壊しましょう。
破壊にはヤッパリ光魔法だよね(笑)
閑話②-Ⅲ
あれからチタダンジョンアタックは30層まで攻略して終わる事に。
いつまでもチタに居てもしょうがないとゴヴォロフ第2皇子がゴネタ為だったが!
〔結局、聖騎士団は5層までしか攻略? できなかった様です。どんだけ弱いんだよ! 〕
帝都に戻った後、訓練は第1騎士団とするようになったが、監視の聖騎士団の団員が付いてきていた。
最初はゴヴォロフが付いてきたが一緒に訓練となるとすぐにバテて倒れていた。
〔この体力の無さはどうなっているんだよ? 〕
暫くしてゴヴォロフは付いて来なくなって、代わりにバカーノフが付いてくるようになっていた。
まぁ、直接ジェーコフ殿に連絡を入れられるし僕も話し相手にもなってるしね。
〔色々と情報を収拾できたので色々と助かりますね 〕
第1騎士団には、貴族の子弟達が所属していたので結構交流もできたよ。
まぁいろんな貴族が居るって事がわかってきたよ。
〔やはり教皇派の貴族も普通にいるらしい 〕
召喚されて2年後、僕もこちらに来て2年(一応19歳かな?)も経っていろんな事がわかってきた。
最近は教会の力関係も酷いからね。
〔うん、治療院の値上げとか商家へのお布施の強要とかね 〕
得に最近、ゴヴォロフ達聖騎士団の様子がおかしかった?
何故か真面目に訓練をしていたが、完全に別人だった。
〔まるで操られている様に……… 〕
実際は洗脳状態だったが!
まぁ、聖騎士団の証しでもある装備のペンダントのせいだけどね。
〔僕も着けてるけどとっくに解除済み 〕
バカーノフこと皇太子直属スパイのセルゲイさんの分も解除しときました。
このペンダントは徐々に効果が効くように細工してあった為、気が付きにくい様になっていた。
〔普通は気が付かないけどね 〕
そして2019年7月のある日、とうとう本格的に軍を進める事になった。
その為に第1騎士団を主力に進軍してある程度の楔を打ち込み、チョウカ帝国の進行をできない様にする作戦案が軍部の教皇派から提出、通ってしまった。
〔しかも第1皇太子派の貴族軍中心の部隊を送るって何か罠臭がしますね〕
僕と仲良くなった貴族軍が中心って何か罠張ってない?
しかも皇都に残る部隊が教皇派の息がかかっている部隊ばかりって?
〔ウ~ン、軍部は思った以上に腐ってるのかな?〕
ウ~ン、一応例のお約束のタイミングだろうね。
一応それとなく僕がやろうとしている事を何気にジェーコフ殿に話したら………
「やるなら派手にやった方が良いぞ! 」
………と言われてしまった。
おい、ジェーコフ殿、本気かよ?
〔何か考えている(企んでいる)ジェーコフ殿 〕
後で知ったがジェーコフ殿は元々教皇を始末するつもりだったらしい。
その上で帝都をチタダンジョンの近くのハバロクスクに返都する計画だったらしい。
〔皇帝も了承済みらしい。現在の東ロシーナ王国の王都ハバロクスクの誕生秘話だったりして 〕
2019年8月某日、私は準備万端で教皇の前にいる。
そう、あの召喚陣があるあの間に。
〔ウ~ン、何を考えてるの教皇は? 〕
「では我が勇者よ、第2王子を皇帝にするため皇帝を暗殺せよ! 」
………え、何言ってるの、教皇さんは?
「………エ~ト、どう言う意味ですか、教皇様? 」
「今なら皇太子も前線に向かっている途中、ここで皇帝を暗殺して第2王子を教皇の名の元に皇帝にしてこの帝国を磐石な体制にして、この大陸を制覇するのだよ 」
「それで聖騎士団の出発が遅れていたのですね。で、この計画を考えたのは教皇様? いや、軍部の教皇派の………ブルガーニン辺りですかね。そこに居るし 」
教皇のすぐ近くにブルガーニンがドヤ顔で立っていたよ。
「ほう、よくわかったのう。もっとも本人が居ればな。まぁ勇者殿は色々と探っていたようだがそれでは元の世界には帰れないぞ♪ 」
何かウザイ。
どうも元の世界に戻ろうとしている様に見えたらしい。
「まぁそれには生け贄が500万人は必要じゃろうな(笑) 」
「………僕はとっくに返る方法が無いのも知ってますよ 」
「なんじゃと? 知っているとはどう言う事じゃ! 」
「この世界の創造主、女神アルテナ様に聞きましたしね 」
本物の神様に聞きましたしね。
「何を言っておる! 神の名はルシファナ様だぞ! 貴様、この教皇を愚弄する気か! 」
エ、ルシファナ様だって。
初めて知ったよ、偶像神の名前(笑)
〔あれ、この名前聞いたことが有ったような? 〕
「ウ~ン、惜しいな。僕のいた世界ではルシファナではなくルシファーなら堕天使で悪魔なんだけどね(笑) 」
「なんじゃと!! 」
お、回りの聖騎士団も信者も驚いてるね。
まさか自分達の信仰していた神様が実は悪魔だったって知ったらねぇ。
〔もっとも同じでは無いよね? 〕
「しかしこの魔法陣、欠陥品で喚ぶ事しかできないそうで? まぁ、今後喚ぶのもできませんしね 」
「なんじゃと? それはどう言う意味だ! 」
「そのまんま使えないって意味ですよ。こうしますしね! 」
僕は待機させていた魔法を発動させていた。
そう断罪の光、[ソーラーレイン(光魔法、神級)]を!
この日、帝都の教会本部が謎の光の柱の中に飲まれた後に消えて無くなっていた。
跡地には深々と大きな穴が残っていてここに教会が有った事も判らない程だった。
〔基本熱線兵器の様な物なので教会は一瞬で蒸発していた 〕
外部にいた教会関係者は助かったが中にいた人々は全て行方不明になっていた。
実際は全員蒸発していたけどね。
〔教会本部周辺では信者達が神罰が落ちたと大騒ぎに! 〕
偶々外に居た生き残っていた教会幹部が事態の沈静化をしようとしたが教皇本部が消え、教皇自体が行方不明ではどうしようもなかった。
結局、この騒ぎのせいで皇帝が帝都に居ないことがバレなかった。
〔この後、新教皇が決まるまで教会が暫く大騒ぎになっていたらしい 〕
この時、既に皇帝は第1騎士団と共にハバロクフクに向かって移動していた。
帝都で起きた光の柱は結構離れた所でも良く見えていた。
〔空から光の柱が差していたら驚くよね 〕
ジェーコフ第1皇太子もまさかの光の柱が旧帝都で発生していたので驚くと同時に偵察を出させていた。
それと勇者殿の安否の確認を。
〔この時点でジェーコフはアーサー達は無事に脱出しているだろうと楽観的に見ていた 〕
偵察部隊が帰って来たが旧帝都は大混乱しているらしいと報告してきた。
教会跡地には何もなく、ただ大穴が有ってそこに教会本部が有ったらしいとなっていた。
結局、アーサーの安否情報は確認取れなかった。
セルゲイも行方不明らしい。
〔まぁセルゲイがアーサーと行動を共にしていればその内会えるだろう 〕
無事、ハバロクフクに到着した皇帝と第1騎士団はその後、正式に返都を宣言した。
元々ハバロクフクは城塞都市として設計されていて今回の計画の為に城自体の強化(ほぼ立て直しレベル)を2年前より進めていた。
〔それを極秘でってジェーコフ殿はかなり優秀? 〕
大陸暦2020年1月1日、帝都ハバロクフクが正式に誕生した。
旧帝都で大騒ぎになっている頃、某近くの森の中では………
「フゥ~、なんとか脱出できたかな? 」
「アーサー殿、ムチャしすぎですよ。あの教会を消す魔法は何なんですか? しかも自分に向かって魔法を放って避けるって何なんですか? 基本無理でしょう! 」
「だからセルゲイ君には先にここに来ていてもらったんだろう? 」
「そりゃそうだけどね。だからと言ってあの光の柱は何ですか? 」
「エ、光魔法の[ソーラーレイン]だけど? 」
「なんですソーラーレインって? 」
「まぁ、光魔法の究極って事でね♪ 」
「どうやって脱出したんですか? 」
「それは、転移魔法かな(笑) 」
「何なんですか、転移魔法って? それは後で聞きますけどこれからどうするのですか? 」
「取りあえずは何処かで様子見かな? ウザイ教皇は消したけど他にも居そうだしね 」
「それでは行き先として僕の里にでも行きませんか? 」
「セルゲイ君の里って………エルフの里に? あれ、人族が行っても大丈夫かい? 」
「まぁ人族だと不味いけどね。アーサーは人族? だからタブン大丈夫だろう(笑) 」
「おい、人を化け物と一緒にするな! まぁエルフの里には興味が無いわけでも無いしね。世界樹も有るんだろう? 」
「流石に………あるよ♪ もっともその世界樹様に呼ばれてるよ、アーサー殿がね 」
え、世界樹様に呼ばれてるよって何?
詳しく聞くと世界樹の管理をしているのがエルフ族で世界に在る世界樹を守護するのがエルフ族らしい。
〔独自の連絡網が有るって言ってるけどまさかねぇ 〕
「………聞くけどその連絡は………精霊からかい? 」
「エ、何でわかったの? 精霊達もビックリしてるよ! 」
「僕がいた世界の物語にはそう言う物語があってね。その作品にもエルフ族が精霊と契約して精霊魔法を使ってるとね。実際、僕がいた世界にはエルフも精霊も他の種族も見たことも無いけどね 」
こうして無事にセルゲイと合流したアーサーはその世界樹が在るエルフの隠れ里に行くことになった。
閑②ーⅢ
ロシーナ教教会本部は綺麗サッパリ無くなりました(笑)
そして井川君は雲隠れすることに。