5ーⅤ話 15歳 ポルトンダンジョンアタックⅢ
5ーⅤ話です。
さて、アンデッドゾーンに突撃です。
スケルトンナイトの魔石ゲット………したけど?
何あの杭!?
5ーⅤ話
ポルトンダンジョンアタック2日目
ポルトン街に来て3日目、本日から第11層からのダンジョンアタックだった。
今回は10層の追い剥ぎウルフをクリアした順で突入して行く事に。
〔第10層までは、ほとんどのチームがクリアしていたよ。ほとんどののチームがね♪ 〕
今回は何故かカイルチームより先に行くことに。
何でも一部装備が壊れていて修復待ちだそうです。
〔剣を研ぎに出していたそうです 〕
さあ張り切って………
おや、シャルロット様とメル、トリスさんまで顔が………
〔随分顔色が悪いような? 〕
あ、そうだった!
次はアンデットゾーンだった!
〔ウ~ン、ドウシヨウかな? 〕
心配は杞憂? でした。
11層に入った途端、目の前にはゾンビさんとゾンビラビットさん、ゾンビドッグさんの混成軍団(各々6匹づつ)が現れた!!
〔あ、結構な数が居るね……… 〕
するとシャルロット様が行きなりエリアハイヒール(光魔法、上級)を放ちゾンビ達に大ダメージを与え(それだけでゾンビラビットは全滅していた! )、メルが「臭い、臭いわよ! 」と叫びながらウォーターランス(水魔法、中級)を放ちながら剣で切り飛ばし、トリスさんもエアランス(風魔法、中級)で吹き飛ばしていた。
確かにゾンビは臭いけど……… あれ、俺達、いらない子?
〔この暴走は13層の入口まで続く事に! 僕たちは魔石を拾いながら後に続く 〕
そして13層に向かう階段前で休憩をする事に。
3人は魔力が切れかかっていた。
〔言いたくないけど、あれだけ殺ったらねぇ………少し休憩が必要だね 〕
「え~と、3人とも飛ばしすぎ! もう魔力が無いでしょう? 」
「(はぁはぁ)まだ行けますわ! (はぁはぁ)それに……… 」
「シャルロット様、無理しても良いことは有りませんよ。それにメルもトリスさんも魔力切れですね。ここで少し休憩ですね。仕方ない、サンクチャリア(光魔法、特級)! 」
ここで僕は光魔法のサンクチャリアを発動してこの場所をピンポイントで聖域化して休憩する事にした。
まぁ皆さん驚いてるね。
〔あ、教官もポッカ~ンしているよ 〕
「え~とフリート君は光魔法も使えたの? 君は一体魔法属性はいくつ有るの? 確か………火、水、土、風、氷、闇に光、確か無属性魔法も使ってたよね? 」 マホーニ
「確かに! フリート君、君は一体……… 」 トリス
トリスさんは知らないか。
でもマホーニ教官が知らないってどうなのよ?
「ウ~ン、話しても良いけど……… 一応秘密でね! 僕は全属性の魔法適正が有るんだよ! 」
「「エェ~! 」」
まぁ、グリット教官といつもの仲間は知ってるけどね。
もっとも余り人前では余り使わないけどね。
休息も終わり13層に降りると早速スケルトンが追加で出てきた。
まぁここは男3人で倒して行く事になった。
〔もう少し休ませないとね 〕
マックはノース2型両手剣に炎を這わせて切りつけていき、クラフトはウエスト4型クロスボウの矢を打撃系の矢に交換してスケルトンに撃ち放ったり魔法弾(魔力の矢)を撃ったり!
僕はサウス9で光魔法のサンレーザー(光、特級)やファイヤーランス(火、中級)で攻撃したり、直接切り飛ばしていた。
〔スケルトンは物理攻撃が効くから良いね。うん、臭いね。早速浄化、浄化♪ 〕
こうして14層までは、このまま男子達で戦っていった。
そして15層に降りる階段前での作戦会議を始めた。
「問題は何処で出くわすか解らないし、基本15層からはスケルトン系以外の魔物の情報が無いんだよね。まぁ意図的に隠しているのかと? 中堅の冒険者達は20層以上の層に行くからね 」
基本、このダンジョンを利用している冒険者達は21層からの岩石ゾーンに採掘(主に鉄鉱石)に行ったり、31層から50層の洞窟ダンジョンにて訓練したりしていた。
まぁ11層から20層までのアンデットゾーンは敬遠されるらしい。
〔そりゃそうだ。だって臭いしね(笑) 〕
15層にいるはずのスケルトンナイトさんは取り巻きのスケルトンを5~6匹引き連れている徘徊型のアンデットで15層には大体5組のナイトチームが居ることになっていた。
〔まぁ、ダンジョンマスターが言ってたしね(笑) 〕
早速15層に突入………って何でスケルトンナイト部隊が3個小隊目の前で待ち構えて居るの?
目の前にはスケルトンナイト3匹、スケルトンが15匹居たよ!
〔おい、徘徊してるんじゃ無かったのか! 〕
「え~と、フリート君……… 待ち構えて居る様に見えるけどここポルトンダンジョンだよね? 」
「そうだよね、マック。まさか待ち構えて居るとはねぇ? でもこの状況は無いな! 」
「え、フリート君ドウユウコト? 」
「あ、トリスさんは知らないか。ブルー島ダンジョンの第10層がこんな感じかな? アッチはスケルトンジェネラル中心の合計180匹が待ち構えてるけどね? 」
「「何それ………無理でしょう! 」」
マホーニ教官とトリスさんは息ぴったりだね?
「まぁ此方も基本は2個中隊で攻略する訓練だからね 」
「「まぁ、あれに比べたら……… まだましかな? 」」
「「そうね、確かにましよね? 」」
「「え、そうなの? 」」
マホーニ教官とトリスさんが驚いてるよ!
「フリート君、学園のク「ダメです!! 」ン ………え、ダメ? 」
グリット教官はまた脳筋発言しそうだったのでキチンとダメと言っておく!
恐らくは自分で攻略したい(暴れたい)のかな?
「ここは……… よし、僕とマックで突撃してかき回すからメルは防御に専念してシャルロット様と他の人は支援よろしく! 」
「「「「「わかった(わ)! 」」」」」
「ではマック、競走だ♪ 多くナイトを倒した方の勝ちな! 」」
「わかったよ! 僕が勝ったらルクス1台もらうよ! 」
「ほう、なら僕が勝ったら………エジンバラ領のダンジョンでも案内してもらうかな? 」
「………ま、良いけどね。では! 」
「早速………! 」
「「始めようか♪ 」」
こうして始まった戦いだったが………フリートとマックの独壇場だった。
マックは両手剣での凪ぎ払いでスケルトンを砕いて行き、フリートはサウス9に光魔法を這わせて切り倒していた。
〔トリスさんとマホーニ教官は驚いてるね。他の人達は最初は呆れていたけどね 〕
そして各々スケルトンナイトを1頭づつ倒して同時に残りのスケルトンナイトに斬りかかっていた。
それでスケルトンナイト軍団は全滅していた。
〔それを唖然と見ていた残りのメンバーとマホーニ教官。グリッド教官はウズウズしてないか? 〕
「「よし、こんなもんか? 」」
「え~と、結局どっちが勝ったの? 」
「「え、え~と……… 」」
「結局、最後のスケルトンナイトはどっちが倒したの? 」
冒険ギルドカードを見ると……………
「ウ~ンと僕は………1匹………チ、遅かったか! 」
「そうすると僕は………2匹………よし♪ 勝った! これでエジンバラダンジョンに案内付きで潜れるぞ(笑) 」
「え、案内って僕が………わかったよ! 案内するよ……… 」
「さて、これでクリアした事になるのかな? 教官殿………グリッド教官殿? 」
「そうなんだが……… 何か様子が変だな? 」
「確かに前回潜った時と比べると雰囲気が違うわね……… 何か禍々しいと言うか……… 」 マホーニ
確かに魔素の濃度が高いような?
辺りをよく見ると……………ン、何だろう、あれは?
〔変な杭が有りますね? 〕
「グリット教官殿、彼処に有る物は何ですか? 」
「何処だ? ………あれか? 何だあれは? 」
「あんな物有りましたっけ? 確かに禍々しい物ですね? 」
そこには真っ黒で四角い石のような杭? 見た目が十字架が刺さっていた。
大きさは、10cm角の柱で上の部分が十字架風になっていて、地面から1m程出た状態だった。
〔見た感じまるで墓場に元々有った様に刺さって有る様に見えたが……… 〕
見ていたマホーニ教官が気付いて驚いていた!
十字架の真ん中に付いていた石のような物を見て!
「これは………まさか魔素結晶石! 」
「何ですか? 魔素結晶石って? 」
「一種の魔素の固まりとも言われている分質で大陸の魔境やダンジョンなんかでたまに発見させているらしいのですよ。でも何でここに有るの? 」
なるほどね………
そうすると後何本この杭が刺さってるかな?
〔良く視るかな? 〕
[神眼(万里眼)]で回りを見渡すと似たような杭? が後9本程有るようだった。
しかも普通に目立つ位置に?
〔目立つように打ってあるよ。普通は隠さないか? 〕
一応、[神眼(完全鑑定)]で見ると………
ヤッパリそうか!
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[魔素放出杭(劣)]
魔素結晶石の魔素を放出する為の魔道具
本来は魔物の誘引に使用するものだがそれを強化することで魔素の放出量を飛躍的に多くした物
この杭は分解して運べる為、現場にバラバラにして運び組み立てられる
組みあがった杭を地面に刺すと魔素を放出し始める
なお、ダンジョン等に設置すると魔物の数が増えてしまう
更に複数の魔素放出杭を設置した場合、魔物が溢れ、スタンピートするかもしれないので取り扱い注意
但し、この[魔素放出杭]は、組立をミスってる為、能力が1/10以下になっている
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またとんでもない物だよね。
「これってまさかダンジョンに魔力を注いで人工的にスタンピートを起こす為の魔道具ってコト? 」
「………有り得ますけど………他のフロアの状態が解らないし、たった1本ではこの大きさの魔結晶石では大したことが無いはずよ? 」
「………マホーニ教官、後9本在りますね、このフロアだけで。取り合えずこの杭? 抜きますね 」
そう言って僕が土魔法で杭? を抜いてデメンジョンバックの予備に入れておく。
「え、後9本も有る!? フリート君、直ぐに案内………いえ、抜きましょう! 」
こうして謎の杭を抜いていった。
全てを抜き終った時にダンジョンマスターのクリート男爵が来た。
「オーイ、15層の魔素濃度が急に上がったけど何が有った? 」
クリート男爵に経緯を話して魔素放出杭を見せる。
「何だって! 何でこんな物が有るんだ? 」
「………恐らくは例の件かな? イヤ、僕たちを狙ったのかな? どうなんだろう? 校長はどう思います? 」
「「「「「「「え? 」」」」」」」
「ホ、ホ、ホ、確かにわからんのう。先ずはその魔素放出杭? の回収かのう? 」
いつの間にか現れたハリー校長!
まぁ、クリート男爵の後を付いてきただけだけどね。
「校長、いつのまに? それより直ぐにその魔素放出杭? を回収しなければ!! 」
「クリート男爵、後魔素の濃くなってる階層は何処ですか? 」
「今の所は19層と22層だな。恐らくは20層の転移ポイントを利用してるな! 」
「恐らく分解して運べる様ですから複数のチームが絡んでいるかも? 」
「今回のダンジョンアタックは一旦中止、生徒は一旦外に! 我々は19層に向かうぞ! 」 グリッド
「それじゃ僕たちも戻ろうか 」
「イヤ、フリートとマックは課外授業として私と校長とクリート男爵でチームを組んで19層に向かうぞ! 」
「「え、何で? 」」
「この中で学生戦力トップ1、2位が何を言ってる? さっさと行くぞ! 校長も 」
「ワシもか? 」
「最強のイタズラ魔道士が何を言ってる? さっさと行くぞ! 」
「ワシは校長なのに……… 」
戦闘凶に何を言ってもムダでは? と言いたかったが飲み込む。
確かに対処を急がないとかなり不味いよね。
「私は残りの生徒を回収しながら10層の転移ポイントから外に脱出させます 」
「ではチームの4人をお願いします、マホーニ教官。クラフト、チームの護衛を頼むよ。いざとなったら渡してある袋の中身、全部使っても良いからな。出し惜しみ無しでね 」
「わかった。任せて! 」
「シャルロット様、メル、トリスさん、外に脱出をしてね。あと外に居るうちの護衛に"状況D"と言ってくれれば通じるからお願いします 」
「わかったわ。伝えておくわ 」
「フリート、任せて! 」
「え~と、"状況D"ですね。伝えます? 」
取り合えず教官と校長とクリート男爵の分の背嚢を[亜空間収納庫](本当はアイテムボックスから)出して渡す。
背嚢には普通に3日分の食糧が入っていますけどね。
「フリート君、すまんのう 」
「フリート子爵、ありがとう 」
「フリート、良いのか? 校長に渡して? 」
「皆さんに渡した物は普通の背嚢ですけどね(笑) デメンジョンバックの背嚢は渡せませんよ! 」
「何だと! これはデメンジョンバックではないだと? 」
「普通の背嚢です。校長はまだ諦めて無かったのですね? 」
「なんの事じゃ、さてさっさと杭を抜きに行くぞ! 」
「「「「「「「「(あ、誤魔化した! ) ハイ! 」」」」」」」」
こうして特別学園チームは20層に向けて進撃する事になった。
5ーⅤ
アンデッドゾーンは臭いです!
なんだこの杭は? さっさと抜きましょう!
そして脳筋パーティーが結成された?
〔グリッド教官と一緒にするな! 〕