5ーⅢ話 15歳 ポルトンダンジョンアタックⅠ
5ーⅢ話です。
学園の訓練でやって来ましたポルトンダンジョン。
移動には魔導バスで行きましょう♪
5ーⅢ話
6月、マンチェスター侯爵領の特別監査が始まった頃、学園高等部1年生は、授業の一環でこの時期、ポルトンダンジョンにて訓練旅行(修学旅行? )が行われていた。
この授業はポルトンダンジョンのスタンピートの教訓を学ぶ事と実際にダンジョンアタックしてダンジョンの特性、素材の採取の仕方等を実習するための行事だった。
〔基本、高等部1年生は強制参加行事だった 〕
ポルトン街まで馬車で行くのですが………
「フリート副司令、良いのですか? 」
「………良いんじゃない? 校長の"お願い"だしね(笑) 」
今回の移動に関して校長が僕にあの魔導馬車使えないかと言ってきた。
そう、結婚式で使ったオープンカー擬きの魔導車両を。
〔ウ~ン、あれは元々コンテナ用の輸送車両なんだよね。人員輸送用は作って無かったね! 〕
その魔導車両をベースに試作魔導バス(乗客80人乗り)を作る羽目に。
元々試作運用していた[魔導特大型トラック]をベースに、コンテナを載せる部分に乗客を乗せるスペースを作ってみたよ。
〔見た目はロンドンバス?みたく2階建てのバス仕様、しかも80人乗り。後にロンドンバスと言われる事に。詳細は下記に! 〕
バーミンガム工匠にて製作途中の4台を急遽改造した物をロンドンシティーに持ち込み、ポルトン街まで移動に使用しました。
道すがら、すれ違う回りの商人、冒険者達が騒いでた。
〔そしてブルー子爵軍のマークを見て納得していたって? 〕
そして各車両には王国連合艦隊海兵隊から運転手兼護衛が1個小隊11人づつ乗っていた。
まぁ、長距離運転の訓練代りの行軍ですね。
〔コンテナ輸送用車両として現在試作車両を試験中(運転手の訓練ついでですが ) 〕
なお、現在バーミンガム領では、バーミンガム街とポーツマツ街間を繋ぐ専用レーン(高架道、複線)を作ってます。
そして1日3往復の運行を目指しています。
〔分かりやすく言うと新都市交通の列車(車輪がタイヤ)みたいな物? を運行予定 〕
人員、物資の利用がうまくいけば王都とエジンバラ領でも作る予定です。
その為、現在バーミンガム街には王都、エジンバラ領から研修兼作業員の土系魔術師や護衛の冒険者が来てちょっとした景気に沸いていた。
〔もっとも冒険者はブルー島ダンジョンに行きたいための情報収集していたりして 〕
現在、ブルー島ダンジョンはイングスランド王国連合艦隊海兵隊、陸軍、各地の王党派貴族軍の訓練場になっていた。
しかも現在順番待ちの状態になっていた。
〔まぁ仕方がないかな。実践訓練に近い訓練ができるしね 〕
今の所は冒険者には開放予定は無いけど………
まぁ、そのうちだね。
〔もう少し魔物の収集したいしね 〕
途中魔物にも盗賊? にも襲われる事もなく、無事にポルトン街に着きました。
おかしいね? 襲って来ると思ったのに?
〔まぁこのバスを初見で見たら手を出しにくいよね? 〕
明日にはダンジョンに潜るのですが、恒例のポルトン男爵に挨拶に行くことに。
今回挨拶に行くのは1年生総代の僕、次席のシャルロット様、マックとクラフト君、そして引率のハリー校長とグリット武術教官だった。
〔校長が何故か付いてきていたが……… 何で? 〕
「初めまして。私がこのポルトンダンジョンを管理していますクリード・バロン・ポルトンです。この度はポルトン街までお越しくださいましてありがとうございます。明日よりダンジョンアタックされるとの事で今日はゆっくりお休みください。歓迎パーティーも準備致しておりますのでお楽しみに♪ 」
「ホ~ウ、クリードも社交辞令が出来るようになったか! これはメデタイノウ(笑) 」
「ゲ、何で校長が来てるんだ! あんたは出禁にしたはずだぞ! 」
「まぁよいではないか♪ ワシは潜りに来た訳でもなく生徒の引率者じゃ 」
「そう言っていまだに50層のボス素材を狙ってる癖に何を言ってるんだ! しかも消えてる魔法での奇襲で攻略されても困りますよ♪ だから出禁にしたんでしょうが! 」
どうも校長は過去に色々とヤラカシテイタラシイ………
聞くのが怖いな!
〔それに50層のボスって何だろうね? 〕
「それで校長、例のダンジョンマスターは彼かな? 」
「そう慌てるな! この子がフリート子爵だ! 」
「フリート・ヴァイカウント・ブルーです。今回、ポルトンダンジョンの訓練アタックに来ました。ブルー島ダンジョンの参考にさせて貰いますのでよろしくお願いいたします 」
「これはご丁寧に。よくダンジョンを見ていってくださいね。良ければダンジョンマスター同志相談にも乗りますよ 」
「ありがとうございます。私のダンジョンはマダマダ若いダンジョンなので助かります。先輩よろしくお願いします 」
「………しかし校長の教え子にしては中々できた子ですね。将来が楽しみだね 」
「ワシの教え子だからだ! まぁ良い、次は…………… 」
こうしてポルトン男爵に皆を照会していく校長だった。
夜はポルトン男爵主催の歓迎パーティーが行われ、おおいに盛り上がった。
〔うん、いつものように食べまくっていたよ、ム~ちゃんとファイちゃんコンビがね 〕
次の日………早速ダンジョンアタックの為にポルトンダンジョンの入口に移動します。
今回の訓練では15層に居るスケルトンナイトの魔石を回収するのがミッションです。
〔常に5体はウロウロしてるらしい? 〕
毎年、15層にいるスケルトンナイトの魔石を回収して無事に脱出して来るのが学園の訓練らしくこの日はほぼ学園で貸しきりになるそうです。
もっとも10層毎に転移門が有るそうで冒険者達は20層からアタックする分には潜れるので問題ないそうです。
〔もっとも21層からは結構難易度が上がるらしいけど? 〕
なお、ダンジョンアタックは騎士科、魔法科、商業科から2人づつ組んで6人パーティーを組んで突撃する事になっていた。
勿論、僕のパーティーは、マックとメルの騎士学科組、クラフト君とトリス嬢の商業学科組、そして僕とシャルロット様の魔法学課組のメンバーだった。
〔まぁいつものメンバー+トリス嬢(クラフト君の次に実力がある商業科の才女)だった 〕
因みにむーちゃんとファイちゃんは何故か義姉様ステファニー元王女、姉様カリーナ王太子妃の護衛? の元、ポルトン街に有る王家の別荘に滞在中だった?
どうも姉様カリーナ王太子妃からのお誘いで義姉様ステファニー元王女が一緒にソフィー第2王女と選任近衛騎士団(女性騎士中心の部隊)と王国陸軍(こちらは純粋に警戒任務)と一緒に来ていた。
〔しかも先回りで! なお、選任騎士団の中にキャロル姉様が居たのには驚いたよ! 〕
旦那達は仕事が有るので来ていなかったが、スティーブ先輩が護衛騎士団員(ソフィー第2王女様のご指名)として来ていたが………誰の護衛かな♪
もう姉様達は、旦那ほったらかしかよ!
〔その頃、哀れな旦那達は例の査察関連で忙しかった? スティーブ先輩は上手く逃げたね♪ 〕
只今、ポルトンダンジョンの入口に来ています。
ヘェ~、ポルトンダンジョンも洞窟型なんだね。
〔まぁ、イングスランド王国国内に有るダンジョンは洞窟型でした。国外にはフィールド型、棟型のダンジョンも有るらしい? 〕
現在、ポルトンダンジョンは200層のダンジョンになっていて10層毎に中ボス、50層毎に大ボスが居るらしい。
そして200層には地竜タイプのドラゴンが居るらしいがどうなんだろ?
〔ウ~ン、うちのトール君が真のSクラスになった位かな? 〕
因みに50層の大ボスは、ゴブリンキングらしいけど………校長はゴブリンキングの何を狙ってるの?
校長の狙いがわからなかった?
〔素材的に金になるのは………皮や角牙位かな? 武具? 他に何か有ったかな? 〕
今回のアタックは順番に突入していきますが、先ずは恒例の装備のチェックから始まります。
装備に関しては学園支給の装備を使っても良いのですが、自分で用意しても良い事になっていた。
〔勿論、食料やポーション等の物資も査定の対象です 〕
これは昔、有る貴族のボンボンが無駄に金の掛かった装備で突入すると父親の力で学園に認めさせた結果だったが………
結局そのボンボンと取り巻き達と一緒に、魔物(10層中ボスのビックワイルドウルフ:Dクラス)の群れ(7匹)にボコボコにされた挙げ句、武器装備共々身ぐるみ剥がされて救助されたらしい?
〔剥がされた装備は後に宝箱から発見されたそうな。なお、この一件で10層のボスは"追い剥ぎウルフ"と渾名が付いていた(笑) 〕
昨日の内に装備を整えておけと指示がわざとらしく有ったのに気付いていない方も居るようで、ダンジョンアタック初日なのに潜れなくなっていた方もチラホラいました。
まぁ騒いだ連中は高等部の問題児(Bクラス下位)中心の残り少ない貴族様のグループだったが(笑)
〔装備に手を抜くと痛いしっぺ返しを受けるからね! 〕
初日から2日間は兎に角10層のボス部屋を目指してマッピングとボス部屋の次の部屋の転移ポイントの安全地帯まで行くのが目標です。
なお、パーティーには2人づつ冒険者が付き添い、危険な事をしないように見張ります。
〔まぁ問題児が問題を起こそうとした時に止める、又は起こした時に助けるのが彼等の役目です! 〕
そして順番に突入なのですが、僕たちのパーティーは最後に突入することになった?
理由は先に行かすと獲物が居なくなると言われてしまった?
〔何でだよ! ………え、何で皆うな頷いてるの? 〕
僕たちのパーティーには何故かグリット教官と高等部魔法科1ーSクラス担任の元冒険者マホーニ・テイラー教官(魔法学)が付いて来た。
何でもやり過ぎるので止めに入るためって何で?
〔そこ、何で頷いてるの? え、僕がやり過ぎるからって何を? 〕
中に入ると………第1層~4層には何も居なかった。
獲物(角兎とスライム)も居なかった。
〔マホーニ教官に聞くとリポップが間に合わないらしい? 〕
第5層に入ると………ウルフが出たらしく油断した人達が怪我をしたらしく、休息しているパーティーが居た。
ポーションや治癒魔法で治療していたので大丈夫だろう。
〔皆聞くと大丈夫と言っていたが……… 〕
第8層まで来たが、たまにウルフが襲ってくる位だがマックとメルが倒していった。
僕たちは先に向かうと戦闘中のグループが居たが………おや、あれは!?
「よし、今だ! 」
「これで止め! ………よしやったぞ! 」
「フゥ~、危なかったな! 」
「よし、安全地帯で休憩しよう♪ 」
戦っていたのはカイル君と愉快な仲間達だった。
「「「「「「お疲れさん♪ 」」」」」」
「おぉ、もう来たのかよ、フリート達! もしかして見てた? 」
「あぁ、勿論。カイル君は剣の腕は大したもんだよね 」
「マックに比べられると困るけどね。そっちはどうなんだい? 」
「ん、カイル君が前に居たらこっちは暇になるよ。もっとも後ろにも居るけどね(笑) 」
「え、………あぁなるほどね。あれで隠れたつもりなのかな? 」
「別に良いけどね。どっちにしろ10層のボスは順番に戦う事になってるしね 」
「まぁそうだよね(笑)。所で先に行くかい? 僕たちは休憩するけどね 」
「まぁ再会を祝って一緒に休憩するかい? 紅茶位は此方で出すよ(笑) 」
「「「「「「「「「「ゴチになります(笑) 」」」」」」」」」」
こうしてレスター君達と休憩することに。
安全地帯までは一緒に行くことに。
〔なお、この学園ダンジョンアタックでは戦闘は相手が危険な場合の時以外は介入してはいけないが休息等は許されている。ただし、物資の受け渡しは厳密に査察対象になるが………〕
適当な横穴(罠の無いのを確認して)の中で土魔法で即席テーブルと長椅子を作ってティーセットを背納バック(デメンジョンバック)から出してお茶会を始めた。
魔法で水を作ってお湯にして紅茶を振る舞う。
〔本来はダメだが様子を見て問題ないと判断された? 〕
勿論、お互いの監査役の人達にも出す。
けしてお茶位で賄賂では無いよ。
〔マホーニ教官や護衛の冒険者達は手際の良さに驚いていたが、マイペースでお茶を飲むグリッド教官とシャルロット様を見て落ち着いたらしく一緒にお茶を飲む事に 〕
「しかしフリート君は何でも有りだな。こうやってお茶まで出せるし 」
「何を言ってるんですかカイル君。君の所のレスター子爵軍も訓練したって聞いて無い? サバイバル訓練受けたって報告無かった? 」
「何サバイバル訓練って? どんな訓練か聞くのが怖いけどね(笑) 」
「たいした事でも無いよ。ただ武具一式と1日分の食料を持って5日間無人島に住むだけの簡単な訓練だよ! 」
実はポーツマツの西、ブルー島の北西50km
付近に無人島が有ってそこでサバイバル訓練をしていた。
一応、ババナとかパリンを植えといたが、元々島ボワ(1.5m級のイノシシタイプの魔物)が居たのでそいつを狩れば食料として食えるので問題ないはず?
〔まぁ、他に蟹さんや魚介類も取れるけどね♪ 〕
まぁ、ヤバくなったら救難信号弾を上げれば救助に向かう手筈になってるけどね。
そして精強な海兵隊員、陸軍隊員になってもらえるはずであった。
〔そう、4ーⅨ話で登場したフリート達が遭難した例の島です 〕
「もし、希望するなら訓練を受けてみる? 」
「遠慮しとく。ヤバくないか、その訓練? 」
「そうかな、結構強くなれると思うよ? 因みに僕とマックにクラフトは経験済みだよ! 」
「そうだな、あれはひどかったな…………… 」
「確かに。もっとも僕はマックに巻き込まれたんだよね? あれ、僕は被害者? 」
「それ言ったら僕もマックに巻き込まれた事なんだよね? マック、何か意見は? 」
「あの時はタイヘン申し訳なくって、あれはフリートの製作した船の暴走だろう、原因は! 」
「勝手に乗って暴走させたのは誰だよ! まだ整備中にいじったから暴走したんだろう! 」
「マック、あれほどおとなしくしてと言ってたのに勝手にいじる、普通? 」
「………あの時は悪かった、許して下さい! 」
マックの暴走事件の後、王国連合統合艦隊の必修訓練としてサバイバル訓練が取り入れられていた。
今回登場の輸送車の概要
[魔導特大型トラック]
解説:[魔導大型トラック](コンテナ1個輸送用)を拡大してコンテナ2個運べる様にした車輌
【前世、陸上自衛隊74式7.5tトラックを参考に製作】
荷台にはコンテナ2個又は人員、物資等を載せて輸送可能
コンテナ乗降用クレーン付き
多少の不整地も走れる様に前輪4輪、後輪ツインタイヤ12輪仕様の車輌
最高速度:70km
武装:無し
重量:4.5t
乗員:3名
最大積載量:12t(基準コンテナ2個又は人員50人)
[魔導バス(ロンドン型)]
解説:[魔導大型トラック](コンテナ×2個輸送用)をベースに作った人員輸送用車輌
【前世、陸上自衛隊74式7.5tトラックと2床式ロンドンバスを参考に製作】
フレームと魔導エンジンはそのまま、上部を2階建てバス仕様に製作
1階部分の半分をトランクにしているので荷物を運ぶ事もできる
(荷台には・・・・を搭載可能)
1階部分に30人、2階部分に50人の客席がある
多少の不整地も走れる様に前輪4輪、後輪ツインタイヤ12輪仕様の車輌
最高時速60km
乗員:2名
乗客:80名
最大積載量:12t
5ーⅢ
え~と、なぜ居るのです姉様方?
ポルトンダンジョンに突入………って獲物がいない?
カイル君のチームとお茶会(情報交換)しましょう。
サバイバル訓練? は良い? 思いでです(笑)
R2.1.24 車両の概要及び内容等の若干変更。