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4ーⅢ話 10歳 イングスランド王国の現状①

4ーⅢ話です。


現在のイングスランド王国の現状です。


ウ~ン、結構面倒な様な?

4ーⅢ話


緊張でガチガチのフリートです。

ほんと次は何?状態です。

〔サファイヤちゃんは隣でお菓子をパクついています 〕


控え室で待つこと数分。

執事さんが迎えに来たので陛下が待っている部屋に父上と向かう。

〔サファイヤちゃんは母上の所に行くことに 〕


会議室の様な部屋に案内されると、その部屋には陛下を始めエドワード王太子様とリチャード王子が座っていた。

他には宰相様と騎士団長、何故か兄さまとスチーブ先輩とロジャー先輩、そしてハリー校長とグリッド武術教官と担任のガイア教官、そして、エジンバラ辺境伯爵様がいた。

〔今回の関係者+αですね。完全に王党派のトップが勢揃いだね 〕


因みに母上は、王妃様と王女様方と優雅にお茶会しているらしいです。

勿論、ちびっ子2人も同席です。

〔恐らく壮絶な餌付けの最中かな? 〕


そして席に着くように言われて席に付くことに。


「さて、皆揃ったな。今回、集まってもらったのは、今後の事に付いての話し合いじゃな 」


なんだろう。何か物々しいな?


「まぁ、そんなに固くなるな。今回、フリート子爵が発見したダンジョンなんだが、色々とおかしな事が有ったのは聞いている。まずフリート子爵、あのダンジョンは君が今コントロールしているのは間違いないな? 」


「はい、若いダンジョンなので完全にとはいきませんが、コントロールはしています。今の所は、10層までの限定使用にしています 」


「ほう、そうか。すると現在、どうしているのかな? 」


「現在は、バーミンガム特殊海兵隊第2師団の訓練に使ってます。編成中なので丁度訓練に良いのでしっかりと訓練してると思いますよ? まぁ工兵隊には港と入口までの通路の拡張をお願いしてますね 」


「そうか、訓練に使えるか。それはよいのう、騎士団長? 」


「ハ、そうですね。どうせなら王国海軍の訓練もお願いしたいですね 」


そう来ますか。

ま、僕だって使いたくもなるよね。


「その辺の問題は、父上、バーミンガム辺境伯爵にお願いします。僕は一応学生ですから 」


「フリート、お前な。まぁ、私の方で調整しますのでそれでよろしいですかね 」


「すまんがジョージ、俺の所も頼むよ。何せできたばかり何でな 」


「アルお前の所もかよ。全くお前な、まぁ引き受けるよ。それも後でな 」


「それでなフリート子爵、何故海軍の増強をしているか知っておるか? 」


「流石に僕は知りません。何かあったんですか? 」


「そうだな、このメンバーは基本関係者だから良いか。宰相、大丈夫だな? 」


「そうですね。一応近い内に起こりうる可能性が有るという話ですので 」


「わかっておる。ただ、我が国も関係ない話でも無いのでな 」


なんだろう。物凄いやな予感が?


「一応、今から話す事は他の者には話すことを禁じる。勿論、漏れた場合はあらゆる処置もさせてもらう。気をつける様に 」


これは本気だな?


「実はな、ソビエ聖国なんだが、どうも我が国に進攻計画が有るという情報が出ている 」


「待ってください父上、ソビエ聖国って内陸国家ですよ! どうやって攻めて来ようと? 」


エドワード王太子も思うよね。

うん、僕も思った。

〔内陸国家がどうやって海を渡るのかな? 〕


「あの国は一応イングスランド大内海に領土が一ヶ所だけ有るのは知っておるか? 」


「エェ、大アムール川の河口にある確かウラシストクでしたね。彼処は要塞港で未だに東ロシーナ王国と対岸のホクギン公国と小競り合いしてるんでしょう 」


「ところがつい最近判ったのだがどうもソビエ聖国が東ロシーナ王国に勝ったらしい。それで東ロシーナ王国の支配地域がかなり下がっていて国境が下がった為現在は、大アムール川の北側沿岸はソビエ聖国が押さえている状態なんだよ 」


へェ~、何気にこの国の情報収集能力が高いね。

普通はかなり遅れるんだよね、この手の情報は!


「それで戦力を増強していているらしい。特に船舶の建造をな! 」


エ、確かに船を作っても使い所が難しいよね?

我が国を海上封鎖するにも意味ないしね。

〔上陸作戦するにもかなりの数は要るよね? 〕


「父上、それだと東ロシーナ王国とホクギン公国、コウライ王国にも攻め込めますよね?何故我が国に攻めると? 」


流石エドワード王太子、良い疑問ですね。

僕も思ったよ。


「それに関しては騎士団長から聞こう。では頼む 」


「ハ! 現在、我が国は、軍を上げて海賊スペクターの壊滅作戦をしているのはご存知かと思います。実は王国海軍、バーミンガム海兵隊、エジンバラ海兵隊との合同で海賊退治をしているのですが、ある海賊拠点を制圧した時に海賊の幹部を捕らえまして聞き出した情報と地図などの書類等を調べると、どうも海賊スペクターの背後にソビエ聖国がいるらしいのです 」


「そうすると海賊とは名ばかりで実際はソビエ聖国の海軍部隊だと? 」


「正確には海賊を吸収して航海術のノウハウを習得していたとの事らしい 」


へェ~、中々やりますね。

確かにその方が船舶関連のノウハウを得るのは速いかな?


「それで押収物の中に我が国の詳細な地図が出てきています! 」


ほう、結構やるね。敵の諜報員は!


「しかもこの王都ロンドンから北のエジンバラ辺境伯領までのかなり詳細な地図がな! 」


そうすると問題は何時攻めて来るかなんだけどね。


「しかし何故我が国を攻めようとしているのですか? 」


うん、確かに。

リチャード王子も良い疑問ですね。

〔確かに無駄にハイリスクな進行作戦だよね? 〕


「それは分裂前の大ロシーナ帝国まで遡る話なんだが………我が国の開祖、初代イングスランド国王、アーサー・キング・イングスランド様の事なんだが、どうも大ロシーナ帝国で禁術の召喚術で召喚された異世界から来た勇者らしいのだ 」


へェ~、陛下は知ってたんだぁ~。

王家には伝承が有るのかな?

〔ま、普通に在るよね? 〕


「しかもこのイングスランド王国は元々大陸と地続きだったのを魔法で両端を吹き飛ばして海峡を作ってこの国を島国にして戦争を終わらしたらしい。もっとも現在、外で出回っている初代様の物語とはちょっと違う内容の伝承が王家には有るがな 」


何か凄い暴露話だけど良いのかな?

でもこの場で喋っても良いの?


「そしてその当時、その陸地を吹き飛ばした時に協力してくれたのが、4大ドラゴンの内の1頭、レッドドラゴン様が手を貸して破壊したらしい。だから同時期に両端を吹き飛ばす事ができたらしい 」


そりゃそうか、流石に1日で両端を吹き飛ばす事は普通に無理だよね。

あ、すると最初のドラゴンライダーって初代国王様なんだ?


「その時にレッドドラゴン様と契約して、初代様を運んだのが後に王妃様になったエルザ様だったんだよ 」


何と、最初のドラゴンライダーって井川君の嫁だったんだ!

これは驚いた!


「その後、この地に国を興して今のイングスランド王国が出来たんだよ 」


なるほどね。

でも、今その話関係有るのかな?


「その為か、未だにこの国自体が国の所有物だと言っているのがソビエ聖国なんだよ! 」


話を纏めると………


・何でも、当時禁術の召喚術を使ったのがソビエ聖国の母体となったロシナ教という宗教で、当時大ロシーナ帝国の国教だったと。

・要は当時の進行作戦の失敗と勇者の出奔、しかも召喚陣の完全破壊とイングスランド国王の建国のおまけ付きで内部闘争が始まる。

・その為、皇帝派と教皇派、ウラル公爵派に別れて内戦に突入、現在の東ロシーナ王国とソビエ聖国とウラル公国の3国に分裂した。

・現在も勇者は、自国の物だと主張しているのがソビエ聖国で、たま~に忘れた頃に一方的に使者を送ってきては、一方的にソビエ聖国への恭順と東ロシーナ王国に対しての宣戦布告をしろと一方的に要求しているんだよ、ここ1000年ほどと。


ウワァ~、シツコイネ?

しかも1000年もかよ?

〔ほぼ、寝言は寝て言え状態だね? 〕


あれ、それだと東ロシーナ王国も似たような事は言ってくるのでは?


「当時の皇帝派は勇者召喚自体が反対だったらしい。何せ召喚陣を動かす為だけに、生け贄と称して2万人分の奴隷や信者を魔力欠乏症生急性ショック死させたらしいからのう。だから皇帝派、今の東ロシーナ王国は、教皇派であるソビエ聖国が憎いらしい 」


ウワァ~、何その宗教?

もう邪教の類じゃないの?

〔しかもアルテナ女神様も知らない神様ってどうなってるの? 〕


「もっとも東ロシーナ王国には、ソビエ聖国がこのような卑劣な要求が来てるが我が国は、専守防衛はするが侵略はできないので申し訳ないが、ソビエ聖国にその様に言ってくださいと親書と一緒に送っておいたよ。たぶん、東ロシーナ王国から毎回笑い者にされただろうね 」


ウワァ~、陛下もエゲツナイ!

確かに敵の敵は味方だけどね。


「ま、現在は、東ロシーナ王国とは友好的に貿易協定を組んでいるし、コウライ王国とも貿易協定を組んでいるからね、ある程度の情報は来てるよ 」


何かこの国には有るよね。

絶対にMI6みたいな組織有るよね。


「そこで何故、海軍の増強をする事になったかと言うと、どうも聖国は、我が国で内乱を興して混乱した隙に季節風を利用して、大量の船を使って一気にイングスランド大内海を渡る計画らしい。そして我が国の反乱軍と呼応して占拠する計画らしいな 」


「そんな事になってるのですか? 」


リチャード王子もビックリしてますね。

僕も聞いていて驚いたよ。


「そこで内乱を起こそうとしているのが貴族派の連中でその中心がマンチェスター侯爵らしいのだが……… 」


「決定的な証拠が無いと! 」


「確かに証拠がないと何もできませんね 」


「何故、その様な情報が? 」


うん、リチャード王子が聞いてくれるから質問しなくて助かるよ。


「そこにおる息子からの情報だよ。しかし良いのか、お父上を裏切る行為をしても? 」


まさかのロジャー先輩情報とは!

でもなんで?


「はい、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、私の母は、王都の商家ムーアー家の娘でまぁ、マンチェスター侯爵領に行ったときに侯爵に見初められて側室にと強引にさらわれた様なもので母方のお祖父様も怒ってましたが相手が侯爵様なのでどうしようもなく結局は泣く泣く輿入れすることになったのですが………それからは地獄の日々を送ることになり……… 」


うん、聞いてられないよ!

内容は………


・まず、定番の姑のイビリ!

・正妻のいじめ!

・しかも屋敷も別でほぼ民家のボロ屋敷

・しかも親の商家からの献金の強要


………と数えたらきりがないらしい。


ロジャー先輩が生まれた後も………


・お前は継承権が無い妾の子だから期待はしていない

・成人するまでは一応面倒は見るが成人になったら出ていくこと!


………と正妻に言われていたらしい。


ロジャー先輩も苦労してたんだね。

ロジャー先輩の母上も心労で既に亡くなっていて、マンチェスター侯爵家には恩はなく怨みしかないので意思返しで高等部に次席で入ったらしい。

〔因みに例の上の兄はギリギリEクラスで文武祭等の失態により高等部3年の時に退学処分になっていたそうです 〕


学費は母方のお祖父様、商家のムーアー家の援助を受けたらしい。

そして今は王国の文官として給金で、学費を返済しているらしいです。

〔うん、なんも言えない……… 〕


「現在、マンチェスター侯爵領はかなり財政的に危険な所まで来ているらしい。何せ領軍には金を掛けて強化している癖に領民からは搾取はしても施しは一切無いと、しかも配下の子爵、男爵家には献金させておる癖に国に納める税金は不作と称してケチっているしどうしようも無いとしか言えんよ。しかも贅沢三昧ときた! 」


宰相様も遠慮無しに言ってるよって、これは破産破滅一直線だよね。

どうするんだよあの侯爵は?

〔このままだと破産するだろうに? 〕


ア、マサカそのためのクーデター計画なのか?

確かにその方法ならって、なにこのテンプレ予想?

〔確かに人の財布から取れば借金はなんとかなるけどね? 〕


「それで聖国が進行するとして、いつ頃になるかだが……… 軍部の予想では? 」


「ハ、現在ソビエ聖国は現在、戦力の低下の回復のためすぐには動けないかと。それと食料備蓄もなく、今から貯蔵して船舶の準備等、進攻作戦をするにも速くても5年後、遅くても10年以内にはと予想しています 」


そのくらいは掛かるかな?


「マンチェスター侯爵領の状況からしてこのままだと速くても6年後、遅くても10年以内には、本当に飢饉が発生しますね。した場合は即でしょうね。しかもある程度攻めてからの援軍待ちの持久戦を考えているらしいが……… 」


ウワァ~、なにその戦略は?

持久戦は食糧備蓄と軍の維持以上に民間人はどうする気なのかな?

〔あの性格の息子の様子からだと、民は搾取してほったらかしかな? 〕


しかしすると………早くて僕が高等部の2年生の時かな?

早くてもねぇ………

〔ウ~ン、卒業までは頑張ってほしいけど………領民が持たないだろうし、陛下はどうにかするのだろうか? 〕




4ーⅢ

陛下と父上とエジンバラ辺境伯爵様は中が良いですね。


しかし聖国は、しつこいですね。


まさかのマンチェスター侯爵家が裏切り者(予定? )だったとは!

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