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2ーⅩⅢ話 8歳 文武祭③

2ーⅩⅢ話です。


誰だ! 危険物投げたのは!!


そして精神がゴリゴリ削られたフリート君だった。

2ーⅩⅢ話


え、何でナイフが?

突然、観客席からナイフが飛んできた?

〔誰だ、危ないな? 〕


ナイフを槍杖で振り向きながら弾き落としたら………ヤバイ!、ボム付きかよ!

即、土魔法で囲って爆風を逃がすのに上に穴を開けてっと!


"ドガァァン! "


物凄い音がしたけど、爆風を上に逃したから回りには被害は無いかな?


『おっと! これは何者かがナイフを投げたのをフリート君が弾いたらナイフが地面に刺さった瞬間、フリート君が慌ててアースウォールで囲った途端の爆発ってドウユウコト? 』


『………これはナイフにさっきの"ボム"を仕掛けてあったな。一体誰じゃ、神聖な闘技場を汚すのは! 』


「そこの者の方が反則ではないか! 」


おや、どっかの貴族様が青筋たてて立ち上がってるよ!

しかもまだナイフを持ってるよ!

〔あれ、誰かに似てますね……… 〕


「そもそも、貴様の杖には魔石を使っているから4属性の攻撃ができるのだろう! 違うか! 」


は、何かを言ってるんだ? このおバカさん。

おバカさんの居る観客席の回りにいる人は、逃げていったからそこだけ空間が空いてポツンと一人立ってる状態で目立ってますよ。

〔格好も凄いねぇ。………三流歌舞伎者?


『ホ、ホ、ホ、なんじゃ君か。相変わらずのようじゃのう、(落第生)ダニエル・フォン・マンチェスター君、君はまだ治っとらんようじゃな? 一昨年の武術大会での魔法攻撃の件は参ったぞ! 』


何かジェームズ君よりヤバイのが入るのかよマンチェスター家って!


『え~と校長、もしかして2年前の高等部、武術部門で後輩に負けそうになって攻撃魔法使っての反則攻撃した上で負けて、その後退学になった残念な方でしたよね? 』


『ホ、ホ、ホ、そうじゃのう。他にも色々とやらかしていたからのう。相変わらずの貴族様なのかのう。そんな事しているから、地元の領地では酷い事になってる様だね。こんな所に来てるって事は、現在揉み消し工作中かのう? 』


『ま、確かに当時は在校生No.1の嫌われものでしたしね。よく女子更衣室に突入してきて迷惑でしたしね! 』


何だって、とんでもない小悪党だな!

っていうより随分小物臭がする変質者だな?


「何を言う無礼者! お前たちが私の行く場所で勝手に着替えていただけだろう! しかも勝手におお騒ぎしとってからに! お前らが悪だろう、小市民のくせして! 」


え~と、女子更衣室に突入した時点で、普通にアウトでしょう?


『相変わらず治ってないのう。退学処分にした時にワシは言った筈だが、"貴族様だと振る舞っているといずれ破滅するぞ! "と。民の事を考えない領主は自滅するともな! その様子だと未だに理解はしとらんようだな? 』


「五月蝿い! 先ずはそこのチビに貴族のなんたるかを教えておかないと、こちらの気が済まないからな! 」


そう言って闘技場に降り立つ貴族様?

え、僕は関係………あ、ジェームズ君ボコってた(笑)


「貴様がいなければ、ジェームズはトップになれたものを! 」


本当に何を言い出すの?

僕は関係無いでしょうに?


「え~と、それは無理では? それ以前に成績が50位以下に落ちた時点で本人の努力不足でしょう。何故鍛練し、勉強しないのか不思議ですけどね? 」


「貴様、上位貴族に対してそのような暴言、不敬だぞ! 」


本当に何を言いたいのかな?


「はぁ、何を言ってるのかわかりませんが貴方はまだ、マンチェスター侯爵家の後継者の一人でマンチェスター侯爵では無いですよね。こんなことしてると廃摘されますよ。しかも国王陛下の前でこんなことして良いのですか? 」


フリートは北側の観覧席に向かって臣下の礼をとっていた。

観覧席には、国王様と王妃様が物凄い顔して見ていた。


『貴様は何者かな? 』


国王様からの問い掛けですよ!

早く答えないとね。


『今は初等部の試合が行われていた筈だが……… もう一度聞く。貴様は何者か! 』


まだ理解………おや、やっと理解したかな? 何かガクブルしてますね。

僕もまさか決勝戦から観戦してるとは思わなかったよ。

〔陛下の性格だと………あり得るかな? 〕


「………あぁ…………アリエナイ…………陛下ガイルナンテ…………アリエナイ………ウアァァァァァァァァ! 」


あ、壊れたかな?

………あ、ヤバイ! ナイフをばら蒔いたよ!!

〔持っていた4本全部! 〕


「チ、ナイフから離れて! 」


近くにいた教官に注意をして近くのナイフ2本の処理を魔法でしてたら………


「そんな事していて隙だらけだな! 」


"ドガァァン! ドガァァン! "


ご丁寧に僕の方に投げたナイフのみ爆弾付きで他に投げたナイフは普通のナイフだった。

狂ったふりしていきなり持ってた長剣で斬りかかって来たよ。

〔ほんと腐ってるねぇ 〕


「………まだ空気の読めないジェームズ君の方がまし? 」


僕は槍杖に光魔法を這わして受け止めてみた。

うん、師匠の方が強いね。

〔本当に武術部門に出てたのかな? 〕


「な、我が剣を木剣で受け止めただと! 」


「………僕の師匠達だったら僕は吹き飛んでいたよ。ホントに武術部門に出てたんですか? 」


「何を言うか。お前の兄ウィリアムが邪魔をしなければ私が優勝してたものを! 黙って斬られろ! 」


ヘェ~、兄さまに負けたんだ!

この程度の腕では当たり前かな?


「この程度で私の兄に勝てるわけが無いでしょう。僕でも兄に勝てないのに? 」


「貴様ァァァァ、殺してやるゥゥ! 」


「だからって、弟に八つ当たりはみっともないですよ? 」


力任せに押し込んできたよ!

でもね、その長剣を良く見た方が良いのにね。


"パキン! "


長剣の方が折れたよ!

元々ナマクラの装飾剣だからかな? その剣では持ちませんよ(笑)


「な、バカな!? 木製の杖に折られるなんてアリエナイ! 」


「そんなナマクラ装飾剣では実戦に向きませんよ。それなら魔法で強化させた、このトレント材製槍杖の方が丈夫で固いしね! 」


僕は風魔法のウインドボール(初級 強め)を至近距離でぶち当てて壁面までバカ貴族様を飛ばした!

バカが気絶したタイミングで、騎士団到着って遅くないか!


「済まないな。ちょっと遅れたが、流石だな。また腕を上げたか、フリート 」


「騎士団長殿、わざと出ずにそこの影で見てたでしょう。さっさと出て来て下さいよ! 」


「なんだ、気づいていたか。まぁいい、後はこっちでやっておく。彼は色々問題を起こしているからね 」


この後、騎士団に縛り上げられて連行? (引きずって! ) されていった貴族様(笑)だった。

試合の方はその後、そのまま何事もなく行われていた。

〔何故か誰も気にしてなかった。後でハリー校長に聞いたら毎年あんなのが1人2人は出るそうです。………ってほんとかよ? 〕


この後、各学年の決勝戦は、滞りなく進み、午前の魔法部門は終わった。

午後からは武術部門が始まる。




お昼はいつもの食堂に行くと、人で一杯だったので売店の方に………

ゲ、姉様達が手招きしてる………

〔スゴクヤナ予感? 〕


ここは気がつかないふりして静かに撤退し………

ハイ、捕マリマシタ。

〔いつの間にか後ろに現れたキャロル姉様とソフィー先輩に捕まり引きずられて……… 〕


そして回りの目も気にせず人形の様に可愛がる姉様達と目が死んだ魚の様になった僕。

回りでは"オイ、今年の1年生の優勝者が………""何あの集団、怖! "という声がちらほらと聴こえてるよ。

〔誰か、"もうやめて! フリート君のSAN値がもうすぐ0よ! "って言ってくれないかな 〕


何とか姉様方のお食事会という修羅場? を乗り越え会場に向かう目が死んだままのフリート君とシャルロット様にメルの3人。


ステファニー先輩とカリーナ姉様達は"早速衣装を追加製作よ! "とどこかに行ってしまった!


〔何を作っているらしいが恐くて聴けません! 〕




午後からの武術部門には、初等部1年生の部にはマックが出るけど………大丈夫か♪

あとは、知り合いにクラス内の予選を勝ち抜いてリチャード先輩をボコっての出場した初等部3年S組代表のバスター先輩、最近マスマス戦闘狂化してきた中等部1年A組のキャロル姉様……… が出場します。

〔特にキャロル姉様の応援しないと後で拗ねられるとメンドクサイシネ 〕


ま、結果はマックもバスター先輩も優勝してたけどね。

え、キャロル姉様? 決勝でカイル君のお姉さんのセーラ先輩に惜しくも僅差で負けてしまった。

〔ま、試合が終わった後、"次は勝つ! "と宣言して握手してたから大丈夫かな? 〕


なお、武術部門が終わった瞬間、ハリー校長が消えて逃げた。

その後、マリア教官とミリー先輩がハリー校長を探していたらしい。

〔この後、ハリー校長が逃げ切ったか捕まったかは定かではない? 〕


こうして文武祭1日目が終わった。






とある屋……… マンチェスター侯爵邸にて。


「何をした! この馬鹿者が! 」


「父上、お待ち下さい。罠にはまったのです。私もジェームズも 」


「そんな言い訳が通る訳が無かろう! 陛下の目の前で何てことをしたんだ! 大馬鹿者が! 」


「いえ、それこそ王党派の仕掛けた罠です。父上! 」


「………お前がそこまでバカだと思わなかったわ。領地での事も既に陛下の耳に入ってしまってはお前を後継者にする事ができなくなった。全く大人しくしていれば良いものを、困ったことをしおってからに! 」


「な、それではあの妾の子のロジャーに継がせるつもりですか? あの軟弱ものに! 」


「それならロジャーはキッパリと断りよったぞ。このままだとジェームズに継がせる事になるな 」


「………私はどうなるのですか? 」


「暫くは謹慎、反省しとれ! お前の後始末にいくら掛かるか解らんわ。もう下がれ! バカ息子! 」


「………ハイ、わかりました……… 」



「フゥ~、全く何をやってるんだ、あのバカ息子は 」


「ま、確かに坊っちゃんは、あれでは自滅させて下さいよと言ってるものですからね 」


いつものように後ろの陰から出てくるスペクターの首領。


「お前達もわかっていて、何故止めなかった! 止めていれば! 」


「それは無理でした。坊っちゃんは見張られてましたね、王国騎士団に 」


「何だと! ………やはり見張られていたか。お前達は大丈夫だろうな 」


「私たちスペクターはそんなドジは踏みませんよ。それと塩の方で有力な情報です 」


「何か分かったか! 」


「塩の製法なんですが、どうも特殊な魔道具をバーミンガムで開発に成功したらしくそれで海水から直接塩を精製しているのであのような品質と価格の塩を精製できている様です 」


「………何だと! 魔道具で作っているだと! その魔道具を奪えないか? 」


「そうですね………我々スペクターの全戦力とマンチェスター侯爵軍の全戦力でもあのポーツマツ村イヤ、ポーツマツ()()は落とせないでしょうね 」


「そんなに強力な部隊でもいるのか? 」


「………バーミンガム特殊海兵隊と言われている特殊部隊で海陸どちらでも戦える戦闘集団と思われます。私の海賊船も既に1隻は沈められたと思われます 」


「何だと! ………バカな、お前達は最強の海賊ではなかったか? 」


「えぇ、普通の帆船相手なら我々は無敵ですけどね。相手が()()()()


「どういう事だ? 」


「僚船の話ではロンドン級らしい船が帆走で航行中の所を偶然発見して襲ったんですが、大砲は打つだけ無駄で船体に当たっても弾かれ、逆に相手の大砲に穴だらけにされる、しまいには接近されて謎の魔法攻撃を受けて兵隊も穴だらけ。最後は乗り込まれて拿捕させてましたね。僚船はその隙に逃げる事ができましたから情報が取れたんですけどね 」


「何だと!ロンドン級はまだ2隻しかないはずだぞ! どうなっている 」


「恐らくはもう1隻………イヤ、元々3隻は有ったのでは? 」


「どういう事だ! 」


「我々が襲ったのがオリジナルの試験船で、試験が終わったので戦闘艦に改装でもしたのでしょう 」


「ウ~ン、すると我が領地近くで拿捕は難しいか 」


「あの速度は反則ですね。風が無くても進むのが問題ですね。恐らくは魔道具でしょうけど 」


「………引き続き塩の魔道具とあの船の仕組みの調査をしろ。全く忌々しい 」






文武祭2日目


とうとう来てしまった魔の2日目。

朝から逃げ出したが……… 両脇をカリーナ姉様とキャロル姉様にホールドされたまま登校です。

〔そしてそのまま高等部の校舎まで連行されます……… 〕


途中、目の回りに青タンができていたハリー校長がいたのですが………


「ホ、ホ、ホ、フリート君頑張りたまえ。ホ、ホ、ホ……… 」


………見放されました。


カリーナ姉様の教室、高等部の在る教室では……… 混沌としていました。

皆さん目が血走ってますね。

〔あれ、他の男の子の方は………〕


そして用意された衣装を見て……………逃げたい………

その後、中央通路の特設販売ステージにて、ただ椅子に座ってました。

〔うん、逃げたいよ! 〕


この後、どうなったって?

勿論、SAN値? HP値? をゴリゴリ削られたと言っとくよ。

〔お店? は大繁盛してたよ。………腐の女子達でねって、こんなに居たの? 〕


お昼時に"兄様の応援に行きたいなぁ~"と言ったら、そのままの格好(衣装)で行くことにって何で?

両脇にカリーナ姉様とステファニー先輩に抱えられ闘技場まで行くことに。

〔回りの人達は哀れみの目で見てましたよね。たぶん? 〕


そして会場の一角に謎の美幼女とステファニー第1王女がたくさんの(腐の)お嬢様方と観戦してるのを見て辺りの人達がザワついていたよ。

後に国王陛下の隠し子騒動に発展して、ちょっとした騒ぎになったとか。

〔端から見てもお姉様方(特にステファニー第1王女とソフィー第2王女とカリーナ姉様 )に可愛がられる美幼女としか見られて無かったらしいって何でだよ? 〕


試合の方は結果から言うと、結局最後にウィリアム兄さま対エドワード第1王子の一騎討ちになって兄さまが勝っていたよ!

兄さま、おめでとうございます。

〔でも良いのかな? 王子ボコって? 〕


この後、またお店に連行されて文武祭が終わるまでお着替えしながらステージ上の椅子に座ってました。

お店の売上げ? ものすごかったとしか言えません。

〔まぁイクラカハモラッタケドネ(ワリニアワン! ) 〕


え、エキシビションマッチ?

兄様との話は有ったよ………腐のお姉様方に阻止されていたけどね。

〔それはそれで助かったけど……… 〕



こうして今年の文武祭は、終わった。




因みに文武祭の後に、マンチェスター侯爵家ではちょっとしたお家騒動の後、ジェームズ君が後継者に条件付きで指名されたらしい。

勿論、条件はSクラスでの卒業だったが。

〔もっとも無理じゃねぇ? 〕


兄であったダニエルは廃嫡、マンチェスター侯爵領内の男爵領の養子に出される事になった。

本人は納得していないらしいけどね。

〔もっとも海賊スペクターの本拠地のある街だったが 〕







《文武祭武道会武術部門ルール》

①勝負は必ず武術のみの試合です。

(魔法禁止、ただし身体強化魔法は使える)

②武器は木製の訓練用武器のみ認められています

③闘技場は特殊なフィールドになっていまして攻撃を受けるとそれぞれのダメージは数値化されて精神に蓄積されます

④精神ゲージは、闘技場に表示されていてダメージ具合も見られます

⑤このゲージが0になると気絶します

気絶した時点で負けです

⑥また、降参した時点で負けですが、降参しているのに攻撃をした場合は攻撃をした方も失格、反則負けになります

⑦魔法攻撃、マジックアイテム、回復魔法、回復ポーション等は使用禁止です

⑧その他相手に怪我や命に関わる攻撃をした者は失格になります




2ーⅩⅢ

ジェームズ君の兄貴も空気の読めない方だった?


そしてSAN値が限り無くZEROになったフリートだった。

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