2ーⅩⅡ話 8歳 文武祭②
2ーⅩⅡ話です。
武道会魔法部門、初等部1年生の部、決勝戦です。
あの魔力タンクの使い方は………
ん、何投げた?
2ーⅩⅡ
「それでは初等部1年生の部、決勝戦始め! 」
「くたばれフリート! 我が怒りの炎の槍を受けろ! ファイヤーランス! 」
『オ~ト、行きなりファイヤーランスを放ったぞ! しかも連射してるぞ。あれ、フリート君は構えてもいないがどうした? 』
[神眼]で観測中………ウ~ン、威力は中級? 発動はヤッパリ杖だね。
さて、ここは、氷の壁かな? 連射してるしね。
「アイスウォール(中級、ちょっと厚め♪ ) 」
『おっと、フリート君は冷静に氷の壁を作って防いでいるぞ! しかもぶ厚く成形して全く攻撃が通らないぞ! 』
おや、余裕な顔していたジェームズ君が焦ってますね。
攻撃が通らないのでびっくりしてるね。
〔溶けたり欠けたりしても即再生してますからね 〕
「そろそろかな? 」
ファイヤーランスを30発撃った後、突然魔法攻撃が止まった。
やはり使用している魔力タンクはファイヤーランス30発分か………おや、何か持ってるね!
〔フ~ン、交換するのは良くないね! 〕
「アイスニードル! (初級、弱め! ) 」
僕はジェームズの手元を狙って氷の粒を当てて魔石を弾いてうまくマリア教官の前に落とした。
マリア教官は目の前に落ちた魔石を見ていたが………気づいて無かった。
〔魔石で魔力を貯めておいて使うのは余り有名じゃ無いからね 〕
『おっとフリート君が始めて攻撃したけど、ジェームス君が何か落としました。あれは………石? 』
『ホ、ホ、ホ、試合が終わったら説明しようかのう 』
ハリー校長、止めろよ!
明確な反則の証拠品だろう!
〔恐らくハリー校長は止める気無いだろうねぇ………ハァ~ 〕
「貴様、何をする。攻撃の邪魔をしおって! 」
「何を言ってるのかな? 空気の読めないジェームズ君。その魔石の事、僕が知らないとでも思ってるのかな? しかしたった30発分しか入って無いとはね。随分安物なのかその杖の仕掛けがショボいのか………両方かな(笑) 」
「貴様、馬鹿にしやがって! 食らえ、ファイヤーランス! 」
ほう、今度は自分の魔力で撃ってきたか………さっきより何か威力がショボいね。
「面倒だな………切るか 」
僕は飛んできたファイヤーランス? をサウス5の木製の刃に氷の魔法を這わせて叩き切ってみた!
…………………会場は静かになった。
〔アレ、ドウシタノカナ? 〕
『………ハリー校長、魔法って切れました? 』
『ホ、ホ、ホ、説明すると魔法を魔法で切ったようじゃのう。あの杖の刃の部分にあれは、氷の魔法を這わせて切ったのだろう。凄いのう 』
『え、魔法を這わせるって? そんな事できるんですか? 』
『まぁ、ワシも始めて聞いたときは驚いたが何でも魔法の修業中に偶然発見したらしいのう。詳しくはまだ聞き出して無いがのう。兎に角、魔法で迎撃したのでルール違反では無いぞ 』
『何とオリジナルの魔法の様です。凄いです。これはどんな魔法でも切っちゃいそうですね 』
"ワァァァァァァ! ワァァァァァァ! "
解説が終わった途端の歓声が凄いことに。
校長がやっと真面目に解説したよ(笑)
「貴様、そんなインチキして恥ずかしく無いのか! 」
何を言い出すのかな。
自分の事を棚に上げて(笑)
「………あの~さっきから何を言っているのかな、空気の読めないジェームズ君? ハリー校長の解説も聞いてないの? それに君、火属性の適正が有るのかな? さっきから違和感が有るんだけど、まさかその杖火属性の魔法が使える杖かな? 良く見付けたね。僕なんか水と風の杖は発見したけど火の杖は見付からなかったんだよね 」
本当に火魔法の杖だけは見つからなかったんだよね。
「貴様、何を言っている。私は火属性の魔法使いだぞ! 」
「ヘェ~てっきり土魔法の方が得意かと思ったよ! 」
[神眼]で見たら土属性の適正者だったよ。
おや、動揺してるね。
〔そりゃばれたら焦るかな? 〕
「貴様、火と氷のダブルだからって威張りやがって! 」
「え、何を言ってるの? 何時偉そうにしたって? まぁ良いや。ではこっちから行くよ。"カチャ"先ずはファイヤーボール(初級、ノーマル)! 」
"ボン"足元に当てて怯ませる。
「熱い! 」
「次に"カチャ"アースニードル(初級、ノーマル)! 」
土の塊を2発、太股と左腕に当てる
「"ガンガン! " 痛い痛い 」
予想通りにしこたま防具で固めてるね、服の下を。
「次に"カチャ"ウォーターボール(初級、ノーマル)! 」
水玉の塊を当てる、全身に。
「"ザバン! " ウワップ、つめたい! 」
「次に"カチャ"アイスニードル(初級、ちょっと本気)! 」
氷の針を沢山足元に当てる。
割れて跳ねた氷がジェームズ君に当たる。
「"バシバシバシ…………! " 痛い痛いってなんじゃこりゃぁぁぁ! 」
腰から下を凍られてみました。
そりゃ水をぶっかけてからの氷属性の攻撃をしましたからね。
〔全く動けなくなったジェームズ君! 〕
『………ハリー校長、フリート君は今え~と、火と土と水と氷の攻撃魔法を使いましたね。え、4属性の適正が有るんですか? 』
『ホ、ホ、ホ、その辺は知らないが問題なく使えるのか、杖の術式のせいなのかはわからんのう? 』
どっちでもいいですけどね。
教えませんけどね(笑)
「お前は4属性の適正者なのか! 」
「………さあね。それは良いけど、空気の読めないジェームズ君、降参しないの? 君、今動けないでしょうし魔力残量も無いし、ダメージゲージも後僅かだよ。どうするの? 良い的だよね? 」
魔力も切れかけ、足は氷漬け、ダメージゲージは後僅か、どうするのかな?
「ウルサイ、うるさい、五月蝿い! ………いい気になるなよ! これでも食らえ! 」
あ、切れた!
ジェームズ君が切れて何かを投げたよってあれは!?
『おっと、ジェームズ君何かを投げた! 』
『アイテムは使用禁止と言っとるのにのう 』
ほんとに迷惑です。
おや、何か点減している怪しい魔石ですね………あ、ヤバイ、あれは!
〔おい、本気で使うか? あの危険物! 〕
「アイスニードル! 」
フリートは謎の点滅している赤い石? を氷針で弾き、ジェームス君の後ろに弾き返した。
ジェームズは驚いていたが後の祭、背中側で大爆発していた。
〔動けないのにあんなの使ったら、普通に避けられないだろうね 〕
"ドガガガン! "
『おっと! フィールド一杯に大爆発してます! これは………… 』
フィールド一杯に炎の爆風が飛び散る!
『ウ~ン、最近出回り始めたマジックアイテム、エクスプローションボム かのう。特定の魔法を詰めてあのように投げると確か5~6秒で爆発する石かのう。今の詰めて有った魔法は恐らく火魔法のファイヤーエクスプローション(火、上級)かのう 』
『校長、そんな余裕な事言っていて良いのですか! 』
『ホ、ホ、ホ、まぁ舞台の上を見るのじゃな 』
煙の晴れた舞台の上で、ジェームズは気絶して倒れていた………失禁して………
そしてフリートがいなかった?
『あの~校長、フリート君がいませんよ? 』
『ホ、ホ、ホ、ああいう避け方が有るとはのう 』
『え、どういう事ですか? "ドガン!" ヒャイ! 』
突然、舞台の床が爆発して穴が空き中からフリートが飛び出した。
「フ~、偉い目にあったな………あれ、勝負はどうなった? 」
キョロキョロ回りを見ると………観客席はシ~~ンっとしていた。
しかも皆さん口が開いてますよ。
『こ、校長! ハリー校長、彼は何で地面から出てきたのですか? 』
『ホ、ホ、ホ、恐らくは爆風を避けるために先ず土魔法のピットホール(初級)で穴を掘って、その中に入った後、アースウォール(中級)で蓋をして爆風を避けた? かのう 』
はい、ハリー校長正解です。
『え~と校長、この場合はどうしたら良いのでしょうか? 』
救護担当の教官が気絶しているジェームズ君を担架に適当に載せて運び出していた。
『ホ、ホ、ホ、先ほどの石から説明しようかのう。あの石は、魔力を貯める事ができるマジックアイテムで、通称魔力タンクと呼ばれているものだよ。ソコソコ優秀な魔道具職人なら作れる代物だよ。もっともあれは大したこともないのう。高々ファイヤーランス30発分しか魔力を貯められないとは 』
『え、それであんなに連射できたんですか? 』
『そうゆう事じゃな。それにエクスプローションボムを使ってるし、マジックアイテムを使用した時点でジェームズ君の反則負けじゃが、その反則攻撃をものともせず無傷で立ってるのじゃから文句なしにフリート君の勝ちじゃ 』
もうさっさと止めて下さいよ、校長!
『第1試合は圧倒的勝利で1ーSフリート君の勝利です♪ 』
"ウォォォォォ! ワァァァァァァ! …………… "
宣言した瞬間、割れんばかりの歓声が上がった!
『しかし、反則がわかっていてハリー校長は何故止めなかったんですか? 』
本当に何でだよ!
『ホ、ホ、ホ、その方が面白いものが見れたじゃろう。それにあれ位でフリート君が負けるとも思わないがのう。ホ、ホ、ホ 』
『………あれ、何でかフリート君に同情したくなったのは、私だけかな? 皆さんはどう思いますか? 』
開場中の皆さん、頷いてるよ!
僕もそう思うよ。
『では、魔法部門初等部1年生の部、優勝はフリート君でした。おめでとう! 会場の皆さん、盛大な拍手をお願いします♪ 』
僕は北側の観客席側に向かって頭を下げてから東門に向けて歩いていってもうすぐの所で………ナイフが飛んできた!
〔え、何でナイフが? 〕
2ーⅩⅡ
ウ~ン、良いのかな、反則に気が付かない審判って?
あれ、魔法って切れるんだ? (会場にいた人達の感想? )
校長!わかってたなら止めろ!