2ーⅩⅠ話 8歳 文武祭①
2ーⅩⅠ話です。
始まりました、文武祭名物 武道会。
おや、魔導具使って良いのかな?
2ーⅩⅠ話
闘技場に付いて控え室に案内されたら……… 何故かシャルロット様とメルが待っていた。
そして何かと世話をしてきた?
「フリート君、お茶をどうぞ。(ニコリ) 」
「フリート、お菓子をどうぞ。(ニコリ) 」
「………え~と、お二人は何でここに居るのかな? 」
「え、知らないの? 選手は2人までセコンドに付いて良いのを? 」
「そうよ、やっぱりフリートには私とシャルロットがセコンドって決まってるでしょう? 」
え、そうなの?
知らなかったよ。
〔あれ、それだと……… 〕
「………え~と、マックには誰が付いてるの? 」
「「サァ~? 」」
マックには、誰か付いてるよな?
………心配です。
「マックには誰が付いてるよね 」
「………サァ~、たぶんクラフトが付いてるのでは? 」
「マック君には確かクラフト君とカイル君が付いてるハズよ? 」
どうも、よく知らないらしい。
「把握してないのね。まぁ良いけど私が渡した練習用の剣は届いてるよね 」
「あぁ、あの剣ね。マックがビックリしてたわよ。なにこの大剣って 」
「そうなのですか? 私は見てないですけど 」
マックにはご希望通り、実物大で重さも一緒の木製両手剣を渡してもらってた。
身体強化の付与付きの魔導具ですが。
「ま、本番でのお楽しみかな。見た目で騙されると痛い目に合うよ、相手がね 」
「そういうフリート君はその………槍? 使えるの? 」
「槍じゃなくて槍杖ね。一応、杖? の亜種かな。ま、これも本番までのお楽しみかな♪ 」
弾倉のカートリッチを交換(風から水に) しとく。
火消しのために(笑)。
〔多分火魔法使いが多いような気がするしね♪ 〕
「「何かと相手がかわいそうな事になりそう 」」
「そう言えば、このまま決勝に勝ち上がったら相手は誰だろうね? 」
「「フリート君なら余裕でしょ。万が一あのバカが出てきたって余裕でしょう? 」」
そう、何故かクラス代表で空気の読めない人が出てきていた?
「………怖いのは反則的にマジックアイテムを使われる事かな。前科があるしね? 」
「え、そうなの? 」
「あぁ、あの時の事だよね。フリートとマックに不良品使わせようとしたんだよね? 」
僕たちに威力が1/10になる魔法の杖? を使わせた件です。
「あの時は自分の杖には10倍の威力になる杖を使おうとして魔力切れになってヘロヘロのファイヤーボール? かな、射てたけど途中で消えてたね 」
「それ教官に言いました? 」
「イヤ、言ったところでそれを使いこなせない時点で問題無いでしょうし、魔法や武術の修行もしてる様子もないしね 」
実際に噂で勉強も修業もしないで取り巻きと遊んでいるらしいと聞いていますよ。
「「確かにね。ほっときましょう! 」」
こうしてわいわいやってました。
別の控え室にて
「兄上、このマジックアイテムを使えばあのにっくきフリートを潰す事ができるのですか! 」
「そうだ。そのマジックアイテムは魔力タンクになっているからその杖と一緒に使えばいくらでも魔法が打てるぞ。それとこのマジックアイテムは、有る魔法が詰めてある。その魔法ならばどんな防御魔法があっても間違いなく貫通させて、ダメージを与える事ができる。その生意気なバーミンガムの次男を懲らしめてこい。あの忌々しいバーミンガム家の人間はいなくなるのが世の中のためには良いからな。お前は将来俺の領軍のトップになって働いてもらいたいからな。しっかりと確実に倒せよ! 」
「はい、兄上。任せて下さい! 」
「(………相変わらずの反則技を弟にもさせるとは困ったものよの………)」
その様子を隠れて見ていた……………だった。
『サァ、始まります、イングスランド王国王立学校創設以来のこの行事、文武祭♪ そして名物となってます、武道会♪ その前哨戦、魔術部門が始まります。私、司会進行を勤めさせていただきます中等部3年S組のミリー・ダイドーです。ダイドー商会の娘ですのでご存知の方も多いと思います。ダイドー商会もよろしくお願いいたします。おっと思わず宣伝しちゃった、テヘ♪ ま、よろしくね♪ 』
何で司会進行が有るんだよ!
しっかりと宣伝もしてますね、ミリー先輩!
『そして今回の解説者! ハリー校長ですがまだおみえになってません。一体どこで道草してるんでしょう? 』
『………あのな、もう席についとるぞ! 全く気付かないとはな。それに宣伝とはのう。ミリー君は減点かのう……… 』
『げ、いつの間に! ハリー校長、勘弁してください。それにその魔法は止めて下さい。気が付くはずが無いですよ! 』
『ホ、ホ、ホ、そう言うものかのう。ま、よろしくじゃよ。それではさっさと始めようかのう 』
『その前に今回の主審判を紹介します。魔法学の教官、マリア・モンロー教官、24歳独身、恋人募集中だそうです。こんな美人の教官が売れ残っている奇跡! サァ、早い者勝ちだぞ! ってなにこの原稿? 誰が書いたの! 』
『ホ、ホ、ホ、ほんとに誰が書いたのじゃ! 』
「おい、ミリー、後で教官室に来い! 逃げるなよ! 」
『え~と、わかりました。誰よ!原稿いじったのは! 』
ミリー先輩、恐らくは隣の方ハリー校長だと思いますよ。
『さて、ここで始めての方もいらっしゃるのでこの勝敗のルールをお話ししましょう 』
まぁ、要約するとこうです。
《文武祭武道会魔法部門ルール》
①勝負は必ず魔法のみの試合です。
②武器は杖のみ認められています。
③闘技場は特殊なフィールドになっていまして攻撃を受けるとそれぞれのダメージは数値化されて精神に蓄積されます。
④精神ゲージは、闘技場に表示されていてダメージ具合も見られます。
⑤このゲージが0になると気絶します。気絶した時点で負けです。
⑥また、降参した時点で負けですが、降参しているのに攻撃をした場合は攻撃をした方も失格、反則負けになります。
⑦杖以外の攻撃、マジックアイテム、回復ポーション等は使用禁止です。
⑧その他相手に怪我や命に関わる攻撃をした者は失格になります。
この闘技場のシステムも初代国王様が………って、ほんと井川君って何者?
『では初等部1年生の部門からいってみよう♪ 』
こうしてトーナメントが始まった。
一応、S組とA組の人はシードで1勝すれば即決勝になるんだけどね。
〔別に最初からやっても良いのだけれどね 〕
僕はシードだから先ず試合を見ていたら第1試合から驚いた。
E組の子がC組の子に勝ったよ!
〔まさに、下剋上だったね 〕
ウ~ン彼は水魔法特化タイプかな?
結構面白い人材ですね。
〔平民の子の様ですね。次で当たるし少し話せるかな? 〕
第2試合は、………え、ジェームズ君ってあんなに魔力在ったかな?
火魔法の連打で力押しで勝っちゃったよ!?
〔何か違和感が……… 〕
ここで上級生の1回戦目が始まり休憩に。
勿論、先輩の試合も見ますよ。
2回戦第1試合は、シードの僕とE組の子の対戦だったけど………うん、努力してる人は凄いよ。
その子は水魔法特化の子みたいで何とウォーターカッター(初級、でも威力は中級に迫ってる)を連続で打ってきたからね。
〔ちと焦った! 〕
もっともアイスウォール(中級)を展開して攻撃を通せない様にしたらドンドン水を当てるもんだから氷の壁が厚くなっていって相手側に広がってミルミルE組の子の回りが氷におおわれてたよ。
焦って上に脱出しようと上を見ると………ファイヤーボール? (初級、特大) が待機中。
結局はE組の子が降参して僕の勝ちに。
僕は魔法を解除してから、名前を聞いて握手して別れたよ。
〔勿論、唾つけますよ、優秀な子は囲わないとね! 〕
さて、次の試合は………え、また火力のゴリ押しでジェームズ君がA組の子に勝ったよ!
おかしいな? 当人の魔力自体減って無いのもおかしいね?
〔ウ~ン、まさかマジックアイテム使ってないか? 〕
『おかしいのう? 彼、あんなに魔法使えただろうか? 』
『え、そうですか? 確かに変ですね。どうなってるのかな? 』
『ほんとに変じゃのう? 』
結局は次に当たった時に調べますか。
多分、魔導具だろうけどね。
途中経過だけどね………
S組━━━━━━┓
┃
C組━┓ ┣━S組━┓
┣━E組━┛ ┃
E組━┛ ┃
┣━勝者
D組━┓ ┃
┣━B組━┓ ┃
B組━┛ ┣━B組━┛
┃
A組━━━━━━┛
………でしたが………アリエナイね。
ジェームズ君が勝ち上がってるよ。
〔間違いなくマジックアイテム使ってるよね 〕
次は2年生の試合か。
先輩の試合を見ていようかな。
『さぁ、いよいよ各学年の決勝戦だ! 先ずは初等部1年生からだぞ 』
さてとやりますか。
『では登場してもらいましょう。1年生の部、決勝戦。本命登場! 本年度の1年総代完全無欠のトップ、魔法もそうだが実は武術も凄い人。1年S組代表、フリート・フォン・バーミンガム君 が東門より登場です♪ 』
何か声援が凄いと思ったら………ヤッパリキャロル姉様達だったよ。
あれ、カリーナ姉様は何か配ってるね………物凄くやな予感………。
『そういえば2回戦から気になってたんですが、フリート君が持ってる杖? 見たことないですけど、ハリー校長、あれ良いんですか? 』
『ホ、ホ、ホ、問題ないぞ! ワシが許可をしたからな。ワシも欲しいからのう 』
『校長が欲しがるって。おっと、次に行きましょう。対戦相手です。え、この原稿で良いの? ………え~と、B組の貴族様、回りの迷惑考えずに魔法部門にエントリーの怖いもの知らず。1年B組代表、ジェームズ・フォン・マンチェスター君 が西門より登場です♪ 』
会場が笑いに満ちての登場ですか。
受け狙いも良いですね。
〔ウワ~メッチャニランデルヨ! 〕
『この試合の主審も魔法学のマリア教官です。………また誰よ! この原稿読んだら私が殺されるでしょうが! 一体誰よ 』
『ホ、ホ、ホ、ほんとに誰が書いたのじゃ! 』
「おい、ミリー、後で校長を引きずってでも連れてこい!原稿も忘れずにな! 」
『え~と、………! 判りました。ハリー校長だったんですね………もう止めて下さい! 』
『ホ、ホ、ホ、なんの事だ? それより試合じゃ、始めるぞ! 』
ウワ~、テオクレダロウ、ハリー校長!
ドウスルンダロウネ、試合ノアト?
〔恐らくは消えて逃げるんだろうね 〕
マリア教官はルールの確認をしてますけど。
問題は相手がルールを理解してるかだけど………無理だろうな。
〔聞いてる様には見えないけど? 〕
「双方準備はいいな! 」
「「はい 」」
「では開始位置に立って下さい 」
『マリア教官の確認も終わって双方開始位置に立ちました。舞台からマリア教官が離れて特殊なフィールドが展開します 』
何か舞台を透明な膜が被っていくよ。
「ク、ク、ク、これで私がトップで有ることが認められる 」
「………一応、確認するけどルール理解してます? 空気の読めないジェームズ君 」
「貴様を倒せば俺の勝ちだろう! 何を言っている 」
はい、理解してません。
「まぁ良いけど、ルールは守ろうね 」
「貴様はここで終わるんだから黙って殺られろ! 」
あ、あかん人だね。
どうせ噂の魔力タンクでも隠してるよな。
〔ベルトの所にとか? 〕
「それでは1年生の部、決勝戦始め! 」
2ーⅩⅠ
ヤッパリ 空気の読めないジェームズ君でした。
果たして校長は逃げ切れるか?