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12ーⅩⅡ話 25歳 魔族商人との対話

12ーⅩⅡ話です。


さて、死の商人と対決です。


果してどうなるだろうか?

12ーⅩⅡ話


3025年7月30日


ブエノスアイレス街沖5km付近。

[機動要塞戦艦むさし]停泊地点。


「さて、どう出るかな? 」


「どうでしょうね。相手は商人、油断すると尻の毛まで取ってくるからねぇ 」


「何だかケインさんを思い出すよ(笑) 」


「「違いない(笑) 」」


むさし艦内でそんな話をしてる頃、ブエノスアイレス街ではパニックになっていた。

何せ島の様な大きさの船が沖合いに現れて佇んで居るだけでもかなりの威圧感が有るからだった。

〔帆の無い島の様な船が動いていたらねぇ 〕



コンメア商会ブエノスアイレス支店内にて………


「それで、その人族はそう言ったんだな! 」


「ハイ、我々の船を拿捕した後に魔力石5tとあの海賊達の引き渡しを条件に我々の船の解放と魔導運搬車なる馬の要らない馬車5台の交換をと交渉しています 」


「それで拒否したらどうなる? 」


「魔導帆船を沈めた次いでに造船所も吹き飛ばすとも……… 」


「ク、それは困るぞ! 今現在、2番艦の建造中なんだぞ! 何とかならんのか? 」


「それなら奴らが使ってる魔導船の技術との交換の方がよろしいかと? あの技術の方が驚愕です! 」


「確かにそうだが……… 」


「我々があの船を占領すれば? 」


「無理ですね。例え船に乗り込めてもオートマトンに殺られますよ! 」


「何だと! オートマトンを使ってるのか? 」


「エェ、見えただけですけどあの小さい魔導船には人は乗ってる気配がしません。乗っていたのは見た目は小柄な人形みたいな物でそれが動き回っていました。私が知る限りはオートマトン位しか思い付きません! 」


確かにムサシに比べたら小型船だがウインド級も充分大きいのだが。

もっとも見られたオートマトン自体、小型なせいでも有るが。


「まさかオートマトンを実用化してると言うのか? でも何故動けるんだ? ここは魔素が薄過ぎて魔力が全く練れないこの地域で? 」


「その事なんですか、曳航されていた時に我々の魔導帆船を引いてた魔導船が1度あの大型船にくっついて補給と言うか何か魔力を持った何等かの………液体?の様な物を大型船からホースで入れている様に見えました 」


「………すると未知の魔力石みたいな液体が有るのか? 」


「その可能性は有りますね。ここはあいつらの言うとおりに取引をしておいた方が……… 」


「そうだな。ミスミス儲け話を逃すのもな……… 」


「何としても技術を持って帰らないとな 」


こうしてどのぐらいの情報を引き出させるかとなっていた。



その頃フリートは、呑気に待ちながら[むさし]の艦内工房で魔導運搬車をつくっていた。

もっとも引き渡す[Ⅲ号Ⅳ型改魔導運搬車](Ⅲ号Ⅱ型の簡略版の魔力石対応型)をわざわざ艦内工房で5台即興で作っていたフリートだったが(笑)

〔流石にそのまま[Ⅲ号Ⅳ型魔導運搬車]を渡すのもねぇ 〕


魔力石で動かしていた魔導送風機の1機を接収してその仕組みで魔力石タンクを作っていた。

勿論、スペックはちょっと良くしただけだが(笑)

〔次いでに弄ると壊れる仕掛け付き♪ 〕


調べて思ったが、魔力石は魔素化させても効率が悪く、魔素を抽出すると砂のような物が残る。

比率としては、体積に対して約20%位になるのかな?

〔砂自体は、ただの砂で金属成分では無かった 〕


液化エーテル液と比べても、重量も体積に対してナゼか魔力石の方が重たかった?

その分同じ体積量に対しては、魔力石の方が液化エーテル液より魔素量が1.2倍対比だったが。

〔この辺は要研究だった! 変換効率が上がれば? 〕


流石に魔導船(魔導ウォータージェット機関)は渡すつもりは無かった。

魔族が使ったら酷いことになりそうだからね。

〔魔大陸の魔族の海の掟が根本から変わる可能性が有った為だった 〕


工房で作っていると………


『ピ!、ブリッチからブルー大将、西より魔導船らしき船が接近してきます 』


「フム、魔族の船かな? (カチ)………取り合えずバスター大佐に様子を見てきてと行って、むさしちゃん 」


『ピ!、わかったわ、お兄ちゃん♪ 』


ブリッチに戻ったフリートはその船を見た。

船は普通の帆船だった。

〔まぁ、通常シップ型の大型帆船(800t)だな? 〕


帆を畳んで停船してこちらを見てるようだね。

あ、バスター大佐が魔導騎士で行ったよ!

〔普通は連絡船で行くだろうに! 〕


どうやら無事に乗り移ったかな?

後は連絡待ちかな?


『エアボーンリーダーよりブルーリーダー、相手の代表者に接触しました。ただ……… 』


その帆船に乗っていた人物が問題だった!

まぁ、ブエノスアイレス街に居る代表者と会う前だったのが結果良かったのかな?




次の日、やっと準備ができたと言うので港に向かうことに。

小さな小舟でやって来た猫人族の若者は船の大きさにビビっていた。

〔まるで島だと驚いていた 」


連絡船に乗って港に向かう事となった。

港には代表者以外誰も居なかった?

〔まぁ、不気味だよね。オールも帆も無い船が動いて来たら 〕


「よ、ようこそ、ブエノスアイレス街まで。私はコンメア商会ブエノスアイレス支店支配人のボウリです。以後よろしくお願いいたします 」


「これはどうも。私はここからは西の果て、フリーダム大陸の東側の島国、イングスランド王国ブルー辺境伯領主、フリート・アール・ブルーです。以後お見知りおきを 」


「それで今回は我が方の船がとんでもなく厄介になった上にここまで引いてきて頂き感謝させていただく 」


「ナニ、物の次いでですよ。交渉は早い方が良いでしょうからね、商人ならね 」


「そうですね。所でその船はどうやって動いているのですか? 魔力で動いているだろうとは思いますが、ここは大気中の魔素が薄い地域ですよ? 」


「その辺は機密情報になりますのでご勘弁を。もっとも私も解りませんがね(笑) 」


知らない振りをしておく。


「ソ、ソウデスカ? マァ、それは良いでしょう。それと魔力石をご所望とか? また何故です? 」


「魔力石は魔大陸ではポピュラーな物資と聞きましてね。マァ、研究用ですかね。我々も使い道を研究する必要が有りますしね 」


嘘ではないからね。

効率化できるかもだからね。

〔マダマダ魔力石は、僕にとって未知の物質だからね 〕


「ほう、それは興味が有りますね。できれば我々も一枚噛ませて貰いたいですね 」


「流石にそこまではね。それに極秘の研究も有りますのでね 」


特に液化エーテル技術は特にね!


「それで、肝心の交換予定の馬が要らない馬車は何処ですか? 」


「そうですね、今下ろしますね。オイ、頼む! 」


沖から[ランデングⅢ型]で運んでもらう。

海岸に乗り上げて前の扉が降りると、そこから降りてきたケベックⅢ型改だった。

〔船の方をガン見してるよ、ボウリ支配人は! 〕


「説明しますけど、一応ここの中に魔力石を入れると自動で魔力を抽出します 」


「なるほど、此方の仕様と同じにしてあるんですね? 」


「本国なら魔素の濃度が有りますが、こちらでは魔素はほぼ無いですからね 」


「確かにそうですね。なら魔大陸の方ならそのまま使えますかね? 」


「う~ん、どうでしょうね? 魔導機関が持つかどうか? 魔素が濃いとどの様な反応になるか未知数なのでね? 」


もっとも、実際そのまま使うと簡単に魔導回路が焼き切れるのだが。

使うには、魔素交換器の効率を落とすだけだが、そんな事は話さない。

〔ワザワザ教える事も無いよね 〕


「ソ、そうですか? それではお約束通りに、その奴隷と魔力石を交換でお願いします 」


「では、契約成立と言う事で! 」


握手をした時だった。

ボウリ支配人の眼が光っていた!

〔ん、これは? ([レジスト]) 〕


「それではブルー卿、あの船の構造を教えてくださいますか 」


「………… ボウリ支配人、何のつもりですか? 」


「エ、オカシイ? 」


また、目が光ってるよ(笑)


「ボウリ支配人、もし、洗脳しようとしても無駄ですよ。僕には効きませんから。さて、解析終了! 」


「ナ、何を! 」


フリートは亜空間収納庫から有る杖を出して!


「さてと、付与【アンチマインドコントロール】! よし 」


その場で付与魔法で有る魔法杖を作って見せた。


「なんなんだ、アンタは? それにその杖は? 」


「ン、こう使うんだよ! [アンチマインドコントロ(洗脳解除)ール(光魔法、王級)]! 」


ボウリの横に居る部下のゼニスに向かって使うと、ゼニスはその場で倒れたがすぐに目覚めた?


「アレ、何をしてたんだ、私は? エ、何でボウリと一緒に居るんだ? 」


洗脳が解けていた!

そう、この杖は洗脳を解くため専用の特殊な杖だった。

〔魔力を込めれば発動するタイプです 〕


あの時、ゼニスと対峙した時に鑑定したら、洗脳状態だった。

そこで解いても良かったが、どんな状態で洗脳を受けたのか、術式も知りたかったので解かずに今まで放置、術式も分かったのでここで杖のテストがてら使って解除してみた。

〔スリープ系の魔法かと思っていたが、ちょっと違うみたいだったが? 〕


「ク、ならばコレでも喰らえ! ファイヤー! 」


ボウリ支配人は杖を取り出したと思ったら、すぐにこちらに向けて火魔法(たぶん、ファイヤーブラスト(火魔法、特級)かな? )をいきなり放ってきた。

ただね。


「[マジックシールド]! 」


[マジックシールド(空間魔法、特級?)]を展開して炎の攻撃を受け止めて見せた!


「なぜだ、ここで杖無しで魔法を発動できるんだ? 」


「アンタも使ってるのに何を今更? 」


マァ、答えは腰に付けてる魔力バッグ(ポーチ型)から魔力を補給して放っただけだけどね。

魔力タンクの応用だけどね。

〔魔力の電池、魔力池って付けようかな? 〕


マァ、ここまでだな。


「ソロソロ出て来てくださいよ、支配人? 」


「何を! 私が支配人だ! 」


「イヤ、ボウリ君は更迭させてもらう 」


「エ、あなたわ! ナゼここに? 」


現れたのはコンメア商会No.2で、ブエノスアイレス街に視察に来た次期商会長、ネルソン・コンメアさんだった。

ほんと、タイミングよく来てくれたよね。


「で、ボウリ君、ここで何をしてるのだ? まさかステップ大陸を動乱させていたとは思わなかったぞ! 」


「それはコンメア商会の為でしょうが! こうやった方が利益が上がるだろうが! 」


「だからここに飛ばされたんだろう! 全く、クレタの後始末も大変だったんだぞ! 」


「ナ、何の事だ? 」


「お前が火を付けといて知らぬとはな! もっとも相手側のボルファム商会とは手打ち済みだよ。マァ、今頃は向こうのガメツ君だったかな、どうなってるやら? 」


「ナ、そんな……… 」


こうしてステップ大陸の動乱は収まる事になれば良いのだけれどね。

ちなみに、この後にナゼかボルファム商会の船が来たので拿捕して調べたら、ガメツ君からの使者だったので向こうのガメツ君も、ボウリ君も罪が確定することになったとか。




「ではブルー卿、今後も良い取引がしたいですね 」


「マァ、僕としても商人同士の取引には介入しませんが、ただ余りやり過ぎると! 」


「わかってますよ。あんなので来られても困りますので。では近々♪ 」


「エェ、良い取引が出来ます様に♪ 」


今回、コンメア商会との貿易交渉の為、近々我が国に来るそうです。

マァ、商気と見たんだろうね?

〔ケインさんに丸投げしておこう(笑) 〕


今後、マナパ経由の魔大陸との貿易が行われる事になっていく事に。

ほんと、新型の魔導輸送船を作らないといけないのかな?

〔ステップ大陸経由での航行も考慮しないとね 〕


こうしてステップ大陸の動乱は終息していくことに。

機動要塞戦艦むさしはイングスランド王国に向かって出発した。




12ーⅩⅡ

マァ、フリート君には効かないよね。

しかも上役の登場で詰んでるし。

こうしてステップ大陸の動乱は終息の方向に向かうのかな?




お久し振りでした。

う~ん、投稿に時間がかかってしまった。

どう話を落とすか悩んだ結果、こうなりました。

さらに章を入れた次いでに各所整理、修正しています。

また、次の投稿はちょっと時間が掛かるかも知れませんので暫くお待ち下さい。

でも、他の作品の筆の方が進むのは何でだろう?


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