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12ーⅩⅠ話 25歳 マナパ海峡通過!

12ーⅩⅠ話です。


さて、魔導船を拿捕しましょう。


次は西魔大洋側に向かいましょう。


12ーⅩⅠ話


2025年7月10日


マナパ地域がマナパ海峡になってから約1ヶ月後、海流も落ち着いてきた。

潮流の流れは午前が東から西へ、午後が西から東への流れになっていた。

〔流れ自体は大体10ノット位の潮流だった 〕


両大陸側の調査なのか小型の船が海峡に入るが、ほぼ潮流に流され、中には沈む船も有った。

流石に小型船では無理だろうね。

〔帆船でも流されるのがオチだろうけどね 〕




マナパ海峡上空15,000m付近の[マザーバード]機内より。


思ったより速く行動を起こしたのが南ステップ大陸ブエノスアイレス街を拠点とするコンメア商会側だった。

なんと、鉄張り魔導帆船と言える大型船が1隻現れた。

〔良く見たらロシナ聖国の魔導帆船に鉄張りしたような船だった? 〕


しかも魔導送風機で操船しているし、左右には大砲も付いていた。

乗員は猫人族がほとんどだが、人族と魔族らしい人物も確認できた。

〔まさかねぇ。あいつらか? 〕


「それでどうするんだよ、フリート? 」


「まさかあいつらがここまで逃げてるなんて思わないわ! しかもあれは魔族の技術で建造された船かな? 不味いな、ステップ大陸の軍事バランスが崩れるかもな? 」


「どう言う事? 」


「簡単だよ! あれを元にもしも量産してたら大変だよ! 何せ動力は魔力石を使えば良いしね 」


魔力石とあの船の技術を合わせたら………

北ステップ大陸側にはまだ使われては無いような技術だろうけどね。

〔問題は何時まで知られずにすむかだよね? 〕


「どうするの? 」


「恐らくは明日の朝には潮流に乗って西側に来るだろうからその時に拿捕して見るか(笑) 」


魔族の魔導船技術は知りたいしね。


「また悪い顔をしてるぞ、フリート 」


「そうかよ! それでどうする、マック君? 」


「バスター大佐に任せるよ。魔導鎧なら魔法攻撃も防げるでしょ 」


「それじゃ明日の朝にはここで監視だな 」


「ならファントム隊で威嚇するかい? 」


「大砲のまぐれ当たりが怖いから却下! 」


「チィ、残念! 」




次の日


「良し、潮流は向こうに流れてるぞ! 太人洋側に向かうぞ! 」


「本当に行くのですか? 」


「そうだ、あの島を調査すれば何かわかるだろうよ。全く豹人族の呪いなど有りはせん! 」


「知りませんよ! 」


「おい、さっさと船を進ませろ! 」


「(チィ)錨を上げろ! 海峡に入るぞ! 両玄とも陸地との距離を確認しろ! 一気に渡るぞ! 」


「「「「「おぉ! 」」」」」


現在、この船には、船長として人族の男が部下の人族共々顎で使われていた。

首には、奴隷の首輪が付いていた。

〔魔大陸産の奴隷の首輪だった 〕


捕まって奴隷落ちになっていた海賊スペクターの生き残りだった。

上手く取り入ろうとしていたが、多数の小型船で接近した猫人族の海賊に乗り込まれて簡単に捕まっていた。

〔その時に生き残ったのは船長の首領のエルストンと部下6人だった 〕


猫海賊は船を拿捕したのは良いが、大型船は操船できなかった。

その為、伝を使ってブエノスアイレス街のコンメア商会に買い取ってもらおうと交渉していた。

〔最初は渋ったコンメア商会の従業員だった 〕


報告を聞いたボウリ支配人はすぐに船の専門家の従業員を向かわせた!

人族の船に興味が有った為だった。

〔何やらお金の匂いを嗅ぎ取っていた! 〕


案の定、魔導送風機と魔導大砲、魔石爆弾まで有り、船舶の設計図まで発見していた。

猫海賊には大金を払って全てを買い取る事に。

〔猫海賊は大喜びだったとか? 〕


次に船をどうするかの問題が有った。

太人洋側の最南端の地域は勢力圏内だが最南端は氷の壁が有って太魔西洋側に曳航不可能だった。

〔船の行き来は不可能だった 〕


結局、太人洋側の最南端の町、アレーナス町の港にて魔導送風機と魔導大砲と弾薬をブエノスアイレス街まで陸路で輸送する事になった。

勿論、捕まった人族と船関係の書類と共に。

〔残った船体はそのまま港にて保管させていた 〕


現物を見て、人族の奴隷に説明させてから、魔力石の研究者に使えるようにしろと指示を出した。

研究者の魔族は人族の奴隷の説明を聞いて早速改良をして、魔力石を使用した魔導送風機と魔導大砲を完成させた。

〔現物と元の設計図が有れば後は簡単だった。魔石爆弾は魔力石を代わりにはできなかったが……… 〕


船の方は現在ブエノスアイレス街で建造中の魔導帆船に搭載するために設計変更していた。

猫人族向けに建造していた船の1番艦だった。

〔まぁ、最初に実験するなら猫人族を使った方が良かった 〕


まだ船底のみしかできてなかったので変更は容易だった。

上甲板までできていたら難しかっただろうと。

〔両玄に大砲を入れるスペースを後付けは無理だった為 〕


そしてできた魔導船だったが、猫人族だけでは操船ができなかった。

そこで人族を使って訓練をさせていた。

〔ようやく猫人族の船員が育ってはきていたが……… 〕


訓練も順調な時にマナパ地域にて騒ぎが起きていた!

何でもマナパ地域に火の玉が落ちて陸地が無くなり海峡になったと?

〔これで唯一の地上進行ルートが絶たれたと 〕


その知らせと同時に船をメデジン街まで回せとの命令だった。

すぐに大量の魔力石と食料を積んで出発することに。




「間もなく海峡を通過します 」


「しかし潮流がきついですね。これは小型船では転覆しますね 」


「何とか通過は出来たな。水深もそこそこ有る様だな 」


「火の玉が落ちてできるほどか。相当な威力だな? 」


「見えました! 例の島です! 」


「良し、あの島に向かえ! 」


「所であの島の名前は無いのですか? 」


「豹人族の呪いの島としか聞いてないな 」


「そうですか。では一周して上陸可能な所を発見次第、上陸させましょう 」


島は丁度裏手に砂浜が有ったのでそこから上陸することに。

錨を下ろして停船し、小舟を下ろして島に向かった。

〔エルストン奴隷船長とお目付け役の魔族が一緒に向かった 〕


「何だ、この足跡とこの跡は? 」


「ん、何者かが既に上陸したようですね? 」


砂浜には多数の足跡と何かの跡が有った?

同じ間隔の平らな後が続いていた?

〔本当はケベックⅣ改のキャタピラの後だったが! 〕


「それは見ればわかるわ。何の為に上陸したんだ? 」


「それこそわかりませんね。それでどうします? 」


「足跡をたどって行けばわかるだろうよ。では行くぞ! 」


「いえ、船から増援を呼びましょう。どうもキナ臭い 」


「そんな心配もイランわ! 俺がこれで吹き飛ばしてやるわ! 」


魔族は自慢の杖を見せた。

魔力石を使った魔術発動と魔力タンクをかねた魔族専用の杖だった。

〔魔族でも、魔力石を使えばここでも魔法が使えるのだった 〕


「この足跡をつけて行けば誰かが居るだろうからな 」


"ドン!………ドン! "


出発しようとした時、船の方で爆発した!

船の方を見ると水上を走る重歩兵の様な物が滑っていた?

〔一部が既に乗り移っているようだった? 〕


「おい、アレは何だ! 」


「私に聞かれても知りませんよ! 北の新製品では? 」


「魔導人形か? アレはまだ未完成だぞ! それにここでは魔力が足りずに動かせないわ! 」


「まさかアイツ等か? まさか? 」


「おい、何を知ってる、エルストン! 」


「私が逃げる切っ掛けの国の連中ですよ! 」


「ほう、そんな奴がいるのか? 人族でも、ここでは魔法が使えない筈だが? どうなってる? 」


「そうでも無いよ! 」


「誰だ! 」


回りを見ても誰も居ない?

居ないが確かに聞こえた?

〔回りを警戒する魔族とその一行 〕


すると砂浜の一角が歪んできた?

そこには青い装甲の重歩兵の様な人型が立っていた。


「貴様、何者だ! 」


「魔族の商人は人に名を聞くのなら自分の名を言わないのか? 」


「ウルサイ、これでも喰らえ! ファイヤーカノン! (火魔法、特級クラス) 」


大きな火の砲弾が青い重歩兵に向かったが!


「問答無用かよ! アイスシールド! (氷魔法、中級?) 」


氷の壁ができて火の砲弾を受けたが火の砲弾が消されて氷の壁が残っていた。

驚く魔族!


「そんなバカな! 」


「全く、酷いですね。こっちは話し合いで納めようかと思ったのに。私はフリート・アール・ブルーです。以後お見知りおきを 」


「ク、ヤッパリ貴様か! ブルー卿! 」


「おや、良く見たら国際氏名手配の海賊スペクターの首領のエルストンですね。何だ、捕まって奴隷ですか。まさかこんな所で会うとはな 」


「貴様ら、何故我々を攻撃する! 」


魔族が五月蝿く吠える!


「何を言ってるの。その海賊を捕まえる為でしょう。まぁ本当は落ちた隕石の調査かな? 偶々落ちたのが見えたから? それでこの島から見ようかとね 」


白々しい嘘を教える。


「そうなのか? それならどうやってここまで来たんだ! お前らの船はどこに有るんだ! 」


「居ますよ、あそこに! 」


右手を上げて信号弾を上げた!

すると帆船の向こうに巨大な船が現れた!


「な、なんだアレは! まるで島じゃないか! 」


まぁ、[むさし]を見たら驚くよね。

何せ魔導帆船が小舟に見えるからね。

〔比べるものねぇ 〕


「………あんなのが居たから勝てない訳だな、聖国も帝国も! 」


「まぁ、帝国とは今は同盟関係だけどな。聖国は今はどうなってるのやら? 」


「ク、それで俺をどうする気だ! どのみちコイツら魔族の奴隷だからな! 」


「そこで商談しないか、魔族の商人さん。コイツらと魔力石5tを買い付けたいがどうする? 」


「………そちらの売り物は何だ? 」


「ン、金貨かと思ったが? 」


「イヤ、生憎とそちらとの取引が無いので金貨での支払は困るんだよ! 何か無いのか? 例えば君が着ている鎧とか? 」


「う~ん、流石にこれは無理だな。ならこれはどうだ? 」


後ろの山から金属の塊が降りてきた。

勿論、ケベックⅣ型改運搬車だった。

〔ケベックシリーズの荷物不整地運搬用車両の魔力石対応型だった 〕


「ブルー大将、撤収終わりました 」


「なら速やかに戻れ 」


「「「「「「了解! 」」」」」」


そして迎えにきたランディングⅢ改に載せて戻って行った。


「ほう、これは……… 」


「アレは不整地の輸送用に作った乗り物ですね。アレを5台でどうです? 」


「今すぐには答えられない。代表に聞かなければ……… 」


「そうですか。それでは代表のボウリ支配人にその旨をお伝え………イヤ、こちらから出向きますか。丁度海峡も有りますからね(笑) 」


「何故ボウリ支配人の名を? 」


「ブルー大将、船の無力化終わりました! 」


丁度魔導装甲騎士が来て報告してきた。


「それじゃウインド033で曳航準備を。これより西魔太洋側に向かうと! 」


「は、伝えます! 」


「まさか無力化されるとは……… わかりました、私はボウリ支配人配下のゼニスです。ボウリ支配人に取り次ぎます。我々の拠点、ブエノスアイレス街まで案内させてもらいます 」


この魔族のゼニス君は狙いを付けた様だね。

まぁ、ゲベックⅣよりはランディングⅢ改の方だろうね。

〔しっかりとガン見してたしね(笑) 〕


そしてむさし艦隊は人族初の西魔太洋側に船で進入した。

マナパ海峡はギリギリの幅でむさしが辛うじて通過できた。

〔両岸をもう少し削った方が良かったかな? 〕


そしてウインド033に曳航された魔導帆船に載せられてる面々は驚くことに。

帆の無い船に引かれていたが、船速が速過ぎて驚くことに。

〔これは絶対に喧嘩して勝てる相手では無いと思うゼニスだった 〕


しかもその後から付いてくる巨大な船が不気味だった。

何せ自分達の魔導帆船が小舟に見えるからね。

〔あんな巨大な船が動くのも不思議だった? 〕


そしてこの巨大な船が通過した事はすぐさま両陣営に伝わることに。






「何だと! 巨大な船がマナパを通過しただと! 」


ノーホーク街のボルファム商会の屋敷にて報告を聞いたガメツ支配人は驚いていた。

現在の大型帆船と言っても精々500t~600tクラスの物が主流だったから。

〔有っても試作の800tクラスの帆船だった 〕


それより遥かに大きな………イヤ、巨大な船が通過したと報告を聞いて信じられなかった。

ただ、直属の部下が虚偽の報告をする訳も無いので困ってしまった。

〔事実ならと焦る支配人? 〕


「それでその船は南の帆船何だな! 」


「帆の無い船に引かれた帆船ですが、間違いなくコンメア商会の船でした 」


「何だと! するとあいつらはブエノスアイレス街に向かったと言うのか? 」


「恐らくは。いかがします、ガメツ支配人? 」


「ウ~、仕方がない。ボウリに使者を送れ。どうなってるかと! 」


「ハイ、わかりました 」


こうして連絡員が向かうこととなったが………

後にコレが自分の首を締める結果となろうとは思わなかったガメツ支配人だった。




12ーⅩⅠ

無事にマナパ海峡を通過したむさしちゃん。


西魔大洋は波高し?

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