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12ーⅩ話 25歳 マナパの厄災

12ーⅩ話です。


マナパ地域に豹人族の呪いが振り撒かれた?


そして出来上がったのが………

12ーⅩ話


3025年6月12日


マナパ地域最前線………


「今日も暑くなるな……… 」


「あぁ、そうだな……… 」


「しかし何時まで戦わなきゃいけないんだろうな? 」


「サァナ? 何せここは呪われた地だからな? 」


「確かにな。何せ豹人族の呪いが有るからな? 」


「それなんですか? 」


「ん、お前さんは初めてか? ここら辺は元々豹人族の族長が納めていた地域でな、この戦争が始まる前に豹人族の族長が話し合いを提案したんだが、その会議で族長が殺されてな、そのまま戦争になったんだよ。それからカレコレ30年戦ってるって所さ 」


「それではその族長を殺したのって? 」


「勿論、彼方さんだよ! 何せ向こうは通過しないと此方に攻められないからな! 」


「え~と、それだと此方もそうですよね? 」


「それを言うなよ。何せ真相は闇の中ってな。下手な事は言わん方が良いぞ! 」


「そうだな。それで聞いたことないかな。戦ってる時に不自然に倒れたと思ったら死んでる話を? 」


「エ、私は寝ていて次の日に起きたら隣で寝ていた同僚が冷たくなってたって話を? 」


「私は偉そうにしていた指揮官が次の日に海に浮いてたって話を? 」


「そんなに有るんですか? 」


「まぁ、戦場の噂話さ。本当かどうかはさておき、全て豹人族の呪いって事になってるな。そして彼処の島が豹人族の聖地で噂だと今でも殺された族長がさ迷っていて、たまに此方に来ては黄泉に連れていかれるって話だな(笑) 」


「そうなんですか。所でその島を占領しないのですか? 」


「そんな呪われた島を占領しても意味が無いだろうに。まぁ、船を使って後方に回り込めれば良いのだけれどこの辺の海にはメガシャークの子供がウジャウジャ居るからな。丁度近くが産卵地らしいからな 」


「あぁさっき行った浮いてた指揮官も引き上げようとしてメガシャークに喰われて回収できたのが左腕だけだったらしいぞ! 」


「だから海に入る奴は居ないんだよ。それだから唯一通れるここで争ってるんだよ 」


「所で隊長、その島に人が立ってるんですけど? 」


新人の一人が指を指していた。


「オイオイ、冗談は止せ。島には人が………ナンダアレハ! 」


島には影の薄い獣人らしい人が立っていた。

ただ、どう見ても巨人サイズだったが!


「あれって猫人族ですか? 」


「イヤ………豹人族ダ! 殺された豹人族の族長だ! 」


「ナンダッテ! 」


騒ぎは広がり戦闘処では無くなっていた。

しかもその族長は指を指していた!


「オイ、ここを指さしてないか? 」


「タ、確かにここだよな? 」


「これって呪いが起きるって事では? 」


「オイ、止せ。そんな訳無いだろうに……… 」


「ウ………… イヤダァ! 」


「オイマテ! 」


「ナンダ! 島が噴火した? 」


「島から何か飛んできてるぞ! 」


島の山頂付近から何かが飛んで来ていた?

良く見ると岩らしき物が飛んできた!


「オイ、逃げるぞ! 」


「撤退! 撤退だ! 」


雪崩を打って皆が逃げ出していた。

両陣営共にそれぞれの前線基地まで撤退していた!

〔疑わしい迷信ほど怖いからね 〕


落ちてきた岩は地面に落ちると同時に大爆発していった!

そして破片を撒き散らして逃げる両軍の上に降りかかっていた!

〔被害が甚大だった 〕


噴火? も収まって暫くした時に西の空から………


「オイ、あれ見ろよ! 」


「今度はナンダ………ナンダアレハ? 」


西の空から大きな火の玉が落ちてきていた!


「アレハナンダ? 」


「今度は何だよ! 」


「火、火の玉が落ちて来たぞ! 」


「ヤバイ、伏せろ! 」


前線基地に居た者は背を伏せた!

そして………


"ドガァァァァァン! "


火の玉が落ちて巨大なきのこ雲が出来ていた?


「ゴホゴホ、オイ、生きてるか? 」


「エェ、生きてますよ。ゴホゴホ 」


「一体何だったんだ? 」


「まるで星が落ちてきた様な? 」


「しかし全く見えないが、どうなってるんだ? 」


一体何が有ったのか理解できる者は居なかった。



暫くしてきのこ雲も風に流され砂煙も晴れてきたら………


「「「「「「「陸地が無い! 」」」」」」」


その場に居た者は驚いていた!

目の前に有った筈の陸地が無くなっていたからだった。

〔巨大なクレーターが出来ていた? 〕


そのクレーターに海水が勢いよく流れ込んで来ていた。

徐々に水が溜まって来て巨大な海峡になっていった。

〔その為完全に対岸には渡れなくなっていた 〕


「一体どうなってるんだ? 」


「陸地が無くなるって事が有るのか? 」


「………豹人族族長の呪いだ! 」


「何時までも争って居るから族長の怒りの呪いだ! 」


「ヤッパリこの地は呪われてるぞ! 」


暫くして両洋から海水が流れ込んで完全に海峡になり、この場所でステップ大陸は南北に分断された。

そして争いは自然終息する事となった。

〔後にこの海峡はマナパ海峡(一部では呪いの海峡)と云われる事に 〕






マナパ地域上空15,000mにて………


「あれは何だったんだよ? 」


「私に聞かれても? フリートに聞いてよ? 」


「ニャニアレ? 」


[マザーバード]から見ていたマックとシャルロットは困惑していた。

アレクちゃんはわかってなかったけどね(笑)

〔普通は誰も理解できません! 〕


「まさか[むさし]の艦砲射撃だけでは無いとは思ったけど、まさか隕石が堕ちてくるとは思わないわ! 」


「まさかあの人、初代国王様の……… 嘘でしょう? 」


「エ、初代国王様のって何? 」


「絵本で見なかった? 初代国王様の物語でのイングスランド王国誕生の物語? 」


「え~と、確か北と南の海峡を作ったって話? ………ってまさか! 」


「物語では魔法でと書いてあるけど王家の伝承だと今の様に空から巨大な隕石を落としたらしいのよ。それもその日の内に2ヶ所もよ! 信じられなかったけどね 」


「でも実際に目の前で起きたって事は……… 」


「そうね、フリートは極めているんでしょうかしら? 」


「そのフリートは何処に入るの? 」


「昨日、サファイアちゃんと作戦の為に何処かに向かったわよ。一体何処から魔法を使ったのかしら? 」


「え~と、取り敢えずは[むさし]に戻ろうか? 」


「撮影も済んだしね。戻りましょう 」


「はぁ~い♪ 」




その頃のフリートは………


「(流石に潮流が凄いね)」


「(キュイ♪)」


できたばかりのマナパ海峡の水中を進んでいた。

水深を調べながら[むさし]に帰還していた。

〔大魔西洋側から大平洋側に向かっていた 〕


フリートは昨晩、サファイアちゃんと大魔西洋(魔大陸側の名称)側に極秘で向かい、少し離れた場所から[メテオインパクト(土、時空魔法 神級)]の魔法を発動、丁度マナパ地域の幅が20kmの場所の中間地点に直径約2kmの隕石を落として吹き飛ばした。

巨大なクレーターができて両大洋から海水が流れ込んで貯まった所で海峡の水深を調査がてら横断していた。

〔ソコソコ深いから橋を掛けるのは無理そうだな? 〕


「(コレなら[むさし]でも通れそうだな? )」


「(キュイ?)」


「(さぁ、[むさし]に戻ろうか、サファイアちゃん! )」


「(キュイ♪)」


[むさし]が停泊している場所まで戻る事にした。



ちなみに最初に映し出された豹人族の族長らしき映像は魔導映写機で映したワイハ国王様だった。

そう、あの島から上空に投影していた。

〔その為の島への上陸だった 〕


ここに来る途中で寄ったアロハ島に行った時にスタン国王様に無理を言って撮影させてもらっていた。

スタン国王様は結構ノリが良く、当時の民族衣装まで着て撮影させてもらえた。

〔裏では見つかったバスター大佐を追いかけるクレオ姫が居たけどね(笑) 〕






その後の北ステップ大陸側の様子。


「何だと! 火の玉が堕ちてきてマナパ地域が吹き飛んだだと! 」


北ステップ大陸側の最前線の街、城塞都市マグワナ街にて吠えてるのは北魔大陸のボルファム商会の北ステップ総合支社のガメツ支配人だった。

今回の騒動の黒幕の1人でこの地で成り上がろうとしていたボルファム商会のNo.3だった。

〔ボルファム商会内ではやり手の商人(別名死の商人)とされていた 〕


もっともこの位の強引さがなければNo.3には成れなかっただろう。

魔力石の採掘も強引に進めていた。

〔各族長を洗脳させていたのもこの魔族だった 〕


「それで現地はどうなったんだ! 」


「はい、マナパは火の玉が落ちて土地が無くなり、今は海峡になっているとの事です 」


「すると南には進めなくなったんだな? 」


「そうなります。後は船で行くしか有りません 」


「ウグゥ~、条約さえ無ければ船で攻められるのに……… 」


「現地人には大型船の操船を教えてはいますが、流石にすぐには無理です 」


「ウグゥ~、ここで裏目に出るとは! しかし偶然にも程が有るぞ! 火の玉が堕ちたとは? 」


「それが、現地では豹人族族長の呪いだとの噂で兵が逃げ出してるそうです 」


「何をバカな? そんな呪いが有ってたまるか! 」


「そう言われても……… 族長が戦争を怒り、マナパ地域に呪いを振り撒いたと現地人が信じまして現在、マナパ地域以北の住人が北に移動している様でして既にこの都市にも押し押せて来てます 」


「………不味いな。我々も一旦ノーホークまで戻るぞ 」


「エ、ノーホークまで戻るんですか? 」


「今にこの都市で暴動が起きるぞ! ここは一応最前線の街だから食料もある程度は有るだろうが次期に足りなくなれば………わかるな! 」


「は、はい、直ちに馬車を用意します 」


「それと行政府の連中には仕入れの為にノーホークの支社に戻ったとでも言っておけ! クソ、巻き込まれてたまるか! 」


この日、ガメツ支配人は忽然とマグワナ街から消えていた。

マグワナ街行政府の役人達はガメツ支配人が居なくなって右往左往してなにもできなかった。

〔ガメツ支配人はアドバイザーもしていた為だった 〕


こうして北ステップ大陸は混乱していく事となった。




その後の南ステップ大陸側の様子。


「それでマナパ地域が無くなったとはどう言う事だ? 」


南ステップ大陸側の最前線の街、城塞都市メデジン街にて報告を聞いていたのは、コンメア商会のブエノスアイレス支社のボウリ支配人だった。

今回の騒動の黒幕の1人でブエノスアイレス支社に飛ばされて本店に返り咲きを狙っていた魔族だった。

〔コンメア商会で色々とやり過ぎて飛ばされたのだった。やはりこの魔族も死の商人でも有った 〕


魔力石の採掘量を調製して高値で売りたかったが、北のボルファム商会本店が安値で売り始めた為に安くしなければならず、それを良しと思わないボルファム商会のガメツ支配人と裏で組んでこの紛争を起こしていた。

お陰で長期化した紛争で売り上げも良く、儲けていた最中のマナパ地域の喪失と海峡になったとの連絡だった。

〔頭を抱えていたボウリだった 〕


「それで現地はどの様になったのかね? 」


「はい、何でも空より巨大な火の玉が堕ちてきてマナパ地域に落ちたと同時に大爆発しまして、煙が晴れたら土地が無くなっていると。暫くしたら両洋から海水が流れ込んで完全に海峡になったとの事です 」


「完全に陸上ルートが無くなったとはな。それでニャンラン族の大型船の操船教習はどうなった? 」


「う~ん、難しいと。何せ小型船なら問題は有りませんが、大型船だと流石に……… それに指揮ができる奴となると……… 」


「フン、そうだろうな。基本現地人には無理だろう。そうだ、連中は使えそうか? 」


「あぁ、あの人族ですか? 一応調べましたがどうやら向こうで海賊をしていてバレて逃げて来たとか? 」


「そうか、なら問題ないな。それと奴らの船の調査はどうだ? 」


「船自体は普通の帆船ですね。帆の影に魔導送風機と言う魔導具と大砲と言う鉄の炸裂玉を発射する魔導具は使えそうですね 」


「そうか、流石に我々の魔法は優れてるがここまで魔素が薄いと魔法が発動できないからな。もっとも魔力石を使えば良いだけだがな 」


「しかし人族は侮れませんね。特にあの大砲は魔力石を上手く使えれば売れますよ! 」


「本国には伝えるなよ。あれは私の切り札になりそうだからな! 」


ボウリ支配人は大砲の有用正を見て使えると本店には報告していなかった。

大砲の改良版(魔力石を使用)を作っていた。

〔魔力石以外の坑山(鉄鉱石)も発見していたので大砲は何とか作れた 〕


現在は鉄張り魔導帆船と大砲馬車を開発中だった。

ただ、完全に間に合わなかったが!

〔間に合っていたら攻め込めたかもね? 〕


「兎に角マナパ地域の調査だ! それと海峡か、そこの調査だ! できれば水深も調べろ。橋が掛けられれば進行は可能だからな 」


「なるほど、魔導帆船で牽制してその隙に橋を掛けてしまうと! 流石ボウリ支配人ですね 」


「マダマダ儲けないとな。お前達もしっかりと働けよ! 私は一旦ブエノスアイレス支社に戻って進捗状況でも見てくる! 」


ボウリ支配人はブエノスアイレス街に戻っていった。

この後は、やはり北ステップ大陸と同じ騒ぎになって混乱していくこととなった。

〔豹人族の呪い話は凄まじかった! 〕




12ーⅩ

マナパ地域にマナパ海峡ができていた?


裏で暗躍していたフリート君♪

流石にこれはと思いたいよね?


こうして南北紛争は終息するのかな?

すれば良いのだけどね。



次の投稿は11月かな?


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― 新着の感想 ―
[一言] メテオ・・・すっかり忘れてました うんうん、コレならあり得るし、呪いって形で文字通り意趣返し出来ましたね 黒幕には通じてませんが、今は・w 何かあるんだと期待して次の更新を待ちます ありがと…
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