12ーⅨ話 25歳 むさし艦隊出港!
12ーⅨ話です。
さて、[むさし]で行ってみますか!
早速出発です。
12ーⅨ話
2025年3月
ブルー島ブルー辺境伯軍軍港
「これよりブルー辺境伯爵様より訓示が有る。傾注! 」
「今まで訓練ご苦労様でした。君達は、ブルー辺境伯軍の訓練によくぞ付いてきてくれました。これから最後の訓練になります。ワイハ諸島までの航海訓練です。それを成し遂げた時こそ君達はワイハ王国海軍軍人として一人立ちとなります。最後まで気を抜かずアフロ本島貝殻湾基地まで到達してください。我々も後続しますがあくまでも自力で到達するように 」
「ブルー辺境伯爵様に敬礼! 」
返礼してから解散、乗船となっていた。
その前にマサムネ君を呼ぶ。
「何でしょうか、ブルー卿 」
「無事にワイハ諸島まで行けるようにお守りだ。受け取れ 」
1本の槍を渡す。
「一応、その槍は魔導槍だがワイハ諸島付近だとここと違って連射は無理だがイザって時には隠し技って事で使えるだろうからな。まぁ、普通の槍だと思って使いなさい 」
マサムネには[サウス6型ランスロッド(マサムネ専用)]をプレゼントしておいた。
まぁ、バスター大佐とお揃いにはしておいた。
「ありがとうございます。家宝にします♪ 」
「家宝にするな(笑) まぁ大事に使えよ 」
マサムネ達を乗せてワイハ王国の艦隊(10隻)はブルー辺境伯海軍の駆逐艦3隻とロンドン級シードと共にワイハ諸島に出港した。
4月某日、夜………
「それでは出発しようか……… 」
「エェ、アナタ。行きましょう♪ 」
「チュッパチュ♪ 」
「フリートも嫁には弱いか(笑) 」
「そう言うバスター先輩はどうなったの? 姫に惚れられてる癖に(笑) 」
「エ、何々? その話って♪ 」
「待て、フリート。その話は流石に不味いだろう? 」
「先方のクレオ姫は結構本気みたいだけど? 」
「だから無理だろう。相手は王族、僕は平民! それに僕が抜けたら空挺団はどうするんだよ! 」
何故そうなったかと言うと、手合わせと言って豹人族近衛の精鋭と空挺団の訓練(模擬戦)していた所に現れたスタン国王とクレオ姫。
そしてスタン国王自らバスター大佐との一騎討ちとなってバスター大佐が勝ってしまった為だった。
〔驚く豹人族近衛の精鋭と茶化す空挺団員 〕
すると何故か気に入ったらしいスタン国王はクレオ姫との婚儀の話をしだしたから驚くバスター大佐だった。
何でもクレオ姫の婿にはスタン国王より強くなければ為らなかったらしいと!
〔豹人族近衛兵の人が後で教えてくれた。〕
クレオ姫も満更でもなく、ブルー島にも来たからね。
表向きは預けた王国軍の視察だったけどね。
〔裏ではバスター大佐を追いかけていた(笑) 〕
まぁ、本当はスタン国王から頼まれたんだけどね。
くっ付けてくれと(笑)
〔外堀は埋ってますよ、バスター先輩(笑) 〕
「あぁ、それなら大丈夫。クレオ姫には弟もいるからね。まだ幼かったので王位はこれから次第だからね。ちなみに昨年イングスランド王国に留学してきてるよ、ブルー辺境伯爵家が後見でね。まぁ、僕たちの後輩になるかな? 」
「ヘェ~そうなんだって無理だろうに! 姫が平民になれないだろうに! 」
「それならバスター先輩が貴族になるかい? 一応、男爵位には推挙できるけど? 」
「何でできるんだよ! 」
「一応、バスター先輩は今は騎士爵ですよね。だから推挙はできますよ 」
「だからって簡単に………って何処を押し付ける気だ? 」
「まぁ、実際はフェロー本島の代官枠が有るんだけどね。今はクラフト君に仕切ってもらってるけどね 」
「それって丸投げって言わないか? 」
「だから今は良いけど将来は考えてね 」
「まぁ、そうだな………って無理だろう? 」
「ちなみにガーランドグランドギルドマスターは引退したらフェロー島に住むって言ってたぞ。既に家も有るしね(笑) 」
「それこそ聞いてないわ! あのクソ親父! 」
「まぁその話は帰ってからだな(笑) それでは[戦艦むさし]出港! 」
「むさし出港しま~す♪ 」
「ウインド1~3も出港しま~す♪ 」
「むさしちゃんもゆきかぜちゃんもよろしくね♪ 」
「「了解♪ 」」
「ブレイン、後よろしくな♪ 」
『フリート様いってらしゃいませ! 』
沖に出た頃………
『ファントムリーダーからむさしへ、着艦許可を! 』
「むさしよりファントム隊へ、着艦を許可する。後部甲板に降りられたし 」
『ファントムリーダー了解! 』
後部甲板に[ファントム]6機が降りてきた。
後部甲板に降りたファントム隊は速やかに格納されていく。
〔その辺はむさし搭載のオートマトン兵がテキパキとこなす 〕
さて次は………
「むさしよりマザー、後部甲板に着陸せよ! 」
『マザーよりむさしへ。着陸します! 』
後部甲板に[マザーバード]が着陸した。
早速、オートマトン兵が固定作業をしていく。
〔後部甲板が改装で広く長くなったので余裕で下ろせる様になった。前はギリギリだったからね 〕
次の日の朝………
船体後部の液化エーテルプラント(煙突?)の後ろに有る所では………
「キュイ♪ 」
「ゴパン♪ 」
「ハイ、ご飯よ♪ 」
何故かサファイヤちゃんの部屋が有ってそこでシャルロットとアレクにご飯(シーサーペントのお肉)をもらっていた。
一応、出入りには屋根を開けて外に出れるし、後部のドッグから海に入る事もできた。
〔サファイヤちゃんの専用部屋だった 〕
その頃僕は搭乗員を集めて会議です。
「さて、これから向かう場所だが、まぁ気が付いているだろうけど、ステップ大陸中央、元マナパ地域、現在紛争中の所だな 」
「え~と、何しに行くの? ブルー大将殿? 」
「ワザワザそんな紛争地域に行って何するのですか? 」
ザワザワする乗員達。
「まぁ、物理的に紛争を止めにかな? 何せクダラナイ理由だからね 」
皆にそのクダラナイ理由を教える。
「何だよそれは? 酷いな! 」
「全く何を考えてるんだよ、その商人達は? 」
「住人を食い物にしてないか? 」
「しかしそんな石が有るんですね? 」
「そう言う事だからこのクダラナイ紛争を止めようかとね。まぁ、関係各所からの依頼だな 」
「何だよ、その関係各所って? 」
「まさか世界樹様ですか? 」
「バスター大佐、正解。本当に少しは遠慮してほしいよ(笑) 」
「それでどうするんだよ? 介入しても占領はこの人数では無理だろう? 」
「確かにファントム6機と無人機だけでも無理だろう? 」
「まずは偵察してからだな。最初はマザーで高高度偵察してからだな。場所を決めないと無理だし 」
「「一体何をするの? 」」
この次の会議はマザーの偵察結果後となった。
6月某日
マナパ地域上空15,000m付近
「ソロソロマナパだよね? 」
「あぁ、彼処だろ? 」
「確かにあの所だよな。しかし結構狭いかな? 陸地部分? 」
「唯一南北大陸を繋いでいる地域だからね。さて、撮影していこう 」
「アナタ、任せてね♪ 」
「パパマカテチョ♪ 」
「はぁ、アレクは楽しそうだな 」
「良いのかよ? 連れてきて? 」
「まぁこの高度なら見つかる事も無いだろうね。それに魔素の濃度も濃いから魔素切れは無いな 」
「でも何で上空は魔素が濃いんだ? 」
「お前な、教えたろ? 魔素、エーテルの特徴を! 」
「え~と、魔素は軽くてほっとくと上空に上がっていくって事? 全くわからん? 」
「だから魔素を利用して飛行船が浮くの。それが、エーテル理論でそのエーテルを液化させたのが液化エーテル理論なんだよ! 」
「そうなんだって全くわからん? まぁ、安全に飛べればいいや(笑) 」
「………あぁ、そう思ってくれ 」
「アナタ、撮影は一通り終わったわよ。それと城みたいな所が2ヶ所有るけど? 」
「エ、ドコドコ? 」
覗いてみると確かに野戦陣地みたいな所が2ヶ所有った。
旗を見ると南北それぞれの陣地らしい?
〔まぁ関係無いかな? 〕
「それじゃ撮影も終わったし帰ろうか! 」
「了解、むさしに向かいます 」
「エェ、そうしましょう 」
「ハァイ♪ 」
こうして上空偵察は終わった。
「何だ、あの鳥は? 」
「確かに鳥か? やけに高い所を飛んでないか? 」
「確かにな。あれは何だったんだろう? 」
「さぁね。ほっとけよ。明日からまた戦だしな! 」
「なぁ、俺たち何で戦ってるんだろうな? 」
「何でだろうな? 」
獣人の中には眼が良い者も居るので発見はされていたが、まさか上空を飛べる者が居るなんても思わなかった。
[マザーバード]での偵察を終えて1日後。
「さて、偵察結果こことここに前線基地が有るようだな 」
「それでなにやるの? 」
「まさかこの2つの前線基地を落とせとか? 」
「流石にそれは無理だろう。戦力が足りません! 」
「バスター大佐ならできそうだけどね 」
「それならマック中佐がやれば良いだろうに。お前さんも魔導騎士くらいは動かせるだろ? 」
「一応、訓練はしたけど、無理だね(笑) 」
「だから、丁度中間地のここからここにと! 」
地図の上に線を引く。
一番狭い地域に引く。
「その線何だ? 」
「結構太く書いたな? 」
「だからここに……………………… 」
作戦案を話すと………
「………オイオイ、ブルー大将閣下は可能なのか? 」
「まさか? でもどうやって? 」
「そこはこの[むさし]を使うかな? 」
そして作戦の詳細を話すと………
「確かにそれしかないか……… 」
「まさか物理的に終わらせられるとはね 」
「でも、それ可能なの? 」
「う~ん、やったこと無いからな? 」
「本当に大丈夫かよ? 」
「まぁ本音はやりたくは無いけどね。さて空挺団と海兵隊は準備を。マック隊は基本は上空待機と海兵隊の援護だな 」
6月下旬
マナパ地域沖に有る小さな無人島にて。
極秘で上陸した海兵隊員の会話。
「ここが無人島で良かったよ 」
「オイ、さっさと頂上に向かい観測陣地を作るぞ! 」
「山頂に登るぞ! 」
この無人島はマナパ地域が襲われた時に、マナパ地域の生き残りの豹人族が脱出する為(ワイハ諸島に向かうため)に隠れていた島だった。
そこから対岸の陸地がよく見えていた。
〔そこそこ高い山(海抜10m位)が有った 〕
「しかしここなら陸地側からは発見されませんよね 」
「確かにな。この場所はかつて豹人族の聖地とされた島で現地では今は豹人族の呪いの島って云われてるらしいぞ! 」
「何だそれ? 」
「何でも殺された豹人族の族長の呪いとか? 上陸すると事故死したり病死したりするらしいぞ! 」
「フ~ン、なら大丈夫だろ? 」
「何でだ? 」
「俺たちがやろうとしてる事知ったら許してくれるだろう、たぶん? 」
「だといいけどな! 」
「[むさし]定位置に停船、錨を下ろしてます 」
「しかしデカいよな、[むさし]わ! 」
「お陰で運動不足にはなりませんからね 」
「艦内マラソン大会での優勝者は言うことが違うね! 」
「言うな、それでもブルー大将には勝てないんだから! 」
「あぁ、艦内コースのレコードホルダーらしいからな! 」
「まぁ、あれはマラソンかってレベルだけどな(笑) 」
「バスター大佐とマキシム中佐、3人が争って出た記録だろ? 」
「ほんと、参加されなくて良かったよ 」
[むさし]艦内には1周1kmのコースが有り、暇な乗員が走っていた。
それを見たブルー卿が開いたのが、第1回艦内10kmマラソン大会だった。
〔偶然、1周1kmのコースができ上がっていただけなんだけどね! 〕
停船した[むさし]をマナパ側からは島の影で見えてはいなかった。
暫くして[むさし]が消え始めた?
「お、[むさし]が消えるぞ? 」
「あの機能はどうやってるんだろうな? 」
「何でも校長の消える魔法の応用らしいぞ? 」
海兵隊員には卒業生も居るからね。
[むさし]には光学迷彩魔法の[むさし]専用装置が有った。
〔何とか完成して搭載していた 〕
装置自体はそんなに大きくはなく、駆逐艦クラスなら1基で大丈夫だった。
ただ、[むさし]は巨大な船なので複数船体各所に取り付けるしか無かった。
〔この装置は[むさし]と[ウインド]級にしか搭載してなかった 〕
「さて、担いできたこいつを組み立てるぞ! 」
「この装置って何ですか? 」
「サァナ? 何の機械やら? 」
怪しげな機械を組み立てる海兵隊員だった。
まぁ、作戦の肝になる機械だった。
〔大きな丸い水晶玉がくっついている様な物だったが 〕
後は作戦開始を待つことになった。
一体、ブルー卿の作戦とは?
12ーⅨ話
ワイハ王国艦隊は訓練が終わって無事に出港しました。
夜中に出港しましょう!
[むさし]での船旅は快適だよね。
さてと、下準備は慎重にしないとね♪