12ーⅧ話 24歳 スッテプ大陸の状況
12ーⅧ話です。
ステップ大陸の報告書からです。
本当に資源戦争させるとは、商人って怖いね。
12ーⅧ話
北スッテプ大陸の状況
北スッテプ大陸東岸最大の港街
ワンラン族最大の拠点ノーホーク街
現在のノーホーク街には北魔大陸との貿易港として発展していた。
元々は小さな漁港だったが、北魔大陸最大の都市国家フランの大商人ボルファム商会の船が偶然立ち寄った事に始まる。
〔スッテプ大陸への航路調査と資源調査の為と言われていた 〕
船長兼調査団長が偶々港で遊んでいた子供が持っていた小石を見て気が付き発見したと言われていた。
その小石が魔力石だった。
〔こんな所で発見するとは思わなかったと! 〕
魔大陸ではポピュラーな魔力石だったが、魔素が薄いステップ大陸に存在するとは思わなかった。
調査の結果、ノーホーク村の近くにちょっとした鉱床が発見されていた。
〔それでも魔力石がソコソコな量が有ったが! 〕
それからは動きが速いのが商人だった。
魔力石の為に大陸全域の調査を始めると中央高原の有る地域に大量に埋っているのを発見した。
〔かなりの埋蔵量が期待できた 〕
そこで獣人達を使っての採掘をしようとしたが、問題はその場所が獣人達の聖地、グランドキャニオンと言われていた地域だった。
その地域を治めて居たのが少数精鋭で北スッテプ大陸最強の部族でも有った牙狼族だった。
〔黒い狼タイプの獣人だった 〕
牙狼族の族長は聖地の調査は許したが採掘には反対していた!
聖地を荒らす事になると大反対だった!
〔なにせ聖地には……… 〕
そこでボルファム商会はノーホーク付近での最大の勢力でも有ったワンラン族を抱き込む事にした。
ワンラン族の複数の族長を集めてそこで族長達に洗脳の魔法をかけていた!
〔隷束系の闇魔法で弱い魔法だが元々スッテプ大陸の住人なら魔法耐性が無いので簡単にかかりやすかった 〕
ワンラン族に武器を渡し、訓練もして軍隊を組織させた。
そして大部隊で牙狼族の拠点、グランドキャニオンの入口でも有ったフェニックス砦に襲いかかった!
〔圧倒的な数での襲撃だった! 〕
牙狼族側も奮戦したが数の暴力には叶わずグランドキャニオン奥地に撤退していた。
ただ、鉱床自体はグランドキャニオンの入口側に多数有ったので奥地にまでは進行せず封鎖することとした。
〔相手が少数といえ被害が甚大だった為だった 〕
聖地を全て占拠する必要もなかったのでそのままにすることとしていた。
もしも奥地まで進行していたら恐らくはワンラン族の部隊は全滅していただろう。
〔なにせ聖地の奥には……〕
占拠が成功して早速採掘を始めたがフェニックス街(占領後に拡張)とノーホーク街の距離が離れすぎていて輸送の問題が有った。
魔大陸では6本足の馬型の魔物、グランドフォースが荷馬車を引いていたが、スッテプ大陸では使えなかった。
〔魔素が薄いので連れて来てもすぐに死んでしまう為だった 〕
スッテプ大陸の固有種でグラスホースという馬が居たがワンラン族では乗りこなせる者が居なかった。
なにせワンラン族は元々沿岸地域に住む部族で基本は手こぎ船での移動が主だった。
〔陸地は荷車を数人で引いていた 〕
グランドキャニオンから川は有ったが川自体は西海岸に流れていた為に使えなかった。
近くに他の川も無かったが、中間地点に大河ミシシピー川が流れていただけだった。
〔しかも北から南の沿岸にだった 〕
そこで中間地点でも有りミシシピー川の近くに港街ミシシピー街を作りそこからフェニックス街までの道を作る事となった。
ワンラン族を使っての公道を作っていった。
〔洗脳されてるとはいえ、獣人達は黙々と作っていった 〕
そして街道にて輸送が始まると途中で襲撃される被害が多発するようになる。
牙浪族側がゲリラ戦を仕掛けていた。
〔今の所、それしか対抗できなかった 〕
しかし西部の海岸線に住む狐藪族や狸丹族等の複数の部族が牙浪族の支援をしていた。
そして聖地を守る為に奥地に要塞を密かに作って対向していた。
〔今の所双方睨み合っているだけだったが 〕
現実には北ステップ大陸では東西対立状態になっていた。
なお、この情報は北ステップ大陸調査隊と接触した狐藪族からで、支援の要請が有った。
〔まぁ、貿易交渉しても良いかな? 〕
北ステップ大陸西海岸の中間に有る良港でも有るシアトル村辺りを貿易港にすれば良いかな?
工作用の重機も新調するか?
〔魔素が無くても動けないとね。魔力石対応型でも作るかな? 〕
南ステップ大陸の現状
南ステップ大陸最大の港町
ニャンラン族最大の拠点ブエノスアイレス街
現在のブエノスアイレス街は南魔大陸との貿易港として発展していた。
元々ここはアマゾン川の河口で湿地帯でも有ったので余り人も住んでは居なかった。
〔小数のニャンラン族が漁業をしていた位だった 〕
偶然、魔大陸南部の最大の都市国家ケープの大商人コンメア商会の船が座礁したのが始まりと言われていた。
船の乗員は助けたニャンラン族の人達の村にて船の修理をしながら商売のネタを探していた。
〔まぁ、他にやることもなかったからね 〕
偶々、道に落ちていた石がまさかの魔力石だったのには驚いていた!
住人に石の事を聞くと川原に沢山落ちていると教えてもらい、調査をすると大量の魔力石が有った。
〔川原には大量に石が貯まっていた 〕
更に調査をすると上流域の山に鉱脈を発見した。
そこの山にはかなりの魔力石の埋蔵量が期待されていた。
〔かなりの上流だったがアマゾン川を使えば輸送は出来そうだった 〕
ただ、雨季の時にアマゾン川の氾濫が時々発生していて危険でも有った。
土砂崩れによる土石流とかが起きていた。
〔その時に流された魔力石が下流で堆石したと思われた 〕
それにその場所も問題だった!
そこには南ステップ大陸最強の部族、ライオ族が治める土地だった。
〔ライオ族の聖域でも有った! 〕
コンメヤ商会とライオ族との交渉は難航していた。
山を切り崩せば下流域への被害が出るためだった。
〔そこは誇りの高いライオ族だった 〕
ただ、ライオ族自体は少数民族だった。
そこでコンメヤ商会は多数部族のニャンラン族を抱き込む事にしたのだった。
〔数で攻めればと! 〕
コンメヤ商会は周辺のニャンラン族の族長達を話し合いをしたいと集めた。
そして宴席を設けた時に、洗脳の魔法を使って操った。
〔この辺のやり方は北のボルファム商会と同じ方法だったが! 〕
そして最初に漂着した辺りに港湾都市ブエノスアイレス街を建設してニャンラン族達を集めて都市国家として立ち上げさせた。
〔勿論、族長達を代表議員として中から国家議長を選出していた。勿論、ボルファム商会の傀儡だったが!〕
ニャンラン族達に武器を渡し、訓練して軍を興していく。
そしてある程度鍛え上げてからライオ族の聖地に攻め行った!
〔数の暴力で! 〕
優秀なライオ族だったが、流石に数には敵わず撤退していくことに。
ライオ族の拠点聖地ラピタはかなりのアマゾン川の上流の山の上だったのでそこまでは攻め上がれなかった。
〔かなりの高地の更に奥地だった 〕
一応、採掘場所は確保出来たのでそこに採掘砦を作って実効支配することに。
採掘された魔力石を下流のブエノスアイレス街までの輸送をすることに。
〔後にこの砦は拡張されてマナウス街となった 〕
ラピタの防衛の為、西海岸の最大の部族でも有るタイガ族に応援を要請していた。
ライオ族の応援要請を快く引き受けたタイガ族の族長は応援を送り聖地の防衛を一緒にしていた。
〔まぁ、ライオ族の族長の奥さんがタイガ族の族長の娘さんだったからね 〕
現実には南ステップ大陸でも東西対立状態になっていた。
なお、この情報は南ステップ大陸調査隊と接触したタイガ族からで、支援の要請が有った。
〔まぁ、貿易交渉しても良いかな? 〕
南ステップ大陸西海岸の中間に有る良港でも有るサンティアゴ村辺りを貿易港にすれば良いかな?
こちらでも工作用の重機を使うか?
〔ここも良い港にはできるかな? 〕
ここで何故中央ステップ大陸での紛争になっているのかだが、魔大陸での商売では北のボルファム商会と南のコンメヤ商会はお互い商売仇ではあったが拠点の街が北と南に離れていたので今まで販路が被る事は無かった。
お互いの商圏で商売をしていた為だった。
〔まぁ、そこまで無理して争う必要も無いしね 〕
所が両商会共、世代交代した途端にお互いの領域で商売を始めていた。
お互いに魔力石を使った魔道具の販売合戦を始めていた。
〔お互いに魔力石が安く手に入るようになった為だった 〕
そうなるとお互いの情報を探るとお互いステップ大陸での魔力石の採掘をしている事が判明した。
それならばと大陸間の輸送を邪魔すれば良いが、魔大陸の都市国家間の条約で民間輸送船の攻撃はできなかった。
〔それこそ都市国家間の戦争になるからね 〕
そこでお互いが囲っている獣人達を使って攻め入る事にしたらしい。
そのとばっちりで現在、南北ステップ大陸の唯一通行可能な土地でも有る中央ステップ地域での戦争となっていた。
〔答えを知ると呆れた理由だった 〕
現在、魔力石を使った魔砲兵器(杖タイプ)と剣や槍での一進一退の戦いになっていて、均衡を保ってはいるらしい。
流石に海上戦は発生していなかったが。
〔ステップ大陸での獣人達の船の運用は基本、小舟で帆を張ってオールを漕ぐレベルの為だった 〕
「コレが最終報告となります 」
「流石に商人が裏で争ってるとは思わないわ! 」
「まさか原料の供給の方を押さえようとするとはね。ただ、船を使っての行動はしてないのが救いか? 」
「しかし変な条約だな? 魔大陸での条約は? 」
「それは魔大陸の海岸近くでは船を襲う魔物が多いらしく、もし沈めるとそこにワサワサ寄ってきて、暫く居座ってその航路を通る船を襲うそうで。その為、海の上では争ってはいけないと 」
「魔大陸の船ってどんな船なんだ? 」
「基本は魔木と言われる木材を使った帆船ですね。魔素が多い地域なら魔族の魔法師が風魔法を当てて進めると 」
「まぁ、それを魔道具化したのが例の送風機らしいけどね 」
「ヘェ~、するとあの大砲も? 」
「あれはナンギン帝国の方が元祖。魔族には必要性が無いからね 」
「あぁ、魔法に関しては向こうが上だからね。大砲打つより魔法を撃ち込んだ方が効率が良いか 」
「今回は魔族が出ては来ないとは限らないが、注意しながらの介入となります 」
「しかしフリート君も大変だな(笑) 」
「フリートに巻き込まれる我々もでしょう(笑) 」
「バスター先輩にマック、僕も基本、巻き込まれてるんだけどね 」
「「それは無いな! 」」
「酷いな! 」
笑い合う一同。
「それで最終的にはどうするの? 」
「確かに聞いてないな? どうするの? 」
「出発してから教えます。先ずはお互いに新装備の熟練訓練してくださいね 」
「「了解しました! ブルー総司令♪ 」」
こうして3024年は暮れていった。
来年はまた忙しくなるなぁ。
12ーⅧ
魔大陸の商人が暗躍してるね。
でも船を使ってないのが救いかな?
さて、準備万端で出発しましょうか!
マダマダ入院中!
もう、色々と飽きた(笑)
コロナの影響で病院探検もできないしね(笑)
次は10月に投稿予定です。