12ーⅤ話 23歳 ワイハ諸島のその後
12ーⅤ話です。
ワイハ諸島はこうして平和になった?
しかし隣の大陸は戦乱中ですか………
12ーⅤ話
「ハァハァ……… どうしてこうなった? 」
「ハァハァ……… 森が襲ってくるなんて? 」
「ハァハァ……… どうでもよい! 逃げないと飲まれるぞ! 」
「ハァハァ……… この森はどうなってるんだ! 」
20人程いた筈の部下が既に3人まで減っていた。
3人程居なくなって気が付いた時に見た、森に飲まれる4人目を………
〔転ばされ、木の枝や根に簀巻きにされていく部下達 〕
恐怖で暫く森の中を走って逃げていたが、気が付くと自分一人になっていた。
回りは鬱蒼とした森が更に恐怖を与える。
〔普通に恐いよね 〕
「一体この森はどうなって……… あれは何だ? 」
何時の間にか目の前に祠の用な木の洞が有った。
「もしかして神具の祠か? 」
おそるおそる中を除くと1本の粗末な槍が入っていた?
「コレが神具だと! ふざけるな! 」
「一応、武器でもあるんだがね 」
「な、お前は誰だ! 」
「私はカメ族族長の息子、マサムネが相手になる! 」
「カメ族の……… ここに逃げていたのか! 」
槍を投げつけるデギン!
受け取るマサムネ!
〔あ、これって? 〕
「ほう、貴様が戦いをか。ならば受けようぞ! 」
「何を言ってるんだ! たかが槍を投げただけで? 」
「知らぬなら言おう。我が部族の決まりで決闘の意思の為の物だ! さぁ、尋常に勝負! 」
「何だと! 」
槍(銛)を構えるマサムネ。
慌てて腰の剣を構えるデギン!
気が付くと回りの森が開けて辺りには耳の長い人族? と猫人族が数人、豹人族の少女と人族らしい青年が見ていた。
隣に植物の固まり見たいな存在がいた。
〔ドライアド様が分かりやすく植物で体を再現した姿ですね。まぁ、普通の人は見えないからね 〕
更に足元には捕まった部下達が蔦で簀巻になって転がされていた。
「マサムネ、殺すなよ! 」
「多少は目をつぶってください、ブルー卿 」
「ブルー卿だと! 」
俺の邪魔をしたイングスランド王国の司令官だと!
何故ここに居るんだ?
「おい、何処を見てる? 相手は俺だぞ! 」
「ウルサイ、お前なんか殺してやる! 」
「できるならやってみろ! 」
デキンはそれなりの訓練はしていたが、それなりの腕しか無かった。
対してマサムネは近衛の訓練をしていたカメ族のエリートなので結果は分かってはいた。
「それ、これで仕舞いだ! 」
「グワァ! 」
槍で腕を突かれて剣を落としたデキンだった。
「さて、デキン元公爵殿。一応、グレートバリア王国より逮捕状が出てますので、グレートバリア王国に送還します。なお、既に一族一党もウマイ島にて逮捕している。一緒にグレートバリア王国まで送ってやるからな! 」
「クソウ、お前さえ居なければ! 」
「先に手を出したのが運の尽きだったな。連れていけ! 」
「ハ! 」
海兵隊員が連れていった。
「ブルー卿、この度はワイハ諸島の援助をありがとうございます。このご恩はけして忘れません 」
「なぁにクレオ姫、次いでですよ。そんなにかしこまらなくても良いですよ。それにこれからは貿易相手としてやって行くのですから 」
「はい、よろしくお願いいたします 」
「しかしワイハ諸島には海洋資源が以外に有るので驚きますね。まさか真珠貝や宝石珊瑚、後は観光地としても行けますね。それにステップ大陸との中継地としても使えますしね 」
「それなんですが、ステップ大陸では今も南北間で戦乱が酷いですよ。我々の先祖も戦乱を嫌ってこのワイハ諸島まで逃げて来たのですから 」
「しかし、戦乱の理由がお互いの豊かな土地って所がおかしいですよね? 」
「北の犬人族主体のワンラン族は南の大陸には食料が豊富だから向かうと? 南の猫人族主体のニャンリョウ族は北の大陸こそ我らが理想の土地だと? 今に思えば何故こんな話になってるのかが、わかりませんが? 」
確かに聞けば聞くほどおかしな話だった。
北ステップ大陸のワンラン族の総族長である牙狼族の族長が、南ステップ大陸のニャンリョウ族の総族長であるライオ族の族長がお互いを攻めているらしいと?
〔そこまで何が有ったのやら? 〕
南北大陸を結ぶ唯一のルートが中央ステップ地域の中心に有るマナパ地域で元々豹人族が納めていた地域だった。
最初はお互いの交易中継地として発展はしていて、犬人族猫人族共に仲良く暮らす部族の集合体(国未満)だった。
〔平和な都市国家? だったらしい? 〕
所がある時、北の犬人族の集団(50人位)が猫人族の領土に向かって行った後、今度は南の猫人族の集団(50人位)が北に向かって行った。
1週間後にはお互い戻って来ていたが、更に数日後、マナパ地域の両端に双方の部族の軍隊が終結しだした?
〔まるで戦争でもしようとしてるが如く? 〕
そして豹人族に対してお互いに領地の無条件通行権を要求してきた。
理由は双方共に進行する為と言う理不尽な理由だった。
〔マナパ地域は通過するだけと言いつつ? 〕
当時の豹人族の族長は双方共の要求を拒否、話し合いを要求して代表を寄越すように依頼した。
その間、一族の精鋭達と共に一族を東の島に終結させて、何時でも脱出できる体制にしていた。
〔族長は話し合いが無駄で、双方にマナパ地域を蹂躙される事を予想していたらしい 〕
案の定、話し合いの席で豹人族長が殺され、その罪をお互いに擦り付けてワンラン族とニャンリョウ族の戦闘が始まってしまう。
族長の遺言通りに息子が族長を継いで、一族総出で東方に脱出して、困難の果てに今のワイハ諸島に流れ着いたらしい。
〔ワイハ諸島が無人島だったのも幸いだった 〕
後に、流れ着いた猫人族と犬人族の者に聞いたら中央ステップ地域では、マナパ地域は現在も最前線で、今も定期的にぶつかり合っているらしい。
マナパ地域の土地は荒廃して、猫人族も犬人族も中央ステップ地域に住んでいた人々は戦乱を嫌って彼方此方逃げ延び、一部の人々が来たので受け入れたらしい。
〔余程酷いらしい 〕
「しかし何故こんな事になってるのかな。まるで操られているみたいな? 」
「確かに変ですよね。争う理由も元々は無い筈なのに? 」
まぁ、その内調査をしてみても良いかな?
貿易相手として相応しいかも含めて。
〔最悪、聖樹様経由で聞いてみても良いかな? 〕
10月20日
グレートバリア王国、王国首都キャンベル近くのシドニー国際港にて。
「おしさし振りです、ブルー卿 」
「ワザワザ出迎えをすみません、アーネスト総参謀長殿 」
アーネスト参謀長は、あれから出世してグレートバリア王国陸軍総参謀総長まで出世していた。
「何を言います、ブルー卿が来るなら喜んでお出迎えに来ますとも。しかも、今回はとびきりの土産品まで有るとは。どうおもてなしをしようかと。で、例の恥さらしは? 」
「エェ、彼らなら今、降ろしますがアレで良いんですか? 」
「勿論、良いですとも。国賊には後悔させないとダメですからね 」
グレートバリア王国からの依頼で護送用のコンテナ馬車を作ったが酷い造りの物と指定していた。
簡単に言うと牢獄をそのまま国際規格コンテナの中に入れた檻だった。
〔一応、イングスランド規格の牢獄を再現してます 〕
しかも外から丸見えの設計で大衆に曝されて移動させられる様になっていた。
勿論、脱獄及び奪還されない様に細工もしてある。
〔自害用に毒物を投げ込まれない様にもなってます 〕
牢獄コンテナには罪状が事細かく書かれた看板が付けて有ったが内容が多過ぎて字が小さく書いてあった。
シドニー国際港から首都キャンベルまで牢獄馬車での移動では、民衆には罵倒され石を投げられていた。
〔まぁ、国を荒らして逃げて、他の国を侵略してたらね 〕
ワザワザ2日掛けて首都キャンベルまで運び込み、キャンベル城前で1週間ほど晒されていた。
その間も民衆に罵倒されていて、当人は流石に精神的に追い詰められていた。
〔同情する奴も居ないけどね 〕
前を通る人達の中には元部下の子爵や男爵も居たが、皆避けるように足早に通り過ぎていた。
下手に声を掛けられると仲間だと思われたくない為だった。
〔実際に初日に助けろと言われた男爵は、調べられた後に何らかのペナルティーを食らったらしい。罰金刑だったらしいが? 〕
そして1ヶ月後に裁判となって極刑になっていた。
家族も処刑されたが、10歳以下の子供は修道院預かりとなった。
〔流石に子供はと恩赦を与えた国王だった 〕
公爵領は、正式に領地は戒役、王国直轄領になることに。
まぁ、結構な圧政で領民から搾り取っていたからね。
〔結果に喜んだ領民だった 〕
10月33日
シーランド王国、王国首都ウエリントの国際港にて。
「ブルー卿、お久し振りです 」
「エネミス騎士団長、お久し振りです。新婚旅行以来ですね 」
「そうですね。今回もご活躍とか? 」
「まぁ、偶然でしたけどね。まさか彼処に居るとは思いませんでしたよ! 」
等々、お互いの近況を話していた。
シーランド王国も本格的に輸出入も増えてホクホクらしいです。
〔それは良いことですね 〕
例の店もオープンすると同時に物凄い繁盛をしているそうです。
何せ、高級ドレスから庶民の格安普段着までの製造販売を一手にしていたのでスゴイらしい。
〔最近は近隣諸国にも輸出してるとか? 〕
結果、旦那より稼いでいるらしい(笑)
11月1日
ウエリントン城内
本日はザイル国王陛下とグレートバリア王国ナデア王女の結婚式だった。
沿道は民衆が今か今かと待っていた。
〔パレードするからね 〕
予定では、
①お二人揃ってパレードしながら教会に向かう
②教会にて結婚式
③王城にパレードしながらもどる
④王城にて披露宴
の予定だった。
〔まぁ、普通ですね 〕
さて、今回の主役が出発した。
それと同時に物凄いため息が発生したよ。
〔また姉様達は気合いを入れたな! 〕
ナデア王女のウエディングドレスがスゴくきれいで沿道のご婦人方から大量のため息が出てるよ!
まぁ、羨ましいのはわかりますから、旦那、彼氏に言って下さいね。
〔本当にまた売り上げがスゴイ事になるんだろうな? 〕
教会での結婚式も無事に終わり今度は王城までパレードです。
さらに多発するため息!
〔そして青ざめる彼氏と親たち? 〕
王城に着くとヤッパリ揃うと清観だね。
きれいに着飾る淑女達。
〔と、おまけのパートナー? 〕
そして始まる披露宴?
それにしては結構豪華だよね。
〔去年の影響で派手になったかな? 〕
元締めもホクホク顔だよね。
旦那はヒキツッテルけど?
〔ガンバレ、旦那! 〕
「陛下、王妃様、この度はおめでとうございます 」
「ブルー卿、ありがとうございます。今回もイロイロとありがとうございます 」
「ブルー卿、私からもありがとうございます。あの逃亡犯を祖国に送り届けて頂き 」
「ま、偶々ですよ。それに次いででしたからね(笑) 」
「まぁ、次いでと言われてはねぇ。それでも助かりましたわ 」
「ブルー卿にはモンブラの有効利用方も教えて頂きましたしね。我が国でもモンブランブームですよ 」
「それはお互い様ですから。しかし生産の方は大丈夫なんですか? 」
「特に問題は有りませんよ。元々自生していましたしね。今は木を増やして輸出用を増やそうかと 」
「それなら南部のダンジョンを攻略すればダンジョン内での栽培が可能ですよ 」
「その事でブルー卿にお願いが有るのですけど、よろしいかしら? 」
「おい、この場で話すのとでも無いだろうに? 」
「いえ、お伺いしましょう。何ですか? 」
「実は……… 」
ナデア王妃様からのお願いとは、オリハルコンゴーレムを倒す武器の相談だった?
どうもゴーレムダンジョンのラストボスがオリハルコンゴーレムらしい。
〔厄介なボスが居るね? 普通に物理も魔法も効きづらい相手だよね? 〕
対オリハルコンゴーレム用の武器が無いかと聞かれてもねぇ?
単純にはオリハルコン製の武器での攻撃かな?
〔まぁ、マックにやったオリハルコン製の両手剣か槍かな? 〕
後ろで陛下が断れって眼で訴えてるけど?
まぁわからんでも無いけどね。
〔渡したら最後、ダンジョンに突撃するんだろうな(笑) 〕
取りあえずは保留として後日送ると約束しておく。
まぁ、陛下もその様にしてほしい様だね。
〔後で陛下にいつ頃渡せば良いか聞いて見るかな? 〕
こうして無事に結婚式は終わった。
後日、フリートはナデア王妃にオリハルコン製の武器を送った。
リクエストで騎士剣、槍×2本、ハルバート×2本を送った。
〔え、ハルバートを使えるの? 〕
そしてナデア王妃はお仲間を率いて颯爽とダンジョンに潜ったらしい?
潜って3日後、なんとダンジョンを制覇していた!
〔100層のダンジョンらしいからね 〕
そしてナデア王妃はダンジョンマスターとなってシーランド王国の発展に尽くしたらしい。
ダンジョン内でのモンブラ等の栽培や鉱物資源の採掘等をしていく事に。
〔その辺のノウハウはブルー卿からの指南も有ったからね 〕
こうして平和になっていったとさ?
とある海域にて………
「くそぉ! 本当にこのコースで大丈夫なんだろうな! 」
「南の氷の大陸沿いに進めば安全にステップ大陸南端には着きますよ 」
「まさか魔導送風機の作り方を売ったら手のひらを返した様に我々を売るとは! 」
「しかも相手にも売ったのがバレるとはな! 」
「忌々しいイングスランド王国メェー! 」
「しかしこの時化は酷いな! 」
「そろそろ送風機が限界です! 」
「まぁ良い。ここからは帆船らしく行くぞ! 後は魔導送風機は魔力を貯めておけ。いざという時用に貯めておけ! 」
海賊スペクターの残党は次の目的地にステップ大陸に向かっていた。
ステップ大陸なら追っても来ないだろうと踏んでの行動だった。
〔果たして上手くいくのかね? 〕
12ーⅤ
これでイングスランド王国周辺は静かになったかな?
さて、次は隣の大陸に交易に行こうかな(笑)
作者は現在、入院中で7月に投稿するのを忘れてました。(テヘ♪)
もっとも別作品で悩んでいたのも有りますが………
う~ん、本当にスランプです(笑)
次はステップ大陸編なんですが………
実際、ちょっと話をどう持っていこうかと悩んでいます。
なので次の9月までに思い付かない場合は、10月以降まで投稿が延びますのでご了承の程を。