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12ーⅠ話 23歳 聖樹様のお願い!

12ーⅠ話です。


聖樹様のお願いってなんだろう?



12ーⅠ話


3023年6月


やって来ました王太子領に在る世界樹の在る村ユグドラシル20村!

何とか都合を付けて来ましたよ。

〔ヤッパリ大きいよね、世界樹は! 〕


「ようこそブルー卿、歓迎しますよ! 」


「はい、インフォレ村長様。お久し振りです 」


「まぁ、私は甥っ子が来たようだからな。そうそう、息子さんが生まれたそうだな。おめでとう! 」


「ありがとうございます。なんでも風の精霊が騒いでいるとか? 」


「まぁ通常あり得んのだがどうも君が助けた風の精霊が報告したらしいね 」


《初めまして、インフォレ村長。シルフィーよ! 言い触らしてはないわよ! 自慢しただけよ! 》


それは充分言い触らしているよね、シルフィーさん?


「それで聖樹様からのお呼びだしとは? 」


「ウ~ン、今回はブルー卿に頼むしかないからね。まぁ、詳しくは聖樹様に会った方が良いだろうね 」


相当面倒な話かな?

まぁ、会ってみればわかるか。

〔さて、どんな無理難題なのかな? 〕



村長と世界樹様の麓の祠に向かう。


『いらっしゃい、フリート 』


そこには具現化した聖樹様(大人の女性)がいた。


「お久し振りです、聖樹様 」


『男の子ですって。風の精霊達が騒いで居たわね。もう契約するって(笑) 』


「流石に早いですよね。まぁ10歳になったら連れて来ますのでその時には良い精霊を紹介して頂けたならと思います 」


『あら、私が決めても良いのかしら? 』


《聖樹様、それは……… 》


慌ててシルフィーが出てきた?


『ウフフ、何を慌ててるのかな? シルフィーさん 』


《いえ、なんでも……… 》


まぁわからなくも無いけどね(笑)


「シルフィーさん、アレクと契約したいの? 」


『そうみたいね。確かにフリートよりその子アレクちゃんとの方が相性が良さそうね 』


《はい、フリートには悪いのですが、アレクちゃんと契約させてほしいです……… 》


回りで風がザワついている様な?

《ズルい! 》って聞こえた様な?


『まぁ、それを決めるのはアレクちゃんとフリートでしょうね 』


「僕は構いませんよ。元々助けた縁での契約ですしね。後はアレクとシルフィーしだいだよね。」


《ヤッタァー、それなら後10年はフリートの世話をしますね! その後にアレクと契約します! 》


僕が世話をしているんですけどね?

更にザワつく風の精霊?

〔ん、旋風が? 〕


『まぁ良いでしょう。後は他の風精霊の説得は自分でしてね? 』


《え、………分かりました。フリート、ちょっと言ってくるね♪ 》


シルフィーさんは何処かに行ってしまった?


《アレ説得デキルトオモウカ? 》


《ウ~ン、無理ね。少し嵐が起きるかもね? 》


なんかサラッと怖いこと言ってないか?

そしてユグドラシル20村付近ではちょっとした嵐になっていた。

〔どんな話し合いをしているのやら? 〕



『さて、本題を話しましょう。フリートにはこの子を在る場所に連れていってもらいたいの。お願いしますね 』


すると聖樹様の隣に小さな女の子が現れた!


「聖樹様、その子は? 」


『わかってるでしょう。次世代の世界樹の苗木です。この子をと在る場所まで運んで貰いたいの 』


「それは良いですが、何処私にですか? 私に行ける所でしょうか? 」


『まぁ、貴方なら余裕ですよ。何せ場所は東方の海の島ですからね 』


「島ですか? 何処です? 」


『隣の大陸との中間にちょっとした島々が有ります。そこが魔力スポットで丁度良いのよ。ただ、距離がねぇ……… 』


確かに距離は問題だろうね。

その島までは船で行くか飛んで行くかだからね。

〔流石にロイフォさんでは無理だろうね。遠いし……… 〕


『風の精霊が見付けたのですがどうも様子がおかしいのよね。島々で争ってるのよね 』


紛争ですか?

そんな離れ小島同士で?


『その島と言うか大小8つの島の内の最大の島には人は住んで居ないのだけど他の7つの島には各々の国と言うか部族よねぇ、争ってるのよね 』


詳しく聞くとその7つの島では在る1島を巡って覇権争いをしているらしい。

島の東側の3島対西側の3島での争いらしい。

〔ウ~ン、領土問題? 〕


詳しくは分からないがその島では東西で陣取り合戦になってるらしい。

しかも争ってるのが獣人族らしい。

〔何だか猫人族と犬人族が争っているらしいって? 〕


これ以上は詳しくは精霊では分からないらしい。

確かに細かい所までは精霊さんではわからないよね?

〔基本、精霊は自由ですからね 〕


そこで、人の居ない最大の無人島の中に植えてほしいらしい。

最大の島が無人島なのはその島が火山で数年に1度の間隔で噴火しているのと魔物の巣が有って人が入ると襲われるらしい。

〔魔力スポットの関係で噴火しているし、魔境化しているらしい? 〕


世界樹の苗木を植えれば噴火も治まるらしいし魔境も解消するらしい。

そうすれば新しいユグドラシル村を作って聖域化できるらしい?

〔それはそれで問題では? 〕


後の問題はその地域の魔素濃度がどうなってるかだった。

まぁ薄いのは薄いだろうね。

〔僕たちが向かってどうだろうね? 〕


「それで世界樹を植えるだけではないですよね? 」


「そこは私から。この村から村長候補と移住者を運んでもらいたい。勿論、こちらで食料等の資材は準備して有る 」


「村長、たぶんムダになるかもね。移住者は島の生活ができますかね? 」


火山帯だとすぐには農業も出来ないだろうしね。


「………何とかなるでしょうか? 」


『ウ~ン、難しいわね。前もって調べるには遠すぎるし、ステップ大陸の16姉様も遠いしわからないって言ってますし 』


ステップ大陸側からも調べたらしい。

ほんと、ワールドワイドな世界樹ネットワークだよね。


「………わかりました。こちらで調べてみましょう。それからでよろしいですか? 」


「良いのか、フリート? 」


「世界樹様に頼まれて断ることもできませんでしょうに。それに対応出来るのは私位ですからね 」


「それでは頼む。本来は我々エルフ族の仕事なのだがね 」


『そうですね、よろしくお願いしますね 』


この後は、移住人数と必要な物資の量を聞いておく。

正確な現地の地図、海図の製作もしないといけないしね。

〔その点を詰めていくことに 〕


「そう言えば次の村長候補さんは誰ですか? 」


「一応、世界樹様の指名なんだが……… 」


『あら、まだ言ってなかったの? 』


「はい、連絡が付きませんので困ってます 」


「誰ですか? 」


「私の下の息子で今は冒険者として放浪していてるんだよ。全く困った者だよ 」


『彼なら今ユグドラシル18村に居ますよ。向こうのお嬢さんとお付き合いしているみたいね♪ 』


色々と筒抜けですね。


「それでは直ぐに戻る様に言ってもらえますか? 」


『そうですね。フリートに迎えに行ってもらえればすぐよね 』


「場所は何処ですか? 」


「ユグドラシル18村は、今はホクギン公国の奥、大陸中央の高地の所だね 」


そこは標高が高くて滅多に人族は来ない場所だが世界樹の結界内なら大丈夫らしい?

まぁ、場所さえわかれば[マザー]で飛んで行けるからね。


「それでインフォレ村長、一応陛下には話を通さないと行けないので話しても良いですかね? 」


「まぁ、その件はラルフから伝えてもらう。陛下も聖樹様からの頼みは聞いてくれるだろうし 」


こうして世界樹の苗木の輸送を依頼された。

ウ~ン、先ずは偵察かな?

〔海図も作らないとね 〕



ユグドラシル20村より帰って来て早速陛下に報告に行く。


「それでよろしいのですか、陛下? 」


「まぁ、聖樹様のお願いではな。それでどの様に進めるのじゃ? 」


「先ずはその島の特定ですね。実質海図が在りませんし、イングスランド王国最東端のイオン島ですか? その島より更に東沖らしいですね 」


「イオン島? あぁ、あの島か! 確か王家直轄領だったな。今はどうなってるかだが……… 」


「陛下、あの島は今は無人島です。時折調査で向かってはいますが……… 」


ん、何か雲行きが怪しいな?


「そうだな。ならブルー卿が管理しても問題ないな? 」


「そうですな。無人島ですから開発をしてもよろしいかと 」


何か有りそうだな?


「………陛下、他に何か有りますね? 」


「………陛下、おっしゃった方がよろしいかと? 」


「実はのう、そのイオン島に勝手に住み着いた者が居たと王国海軍から連絡が有ってのう……… 」


イオン島が不法占拠されているらしい?

陛下の話によるとイオン島は無人島で遠洋漁業をしている船団(レスター子爵領関係者から)の中継地として開発を申請していたらしい。

〔確か遠洋漁船母艦(作業用標準船ベース)を買ってたな? 〕


それでいざ開発をしようと島に向かうと何故か住民が居たと?

その住民の代表に話を聞くと、東の島から流れ着いたと言ってもう既に我々の土地だと言ってるらしい?

〔まぁ、無理だろうね。その根拠は? 〕


それでどうしますかと報告が有ったのが5日前だったらしい。

その来たと言う東の島が例のワイハ諸島らしい?

〔それなら紛争の件も聞けるかな? 〕


「わかりました。それでは私の方で何とかしましょう。一応、中継基地化も視野に入れても? 」


「その辺は海軍との相談じゃな。宰相、そのように 」


「はい、陛下。ブルー卿もお願いしますぞ! 」


「ハ、了解です! 」


こうして東方遠征が決まった。

表向きは不法占拠住民の排除又は保護となった。

〔まぁ、一応イングスランド王国領ですからね 〕




7月10日、昼前………


「おい、本当にだいじょうぶだべか? 」


「そなこと言ってもわからんだべ? 」


「またあんな船が来たらまじヤバイだべ 」


「まぁそんなに頻繁には……… 」


「おい、どうした? 」


「………アレなんだ? 」


「エ、………ア、ア、ア、アレはナンダァァァァ! 」


イオン島に住み着いていた不法移民達は前回来た帆の無い船の船員を追っ払っていた。

その為にまた来るのでは無いかと村の港に見張り台を築き西の海を見張ってはいた。

〔木製の粗末な櫓だがソコソコ高くて見張らしは良かった。なにしろ涼しいので人気だった(笑) 〕


現れたのはイングスランド王国ブルー辺境伯海軍所属の強襲揚陸艦ブルーが旗艦の第1艦隊だった。

イングスランド王国海軍最強の艦隊でも有ったが。

〔まぁ、大きな船が来たら驚くよね(笑) 〕


「タイヘンダァァァァ! ソ、村長にシサセロォォォ! 」


木の鳴子を叩き報せる見張り!

大騒ぎの不法移民達は右往左往していた!

〔それは大騒ぎに! 〕


「何を慌てている! 落ち着かんかぁぁぁ! 」


「ソ、村長。アレは何ですか? 」


「知らんが船ならばそうなんだろう! いくら船が大きくても陸には上がれないから後は降りてくる人族次第だろう? 」


「ソ、そうですな? 人族が我々獣人に勝てる訳が有りませんからな! 」


「それに見ろ、小舟が来るだろう! 」


「何ですかね? あの小舟は? 随分と四角い船ですね? 」


港に向かって小型の上陸舟艇(ランデングⅠ型)が向かっていた。



「どなたがここの代表ですか? 」


現れたのは謎の鎧姿の兵だった。

まぁ、魔導装甲鎧を着たバスター空挺団大隊長だった。


「私がこの村の村長のムラサメじゃ! 」


「ほう、あなたが………エ、獣人族? 」


そう、イオン島を占拠していたのは獣人族、猫人族の人達だった。


「おっと失礼しました。私はイングスランド王国ブルー辺境伯軍所属のバスター海兵軍少佐です 」


「で、何用かな? 我らの島に? 」


「何か勘違いをしている様ですが、このイオン島はイングスランド王国王家直轄領です。この事はわが国以外の国も認めています。確認しますが、わが国の許可を受けてお住まいなのですか? 」


「何を言うか! ここは我が部族が切り開いた村、我々の土地だ! 」


「まぁ、そう言われてもねぇ。それでは我が国、イングスランド王国国民になるとおっしゃるのかな? 」


「ここは我が部族、カメハ族の島になったのだ! 我々島だ! 」


後ろの銛を持った数人の猫人族も"そうだ、そうだ!" と騒ぐ!


「ではどうすれば良いのかな? 」


「おとなしく帰るのを勧めるぞ。我々獣人に人族が勝てるかな? 」


「ほう、ではそちらの代表と勝負しましょうか。こちらは私が相手になろう。そちらは誰が相手になってもらえるのかな? 」


「ク、舐めやがって! 村長、俺が相手をする。止めるなよ! 」


後ろから大柄の猫人族の若者が出てきた。


「マサムネ、お前が出るのか? 止めはせぬがやり過ぎるなよ! 」


「わかっている、親父。こいつを倒して追い返す! 」


いきなり銛を投げつける猫人族の代表マサムネ!

ただ、相手が悪かった!


「危ないな! 勝負の準備もさせないのか? それに近くに子供もいるじゃないか! 」


バスター少佐は投げつけられた銛を掴んでいた。

まぁ本気では投げてなかったみたいだが。


「我が部族では、決闘の際は銛を相手に投げて受け取れなければ為らない。西方の人族よ、その銛を投げ返せ。それが返事となる 」


これがカメハ族の作法らしい?


「なら返すぞ! 」


投げ返すバスター少佐。

受け取ったマサムネは。


「ほう、中々やるようだな。そうでなければな(ニヤ!) 」


「それで何処でやるんだ? ここでは狭いだろうに? 」


「そうだな、この奥にちょっとした広場が在る。そこでどうだ? 」


「そうですね、そこで良いでしょう。後、立会人を連れても良いかな? 」


「別に構わんぞ! 倒された後、運んで貰わなければこちらも困るからな! 」


では呼びますので暫しお待ち下さい。おい、ブルー卿に合図を! 」


ランデングⅠ型に乗っていた海軍兵が青色の信号弾を打ち上げた!

驚いて逃げる猫人族の方々!

〔まぁビックリするよね(笑) 〕


「ナ、何をした! 」


「ただの合図ですよ? まぁきれいでしょう? 」


「ソ、そうだな! しかしあいつらと同じ事が……… 」


「ん、何か? 」


「イヤ、何でもない……… 」


そして沖からランデングⅢが向かって来た。

責任者(フリート)を乗せて。




12ーⅠ

まさか聖樹様の依頼って世界樹の輸送だったとは!


不法占拠されたイオン島。


居たのは猫の獣人さん達だった。


さて、どうしようかな。



明日も投稿します。

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