11ーⅨ話 22歳 ガイアス新皇帝誕生
11ーⅨ話です。
島は半分にすれば良いでしょう。
ガイアス殿が新皇帝に即位!
11ーⅨ話
3022年2月27日
エクスマウス街にて和平交渉が始まった。
やはり双方共に譲る訳もなく、初日は双方の言い分の確認だけで、揉めたままで終わった。
〔本当に水と油だよね 〕
2月29日
3日目、やはり双方共に妥協点も全く無く、自らの言い分のみしか言わなかった。
これでは決まるものも決まる訳は無いので困ってしまう。
〔長年のツケだろううに。国境線を決めないとねぇ 〕
2月31日
会議5日目、ナンギン帝国代表のワンタイ卿の提案で双方の中央で2分する案が啓上された。
確かにこの方法が一番マトモに思える提案だった。
〔島を半分づつ統治する案だった! 〕
各国共にそれしか無いだろう的な雰囲気になって賛成していた。
ただ、当事者達が何処で半分にするかで揉め出していた。
〔少しでも自分達の優位な様にしようとしていた 〕
そこで、地図上で半分に線を引き、丁度半分になるようにすることをイングスランド王国代表リチャード第2王子の提案だった。
リチャード第2王子は予めブルー卿から問題の島の航空写真を貰っていてそれを会議に提出した!
〔驚く南方各国代表達! 〕
ブルー卿は、前回の遠征時に[マザーバード]にて近隣諸国の沿岸偵察もしていて、その島も偶々撮影していた。
それを揉めた場合に会議に提出するようにリチャード第2王子に渡していた。
〔余りにも正確な絵(写真)なので誰も押し黙っていた 〕
2月32日
結局、その写真のお陰で2分割案が承認される事となった。
この後、第三者で有る他の5ヶ国連合の工兵部隊が中央に国境線としての石壁(上にフェンス)を取り付ける工事をする事になった。
〔費用は紛争当事国双方に均等に振り分ける事となった! 〕
この和平協定をエクスマウス条約として遵守される事に。
この条約により島の南端に5ヶ国連合の停戦監視団の駐屯地を新設、停戦監視と工事の護衛拠点とすることになった。
〔これでとりあえずは静にはなるかな?〕
3022年3月2日
ナンギン帝国より皇帝崩御の知らせが来た。
長年の病魔との戦いに終息を迎えた事に。
〔良く持った方ですよ 〕
国葬及び新皇帝即位式には6ヵ国防衛協定加盟国から代表団を迎えて大々的に行う事となった。
日程は3月35日に国葬、4月1日に即位式の予定となった。
〔まぁ、そうなるよね 〕
3月32日
イングスランド王国からは、陛下の名代でエドワード王太子と僕、ブルー卿が弔問代表団として出席する事になった。
関係各位を乗せて強襲揚陸艦[ホワイト]でアップシー国際港に向かいましょう。
〔陛下も行こうとしてたが王妃様方が阻止してたよ(笑) 〕
3月34日
アップシー国際港に着くと早速グラハム騎士団長の出迎えを受けました。
グラハム騎士団長の案内でナンギン帝国帝城まで向かいます。
〔無論、上空にはワイバーン騎士の護衛の元です 〕
3月35日
しめやかにナンギン城で国葬が始まりナンギン帝国国民は喪に尽くしていた。
空にはワイバーン騎士団が黒い布を引き、皇帝の遺体を載せた馬車は歴代の皇帝が眠る墓地に向かい棺を埋めた。
〔これで国葬は一応、終わった 〕
3022年4月1日
ナンギン帝国新皇帝、ガイアス・キング・ナンギン様の即位式が始まった。
城内での儀式も終わって、これからパレードを行うそうです。
〔歴代の皇帝は即位すると必ず帝都を巡回するようにパレードをするそうです 〕
ただ、今回、ガイアス新皇帝はパレード前にワイバーンに乗って飛んでいた。
先ずは帝都上空をワイバーン騎士団と共に編隊飛行していた。
〔ワイバーンの編隊飛行は迫力が有りますね! 〕
その後にワイバーンに乗ったまま、特注の運搬車[ワイバーン運搬車]にワイバーンごと載っていた。
そのままパレードを行う様ですね。
〔迫力が違いますね! 〕
上空にはワイバーン騎士団がカラフルな布を引き飛び、帝国国民は熱狂的に声援を送っていた!
そして口々に、"ガイアス・ワイバーン騎士帝様万歳! "と叫んでいた。
〔これ以後、ガイアス新皇帝はワイバーン騎士帝様と呼ばれる事になった 〕
パレードが終った後の晩餐会にて。
「中々スゴいですね、ガイアス・ワイバーン騎士帝様! 」
「言うなブルー卿。もっともその為にワザワザこの移動車の製作を頼んで良かったぞ! 持つべき者は友だよな! 」
実はこの[ワイバーン運搬車]、ガイアス新皇帝がフリートに特注で発注した物だった。
基本は[ベル]型のオープンカーをベースにワイバーンを乗せて安全に走らせる様に製作した逸品物だった。
〔発注を受けた時は何に使うか分からなかったフリートだった。まさかのパレード用だったとはね(笑) 〕
元々[ベル]型は[魔導トラック]をベースに作ってるので安定感は元から有った。
なのでワイバーンのクインも最初から怖がらずに乗り込んでいた。
〔最初は驚くかと思ったが以外に平気だった? 〕
晩餐会は恙無く進み、会が終わる頃有る発表が有った。
「皆に発表が有る。来年、余は帝妃を迎える事となった! 」
回りの諸侯、6か国国防協定加盟国の代表等海外の方達からも祝福の言葉が発せられた。
ただ、妙にニコニコしながら此方をチラ見していた皇帝陛下?
〔ん、何だろう? やな予感? 〕
「それで帝妃となる者も今宵来ているので紹介しようと思う。さぁ、入って来なさい 」
奥の扉が開き一人の女性が豪華な衣装を着て入ってき…………エ、エェェェェ!
「余の帝妃となる婚約者、キャロル・オブ・バーミンガム嬢だ! 」
正に青天の霹靂!
キャロル姉様がそこに立っていた!
〔嘘だろう? 聞いてないよ! 〕
たしか今回のエドワード王太子殿下の護衛で来ていたのでは?
それが帝妃予定者だって何?
〔全く理解ができなかった! 〕
僕が呆けていたら、隣に居るエドワード王太子様から説明が有った。
何でも以前、初めてイングスランド王国に来たときに、王城の警備に立っていたキャロル姉様を見て、ガイアス皇帝が一目惚れしたと!
〔なにそのラブコメ? 〕
陛下に断ってからその日に猛アタックしていたらしい。
そして始まる月下の対決?
〔何故に模擬戦? 〕
キャロル姉様曰く、自分より強い人でなければイヤだとか?
なので言い寄って来た同僚の独身男性騎士団員を片っ端から伸していたらしい。
〔まぁそうなるよねぇ……… 戦闘凶だし(笑) 〕
そこで王城の練兵場にて陛下、王妃様、バーミンガム卿(父上)、グラハム騎士団長の立ち会いの上で模擬戦となったとか?
その試合にガイアス皇帝が勝ったらしい。
〔詳細は不明。事実としてガイアスが勝ったらしい? 〕
それからはキャロル姉様は護衛の傍ら、王妃教育を王妃様と王太子妃直々にしていたらしい。
そして今に至るって………
〔この事は秘密にされていて知ってるのは王族と少数の臣下(父上達)位だったとか! 〕
ア、だから僕の結婚式でのキャロル姉様のあれは………
なるほどねぇ。
〔確かに必要だったね(笑) 〕
「驚いたか、ブルー卿(笑) 」
「………確かに驚きました。まさかあの姉様を落とすとは! 」
確かにあの戦闘凶に勝つとはね………
どうやって勝ったのやら?
「まぁ、それだけ苦労もしたがね。しかし強いよな、お前の姉は! 」
「それでは次からは義兄様と呼んだ方がよろしいので? 」
「やめろ、気持ち悪い(笑) 構わんよ、今まで通りで 」
「では陛下、末永く姉様をよろしくお願いいたします! 」
来年、4月には輿入れだそうな。
それまでには何か考えておこうかな(ニア♪)
〔一応、グラハム騎士団長も巻き込むか! 〕
こうして即位式は無事に終った。
4月3日
帰りの船上にて。
「キャロル姉様、全く聞いてませんでしたよ! 」
「それはそうよ。フリートを驚かせたかったから。もっともガイアス君も賛成してたわ 」
「それに陛下もだろう。それでどうして負けたの? 流石に勝てたでしょう? 」
「そうでもなかったわ。彼強いわよ! タブン実力的には兄様と同等よ? 」
「………ヤッパリか。すると魔導具かな? 」
「エ、どう言う事? 」
「何らかの魔導具で力を押さえているんだろうね。そうすれば普段は非力に見えても、イザと言う時は切り抜けられるからね 」
「あ、そうか! あの時外したペンダントかな? 突然強くなってたから! 」
始めに向かい合った時はそうでもなかったらしい。
そのペンダントを外したらスピードが行きなり上がって力も凄くなって負けたらしい。
〔剣を弾かれ、突き付けられたそうな 〕
「しかし姉様が皇妃様ねぇ……… 」
「何よ、不満なの? 」
「イヤ、予想外だったのでね。何処かの王党派の領主夫人かなと思ってましたよ 」
「でもフリートの領地には近いから良いでしょう? 」
「だからって遊びに来れませんよ。立場上ね 」
「大丈夫、ガイアス君も一緒に行くわよ♪ 」
後にお忍びで遊びに来るようになって困る様になった、ナンギン帝国側(主に宰相様)とイングスランド側(主にブルー辺境伯爵)だった。
最終的に別荘を建させられる羽目になっていた。
〔もう、姉様だからねぇ 〕
はぁ、来年は大騒ぎだろうな。
もっとも今から張り切ってるだろうな、姉様達は(笑)
〔帝国でも流行りそうだよね 〕
11ーⅨ
まさかのサプライズって何したの姉様?
しかしガイアス皇帝もまだ隠し業有ったんだね?
グラハム騎士団長と組んで何かしてやろうかな(笑)
明日も投稿します。