2ーⅦ話 8歳 魔導ウォータージェットボート♪
2ーⅦ話です。
バーミンガム領に参りましょう。
さて誰が付いてきたかな?
2ーⅦ話
入学式から3ヶ月がたちました。
定期試験(年3回ある内の1回目)も終わってホッとしたフリート達でした。
〔一部瀕死状態の子がいたりして(笑) 〕
Sクラスの結果は変わらずの順位でしたね。
もっともAクラス以下はかなりの変動があったみたいでね大騒ぎになってるとか?
〔ま、貴族様が順当に落ちて平民の優秀な子が上がってきたらしいとガイア教官が言ってたね。いつもの光景だって 〕
ちなみに例のジェームズ君はなんとかBクラスには留まっていたが序列50位以下になったらしく公開されている序列50位から名前が消えていた。
何でも全く試験勉強をしてないとか?
〔流石に不正はできないらしい。なんだかんだで学園は厳しいですね 〕
そして学園内では不可思議な事が起きていた………いや、起きてなかった!?
校長のイタズラが解禁の5月を過ぎても被害の報告が、全く無かったからだった。
〔総代会議のたび、先輩方は皆不思議がっていた 〕
実際は僕と校長の攻防戦が密かに行われていたのだが………
校長は早速解禁日の5月1日早々、1年S組の教室にあるトラップ魔法を仕掛けていた。
〔ま、軽い落とし穴系の物(授業が始まった瞬間に椅子ごと落ちる系 )だったが 〕
ま、入ってすぐに気が付いて速効で解除したよ。
逆に教室の後ろに何個か移しておいたら校長が落ちていた。
〔校長が落ちたのに気が付いていたのは落ちた瞬間を見たガイヤ教官と仕掛けた僕だけだった 〕
こんな事があったせいなのか週一ペースで、密かに準備している校長とそれをせっせと解除する僕との攻防が始まったって………(笑)
ガイア教官は、授業が邪魔されないと、喜んでいたがそれでいいのか教官!
〔因みにこの事を知ってるのは、シャルロット様、マック、担任のガイア教官のみだった。〕
3008年7月
明日からは夏休みになります。
2ヶ月はあります。
〔確かに移動時間を考えるとね。実質1ヶ月位かな? 〕
さっさとバーミンガム領に帰って仕上げないといろいろと不味いぞ(笑)
なんと陛下が欲しがるとは!
〔完全に想定外ですよ! 〕
ま、原因は父上が余計なことを言ってしまったせいでもあるけどね。
水上の上を吹っ飛んで行ける! と言ったらしい。
〔試作0号は私を置いて吹っ飛び堤防に突っ込んで大破したのに……… 〕
次の日、キャロル姉様もメルも追試が無かったので安心して出発します。
今回は最初から皆で移動することになったが………
〔主に警備上の問題で……… 今回は王国騎士団と合同部隊ですけど結構多くなった馬車軍団(笑) 〕
兄様は何か用があって王都に残られるとか? だが………
急いで帰らないといけないのにまたしても問題が! って何故に付いてくる第2王子!
〔何で付いてくるの? 〕
「イヤ~、僕がシャルロットの護衛で付いていくことになってね。ま、よろしくだね♪ 」
「………まさかリチャード兄様が付いてくるとは。てっきり姉様達が付いてくるのかと思いました? 」
「その辺は王家伝統の勝負で私がジャ………イヤ、代表になっただけだよ♪ 」
どうも壮絶な勝負が有って勝ち上がったらしい?
「な、なるほど、壮絶な勝負があったと………ハァ~ 」
「フリート君、君は帰省先だから良いよ。何故私まで付いて行くことになったんだよ! 」
何故か一緒に来たバスター先輩?
「え、リチャード先輩の見張りじゃないのですか? バスター先輩。もっとも武器集めが本命かな? 」
「な、なんの事かな、気のせいだよ♪ 槍が欲しいなんて思ってないよ! 」
バスター先輩は正直者ですね(笑)
「………以外と正直なんですね、バスター先輩は 」
「ま、いいじゃないか。噂の確認だよ、確認 」
先輩ならいいか(笑)
護衛で付いてる海兵隊員に断って槍を借りる事に。
〔馬車には護衛の海兵隊、騎士団から2名づつ乗ってます 〕
「ま、いいか。先輩の見たい槍ですよ。もっとも正確には魔導槍杖かな? 」
「え、………ドレドレ……………なんだこれは!? これは槍………ではないな? でも……… 」
「バスター、何がどうなってるか説明しろよ! 」
確かに普通の槍じゃないしね。
「先輩方、私が説明しますよ。その槍はバーミンガム辺境伯軍特殊海兵隊の装備で量産型ランスロットの………これは(土)だね。他にも(火)、(風)、(氷)が有りますよ。基本海兵隊員の専用装備で市場には出してない物なので内緒にしてくださいね 」
バスター先輩は渡された[サウス1型ランスロット]を隅から隅まで舐めるように見ていった。
本当に武器マニアの様だった。
〔性能は下記に! 〕
「え、もしかしてこの筒から中級のアースニードルが撃てるとか? 」
「流石武器集めが趣味のバスター先輩! 正解です。しかも、詠唱なしで魔力さえあれば誰でも使えるのがみそなんですよ♪ 」
「………なるほどね。しかも槍としても使えるのがいいね。ウ~ン、欲しいけどね。でも何か有るよね、違うかな? フリート君 」
「コストの問題がありますね。お気付きみたいですから言いますけど、その槍は総ミスリル製の特注なので高いんですよ。1本200,000ポンドですしね(笑) 」
「何だって! 20万ポンドだって!? 」
因みに普通の鋼の長剣は、大体100,000ポンドが相場だったかな?
ビビって投げてしまったバスター先輩とその槍をしっかりキャッチするフリート君。
「おっと、投げないで下さいね、先輩。そういう訳で内緒にしてくださいね。もっとも使用者認証が付いてるから他の人は魔法弾は撃てないし、無くすとその隊員がえらいことになるしね(笑) 」
そして槍を護衛に返すフリート君。
「どうなるかは知らないけど………わかった、内緒にしておくよ。他にもありそうだしね(笑) 」
「ま、有るかもね(笑)。ただ、今回行くことになるポーツマツ村には、立ち入り禁止の所も在るのでそこは注意を。誰であろうと取り押さえられますので! 」
「確かに兄様は特に気を付けなければなりませんですね 」
「「「「「確かに。お願いしますよ、リチャード殿下! 」」」」」
「何故か言い返せない! ………わかったよ 」
こうして愉快な仲間達はバーミンガム辺境伯領都に向かった。
2週間後、領都の城に到着した一行はバーミンガム辺境伯爵とアン伯爵夫人(妊婦9ヶ月)の出迎えが有ったよ。
うん、母上も順調ですね。
〔この分だと8月生まれになるかな? 〕
皆さん、挨拶もそこそこに早速フリートのラボラトリー(専用工房兼遊び部屋? )に行こうとせっつくな!
もう、どんだけ楽しみにしてるの!
〔姉様達までって………急がせないで!〕
入口から廊下を進み、中庭の途中に僕のラボラトリーが有ります。
そしてそこには謎の小型挺? が6隻とボロボロの何かの塊が1個あった。
〔原型を留めていない試作0号機(暴走した!? )だったりして 〕
「フリート君、あれは? 」
「………え~と、気にしたらまけ? ………嘘です。暴走した試作0号機(笑)です 」
「え、同じ物だよね………ドウヤッタラコウナルノ? 」
「ま、暴走した瞬間に振り落とされてそのまま堤防に突っ込んで行ったよ。そしたら………そこの塊になったよ♪ 」
「「「怖! 」」」
「よく死ななかったな? 」
「だから言ったのに父上は………。まだ制御系が難しくてって。もっともその辺は解決案が有るからもう少しかな? 」
王都の図書館様様です。
「「「そうなんだ? 」」」
「そういう事なので申し訳無いですが5日は下さいね。組み込み次第? ポーツマツまで行きますので。それまでは街の案内を姉様………あれ、いない? 」
「お姉さん達ならシャルロット様とメル連れてさっきその扉から出て行ったぞ? 」
「早速かよ、全く……… 皆さんも行きましょうか? 」
扉を開けて通路を抜けると、中庭に出れる。
そこには………プール(池ともいう )があった。
「「「フリート君、ここは? 」」」
「ここは僕の相棒が住んでるプールだよ。姉様、カイに会えましたか? 」
「「いないよ? 今は漁にでも行ったのかな? 」」
ウ~ン、確かこの時間はそうだろうね。
しょうがない、呼びますか。
〔え~とどこに………有った♪ 〕
「ピ~~~♪ 」
「「「え、笛? 」」」
笛を吹いて暫くすると………プールの中央からアワが出始める!
そして暫くすると………
『(ザッパン! ) キュイ♪ (おかえり♪ って言ってる ) 』
「ただいま、カイ。良い子にしてたかい? 」
『キュイキュイ♪ (うん良い子にしてたよ♪ っと言ってる ) 』
そうかと言って魔力を与えながら撫でる。
カイも嬉しそうだ。
「どうです、先輩。かわいいでしょう。………先輩? 」
リチャード先輩とバスター先輩は驚いて固まっていた。
「本当に皇帝シャチだね。驚いたよ! 」
「確かに、驚いた! 初めて見たけど結構かわいいね。これは父上には内緒にしておこう 」
「………そうですね。政務ほっといても見に来そうですしね 」
「「「それは………あり得る! 」」」
この後は、カイの曲芸を披露したり追加の筐体の発注をしたり、姉様達に殿下達の街の案内をお願いしたり、母上の特別授業をお願いしたりした。
〔案の定、逃げ出そうとした者が約3名ほどいたけどね(笑) 〕
そして5日かけて本命の魔導制御装置を改良して搭載して試作1号~6号を完成させた。
そう、前世で実際に乗った事がある"水上バイク "を!
〔うん、構造を思い出すのに苦労したよ♪ 〕
[魔導ウォータージェットボート(試作型)]
解説:3人乗りの小型特殊ボート(最高速度、10ノット )
試作魔導ウォータージェット機関を搭載して水上を高速で移動できる
本体をオーク材で作り、回りをミスリルでコートしてシーサーペントの鱗を貼り付けている
シーサーペントの魔石2個使ってウォータージェットポンプと魔力タンクを製作してボートの中に配置している
搭乗者が振り落とされた場合、停船してその場でUターンして微速で戻って来てその場で微速旋回して待機状態になる安心設計
全長:3.2m
全幅:1.2m
排水量:250kg
機関:ミニ魔導ウォータージェット機関×1基
最大船速:10ノット
乗員:3名
そう、去年の夏に結成したバーミンガム辺境伯軍海兵隊員の訓練と称して盛大にシーサーペント狩りをして魔石と鱗、革をゲットしていた。
〔基本は引き込み漁からの討伐かな? 〕
その素材を流用して作ったのが試作ウォータージェットポンプだった。
そのポンプを土台に各種作った魔導ウォータージェットポンプの内、小型化したのが今回のボートに搭載している。
〔まぁ前世で乗った事が有ったし、大体の構造も知ってたしね 〕
ま、ついでにシーサーペントの革でウエットスーツ擬きや救命胴着型鎧擬きなんかを作ってみたりしておいた。
これを見たアラン師匠と海兵隊幹部が食い付いて海兵隊装備に採用されたのは良い思い出だ。
〔訓練でコーストガードみたく、水難救助もやってるみたいな? 〕
領都に到着してから6日後、いよいよポーツマツに行くことに。
王都から来たメンバーと行くことに。
〔父上も行きたがったらしいが王都に行くそうです。会合だそうです? 〕
フリートが作った魔導武器
[サウス1型ミスリルランスロット(先行量産型)]
解説:フリートが作った[試作ミスリルランスロット]をベースに構造と機能を簡略化し、価格を押さえることに成功した逸品
見た目は二股の槍で二股の矛先の間に銃身が有ってそこから魔砲弾(各種初級ニードル系)を撃つことができる
(発射間隔は2s/1発)
カートリッジを代えることで各属性魔砲弾を打てるが戦闘中に交換はできないのが欠点
(強度の問題で即交換が難しい為)
槍の機能に特化した為に照準機能を廃しているので命中精度はかなり悪く、牽制用にしか使えない
(腰だめで射つスタイル? )
訓練次第では魔砲弾を中距離(100m位? )から各種魔砲弾を打ち、近距離では槍として突く、凪ぎ払う等の槍裁きで相手を倒せるだろう
2ーⅦ
校長との攻防戦は今の所フリート君の勝ちかな?
そしてバーミンガム領に出発です。
同行者はリチャード王子でした。
(恐らく壮絶なジャ…………だったそうです。王家伝統って何? )
バーミンガム城に着いて姉様達は早速のカイ君タイム♪
そして始まるオルカショー♪
まさか水上バイクが再現できたとは………魔法は便利だね。