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11ーⅣ話 21歳 シーランド王国の和平案とグレートバリア王国の動乱の訳

11ーⅣ話です。


今回の争乱を起こした黒幕が居るらしい。


それを上回る第1王女の戦略!


では恫喝しときますか?

11ーⅣ話


3021年2月23日


シーランド王国首都ウエリント街ウエリント城の会議室に集まった各代表の4者。


・シーランド王国暫定国王のザイル陛下

・グレートバリア王国王太子派のアーネスト遠征軍参謀長

・グレートバリア王国第2王子派のボイラー司令官


そしてまとめ役の合同遠洋航海訓練艦隊代表のブルー海軍大将だった。



会談を始める前に各々と個別に話し合いをしてからの会議だったのでスムーズに話は進む。

まぁ、ザイル国王を押さえるのが大変でしたが。

〔まぁ皆さん現状を認識してますからね 〕


基本的に決まっているのは

・シーランド王国はザイル陛下が統治する。

・今、この地に居るグレートバリア王国軍は撤退する。

・今回の損害に対してシーランド王国はグレートバリア王国に賠償を請求する。

・ナンギン帝国、イングスランド王国に今回の騒動に対しての謝罪と賠償をグレートバリア王国に請求する。

等々決まっていた。

〔まぁグレートバリア王国に拒否権は無いけどね 〕


「しかし困りましたなぁ。あの王太子が話を聞くか? 」


「第2王子もですよ。どうしたものか……… 」


「そこまで仲が悪いのですか? 良く国が持ちますね? 」


「そこは第1王女様のお陰ですね 」


「確かにそうですね。王女様のお陰で均衡を保って大規模の戦闘は有りませんし 」


なんと、現在の均衡状態を作ったのが第1王女らしい。

確かに3者のバランス良くすればお互いに手が出せなくなるよね。

〔以外と策士ですね、第1王女様は? 〕


「それではその第1王女様が国王………いや、女王様になれば良いのでは? 」


「そうなんですが……… 本人が嫌がってると言うか……… 」


「実際、冒険者になりたいと言って、亡き陛下を困らせていましたしね 」


何て言うか………相当なお転婆姫らしい。

でも何だろう、あれは無いのか聞いてみる。


「所で、前国王の遺言とか無いのですか? 」


「そこなんだよ!侍従長が公開した遺言書は有ったのだが……… 何せ目の前で陛下が毒殺されてからお互いを信じていなくてね。」


「内容がな……… 【3人の候補者の内、国民に認められるもの、その者を時期国王とする】と書いてあったらしい。具体的に誰とも書いてなかったんだよ 」


確かに前国王様は優王と言われていたらしく、国民にも息子達にも優しかったらしい。

そのせいでの今の状態なら納得だね。

〔まぁ、今の所は 王女>王太子≧第2王子 なんだろうね 〕


「今回の進行作戦もダンジョンの資源目当てと言われても仕方が無いが、実際は軍部のガス抜きの意味が有ったし。王太子の私情を利用したあのバカ共が資源の独占をしようとしたからだな 」


「此方もそうだな。第2王子を焚き付けて、ピネス王女を救助すれば振り向くぞ って唆してた奴が居るからな! 」


オイオイ、そこまで喋って良いのかよ?

それ、ザイル国王の顔が真っ赤になってるよ!

〔前国王様を殺された理由がクダラナイからねぇ 〕


「そ、そんな理由で父上が殺されたとは……… 」


「正確にはあのバカ共の独断専行でした。王太子の命令は捕まえて幽閉して事が終わった後での話し合いをする予定でした。所がシーランド王が殺されてしまっていた。しかもその場に居た近衛兵も全員だ。まぁ、今なら一緒に居たあのバカ共の部下に聞けば真相もわかるだろうな 」


「どうします、我々としても真実を明らかにしておきたい。何せグレートバリア王国軍としても不名誉な軍人は要りません 」


相当嫌われてるね、味方に。

でも、どうしてそんな奴がそんな地位に居たんだ?

〔まさかねぇ、コネか? 〕


「そんな奴が何でそんなに高位の指揮官に? 」


「実はそいつらのバックには大公様がいて裏で色々と……… 」


ヤッパリ居たよ、黒幕さん。

この騒動も黒幕さんの仕業かね?

〔雑っぽくも見えるけどね 〕


「デキン大公様は亡くなった国王様の前国王様の弟の孫で王位継承権第4位何だよね 」


「しかも陸軍のNo.3の陸軍総監なんだよね 」


なるほどねぇ。軍のNo.3なら人事をどうにでもできるね。


「ん、それだと上の3人が失脚すれば王位が転がって……… なるほどねぇ、相当な策士ですね 」


黒幕であるデキン大公は一切表には出ない様にしていて、普段は大公領でもあるグレートバリア大陸北東部のケアン街を中心としたケアン半島全域を領有している傍ら軍務に付いているらしい。

グレートバリア山脈を挟んで反対側に有るのが第1王女が居るカーペンタリア街だそうな。

〔あれ、それは不味いだろう? 〕


「それはそれで不味いですね。何時でも第1王女様を狙えるのは? 」


「それは大丈夫ですね。グレートバリア山脈は魔力スポットが沢山有る危険な地域で魔物の巣窟の中を進軍するのは無理ですからね 」


「確かにケアン半島自体も魔物の巣窟ですからね。どうでしょうね 」


「しかし海から進行すれば良いのでは? 」


「あそこにはグレートバリア海峡と言う船の難所が有って海流が複雑な上、岩礁が所々飛び出ているので船の墓場として有名なんですよ。しかも対岸にはパプニギア王国が有りましてその国とは仲が悪いんですよ 」


どうも海からも無理らしい。

確かにそれなら安全だろうが………

〔本当にそうだろうか? 〕


「それだと第1王女様はわざと狙われる様にカーペンタリア街に居るとか? 」


「まぁあり得ますね。王太子と第2王子の今回の遠征の件が知れ渡ったら間違いなく第1王女様が群を抜いて国民に指示を受けるでしょうから 」


「確かに。やはりデキン大公様が黒幕! 」


「それに利用されたわが国は……… 」


あ、ザイル国王が怒ってるね。

でも仕返しと言ってもねぇ………

〔恫喝でもしないとダメかなぁ……… 〕


この後、グレートバリア王国の2人にはメッセンジャーとして王太子と第2王子の元に向かってもらう。

グレートバリア王国首都キャンベルに近い港湾都市、ボルン街にて会談を要請するために。

〔調度王太子派と第2王子派が対峙している場所の中間の街 〕




3月1日


港湾都市ボルン街の港


現在、護岸には2隻のシャーク級駆逐艦が接岸、沖には更に4隻とシーライオン級が待機していた。

そして各々の駆逐艦の前にはイングスランド王国とナンギン帝国の合同軍が並んでいた。

〔勿論、完全武装です! 〕


離れた所にグレートバリア王国の兵士達が立っていた。

正確には王太子派が右側、第2王子派が左側に固まって居た。

〔まぁ、警戒はしてるよね。お互いを! 〕


そして三者の中央には天幕とテーブルが用意して有り、其所には既にダリル王太子とバリル第2王子が待っていた。

各々アーネスト殿とボイラー殿を従えている。

〔双方説得に成功しているらしい 〕


指定の時間近く、沖合から大きな船が近づいて来たのだが………

大きすぎないかと慌てる王族2人となれてる軍人2人。

〔初めは皆さん驚きますよね 〕


強襲揚陸艦ホワイトが駆逐艦の間に頭から突っ込む様に停泊、突入ハッチを開けて護岸と繋ぐ。

中から海兵隊員が出て来て警戒体制になる。

〔手際の良さに驚くダリル王太子とバリル第2王子 〕


中からブルー海軍大将の先導でナンギン帝国軍のグレン海軍大佐(今回の合同遠洋航海訓練艦隊副司令官)の護衛でシーランド王国ザイル国王陛下が降りて来た。

ザイル国王の目は怒りに満ちていた。

〔ちょっと心配です 〕


「初めまして、私はイングスランド王国、ナンギン帝国合同遠洋航海訓練艦隊司令官のフリート・アール・ブルー海軍大将と申します。以後お見知りおきを 」


「私は同、合同遠洋航海訓練艦隊副司令官のグレン・ナイト・ワンタイ大佐です。以後お見知りおきを 」


「私がシーランド王国国王、ザイル・キング・シーランドだ! 」


「ザイル陛下、落ち着きましょう。お怒りは解りますが、相手方が萎縮しますから 」


既に萎縮していた王族2人。

軍人2人にコズカレて我に返った様だ。


「よ、ようこそグレートバリア王国に。私がこの国の国王、ダリル・キング・グレートバリアです 」


「まて、兄貴! まだお前が国王とは決まって無いだろうが! 私がこの国の次期国王のバリル・フォン・グレートバリアだ! 」


「何を言うか! 私が既に父上から王太子の地位をもらってるのだぞ! お前にそこまで言われる筋合いは無いわ! 」


オイオイ、目の前に交渉相手が居るのに、何で兄弟喧嘩を見なければならないんだよ!


「(ドン!)お前らの兄弟喧嘩などどうでも良い! 今回の侵略行為をどう償うんだ! 我々シーランド王国の被害は寛大だぞ! しかも前国王を殺害しおってからに! 」


「ま、まて。その件は現場指揮官が勝手にした事だ! 被害の保証はする。殺害に関わった者は処刑する 」


「まて、兄貴。勝手に決めるな! お前が侵略するから俺は止める為に部隊を送っただけだぞ! 一緒にするな! 」


「(ドン!)お前らが軍を送った本当の理由も知ってるぞ! 悪いが妹2人共に父上が決めた許嫁が居るからな! 」


「「ナ! 」」


ウン、2人共に撃沈ですね!

聞いたら国王の学園での同級生の南島の伯爵の息子と騎士団長の息子さんらしいけどね。

〔双方無事だったから良かったよ 〕


「まぁ陛下、落ち着きましょう。確かに今回の侵略や略奪行為はトップであるこの2人が責任を取るのが筋。ただ、この2人が上手く利用されてたら別でしょう? 」


「「どう言う意味だ? 」」


今回の騒動の始まりでもあるグレートバリア王国国王暗殺からの出来事を詳しく聞いていき、確認もしていく。

国王暗殺の料理番はどうしたのか? ワインの管理とか調べたのか? 毒の種類はどうなのか? そもそも3人が揃うのを知っていた人物はどの位居たのか? 等々質問をしていった。

〔まぁ、聞けば聞くほどにまるで上手く躍りを遣らされているみたいな? 〕


話を聞いていて呆れたが、これで状況証拠はある程度集まった。

まぁ可能性の話をしておくか。

〔この2人がどの様な反応をするかな? 〕


「すると我々はあのデキン大公に踊らされていたと言うのか! 」


「あのヤロウ、時期国王は兄よりお前の方がよっぽど良い! とか言いやがって! 自分がなりたかっただけだろう! 」


聞けばデキン大公はダリル王太子の1つ下で、良く慕っている様に見えていたらしい。

第2王子にも先輩として優しく指導していたらしい。

〔ウワァ、本当に長年そうしていたのなら完全に策士だよね。〕


「まぁ、我々軍部の人間は知ってましたけどね 」


「まぁ、有名な方ですよ。陸軍のNo.3の総監殿ですからね 」


なるほどねぇ、裏でやりたい放題ですね。

それで軍部は腐敗してるのが居たのかな。

〔本当、この2人が腐ってなくて良かったよ 〕


しかしそれを見破ってたナディア王女は流石だね。

王国軍の軍事力を3等分にして均衡を保つ様にしつつ、自らは動かず、カーペンタリア街の守りを固めて様子を観ているのだろうと。

〔もしかしたら、父の仇(大公)が攻めて来るのを待ち構えているのかな? 〕


「それだとナディア姉さんが危ないのでは? 」


「しかしどうやってカーペンタリア街に攻めれる? 」


「別に直接カーペンタリア街に攻める必要も無いでしょうね 」


「「はぁ? どう言う意味ですか? 」」


「カーペンタリア街をパプニギア王国に売ったとしたらどうです? 公爵様が、和平に向けてとか言って? 」


「「なんだって! 」」


「まぁ、タイミングとしては今でしょうね。我々が会談している真っ最中、しかもカーペンタリア街には兵力が有ってもパプニギア王国軍の数には敵わないでしょうから 」


「でも会談の日時は極秘にとのそちらの指示では? 」


「私もそう聞いてますが? 」


「で、彼は行きましたか、ボイラー司令官殿? 」


「エェ、ヤホークなら到着早々、私の待機命令を無視して北に向かいましたよ。今は脱走兵扱いになってますね 」


「なんだ、ボイラーの所にも居たのか? 」


「そりゃ居るだろうが。各隊にも1人は紛れてたぞ! 今は纏めて置いたけどね 」


何処ぞのKGB?、ゲシュタボ? 並だね。

ただ、グズばかりだけど(笑)


「後はうちの艦隊がカーペンタリア街に間に合えば良いけどね 」


「え、ブルー卿の艦隊はまだ居るのですか? 」


「あ、見せてませんね。一応、3隻程送ったから大丈夫でしょう 」


「「少ないでしょう! 」」


「我々も陸路援軍を! 」


「砂漠を突っ切れば何とかなるか? 」


「王太子も第2王子も落ち着いて。送ったのは揚陸艦と巡洋艦2隻ですから 」


「ブルー海軍大将、シーライオン級とオルカ級を? 過剰戦力では? 」


「そうだね、ワンタイ海軍大佐。まぁ、相手には上陸はさせませんよ(笑) 」



予想通りこの日、カーペンタリア街にパプニギア王国海軍艦艇40隻が襲い掛かろうとしていた!




11ーⅣ

見事に踊らされた王子2人。


危険な第1王女様?


果たして救援は間に合うのか?



明日も投稿します。

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