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11ーⅡ話 20歳 南方諸国の事情

11ーⅡ話です。


南方諸国の事情ですね。


しかしダンジョンねぇ………

11ーⅡ話


3020年6月24日午後


ワンタイ街の領主館にて。


シーランド王国の王女様一行が到着したらしい。

早速、会談を始める様だった。

〔何か急いでる様な? 〕


「ようこそナンギン帝国まで。私はこの国の皇太子でガイアス・プリンス・ナンギンです。以後お見知りおきを 」


「初めまして。私はシーランド王国の第2王女、フラワー・オブ・シーランドです。今回は部下共々救助していただきありがとうございます 」


見た目、金髪で少し薄い色黒肌の王女様ですね。

護衛達も金髪色黒ですか。

〔初めて会ったけど、南方諸国の人は多いらしいけどね 〕


「イエイエ、海の上では助け合うのがルールですよ。溺れていた者が居たら助けるのも海の掟ですよね? 」


「そう言ってもらえて助かります 」


この後はお互いの部下の紹介になった。

最後にオブザーバーとして僕を紹介するガイアス君!

〔全く、巻き込むな! 相手の王女様が驚いてるだろうに! 〕


お互いの紹介も終ったので、何故王女様一行がここまで来たのか聞くと、南方諸国が現在各地で紛争状態らしいと?

事の始まりは南方の大陸国家、グレートバリア王国の内乱だった。

〔位置的にオーケストラ大陸と同じ位かな? 確か形も似ていたかな? ただ面積が2倍有った様な? 〕


そこの王太子派と第2王子派と第1王女派との三つ巴の水面下の主導権争いだった。

各々軍部と官僚も均等に別れて各々支持した為にお互いの戦力が拮抗してしまった。

〔まるで誰かが均等にしているかの様な状況だった 〕


更に拍車を掛けたのが、国王の突然の死去だった。

どうも3人の兄妹仲を宥めようと食事会をした時に国王のワイングラスに毒が入っていたらしい。

〔流石に3人の前での出来事でお互いに父殺しだと言い争っていたらしい 〕


更にお互いの支持する貴族達が焚き付けて大規模な内乱となっていた。


詳しいグレートバリア王国内の状況としては………


・グレートバリア大陸の東側に有るグレートバリア山脈東側、東部を首都キャンベル街ごと押さえているのが王太子派!

・グレートバリア大陸のグレートバリア山脈西側、南西部地域を領都ハース街にて押さえているのが第2王子派!

・グレートバリア大陸のグレートバリア山脈西側、北西部地域を領都カーペンタリア街にて押さえているのが第1王女派!


………だった。


東部を王太子派が、南西部を第2王子派が、北西部を第1王女派が押さえた格好になった。

そのまま睨み合い状態になっていた。

〔大陸中央部は大砂漠地帯で進軍するには実質無理だった 〕


流石にこのまま手を出すとお互い不利になる可能性が有った。

三つ巴が為の拮抗だった。

〔漁夫の利をしたい3派の人達 〕


3派は、周辺諸国に自分達を支持するように迫っていた。

お互いの派閥に援軍を送っる様に催促していたらしい。

〔支持した派閥が勝てばその後はねぇ 〕



シーランド王国は何処とも繋がらず中立宣言していたらしい。

シーランド王国自体、グレートバリア王国の東沖、かなり離れている島国で、北島と南島の2つの島からなる小国だったので国力も低く、逆に相手にもされて無かったらしい。

〔産業としては漁業と農業、牧畜等の平和な国らしい 〕


所が南島南端にてダンジョンが発見された事で事情が代わった。

その発見されたダンジョンは、ゴーレムが沸くゴーレムダンジョンだった!

〔天然ゴーレムダンジョンですか? 〕


問題は調査で入った冒険者が中でミスリルゴーレムを回収したのと白金色のゴーレムを見たと報告した事だった。

白金色はオリハルコンの可能性が有った。

〔オリハルコンは貴重ですからね 〕


ただ、ダンジョンが発見された場所が南島最南端だったので現状はダンジョンの入り口を押さえてゴーレムが沸くのを押さえながらのダンジョンを攻略中だった。

現在はフラワー王女の兄、ザイル王太子が中心でダンジョン攻略をしているそうだ。

〔攻略できれば安定した資源が手に入るからね 〕


そんな時、どこから情報を知ったのか内戦中の3派各々から援助の話が来た。

勿論、資源狙いなのがバレバレなので断っていた。

〔今更ながら援助しますと言われてもねぇ 〕


するとシーランド王国首都ウエリント街にグレートバリア王国の王太子派の艦隊が奇襲上陸して制圧していた!

この奇襲でシーランド王は亡くなり、フラワーの姉、ピネス第1王女は捕まって幽閉されていた。

〔全くの奇襲でシーランド軍主力を南部ダンジョン対策に送っていた為に対処できなかったらしい 〕


南部のイバンカー街にてダンジョン対策をしていたザイル王太子の元に知らせが来た時には既に北島はほぼ占領されている状態だった。

更に今度は南島北部地域にグレートバリア王国の第2王子派が上陸、勝手に王太子派と戦闘を始める事態に。

〔他人の庭で代理戦争ですか? 〕


偶々兄の元に遊びに来ていたフラワー王女は、残り少ないシーランド軍艦挺10隻と共に比較的安全な北の大国に向かってもらい、できれば助力してくれる国を探すように兄に言われて送り出されたそうです。

ただ、一緒に来た侍従は亡命させたいらしい。

〔恐らくは妹の命を守る為の方便なんだろうね? 〕


ザイル王子はイバンカー街にて国王に即位、残存シーランド王国軍を纏めて南島南部を辛うじて死守して持久戦に持ち込む戦略を取った。

ザイル国王はダンジョン資源とダンジョン内のゴーレムを利用して防備を万全にして、徹底抗戦する気でいるらしい。

〔ダンジョンから溢れたゴーレムをそのまま北にリリースするってどうやって? 〕


その為なのかは不明だが、王太子派も第2王子派も全く関心が無いのか攻めて来なかった。

お互いを攻撃するのに夢中らしい。

〔まぁ、相手を倒してからなのだろう。なのでザイル国王は無視されている様だった 〕


所でフラワー王女の艦隊が何故1隻しか残って無いのかだったが、途中何故かフラワー王女を狙って3派の艦隊らしい船に追われる事になり、逃げて行く内に最後の1隻になったらしい。

偶々嵐に会ってそのお陰で追っ手を降りきる事ができたらしい。

〔その嵐で追っ手もかなりの損害が出ている筈だった 〕


そしてたどり着いたのが、ワンタイ領南の島らしい。

そこに警備訓練中の警備挺が来て発見、救助されたらしい。

〔本当に嵐の中を乗りきってるならたいした船員達だな 〕


ここで問題なのはフラワー王女が援軍を連れて兄であるザイル国王を助けてほしいと願っている事だった。

何せシーランド王国は遠すぎた。

〔南緯70度付近でワンタイ島からだと約16,000kmの彼方だった 〕


全くのメリットが無いナンギン帝国はどうするのか見ていたら、ガイアス君は此方に視線を向けた後、とんでもない事を言いやがった!


「ナンギン帝国単独での救助は難しいですね。何せ距離が有りますし移動だけでも難しいです。まぁ、ブルー卿なら平気でしょうけど(笑) 」


「何をおっしゃる、ガイアス皇太子殿。我々でも無理なものは無理ですからね。やはり補給の問題が大きいですからね。それにグレートバリア王国の戦力もわからないしね 」


「それならばグレートバリア王国の情報は私共の方で提供できます。補給に関してもダンジョンからの資源も有りますし、報酬として資源もお支払ます。何なら私も付けますのでどうか助けて下さい! 」


「フラワー王女、そんな事言ってはいけませんよ。私もブルー卿もそれぐらいでは動きませんよ 」


「そもそも、私はイングスランド王国の辺境伯爵ですよ。先ず我がイングスランド国王の許可が必要ですからね 」


「そんなぁ……… 」



会談は終ったのでフラワー王女にはお部屋に戻ってもらう。

フラワー王女の事をシャルロットに任せる事に。

〔女性の方が話しやすいよね? 〕


さて、本命の方とのお話し合いですね。


「フラワー王女はどうでした? 」


「かなり思い込んでいますので暫くは休養が必要かと 」


「それで、侍従長………いや、シーランド王国海軍の提督様としてはどうしたいのかと? 」


「元提督ですよ、ガイアス王太子殿。しかしガイアス殿が皇太子になるとはね。世の中わからんよ(笑) 」


「ガイアス皇太子殿、どう言う事だ? 」


「この方はシーランド王国で海軍のトップにまでなって、10年前に引退してフラワー王女の侍従になってるサフリ・ナイト・メントン提督ですよ。お久し振りですね。前回は6年前でしたか? 」


「そうだな、6年前にアップシー港に寄った時に知り合ってな、次いでに交易品を買ってもらったんだよ。しかしよくあの兄貴に勝てたな。かなり不利だったろうに? 」


「ま、そこはブルー卿の協力が有ったからね。兄貴の艦隊をほぼパーフェクトで破ったからね 」


「よく言うよ。攻めて来ると情報を売ってきた癖に。高い買い物だったぞ! 」


「それは後でちゃんと払ってるだろう。それにワンタイ島ダンジョンから資源取り放題にしてるだろう! 」


「だからそれは戦時賠償だろうが! 本来ならワンタイ島を接収するのが筋だからな! 」


「面倒だから断った癖に。あ、すまんね。まぁブルー卿とはこんな関係なんだよ。プライベートの時はガイアス、フリートって呼び合う仲さ 」


「その様な事が有ったのですね。そこで改めてお願いできませんかな? 」


「ウ~ン、ナンギン帝国としては軍の一部なら動かせるけど、ヤッパリ移動の問題だよね………(チラ) 」


「………まぁうちの陛下次第だけど、もし遠征するならすぐには無理だね。それなりに準備も必要だしね 」


「そうですか。やはり王女様の亡命を考えた方が……… 」


「ま、フリートの艦隊なら余裕では? 」


「情報を聞いてないから何とも言えないが、敵の艦挺が帆船なら余裕だろうからね? 」


「グレートバリア王国の海軍は最新の帆船で何でも風を帆に当てて進む魔導具での航行を実用化したとか? 」


ン、送風機付きだと?


「おい、あいつら手広く商売してたんだな! 」


「なるほど、南に逃げてるか! そこは盲点だったよ? 」


「何です? その魔導具に心当たりでも有るので? 」


そこで最近此方で起きた事を教えてあげた。

その送風機の出所の情報を。


「ほう、するとその者が売った物を量産して配備してると? 」


「ナンギン帝国から逃げた先がグレートバリア王国とは限らないですけどね。恐らくはそうでしょう 」


「どうするの、ガイアス? 」


「ウ~ン、一応大義名文は有る。ただ、グレートバリア王国にその亡命貴族の引き渡しを要求すればあっさりと引き渡すだろうけどね? そもそもフリートの方は大義名分が無いよね? 」


「確かに無いね。まぁ強引な方法も無いことは無いけどね? 」


「なんだよ、その方法は? 」


「笑うなよ! その方法は………………………… 」


その方法を言うと大笑いになっていた。

確かに簡単に引っ掛かるし、大義名分も付く。

〔余程のバカほど引っ掛かる罠がね 〕


「この件は僕の方で陛下に聞いてみるよ。恐らくは王女様次第だろうね 」


「まぁ、ナンギン帝国は運んで貰えれば何とかなるしね 」


「それでは! 」


「あくまでも僕の方はイングスランド国王陛下の許可次第ですからね? 」


「帝国からも親書を送るよ。合同航海訓練も良いよね(笑) 」


「だからって連れては行けないよ、ガイアス? 」


「そこは一緒に行こうだろう、フリート? 」


こうして有る意味悪巧み、良く言えば助けに行く? 1歩間違えると侵略者扱いにもなる危険な計画が始まった。





11ーⅡ

落ち込む姫様を励ますシャルロット?


派兵には無理が有るけどね。


仕方ない、裏ワザで対処するか(笑)



明日も投稿します。

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