10ーⅩⅤ話 20歳 ウラジオストクのその後 と結婚式の続き?
10ーⅩⅤ話です。
ウラジオストク要塞の今後を決める第3回の国際会議です
あれ、何か忘れていたような?
10ーⅩⅤ話
ウラジオストク要塞を占領してから半月後の6月1日。
本日は第3回の国際会議の為に占領したウラジオストク要塞に集まっていた。
〔今回の件での話し合いにはちょうど良かった 〕
現在、ウラジオストク要塞は5ヵ国合同で駐留軍を配備していて、聖国軍に睨みを効かせていた。
ウラジオストク要塞の復旧工事も一通り終わって、現在は開放した元奴隷達用の施設と各国軍の駐屯地建設、広域の聖国監視網の設置等をしていた。
〔元奴隷達も雇用して大々的に工事をしていた 〕
ソビエ聖国軍も旧国境まで下がったらしく、東ロシーナ王国軍が旧国境まで偵察と街町村の奪還等を進めていた。
同時に奪還した街町村の調査もしていた。
〔砦等の復旧工事もしながら 〕
今回、聖国軍の捕虜に関しては現在、東ロシーナ王国が代表で交渉していた。
捕まえた大司教達をどうするのか、身代金と交換でと交渉していたが中々返事が無かった。
〔ソビエ聖国も扱いに困っているらしい 〕
元大司教達捕虜は現在ウラジオストク要塞の監獄(最深部)に入れられていた。
彼らが入れていた政治犯? と同じようにして。
〔あそこまで非人道な対応だったとはね 〕
一応、ダンジョンも有ったけど想像以外に弱っていた。
どうやら原因は例の魔方陣らしい。
〔魔力を吸出し過ぎていた為だった 〕
一応、管理ダンジョンだった筈が、ダンジョンマスターが見つからなかった。
調査の結果、ダンジョンマスターは既に亡くなっていてダンジョンを攻略する必要が有った。
〔野良ダンジョンに戻っていた 〕
ただ、例の魔方陣の影響で弱っていて、更に階層も元々は150層有ったはずなのに今は50層くらいしか無いようだった。
一応、調査で入った冒険ギルドの調査隊は50層まで行ったがまるで炭鉱に入った様だったと報告していた。
〔魔物も余り湧いていないので潜る自体は楽だがコアの間が封印状態で侵入できないらしい 〕
冒険ギルドの調査の結果、今は休眠状態で地脈からの魔力の補給中で何時復活するか、全く不明らしい。
1年先か100年先か、わからないらしい。
〔それだけ弱体化していた 〕
今回の調査結果であの魔方陣は余計に魔力を吸い出す為、ダンジョン自体をダメにするらしい。
予想ではイルクーツクダンジョンも同じようになっている可能性もあった。
〔まぁあれだけの質量の物を浮かせるのに一体どれだけの魔力を必要で吸ったのやら? 〕
今回の国際会議の軍事部門の議題はウラジオストク要塞の今後の姿と駐留軍の扱いになった。
まぁ僕としては丸投げしたいけどね。
〔だって面倒なんだもん! 〕
一応、政治部門でこのウラジオストク要塞一帯を都市国家として独立させて、暫くは5ヵ国共同で統治して、将来は都市国家の代表を選出して統治してもらう計画らしい。
まぁ、人材は元政治犯? として投獄されていた人達とか元奴隷兵の中にいた人を教育していき、最終的に統治をしてもらうことに。
〔誰もやりたがらないからね。面相だしね 〕
それに伴い駐留軍も5ヵ国共同で配置、持ち回りで代表指揮官を出して防衛することとなった。
因みにイングスランド王国軍は海軍部隊を出して海上防衛を引き受けていた。
〔駐屯地は港に作る事となった 〕
あと、ウラジオストク自衛軍を創設した。
最初は駐留軍の傘下で育てて、都市国家として独立後にウラジオストク防衛軍として正式発足する事になった。
〔まぁ、専守防衛の軍にする予定です 〕
後に発足する6ヵ国防衛協定にも独立後に正式に加盟、最終的に7ヵ国防衛協定になっていた。
「所でブルー卿、あの光は何だね? 奴隷兵の首輪がとれたと言う事は光魔法のデスペル系の魔法だろうとは思うが、大規模過ぎないか? 」
「確かに驚きましたよ。奴隷兵達が行きなり後ろに向かって聖国軍に襲い掛かって行ったのは! 」
「それに近くに居たのか? 大司教が逃げ出したのを教えて貰ったが、後で聞いたらブルー卿の指示だと言っていたぞ! 」
「ブルー卿、あれですね? 後で見せてもらえますか? 」
「カシム殿は何か知っているのか? 」
「カシム殿、申し訳ないがあれはまだ見せられません。まだ公開はできませんよ。ブルー辺境伯軍の切り札ですからね 」
「それは残念。ブルー卿には魔導具の借りが有りますからね。しかしこのブーツは便利ですね 」
「私も聞かせてほしかったよ。しかしあの爆弾樽? 使いやすいのう。ナンギン帝国に輸出できませんか? 又は設計図を売ってもらえないだろうか? 」
今回の戦闘の前にワイバーン騎士団にはワイバーン用の航空爆弾を、航空魔導師団には防御用の魔法障壁が展開できるブーツを提供していた。
双方の戦術的の欠点を解消してあげていた。
〔事故が多いと聞いてね 〕
ワイバーン用の爆弾樽は元々魔石爆弾仕様で魔力を流してから落とすのでタイミングが合わせられないので空中で爆発したり堕ちても爆発しない事故が多いらしかった。
危険なので今回提供したワイバーン用の航空爆弾は安全ピンを紐で引いて信管を作動させてから落として地面に接触すると爆発する樽型魔石爆弾を提供していた。
〔分かりやすく言うと大きい接触型手榴弾ですね。これで使いやすくなったはず? 〕
航空魔導師団はやはり地上からの攻撃(特に弓矢)から打ち落とされやすかった。
そこで足元に魔法障壁を展開する航空魔導師専用のブーツ装備を提供していた。
〔これである程度、敵の対空攻撃に耐えられる様になったはず? 〕
「それとブルー卿、輸送船の件だが機関だけでも売って欲しいのだが無理かのう? 」
「確かにあの帆が必要ない推進装置は是非欲しいのだが無理かな? 」
「確かにあれは便利だな。あの船なら風向きも関係無いから輸送も楽だろうな 」
「今後の貿易にも便利になるだろうしな。どうだろうか? 」
「それに南方諸国とも貿易するにも便利ですからね 」
「それに関しては明日の本会議で決まるかと。何せ各国ともに輸送船が欲しいとなりましてね。輸出用輸送船の販売と機関の販売をどうするか決める筈ですよ 」
結局、明日の本会議にて決まると言う事で話を終わらせた。
各国ともに本会議の代表者に圧力をかけてなんとしても輸入又は設計図を売ってもらえる様に仕向けていた。
〔絶対に引き出せと代表者に迫ったとか 〕
確かにイングスランド王国海軍は飛び抜けているからね。
輸送船が増えれば貿易量も増えてお互いの国が栄えますしね。
〔僕としては別に良いのだけれどね 〕
結局、次の日の本会議で輸出用輸送船と推進装置の輸出と推進装置の基本設計図を売却できることとなった。
もっともイングスランド王国上層部での採決は取ってあったけどね。
〔これで堂々と輸出ができるね 〕
こうしてウラジオストクは将来、独立都市国家になることが決定し、発表された。
後にソビエ聖国から認めないと発言が有ったが、既に取り返せる状態でもなく、ただ吠えてるだけだった。
〔後ろには6ヵ国連合が控えてるしね 〕
これ以後、ソビエ聖国は弱体化していく事になった。
やはりイルクーツクダンジョンも休眠状態になっている為資源が無く国内の防衛にも影響が出ていたのも大きかった。
〔まぁ、あれだけの事をしたらねぇ 〕
なお、捕虜になっていた聖国軍人達は予想通りに聖国が身代金の支払いを拒否されていた。
聖国軍人の下っぱはそのまま釈放(東ロシーナ王国国境より放出)して聖国の悪行を聖国内に広めてもらう。
〔人々の噂は止められないからね 〕
上層部の大司教とその取り巻き一派はウラジオストク要塞内の広場にて沢山の市民(元奴隷達)の前で公開処刑となった。
大司教達は最後まで騒いでいたけど市民に石を投げられてボコボコにされた挙げ句、絞首刑になっていた。
〔市民の怒り恨みが凄かった 〕
スペクターの首領は行方不明だった。
どうも聖国からはとっくに逃げていて行方が分からなかった。
〔逃げ足だけは一級品らしい 〕
それとイングスランド王国から脱出の際に連れ出されていた空気の読めない兄弟は、使い物にならないと奴隷落ちして鉱山送りになった後、すぐに死んだらしい。
ワガママ放題で流石のあの大司教も手を焼いて怒り、奴隷落ちにしたらしい。
〔あれでは普通に手に負えないよね 〕
流石に奴隷鉱山での生活は厳しく、そんなに長くは持たなかったらしい。
これはその奴隷鉱山を開放した時の調査でわかった事だった。
〔でもマンチェスター伯爵になんて言って報告しようね? 〕
そしてあの魔族さんは………
「ブルー卿、良いのですか? 」
「別に研究するのは良いですよ。ただ、協力はしてもらいますよ 」
「勿論、協力はしますとも! 」
「まぁ、その代わり復讐は止めときなさい 」
「何故それを? 」
魔大陸に居るエルフさんの情報網からですけどね。
「既に貴方を追い詰めたグラリと言う役人は失脚して死んでました 」
「何ですと! あのグラリがですか? 何でですか? 」
「え~と、確か貴方に懸かっていた罪の件の真相がバレ、その他諸々の罪も出て、逮捕状が出たので慌てて逃げ出そうとした所、捕まって裁判の後死刑にされたそうですよ 」
「やはりそうなりましたか。結構、僕の罪も無理矢理だったからねぇ 」
「それでどうします? 一応君は無罪らしいからね。魔大陸に戻るなら援助しますよ 」
「それには及びませんよ。ここの方が面白いし、何より研究し放題ですしね(笑) 」
根っからの研究者なのも情報網から聞いていた。
しかしこれほどとはね。
「まぁ、うちの研究所にはいろんな奴が居ますからね 」
「確かに。ここに居る人族やドワーフ達は面白いし奴ばかりですね(笑) 」
「まぁ、便利な物を開発してくださいね 」
結局、魔族のウイークはフリートファクトリーで研究員として囲う事に。
ウイークの部下5人も正式に亡命者扱いで纏めてウイーク研究班としてブルー島の専用ラボにて働いてもらう。
〔皆さん根っからの研究バカだったので 〕
でも何で宗教家達から粛正されなかったのかと思って聞いたら、皆さん宗教そっちのけで研究していたが流石に不味くなった時に大司教直属のウイーク殿に誘われて研究チームに入ったそうです。
ウイーク殿は同じ研究バカだったので受け入れられたらしい。
〔ほんと、宗教は難しいね 〕
後にウイーク殿は、便利な物から駄作まで作る変態研究者として有名になっていった。
駄作の方が多かったけどね(笑)
さて、色々と片付いたけど………
あれ、何か忘れているような?
6月7日
前日の6日夕刻にロンドンの屋敷になんとか戻って来たら、何故か王室警備隊(兄様の部隊)に王城まで連行された?
そして何故か王宮で一泊、次の日には………ア、思い出した!
〔結構ヤバイ様な……… 〕
何処から始めますのと聞いたらパレードからだそうです。
ホ、陛下との模擬戦は流石にやりたくないし、バルコニーの宣言ももう一度はやりたくないからね。
〔あれをもう一度は嫌だし面倒だからね 〕
あの時より飾りが増えたウエディングドレスを着た妻シャルロットと共にベル3号車に乗ってゆっくりと教会まで進みます。
沿道には沢山の市民の皆さんが手を振ってます。
〔まるで戦勝パレードみたいだね 〕
回りにはルクス隊とバイク隊が並走してます。
上空をセイバー教導隊のブルーアローズが飛行してます。
〔あれ、何で飛んでるんだ? 〕
イングスランド大聖堂での結婚式は華やかに始まった。
ベルガール達やベルボーイ達と仲良く一緒に進みます。
〔うん、クララ達も甥っ子達もむさしちゃん達も可愛いね 〕
無事に結婚式も終わって次は屋敷までパレードです。
本当に人だかりがスゴいよね。
〔警備大丈夫か? 〕
上空にはブルーアローズが飛行していた。
更に空挺団も屋敷に空挺降下していた?
〔聞いてないぞって元々の予定でも有ったって? 何で僕が知らないの? 〕
屋敷に無事に着いたら、あ、例の儀式か………
ヤッパリ居るよね、沢山の姉様達のお友達!
〔そんなに欲しいんかい! 〕
今回はどうなるか見ていたら、先ずは来ているちびっ子達にシャルロットがお菓子を配る様だね。
エジンバラのお姉様に習って行うそうです。
〔行儀よく並ぶちびっ子達。本当に見習って欲しいね 〕
そしてブーケトス本番となりました!
今回はドラゴンもワイバーンもいないから皆さん気合が入ってますね。
〔それでもやな予感? 〕
ブーケを高く投げるシャルロット!
ブーケを追う淑女達?
〔かなり高く上がったけど、魔法使った? 〕
そして落ちてきた瞬間、横からかっさらう黒い影?
そう、黒い影ことノアールちゃんが横から飛び出て空中でかっさらっていった!
〔誰だ、買収したのは? 〕
ノアールちゃんが渡した相手はクララちゃんだった!
何故か喜ぶクララちゃん?
〔クララ、君には早すぎるぞ! 〕
………と思っていたらクララちゃんはキャロル姉様に渡していた!
買収していたのはキャロル姉様だった。
〔何をしてるのキャロル姉様? 〕
お姉様方のブーイングの中、勝ち誇ってブーケを掲げるキャロル姉様!
キャロル姉様、予定でも有ったのかな?
〔ウ~ン、回りには該当者はいないみたいだったけどな? 〕
この後は披露宴ですけど準備はどうしたの?
………っと思ってたけどしっかり準備をしていた家相にメイド部隊!
〔ウ~ン、流石だね。ここは父上と母上、ララさんには感謝ですね! 〕
そして始まった披露宴ですけど、当然の様に来ている陛下と王妃様一行?
孫達と一緒になって大量にお召し上がる陛下と半目で見ている王妃様。
〔もう知りません。後でどうなってもね 〕
こうして楽しく披露宴も終わって今夜は………
勿論、頑張りましたよ?
〔何がって? そこツッコマナイデよ! 〕
2日後の6月9日
新婚旅行に行くのですが、何故か陛下が付いてこようと港に現れた所を捕まってた。
実は兄様姉様達の時もこっそり乗り込もうとしていたらしくその時も知らずに捕まってたらしい。
〔ライリー隊長には聞いていたが、まさかの4回目の未遂だった 〕
もっとも港には肝心の乗り込む船が居なかった。
通常だと貨客船クイーン級のどれかに乗って行くのだが居なかった。
〔何で行くのか不思議がる捕まってる陛下とお見送りに来ていた王妃様一行? 〕
現在、ロンドン沖ではブルー辺境伯艦隊と王国海軍艦隊がある水域を封鎖していた。
その場所には何故か靄っていたが?
〔港からも異常な光景は見えていた? 〕
「所でブルー卿、何で行くのじゃ? 」
簀巻きにされている陛下からの質問です?
「陛下、お忘れですか。あの船の事を? 」
「まさかあの船が完成しとるのか! 」
「正にその通りです。今回初めて公表します。我がブルー辺境伯軍総旗艦、[機動要塞戦艦むさし]です! 」
沖合いに向けて信号弾を放つ。
沖合いの靄が晴れてそこから現れたのは、巨大な船だった!
10ーⅩⅤ
ウラジオストクは都市国家として再出発する事に。
聖国の戦犯は受け取り拒否の為、民衆の前で処刑に。
そして忘れていた結婚式の続きです。
イヨイヨ現れたむさしちゃんの本体!
明日も投稿します。