10ーⅩ話 20歳 いよいよ結婚式!
10ーⅩ話です。
いよいよフリートも年貢の納め時です!
まさか式の最中に………
10ーⅩ話
3020年になりました。
20歳になり、今年は色々と正念場だと思うフリートです。
〔なにせねぇ……… 〕
何時もの様に新年の行事も終わって、何時もの王城での会議です。
何時もの重鎮と関係者一同が揃いました。
〔今回は王妃様と王太子妃(姉様)が出席されてます? 〕
「………では、来年度の予算案はこれで良いな? 」
「よろしいかと! 」
「貴方、何かお忘れではないでしょうか? 」
王妃様が何か言ってきた?
何だろう?
「何じゃ、エリザベス? 」
「何じゃ無いです! 今年はシャルロットの嫁入りですよ! 忘れたのですか! 」
「も、勿論忘れては無いぞ。ただ、今年は……… 」
「わかっております。戦争が始まる可能性が有ることも! それでも式を行うのが国民に余裕を見せられる事ではないのかしら? 」
「だからと言って式の最中に攻めて来たらどうするのじゃ! 」
「あら、その辺は婿殿がなんとかするのでは? 」
何を言い出すの王妃様は?
一体どうしろと?
「ブルー卿、その辺はどうなのじゃ? 」
「………ウ~ン、相手の動き次第ですね。本当に式の最中に攻めて来たら……… キレるかも? 」
「………キレるかもとは? まぁ良いわ、予定通りに5月に行うわよ! 」
王妃様には逆らえません。
まぁ予定通りになっただけかな?
〔あれをやるのかぁ……… 〕
「シャルロットの衣装はお姉さん達に任せなさいね。それにベルガールもクララにアンドリューとルイ、それにムサシちゃんとユキカゼちゃんで良いわね 」
ユキカゼちゃんを紹介した時の姉様達と来たら大騒ぎしてたね。
まぁわからなくもないけど………
〔ウ~ン、結婚して子供も産まれたから大人しくなったと思ったが、治っては無かったか 〕
まぁサファイヤちゃん達もと言わないだけましかな?
サファイヤちゃんは6m、ワイバーン3姉弟は8m級に育ったものなぁ~。
〔そろそろワイバーンには乗れるかな? 〕
結局、結婚式は予定通りに5月と決まった。
準備を本格的に始めなければ。
〔本当に大変です! 〕
この日から本格的に準備を初めて行った。
花嫁衣装からベルガールの衣装、僕の衣装まで姉様達が立ち上げた衣料品ブランドで作るそうです。
〔まさか本当に衣料品(特に子供服)専門店を作るとわね! 〕
王都に本店、バーミンガムとエジンバラにそれぞれ支店が有るそうです。
庶民にも買える値段設定なので売上もソコソコ儲かっているらしい。
〔そりゃ王家御用達の看板付けてればねぇ 〕
え、次はフェローリゾートにも出店するって?
お姉様達に許可を迫られた。
〔勿論、逆らえず認めてしまった 〕
さて、ブルー辺境伯爵邸でも準備が始まっていた。
もっとも執事長が全て仕切ってくれるから良いけどね。
〔もっとも僕は仕事で忙しいけどね 〕
仕事の合間に[ベル3号車]とか色々と作っていた。
ベル型は1号車はバーミンガム家に、2号車はエジンバラ家に売却したので新規に作ることに。
〔やっぱり新車の方が良いよね 〕
護衛もルクスは初代ゴーレム車の3~6号車を使う事に。
勿論、回りには………あ、騎馬隊なんか居なかった!
〔ブルー辺境伯軍には騎馬隊なんか居なかった! 〕
仕方が無いので……… あれでも作るかな。
でも作ったら欲しがるよねぇ、陛下が!
〔間違いなく終わった後、催促されるよね? 〕
あれは直ぐに作らんとね。
訓練もさせないと危ないしね。
〔前例で新型の訓練では必ずスピード違反するからね。何でだろう? 〕
こうして準備に追われるフリートだった。
もっとも時々内緒でシャルロット様と極秘デートしているけどね。
〔そして護衛を巻いて楽しんでいた 〕
3020年5月7日
晴れ渡った空の下、今日はいよいよ結婚式です。
結婚式の予定(お約束)としては………
①先ず王家の使者がブルー辺境伯爵家にお触れを出します
(結婚の許可が出ましたと)
②そして僕がが直接王城まで迎えに行きます
(迎えに行くときは馬車で行きます)
③王城に付いたらそのまま謁見の間に向かい陛下に姫を頂きます宣言をします!
(勿論、謁見の間には沢山の見学者(貴族諸侯と軍関係者)の前で! )
④その後、陛下と模擬戦をする!
(まぁ、お約束ですね )
⑤お約束終了後、例のバルコニーで国民に、"嫁を勝ち取ったゾォ~! "宣言をして祝福される
⑥その後国教であるアルテナ教本殿(神殿風の教会)に移動しての結婚式が執り行われる
⑦結婚式終了後、ブルー辺境伯爵邸で結婚披露パーティーをする
………と、流れは兄さま達の時と同じです。
〔段取りが大変です! 〕
さて、使者も来たしお迎えに行きますかね。
早速、[ベル3号車]に乗って出発します。
〔沿道も結構な人だかりですね 〕
[ベル3号車]を[ルクス]が4両囲み、間に初登場の前世で言うサイドカー付バイク隊が並走します。
沿道の市民の皆さんが驚いてます。
〔何せ初物だからね。詳細は下記に! 〕
ゆっくりと王城まで進む。
王城の貴族門より中に入る。
〔何だろう? 緊張してきたな! 〕
謁見の間に入ると両脇には貴族達と王国軍関係者が並んでいた。
そして正面には陛下とシャルロット様が待っていた。
〔うん、シャルロット様は綺麗ですね 〕
陛下の前まで進み、宣言します!
「陛下、姫を頂きに参りました! 」
「余から奪えるものなら奪ってみせい! 」
こうして始まった模擬戦だが陛下、マジになってませんか?
陛下は大剣、僕は槍杖を使いたかったが儀式なので同じ大剣で勝負をしていた。
〔ウ~ン、見た目ハンデだよね。どれ、スキル[武人の心得]発動! 〕
今まで見せたことがない大剣を使いこなすフリート。
焦る陛下だった。
〔まさかここまで使いこなして来るとは思わなかったらしいね 〕
見た目派手な打ち合いの後に、陛下が大剣を落とし、僕が首に剣を添えて終わりです。
「フリート、娘を頼むぞ! 」
「はい、必ずや幸せにして見せます! 」
「できれば孫を早く見せてくれよ! 」
「………ハイ 」
こうして儀式も終わったのでシャルロット様をエスコートして王城のテラスへと向かう。
テラスの前には沢山の市民の皆さんが待ち構えていた!
〔多くないか? 〕
「陛下から姫を奪い取ったゾォォォォ! 」
「「「「「「「「「「ウワァァァァァァァァァァァ! 」」」」」」」」」」
叫んだら民衆の歓声が凄かった。
そしてこの後はアルテナ教会までパレードなのだが………ん、何だろう?
〔後ろがザワザワしだしたぞ? 〕
あれは、ライリー隊長だよね?
陛下に何か報告をしてるよね?
〔おい、まさか! 〕
「ブルー卿、あれが此方に向かってるらしい! 」
「………本当に来るとは。ライリー隊長、現在位置は? 」
「偵察挺からの連絡では出発したのが先程らしい。このままだと到着は明日の朝だろうとの予想だ 」
聖国は余程僕と戦いたいらしい。
ワザワザこのタイミングで仕掛けて来るとはね。
〔どうしてくれようか! 〕
ん、続報かな?
「陛下に報告します。監視をしている偵察挺より続報! 聖国艦隊約170隻、出港して南下したと。目標はイングスランド王国との事! 」
この報告で貴族、軍関係者共に騒ぎだしたよ!
「静まれぇぇ! 何を騒いでおる。王国各軍は当初の予定通りに迎撃準備を! ブルー卿、どうするのじゃ? 」
「陛下、一番槍はブルー辺境伯軍にて行います。後詰めをお願いします 」
「あいわかった。先陣はブルー卿に任せる。頼むぞ! 」
「ハ、お任せを! 」
「フリート、私も出ます! 」
「………シャルロット、待っていて………無理か。それじゃ[マザー]に乗ってもらえるかな? 例の作戦をするからね 」
「わかったわ、任せて頂戴! 」
「ブルー卿、シャルロットも出るのか? 危険ではないのか 」
「いえ、もしかしたら一番安全な所ですね 」
「なら良いのだが……… 所で[マザー]とは何じゃ? 」
まぁ、そう思いますよね。
その前に………
「陛下達王族関係者は避難の準備を! 相手がウラルの悪夢ですから万が一の可能性も有りますから 」
「わかった、王妃方を避難させる。空軍基地に避難を! 」
「陛下は? 」
「ワシは最後まで残るぞ! 市民の避難を優先にせよ。ワシは最後で良い! 」
流石、陛下ですね。
「しかしワザワザこのタイミングで仕掛けて来るとは聖国に舐められてますね。どうしてくれようか! 」
「ブルー卿、派手にウラルの悪夢を破壊しても良いぞ! ワシも娘の結婚式を邪魔されているからのう! 」
陛下の許可も出たし早速、やりますか。
「通信兵は此所に! 」
ケーブルを引きずってブルー辺境伯軍の通信兵が現れた。
ケーブルの先は駐車場に停めていたⅧ号指揮通信車まで延びていた。
〔一応、用意していたのだが、まさか本当に使う事になるとわね! 〕
「ハ、ブルー将軍! 」
「どれ、(カチ!) 『ブルーリーダーよりブルー辺境伯軍全軍、コンデションレッド発令! 直ちに行動せよ! 』 」
表から複数の汽笛が聴こえた!
港から順次出港するブルー辺境伯海軍艦艇!
『ブルーリーダーよりマザーバード、王城まで降りてこい! 』
『フリート、姿を見せてよろしいので? 』
『構わない、マザーはシャルロットを拾ってくれ 』
『了解、降下します 』
「さてシャルロット、ドレスでは……… まぁ、中で着替えれば良いかな? これを中で着てね。専用の飛行服だから 」
亜空間収納庫(アイテムボックス)からデメンジョンバッグを出して渡す。
「ありがとう、作ってくれたのね 」
そりゃ作るよね。
「フリート、私も乗り込みます! 」
何ですって、姉様?
正気ですか?
「カリーナ姉上、また何で? 」
「そのまま脱いだらウエディングドレスがダメになるでしょう! 」
エ、そっちの心配?
「………ダメですよ。危険です! 」
「あら、安全なのでしょう? 」
ク、痛いところ衝かれたな!
「………大人しくしてくださいね。中では 」
「わかったわよ。アンドリューも乗せますからね 」
「………それならステファニー義姉様とルイも乗せますね。シャルロット、お願いするね 」
「姉様方は……… わかったわ、任せてフリート 」
「陛下、中庭を空けさせて下さい。降りて来ますので! 」
「何だか解らんが開けさせよう。近衛騎士団は市民の避難誘導を! 」
「「「「「ハ! 」」」」」
バルコニーの前の広場から市民の避難が終わったタイミングで空から巨大な物が降りてきた。
バルコニーから誘導する。
「[マザー]、此所だ! 」
『フリート、ここちょっと狭い! 』
そのままだとちょっと狭かった。
「[マザー]、ドラゴン・モードにチェンジして降りて 」
『わかったわ! 』
降りてきた[マザーバード]は変形してドラゴン体型になって降りてきた。
陛下を始めその場にいた人々は驚いていた。
〔機械のドラゴンだものね 〕
「ブ、ブルー卿、ア、あれは何じゃ? 」
「陛下、あれが上空からあの写真を撮っていた正体ですよ 」
『陛下、お初にお目にかかります。私は[B/R/RーⅠマザーバード]と申します。以後お見知りおきを 』
行きなり機械のドラゴンが喋ったから皆さん驚いて固まっていた。
「おぉ、喋れるのか? 私がこのイングスランド王国国王、ヘンリー・キング・イングスランドじゃ。娘と孫を頼みますぞ! 」
『お任せを! 』
「マザー、上空にて待機していてくれ。合図と同時に頼むぞ! 」
『わかったわ、フリート。無理をしてはいけないわよ! 』
「わかってるよ。皆を頼むぞ! 」
『了解! 』
シャルロット達を乗せた[マザーバード]は上空に上がって行った。
ポカーンと見上げている貴族諸侯と軍関係者達。
〔まぁ、わからんでもないけどね 〕
「ブルー卿、色々と聞きたいが今は迎撃の指揮をせよ! 」
「ハ、陛下。ブルー辺境伯軍、出撃します! 」
フリートは駆け出して行った。
暫くして陛下が………
「………ブルー卿は何処に行ったのじゃ? 」
遡って、4月某日………
ブルー島秘密ドック、Bu001[戦艦むさし]が密かに完成していた。
イヤ、[移動要塞戦艦むさし]と言った方が良いかもね。
〔大きさが大きさなので! 〕
夜間、ひっそりと出港していった。
一体何処に向かったのだろう?
〔性能等はまだ秘密です! 〕
今回登場の乗り物。
[護衛用軽車両 ラウンドキング]
フリートが製作した陸上護衛用の小型車両
【前世の第2次大戦時のハーレーダビットソンと陸王をベースにサイドカーを付けて再現した物】
騎馬隊の代わりに急遽作った物
2輪の操縦側1名とサイドに1名乗れる箱形の荷台(車輪1個)から構成している
エンジンにオートマトン技術で作った小型魔導機関を搭載、魔力タンクより魔力を補給して駆動する
魔力タンク内の魔力が切れると動けなくなるが、専用の魔力チャージャー(スタンド)で補給する
武装は無いが、代わりに武装した兵員を乗せる事で代わりになる
荷台には人員の代わりに荷物を200kg乗せて運搬もできる
なお、最高時速が60kn/hとなっているが、リミッターをはずし荷台を外せば120km/hは出るが外す予定は無い
最高速度:60km/h
航続距離:180km(魔力満タン時)
武装:無し
重量:0.5t
乗員:2名
最大積載量:200kg
10ーⅩ
空気の読めない聖国軍!
怒り心頭のフリートと陛下! と王妃様達女性陣!
マザーを見て驚く陛下達と興奮する甥っ子ズ!
フリートは何処かに向かった。
そしてやっと登場、ひっそりと出港するむさしちゃん本体?
明日も投稿します。
あ、今日はエンプリルフールだった!
何か嘘を………今年も思い付かず orz
追悼
昭和の偉大なコメディアン、志村けんさんが新型コロナでお亡くなりになりました。
慎んで御悔やみ申し上げます。