10ーⅦ話 19歳 王国連合空軍結成!
10ーⅦ話です。
王国統合空軍結成式です。
そして始まる航空ショー!
10ーⅦ話
3019年4月
王都郊外のロンドン南空軍基地。
本日は王国連合空軍発足式典の日です。
〔全く何で忙しいやら! 〕
一応、FーⅠセイバー戦闘機の増産だが、取り敢えずこの空軍基地に33機配備が決まっていた。
内訳は………
ブルー空軍から第2航空中隊(11機)
王国空軍から第1航空中隊(11機)
バーミンガム空軍とエジンバラ空軍から混成航空中隊(11機)
………が配置されます。
〔今回のせいでブルー空軍の第3航空中隊の配備が送れてます。仕方がないですけどね 〕
本来、この空軍基地は王国空軍の本拠地で、本当は王国空軍機が33機配備する予定だったがそちらも順次配備となった。
なお、空軍基地には最終的にFーⅠセイバー戦闘機総数55機配備の大所帯になる予定です。
〔実際はロンドンの南と東に空軍基地を作り、将来は東に王国連合空軍基地、南のこの基地は王国空軍専用基地と別れる予定です 〕
なお、陛下と王太子専用機は結局、間に合わなかった。
王妃様と王太子妃様の要望で色々と…………
〔安全対策? と思って下さい 〕
今回の為に王妃様と王太子妃様の専用機、ホエール級1番艦ブルーホエール、2番艦ピンクホエールのお披露目も有ります。
なお、船体のカラーリングの変更が有って1番艦が青、2番艦がピンクになっていた。
〔最初は白く塗っていたけど王妃様と王太子妃様の要望で……… 〕
この色は今までに目撃されたキングホエールの色らしい。
青はわかるけどピンクって何?
〔アルビノ種なのかな? 〕
空軍基地のエプロンには沢山の王都市民で溢れています。
中央には特設見学席が有って王公貴族達が居ますが、ここに王族がいる筈なのに今は居ません。
〔まぁ、登場の仕方がねぇ……… 〕
滑走路は南北に延びています。
北側よりホエール級2隻が向かって来ました。
〔大きさにドヨメク市民! 〕
1番艦ブルーホエールが着陸すると赤絨毯が引かれて中から陛下と王妃様、騎士団長が降りて来た。
隣に着陸した2番艦ピンクホエールからは王太子様と王太子妃様、アンドリュー王子は護衛のキャロル姉様と一緒に降りて来た。
〔赤絨毯を優雅に歩いて客席に向かいます 〕
そして始まる航空ショウ!
最初はセイバー30機による大編隊飛行です。
〔6機編隊×5個編隊の大3角形状態での飛行です! 〕
エプロンの市民達も大迫力でザワめきます。
観客席の方々も驚きますよね。
〔セイバー戦闘機が揃うと結構な迫力ですね。訓練頑張った甲斐が有るよ。パイロット達は大変だったけどね 〕
次に来たのはブルー辺境伯軍のCSー1輸送飛行挺3機の編隊飛行と第1空挺団(第3魔導装甲兵中隊と第1、第2空挺中隊混成)による空挺降下の実演です。
魔導装甲騎士にはフライングスコロー装備、空挺中隊は航空降下服改造の空挺降下服での降下です。
〔何とか形になったよ。魔導装甲騎士1個中隊中心に2個空挺中隊+支援中隊とCSー1輸送飛行挺3機+支援中隊+専用支援艦艇の部隊です! 〕
今回は第3魔導装甲兵中隊は全員での降下ですね。
新人の隊員の晴れ舞台です。
〔バスター隊長のシゴキによく付いてきてるよ! 〕
綺麗に滑走路に降り立つ第1空挺団。無論、その後は行進して下がります。
そして先程編隊飛行で上空を通過したセイバー隊30機が順次降りてきます。
〔そしてエプロン前に並びます。〕
その後は、お楽しみのセイバー戦闘機での曲技飛行です。
北より10機編隊の最初のセイバー飛行隊、ブルー空軍教導航空隊、通称ブルーアローズ(青い矢?)がスモークを曳きながら通過します。
〔やっと名前? 愛称? が決まったらしい? 僕は命名にはノータッチだったので 〕
勿論、セイバー01には僕が、セイバー02にはマックが搭乗しての飛行です。
ま、10機編隊で飛ぶのも良いものですね。
〔普段は飛びませんしね 〕
そして始まる航空ショウ!
もう煙を吐きながら色々と飛び回った。
〔会場は大喝采です! 〕
ある程度航空ショウが終わり、ブルーアローズが着陸してエプロン前に整列する。
そして陛下のお言葉が有った。
〔ただねぇ……… 〕
『……… よって本日付で王国連合空軍を発足する。なお、連合空軍司令官はエドワード空軍大将が指揮をとる。イングスランドの空の防衛は任せるぞ! 』
「ハ、陛下の期待に応えます! 」
『なお、今後このような催しを年一回、秋に開催予定である。国民の皆さんも楽しみにしてほしい。第1回は今年の秋に開催予定である。そうじゃ、それまでに間に合わせるように、ブルー卿! 』
陛下は最後に催促を入れて!
隣で王妃様が半目で見られてますよ!
〔城に帰ってから……… 〕
こうして式典が終わったけど、これで良かったのだろうか?
ま、陛下とエドワード空軍大将専用機は6月迄には完成するだろうしその後の訓練次第かな?
〔果たして陛下は耐えられるかな? 心配です! 〕
6月
王国空軍基地にて。
本日は、陛下専用機と王太子専用機のお披露目です。
〔ウ~ン、何とか完成したよ 〕
「それでブルー卿、この格好をしなくてはいけないのか? 」
「陛下は良いとして、私までって何故だ? 」
「まぁ、王妃様方の要望を叶えるとコウナッタとしか……… 」
現在のお二人の格好は通常の飛行服(降下装備)ではなく、どちらかと言えば魔導装甲騎士に近い格好になっていた。
一応、戦闘もこなせるけど、基本は降下しても無事に降りられる事を重点に安全対策をしていた。
〔なので結構な大きさに……… 制式には[魔導装甲降下服]です! 詳細は下記に! 〕
「それで肝心のセイバーは何処じゃ? 」
「見当たらないがどうした? 」
「その件ですが、セイバーではその降下装備では乗れません! 」
流石にその着膨れ降下服ではセイバーのコックピットには入らなかった。
「なんじゃと! それではどうするのじゃ? 」
「陛下、新しい機体なのでは? 」
「流石、エドワード空軍大将。その為の専用機を新規で作りました! 彼方をご覧下さい! 」
基地の格納庫に合図を送ると格納庫の扉がゆっくりと開く。
中から少しずんぐりとした機体が出てきた。
〔見た目は………金魚? っぽい機体だった 〕
「なんじゃ? あの機体は? 」
「面白い形だな? 」
「そうですね。名前はEAー1プラウラーです。司令管制機として開発しました 」
そこには前世アメリカ海軍、海兵隊が使っていた電子戦機のEAー6プラウラーだった。
降下装備のサイズを考えたらこのサイズになってしまったけどね。
〔機体の詳細は下記に! 〕
早速、訓練を始めましょう。
プラウダー01には陛下が、02にはエドワード空軍大将が乗り込みます。
〔魔導装甲降下服での乗り込みはちょっと大変です 〕
そして01には僕が、02にはマックが教官として乗り込みます。
更に、
「それで何故護衛隊長のウイリアムが乗ってるのだ! しかも普通の降下服だろう、ソレ? 」
「まぁ、陛下。護衛が乗るのが王妃様の条件の1つだったので今回は01にはウイリアム護衛隊長、02にはスティーブ護衛副隊長が乗ってます 」
「それはそうだが……… 良いのか、ウイリアム? 」
「ハ、陛下の安全が第1です! 」
「本当は? 」
「僕も乗りたい! 」
「まぁ、そんな所です。早速、飛びましょう! 」
「………そうじゃな! 今回は楽しもう! 」
こうして訓練は始まった。
「では陛下、無線にて離陸の許可を取りましょう 」
「そうじゃな。………(カチャ!) おほん、プラウラー01より管制塔、離陸の許可を頼む! 」
『管制塔よりプラウラー01、離陸の許可をします。そのまま滑走路に侵入してください 』
「了解! 」
プラウダー01が滑走路に侵入する。
離陸位置に到着する。
「(カチャ!) プラウラー01より管制塔、離陸する! 」
『管制塔よりプラウラー01、了解! 』
「では行くぞ! 」
「はい陛下、行きましょう! 」
こうして普通に滑走して離陸する。
高度6000mまで上昇して、この後は陛下に任せたが………
「だから陛下、真っ直ぐ飛ばして下さいな! 」
「わかっておる! 中々真っ直ぐ飛ばないぞ! 」
とか?
「陛下、このままでは落ちますよ? 」
「そう言ってもじゃ、何で安定しない? 」
とか?
「陛下、回転してますが? 」
「どうやったら安定するのじゃ! 」
と、本当にスゴイ操縦をしていた。
隣のウイリアム兄様の顔が真っ青です!
「しょうがないですね。陛下、僕が少し見本の飛行をしますね 」
「………わかった。ユウハブコントロール 」
「アイハブコントロール! では行きますよ! 」
この後は模範的な飛行をして見せた。
「何で安定した飛行ができるんじゃ? 」
「まぁ、訓練の賜物ですかね? 」
「ウ~ン、よし、もっと訓練するぞ! 」
「残念ですが、もうお時間ですね 」
「エ? 」
『管制塔よりプラウラー01、お時間です。着陸して下さい 』
「ナ、ナンダッテ! まだ飛びたいぞ! 」
「もう………(カチャ!) プラウラー01より管制塔、直ちに帰還する。後、コードB発動! 」
『管制塔よりプラウダー01、コードB了解! 』
「ブルー卿、コードBとは? 」
「あぁ、王妃様の要望その②で、陛下がワガママを言った場合は連絡をと言われまして……… 」
「ナンダッテ! 」
着陸してスポットに止まると………
ア、王妃様登場!
「貴方、ドウシマシタ? 」
目が座っている王妃様………
「…………すまなかった! 」
その場でジャンピング土下座を決めている陛下!
魔導装甲降下服姿での土下座はシュールです。
〔あれ、魔導装甲降下服で土下座できたっけ? 〕
この後、陛下は王城に向かったがその後の事はわからなかった。
なお、この後のエドワード空軍大将の訓練は、当人が真面目に訓練していたそうです。
〔02は無事に降りられる事に 〕
こうして定期的に陛下の訓練に付き合う事になったが、結構大変だった。
何とか9月迄には単独飛行レベルにはなったが、基本は専属のお供が乗らないと飛行できない事になっていた。
〔それも王妃様とのお約束だからね 〕
聖国の聖都首都モスクワ近く、イルクーツクダンジョン近くのとある場所、[浮游城ゴヴォロフ]にて。
「クソー、まだ出撃許可が下りないとは! 」
「まぁ、教皇様は何かしらの考えが有るのでは? 」
「既に準備ができているのに何故止めるんだ! 」
教皇に出撃を止められて焦れている元大司教だったが、返り咲き大司教に戻ったガルロフ大司教だった。
「例のイングスランド王国の情報の為では? 」
「何だ、本当に信じているのか? 我々以外で空を飛ぶ魔導航空機とか言う機械の事を 」
「実際に見ていた諜報員からの情報では大型の魔導航空機で兵員を空から下ろす事ができると? それだとこの城に取り付く事も可能ではと? 」
「そんな事できないだろう! 高々数十名が取り付いてもこの城を乗っ取る事など不可能だろうに! 」
「しかし、ナンギン帝国の例の船は簡単に占拠されたと? 」
「あれは海の上だからだよ! この城なら空の上、どうやって大量の兵員を乗り込ませる? その前に敵の上に岩を落とせばそれで終わりじゃろうに! 」
「それでも油断大敵では? 」
「その為の聖魔法師隊と聖弓術隊なんだろう! 」
各斜塔に聖魔法師隊と聖弓術隊を配置していた。
その辺は準備ができていたガルロフ大司教だった。
〔無理矢理部隊を引き抜いてきていた 〕
実際に[浮游城ゴヴォロフ]には聖魔法師隊から300人、聖弓術隊から300人、直属の聖騎士団が200人詰めていた。
更に、増員を聖国軍に要求していたが、返事がまだ無い状態だった。
〔既に先見隊としてガレー船30隻を順次ウラジオストク要塞に送っていた 〕
結局、出撃は9月頃になりそうだった。
まぁ、原因は奪還した旧領土、クスノヤルク街の復興と防衛設備の建築の為だったが。
〔奪還した当人が全く理解していない為だったが 〕
今回登場の航空機の詳細
[EAーⅠプラウラー司令管制機]
解説:フリートが製作した陛下とエドワード空軍大将専用機として開発した航空機
【前世アメリカ軍が開発したEAー6プラウラーをベースに製作した魔導航空機 】
特殊な降下装備を着て乗るため、セイバーでは狭かった為に新たに開発した
前席には陛下達が乗り込む為のスペースに、後席には通常の座席が並列に2席在る
(後席でも操縦は可能)
その為、形状が頭が大きく後方が細い涙滴状になっていた為に、巨大な金魚の様な形となった
【前世のEAー6Bと基本同じ形状になっている 】
セイバーと同じ、材料にワイバーン素材を使い込み、フレームはオリハルコン、装甲はミスリル素材を使った贅沢な仕様になっている
また対地攻撃機としても使える様に各種爆弾を4tまで搭載可能に
セイバーのエンジンの発展型の魔導エアジェットエンジンを2基搭載しているので、セイバーの2.5倍の出力がある
主翼の下部には、ワイバーンの鱗を付けていて魔力を流すと浮遊する事ができるが、セイバーとは違いフル爆装状態だと浮遊できないので通常滑走で離陸する
(最大爆装時の滑走離陸距離は約1.000m必要)
広域での空中管制をするために新型の魔導レーダーを背部に搭載、高出力魔導無線機によって味方に指示が出せる専用の管制ユニットを付ける事ができる
また、通常の爆装も可能で計4t搭載可能
特殊大型輸送ポット(中に物資を1.3t程積める)を搭載して遠隔地に緊急物資輸送もできる。
乗員3名の前席に1人、後席に2人の複座型
後部の席でも操縦可能(無人飛行も可能)
乗員:最大3人(無人でも飛行可)
全長:18.5m
全幅:16.6m
全高:4.8m
機関:MAZ-1B マギエアジェットエンジン1型B×2
最大速度:984km/h(約マッハ0.82)
最大実用上昇高度:10,000m
実用上昇高度:7.000m
特殊装備:スモーク発生装置
固定武装:30mm魔導バルカン砲×1門
最大搭載量:4t(固定武装を除く)
搭載可能兵装:①mk.Ⅰ 250kg通常爆弾×16
②mk.Ⅱ 500kg通常爆弾×8
③mk.Ⅲ 1t通常爆弾×3
④GP-Ⅱ30mmガンパック×2
特殊兵装 :⑤空中管制ユニット
⑥特殊大型輸送ポット(1.5t)×2
後にこの航空機を見た市民は、ロイヤルフィッシュ(王魚)と愛称を付けていたとか?
王族専用航空機用降下服
[魔導装甲降下服]
制式名称:魔導装甲降下服(VIP専用)
解説:ブルー辺境伯軍専用に製作した魔導鎧をベースに王族専用の航空機用降下服仕様として製作
ミスリルフレーム製で魔鋼鉄/ミスリルの複合装甲で表面にシーサーペントの鱗を加工した物を張り付けて製作
関節部分もシーサーペント系の革を加工してシーサーペントの鱗を加工してカバーするように装着させているので関節攻撃にも多少は耐える事ができる
駆動系にはオートマトン系の人工筋肉技術を使用して機動性能を補佐しているので普通に動かせる
魔力タンクを追加した為、長時間の運用が可能に
降下装備としての機能以外はオミットして軽量化したが、その分安全対策をしてある。
〔それで[魔導装甲騎士]よりは軽くなっていた 〕
普段、格納庫に有る王族専用装着コンテナに入っていて前に立って魔力を注入後、"装着"と唱えると自動的に装着できる
この装備には高度な[隠遁]がかけて有るので多少の認識は回避できる
サブコントロール用に新開発の魔導コントロール機構(通称:魔導エンジン)を搭載、運用が多少楽になった
〔ただし、固有魔力でしか動かせないように魔力パターン登録型だった為に指定王族専用機になっていた 〕
全高:2.2m
全重:0.5t
最大速度:地上30km/h(通常歩行時)
稼働時間:魔力タンク(最大6h)使用後、装着者の
魔力切れまで
陛下とエドワード空軍大将用の専用飛行服ですね。
安全対策はてんこ盛り仕様です。
〔無論、王妃様方の要望通りに製作してあります 〕
10ーⅦ
何とか完成させた王族専用機!
訓練は順調です?