9ーⅩⅨ話 18歳 ワンタイ島救援作戦⑩ ワンタイダンジョンアタック⑥ ダンジョンコア
9ーⅩⅨ話です。
いよいよ100層の大亀戦です。
ヤッパリ大きいね。
9ーⅩⅨ話
いよいよ100層の扉が目の前です。
「ここまで来ましたね、グレン殿 」
「ハイ、そうですね。ここがラストになりますかね? 」 グレン
「まぁ、規模と過程で考えると100層位でしょうね。元々出来立てで20~30層位だったのにワンタイ山中に生息していただろう魔物を吸収しまくってここまで育ったんでしょうね 」
「そんなものなんですかね? 」
「ワンタイ山にどの位の魔物が生息していたなんてわかりませんが………その位の規模にはなるでしょうね 」
実際はワンタイ山中に居た魔物のおおよそ80~90%を吸収していたらしい。
その為に生態系はかなり激変したらしい。
〔その為、片寄って魔物が増えてたりして、冒険ギルドの調査が大変な事になったとか 〕
「では、行きましょうか! 」
100層の扉を開けて中を確認すると、其所は………巨大な空間に何も居なかった?
あれ、ダンジョンボスが居ない?
〔見渡しても岩ばかりでそれらしい魔物の影も無かった? 〕
「変ですね? 何も居ないとは? 」
進もうとしたグレン殿を止めたフリート。
訝しむグレン殿?
「何故止めました、ブルー卿? 」
「グレン殿、目の前に居ますよ。ビックウォータータートルが! 」
「ほう、確かに居りますね 」
「まさか! 何処にですか? 」
「「「「「「「「「「エェ! 何処に? 」」」」」」」」」
執事さんはわかった様だった。
グレン殿とワンタイ軍護衛隊達は分からない様だった。
「あぁ、なるほどね。確かに居るわ! あれは普通にわからないだろうね 」
「「「「「「「「「「エ、隊長何処に? 」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「エ、何処ですか? 」」」」」」」」」」
バスター隊長は分かったらしい。
魔導装甲兵隊第2小隊員と第1海兵小隊員は分からないようだった。
「お前らな……… よく見ろ、岩に擬態してるだろう? 」
仕方がないので攻撃することを回りに伝えた。
[陸竜]の75mm砲を構えて頭付近を撃ってみる事に。
〔耳を塞げと注意する! 〕
"ドン! "
"ドガァン! "
"ギャワァァァ!! "
あ、大亀が擬態を解いたね。
ビックウォータータートルはその姿を現した!
〔姿が露に! うん、アイ変ラズ無駄ニデカイネ……… 〕
「な、これが擬態ですか! 」
「ぼっちゃまもこの位は見破られる様に精進なされよ! 」
「もう、良い年なんだからぼっちゃまは止してくれ、ライト 」
「ホホホ、そうでしたね、グレン次期当主様 」
「それもやめて。はぁ~、ライトには敵わんよ 」
この執事さん、実は元A級冒険者で現、ワンタイ子爵家執事長の息子さんらしい。
魔物との戦闘で怪我(右腕の指が三本程食い千切られて失う怪我)をしたので引退、父親に誘われて現在ワンタイ子爵家の次期執事長の修行中だそうです。
〔それでお付きとして今回のダンジョンアタックに付いてきていたそうです 〕
ブレスを吐かせないように顔に向かって75mm砲を牽制射撃しながら!
"ドン! "
「それでどうします? 僕たちで瀕死状態にしますのでトドメをグレン殿がしますか? 」
「出来ればそれでお願いしたい 」 執事
「ライト、そこまで世話になると……… 」
「元々そのつもりですよ。ではさっさと倒しましょう! 」
"ドン! "
「魔導装甲兵隊、第2小隊突撃! 」
「「「「「「「「「「ハ! 」」」」」」」」」」
分散して突撃して行くバスター小隊!
「第1海兵小隊、援護射撃開始! 味方に当てるなよ!! 」
「「「「「「「「「「ハ! 」」」」」」」」」」
各々遮蔽物を利用して援護射撃をする海兵小隊。
「護衛隊は、グレン様の突撃時の盾となる。覚悟は良いな! 」
「「「「「「「「「「ハ! 」」」」」」」」」」
盾を構えて遮蔽物の陰から機会を伺う護衛隊とグレン殿。
"ドン! "
こうして最終決戦が始まった!
「硬いな! ゴーレムを相手にしてるようだな! 」
「隊長、斧が折れました! 硬すぎです! 」
「こっちはバスターソードが使い物にならなくなったよ! 」
「おい、バトルハンマーは結構有効だぞ! 」
「よし、杭でも打ち込んでみるか! 」
バスター小隊は武器が壊れても交換しながら攻撃をしていた。
やはり硬い岩ならハンマーで叩くのが良いようで途中からはバトルハンマーで攻撃していた。
〔中には杭を打ち込んでいた隊員もいた 〕
フリートと海兵小隊は援護の為に牽制射撃に徹していた。
何せ大きいので当て放題だったが、バスター小隊の攻撃は甲羅の部分は全く歯が立たず、現在は専ら頭や手足、しっぽと多少軟らかそうな所に攻撃を集中していた。
〔硬いよ亀さん! もしかして身体強化魔法でも使ってるのかな? 〕
「ン、ブレス注意! 」
此方にブレスを吐く体制になっていた。
息を吸い込むかの様なモーションだった。
〔外の時と同じって! 〕
「く、[ガイアコントロール]&[アイスシールド]&[マジックシールド]! 」
"グワハァァァァ………… "
少し斜めに[ガイアコントロール]で壁を作り、その外に氷の壁と魔法の壁を展開して土石ブレスを受け流した!
「クゥゥ、何とか避けたが、流石にキツいな! ん、お前ら何故後ろに居る? 」
何故か、海兵隊員達が後ろに隠れていた。
「いえ、壁の陰に隠れただけですけど? 」
「私は壁か! いいからさっさと散開! 頭に集中攻撃しろ!! 」
「ハ! おい、散開して頭を狙うぞ! 第1と第3分隊は左右に、第2分隊は護衛だ! 」
「「「「「「「「「「ハ! 」」」」」」」」」」
ブレスを吐いた大亀は、頭を引っ込めて防御したと思ったら回転しだした!
甲羅の底を起点に手足を器用に使って地面を蹴って回転していた!
〔回転スピード自体は大したことは無いのだが、何せ大きいので質量が有るから……… 〕
あ、バスター小隊の誰かが尻尾で撥ね飛ばされた!
助けに行った海兵小隊員が確認したら腕を骨折して気絶しているけど無事らしい。
〔多少は丈夫に作ったけどあの質量だとねぇ……… 〕
「仕方ない、やるか! 」
フリートはある物を腕の武装ユニットにセットしてから突然、真っ直ぐ大亀の頭に向かって突撃する。
あり得ないスピードで!
〔脚部のクローラーを全開にして進む! 〕
そして頭正面から………と、見せかけて右に反れる。
大亀が噛み付こうとしたが交わされる。
〔狙っていた大亀さんは寸でで交わされフリートを見失う! 〕
すれ違い様に首の根元に腕の武装ユニット内に仕込んでいた試作パイルバンカー(魔鉄製、約1.5m)を打ち込んだ!
首の根元に深々と刺さる1.5mの魔鉄の杭!
〔暴れる大亀! 〕
大亀は首を引っ込ませようとしたが杭が引っ掛かって痛くて引っ込められない!
反対側に回り込んでもう一度パイルバンカーを打ち込んだフリート!
〔更に大暴れする大亀! そりゃ痛いよね! 〕
「グレン殿、電魔法は使えますよね! 」
「あ、はい。何故それを? 」
「首に杭を打ち込みましたからそこに雷魔法のサンダーを落として下さい! 」
「よくわからないが、わかった! 離れて下さい! 」
グレン殿は雷属性持ちの珍しい方だった。
雷属性の適正がある人はそんなにいないので結構レアな人だった。
〔グレン殿は他に風、無属性持だった 〕
通常、土属性が有るビックウォータータートルには効果が薄い雷属性の魔法だが、魔鉄製の杭が深々と刺さった状態だと!
「スポットサンダー! (雷、特級)」
"(ピカ! ) ドガァァァン! "
"ギョワァァァァァァァァァ! "
「ウ~ン、チョット弱いかな? 付与、強化雷(雷、王級) 」
威力がチョット足りなさそうだったので、付与して強化してみた!
「ウワ、なんだ! 」
"ドガァァァァァァン! "
威力が上がった雷が落ちた!
まるで、サンダー(雷、王級)が落ちた様だった?
「………ブルー卿、今何かしましたか? 」
「………さぁ、何の事かな? 」
「いえ、なんでも。これで終わりですかな? 」
「ウ~ン、たぶん大丈夫でしょう。さて、どうなるかな? 」
一応、鑑定したら死んでるのが確認できた!
あ、巨体が潰れてきたね。
〔強化魔法が切れた為だろう 〕
「倒したのか? 」
「それフラグ! って言う所だけど、倒せてますよ、グレン殿 」
「グレン様。間違いなく倒されてます。おめでとうございます 」
「グレン様が倒されたぞ! 」
「「「「「「「「「「ウォォォォ! 」」」」」」」」」」
「イヤ、私だけでは……… 」
ワンタイ子爵軍護衛隊は大喜びだった。
今回のドロップは同じ土、水属性の魔石(S級)と甲羅の一部、牙と足の爪、何故か尻尾丸々だった。
〔尻尾は肉付きだったので速攻で凍らせました! 腐るとエライ事になるしね! 〕
ドロップを回収後、辺りを見回しても先に行く場所がなかった。
普通は階段なり扉なりが現れる筈なのに?
〔ダンジョンコアは何処? 〕
暫くして奥の岩が崩れて中から下に下りる階段が現れた?
「まさか続きが有ったりして? 」 グレン
「それは………無いだろう。たぶん? 」
「「「「「「「「「「え? 」」」」」」」」」」
「それでどうしますのですか? 」
「一応、私とグレン殿が向かいましょう。恐らくダンジョンコアの間でしょうから 」
「え、………そうですか? 」
「では行きましょうか 」
私は[陸竜]をパージ、魔竜騎士も脱いで降り立つ。
バスター小隊長が焦る!
「ブルー卿、いけません。装備を外しては! 」
「大丈夫、この先には魔物はいませんよ! 」
「だが、しかし……… 」
「ここからは我々2人で向かう。他は通すなよ! 」
「わかりました。危険と思ったら逃げて下さいね! 」
「ブルー卿、グレン様の事よろしくお願いいたします 」
「では行きましょうか 」
こうして階段を下りていった先には………え?
見たまま言うと船の隔壁扉? しかも前世WWⅡ時期の日本軍艦の扉って何?
〔あれ、なんだろう。妙に残念な方を思い出すね? 〕
「………扉を開けますね 」
「え、扉? お願いします? 」
そして扉を開けたら、そこには………
巨大なダンジョンコア? (直径12m級)とその前には何故かまた幼女(むさしちゃんより小さいな? ) が何故か炬燵に入って寛いでいた。
〔あれ、なんだろう。この残念な展開は? 〕
「ようこそ、ダンジョンコアの間へ。アタイはダンジョンコアの分体よ。よろぴくね! (日本語) 」
「………あの~、この子はなんと言いました? 」
「え、わからないですか? ………あぁ、そうですね。言語が違いますしね 」
この分体は、何故か日本語で話かけてきた。
この世界の言語は日本語ではないのでグレン殿にはわからなかった。
〔チョット日本語がおかしいけどね? 〕
「え、フリート卿はわかるのですか? 」
「まぁ、ダンジョンコアの分体ならうちにもいますしね 」
「………あの~、何を言ってるのかね? (日本語) 」
まさかの言葉が通じないパターンかよ!
「………先ずは挨拶から。私はフリート・アール・ブルー、こちらがグレン・ナイト・ワンタイ様です。君の名は? (日本語) 」
「あ、通じた! 私の名前は………え~とねぇ………確か………ゆき……… (日) 」
「もしかして雪風? (日) 」
「あ、ソウソウ、ユキカゼ、アタイの名前はユキカゼちゃんよ! よろぴくね! (日) 」
「あの~、何と言ってます? 」
「あ、すみませんね。彼女の名はユキカゼと言ってますね。参ったな。このパターンだと……… 」
「え、どう言う事ですか? 」
「え~と、チョット待って下さい! 今確認したい事が有りますので 」
グレン殿にはちょっと待って貰うことに。
「では、ユキカゼちゃん。確認するけど、もしかしてアテナ女神様と知り合いかい? (日) 」
「え、そうよ! アテナお姉ちゃんとは、たまにお話してるわよ? そこで? (日) 」
指を指した先には………ヤッパリ有ったよ、祭壇が!
ため息をついてから更に聞くことに。
「因みにアルテナ女神様とは? (日) 」
「え、だぁれ? アテナお姉ちゃんの知り合い? (日) 」
【フリートくん、至急あのバカを捕まえておきますので後程! 】
あ、久々の[天言]だったな!
アルテナ女神様は怒ってるね!
〔でも何で、今まで気が付かなかったのだろうか? 〕
色々と聞いてみたら、ヤッパリ別に有ったダンジョンコアと一緒になったのはむさしちゃんと同じだった。
だが、元々有ったダンジョンコアも小さく、ユキカゼちゃんも駆逐艦だったのでコア自体も小さいらしく、その為12m級らしい。
〔分裂すると6m級になるのかな? 〕
ここはヤッパリ引き受けとかないとねぇ。
後々面倒な事にもなりそうだからね。
「グレン殿、話がある。ただ、この話は色々と問題が有って守れないならこのダンジョンは諦めて貰わないといけなくなる。よろしいかな? 」
「え、どう言う事ですか? もしかしてその子の事ですか? 」
「そうですね。一応、確認ですけどグレン殿は宗教は? 」
「え、アルテナ女神様を信仰しているアルテナ教会ですよ? 」
アルテナ教会はロシナ聖教と対立しているが、元々アルテナ教の方が早くからの組織だった。
まぁ、ロシナ聖教は建国当時のロシナ帝国がでっち上げたアルテナ教会のパクリ組織だった。
〔まぁ、在りもしない神様奉ってどうするの? 〕
「では、今から話す事はアルテナ女神様の名に誓ってもらいます。よろしいかな? 」
「そこまでの事なのですか? ………わかりました。約束………アルテナ女神様の名に誓って約束させていただきます 」
この世界では、アルテナ女神様の名に誓ってと言う事は、神罰を受ける覚悟が有る事とアルテナ教会の教義になっている程の事だった。
まぁ、嘘を付くとアルテナ女神様からの仕置きが有るとも言われてるけどね。
〔実際はそんな事無い………よね? 〕
当たり障りの無い様に今回のユキカゼちゃんの事を話す。
まぁ、うちに居る分体の話もしておく。
〔ま、かなり暈して話したよ。信じるかどうかは彼次第かな? 〕
さて、それでは祭壇に祈ってみますかね。
9ーⅩⅨ
大亀討伐後にダンジョンコアの間に行くとそこには………何故居る、ユキカゼちゃん?
ウ~ン、またあの女神様の仕業ですか?
後々面倒な事にもなりそうかな?
投稿が遅れてすみません。
しかし、このオチで良いのかな?
今回のユキカゼちゃんの件ですが、オチを考えてた時に思い付き、書いて見ましたがいかかでしょうか?
まぁ、奇跡の船って事で出して見ましたけどどうでしょうね?
次の話に何故此所にの話を書きますね。
次の投稿は12月の頭を予定してます。