9ーⅩⅦ話 18歳 ワンタイ島救援作戦⑧ ワンタイダンジョンアタック④
9ーⅩⅦ話です。
次は61層からアタックです。
ウ~ン、湿地帯の戦闘ですか?
ここは水竜かな?
9ーⅩⅦ
10月15日、朝6時
攻略4日目です。
お早うございます。
〔早速昨日の続きの準備を始めましょう 〕
あれ、グレン殿と護衛隊の人達、何かふっ切れた様な清々しい顔だね?
執事さんも優雅にお茶を注いでるし。
〔昨日から食事が良くなったからかな? 〕
早速、準備をして出発しましょう。
【ワンタイ山ダンジョンB61~70層】
61層も森林ダンジョンですね。
ウ~ン、何となく湿ってるような?
〔熱帯雨林?? 〕
相変わらずの広さですが何かやな予感が………
一応[神眼(万里眼)]で見てみた。
〔………え~と、何この場所? 〕
この森林はマングローブ系の木で地面は沼状だった。
通路らしい道(浅い水路? )が在るけど、敵対勢力が多々居ますね。
〔蟹やヘビタイプの魔物ですかね? 〕
参ったな、流石に[陸竜]での移動は無理っぽいな。
そこで[海竜]にチェンジすることに。
〔[陸竜]だと沈むよね? 〕
「[陸竜]パージ! [海竜]セットアップ! 」
突然、僕の後ろに現れた大型コンテナにビビるグレン殿一行。
そして姿が変わった魔竜騎士を見てまた驚くグレン殿一行。
〔外見も変わるからね 〕
「ブルー卿、何故水中戦装備に? 」
バスター隊長が聞いてきた。
「この先はマングローブの中での戦闘になりますので水上、水中でも大丈夫な装備にしただけだよ。それにこうも鬱蒼としてると長物は使いづらいしね 」
[水竜]の腕を見せてから言う。
「………そうですね。ハルバートだと長いかな? 」
そう言うとバスター隊長は腰に着けていた武器専用のデメンジョンバッグから短槍と長めのナイフ(鉈? )を出して装備した。
部下達も各々武装を替えて対応するようです。
〔バスター小隊は別名武器商人(色々な武器を使う為、専用のデメンジョンバッグを装備している)と言われていた 〕
「では、進もうか 」
此処は面倒なので僕が先頭で進む事に。
水深は膝下(約10cm)だが、罠っぽい深い水溜まりっぽい所(約5~6m)も有るので。
〔魔竜騎士(水竜)や魔導装甲騎士なら平気だが、他の人達、特にグレン殿一行は危険な為 〕
グレン殿達には1人1人に海兵隊員を付けて直接護衛、全体はバスター小隊が守る形で進む事に。
魔竜騎士(水竜)で道を作りながら進むと前から魔物(蟹やヘビ、ワニ、魚系、等)が襲って来るが、殆ど返り討ちにしていた。
〔ボスクラスでもなければ余裕ですね 〕
両脇や後ろからも魔物が奇襲してきたが、バスター小隊が難なく倒していた。
此処のレベルでは魔導装甲騎士の相手にはならないようだった。
〔鉈? でアナコンダタイプの魔物の頭をカチ割るバスター隊長! 〕
この層は1層づつらしく下層に降りる階段を発見する度に後ろを見ると、通って来た道は徐々に修復されていた。
かえって面倒な場所になりそうな層だった。
〔これは別の意味で迷うぞ! 〕
なんとか各層をクリアしてやっと69層をクリアしたのが夕方近くになっていた。
次は70層のボス戦だが、相手の予想がつかなかった。
〔予想はヘビかワニだろうね。大穴で蟹かな? 〕
70層の扉を開くとそこは………大きな水溜まりだった。
あ、まさか!
「ギャシャ~! 」
大きなヘビ視たいな魔物が水から出てきた。
しかもバチバチさせながら!
〔まるで電気ウナギ? 〕
「まさか! エレキコンダ? あんなに大きいのは見た事がない! 」 執事さん
執事さんは漁師さんが捕ったエレキコンダを見た事が有ったらしい。
ただし、此処まで大きく無かったらしい。
〔後で聞いたら美味しかったらしいです 〕
鑑定してみたらビッグエレキコンダと出た。
大きい電気アナゴらしい?
〔確かにアナゴっぽいね? 〕
「電気が厄介だな! 」
恐らくは電魔法と水魔法は効かないだろうね。
と、なると………火かな?
《フリート、力ヲ貸ソウカ? 》
「(イヤ、イフリート。先ずは様子見だよ。本当はイフリートがやりたいのだろう? ) 」
《アンナ奴、消シ炭ニシテヤルケド 》
「(今はあまり精霊魔法は見せたくないしね ) 」
僕は両腕をコンダに向けるとファイヤーランス(火、中級)を連続発射した。
効いてる様でビッグエレキコンダは水の中に逃げた!
〔恐らく次は……… 〕
ビッグエレキコンダは電気を纏って水中から飛び出し、体当たりしてきた!
ただし、フリートに当たる寸前に何かにぶつかった様に止まってしまった。
〔マジックシールド(時、王級)で守っただけだけどね 〕
そこに上からバスター隊長が巨大な両手剣(5m級)を振りかぶって墜ちて来た!
そして首を落としていた!!
〔一体バスター隊長のデメンジョンバッグには何種類武器が入っているのだろう? 〕
その一撃で頭の落ちたビッグエレキコンダはそのまま死んだ様だ。
これで70層はクリアした。
〔普通の冒険者だったら初見で感電死だろうね 〕
本日は疲れたので此処までとした。
71層の入り口に有るポータルから地上に戻る事に。
〔まさかこんなに面倒な層だったからね。でも参考になるな! ブルー島ダンジョンにも導入かな? 〕
地上に戻ると流石に駐屯地の開発が進んでいるね。
どうやら大亀の処理が終わった第2戦闘工兵中隊が来たらしい。
〔Ⅳ号工兵戦車リーⅡ型が整地作業をしているしね 〕
まぁ、うちの駐屯地は更に丈夫になったけど隣のワンタイ子爵軍駐屯地の方は進んでいませんね。
兵士さん達が鶴橋振るってますね。
〔本来はそうだよね 〕
「グレン殿、駐屯地の整備を手伝いましょうか? 」
「よろしいので? できればお願いしたいのですが……… 」
「まぁ、整地と壁はうちのと次いでにやった方が早いでしょう。返還した時に色々と便利でしょうしね 」
「お心遣いに感謝します 」
結局、最終的にはワンタイ山ダンジョンの入り口及びダンジョンを囲むように防壁の工事をワンタイ子爵軍とブルー辺境泊軍の合同事業として行うことになった。
その時に各種工事車両の購入したいとワンタイ子爵、ガイアス第2皇子に依頼される事になった。
〔結構な無茶ぶりですよ! 〕
後にリーⅡをベースとした民間仕様のパワーショベル、ブルドーザー、ダンプ、クレーン等と輸送トラックの建設シリーズの輸出仕様が作られて輸出することになった。
これを契機に各国でも建設シリーズを輸入したいと申し出が有ったのには驚いたけど当たり前だよね。
〔まぁ、国内向けが優先ですけどね 〕
夕食の後、夜のマック便が来たけど特に問題無しだった。
さぁ、明日も攻略頑張ろう。
10月16日、朝6時
攻略5日目です。
お早うございます。
〔さっさと準備をして攻略をしましょうかね 〕
グレン殿と護衛隊の人達、流石に馴れた様ですね。
執事さんも優雅にお茶を注いでくれたし。
〔あ、御馳走様です 〕
準備万端、早速、突入しましょう。
【ワンタイ山ダンジョンB71~80層】
71層の転移ポイントの先には引き続きマングローブダンジョンだった。
全く面倒な層ですね。
〔でも面倒なだけでなんとかなるでしょうね 〕
出てくる魔物もB61~70層とほぼ一緒。
まぁ、蜘蛛系の魔物の追加は有ったけどね。
〔蜘蛛の糸に引っ掛かって吊り上げられる罠が有ったが、魔竜騎士や魔導装甲騎士が重すぎて持ち上がらなく全く意味が無かった。〕
蜘蛛を倒すと何故かスパイダーシルクの糸が手に入った。
結構な高級糸らしくてワンタイ山でこの糸を狙っている冒険者も居るらしいと、執事さんが教えてくれた。
〔ダンジョンで取れるのは良いことですね。面倒な層だけど 〕
面倒な層だが、昨日とほぼ同じペースで夕方、何とか79層をクリアした。
80層のボス部屋前で休息、次の相手の予想をする。
〔ワニか蜘蛛か? 〕
何となく蜘蛛の様な予感。
開けたら蜘蛛の巣だらけだったりして。
〔それフラグって言うな! 〕
一応、[水竜]をパージしてノーマルでサウス13SE装備で対応する事に。
まぁ、これでも過剰戦力だけどね。
充分休息してから80層の扉を開けるとそこには壁一面の蜘蛛の糸だらけだった。
粘着性の無い糸だったのでくっつきはしなかったが、それらしい場所は有った。
〔正に蜘蛛の巣だった 〕
そして奥から出てきたキラースパイダーの子蜘蛛軍団(3m級)20匹と本命の大蜘蛛、クインキラースパイダー(15m級)が現れた。
子蜘蛛軍団が糸を吐きながら襲ってきた!
〔やっぱりな! そう来るよね 〕
ただし、相手が悪かった。
魔導装甲騎士達が壁となって後ろから海兵隊員が魔導銃サウス12で一斉射撃(火弾)を発射していた。
〔糸には火でしょう! 〕
飛んで来た蜘蛛の糸は燃え、子蜘蛛軍団に次々と命中、退治していった。
その時、クインキラースパイダーは激高して襲って来た。
〔大きな蜘蛛が迫って来るのは怖いですね! 〕
クインキラースパイダーは粘着性の蜘蛛糸を大量に吐いて私達の動きを封じにきたが、飛んで来た糸を火魔法の一斉射撃で片っ端に燃やしていった。
そして僕とバスター隊長で左右に別れて突撃、蜘蛛の足を斬っていった!
〔達磨になる大蜘蛛! 〕
皆で一斉攻撃して、クインキラースパイダーを討伐した!
何かクインキラースパイダーが哀れにも見えたよ。
〔ヤッパリ達磨にしたからかな? 〕
まぁ、お陰で大量のスパイダーシルクが手に入った。
中にはクインスパイダーシルクって物も有った!
〔しっかりと持って帰ろう 〕
ウ~ン、湿地帯の行軍は時間がかかるね。
取り敢えず81層の転移ポイントから一旦地上に戻る事に。
〔ほんと、10層毎に転移ポイントが在って良かったよ 〕
地上に戻ると駐屯地の防壁工事が大詰めですね。
おや、オウリンギルマスが来てるね?
「ブルー卿、ご苦労様です 」
「オウリンギルマス、どうしました? 」
「何、下見ですよ。ワンタイ山ダンジョン出張所予定地のね 」
「気が早いですね。整地はしてある筈ですよ? 」
「エェ、確認しました。場所も見ました。後は建物と倉庫、簡易宿泊所ですかね。どうやって建てるかですね 」
「………オウリンギルマス、貸しですよ。取り敢えず仮の建物は此方で用意しましょう。ただ、後でちゃんとした建物を建ててくださいよ! 」
「おぉ、助かるよ。早速、頼む 」
近くにいた第2戦闘工兵中隊に余ってるコンテナがないか聞いて予備で有ったコンテナ2個を冒険ギルド出張所予定地の隅に置く。
そして中をちょっといじれば………あっと言う間に事務所っぽい建物が!
〔今で言うコンテナハウスですね。コンテナ剥き出しですけどね 〕
「オウリンギルマス、取り敢えずこれで良いかな? 」
「エェ! 何と、スゴいな! あっと言う間にだな! 」
「うちの駐屯所もこんな感じだけどね。もっともちゃんと設計して現地に組み立てる様な設計だからね 」
「な、なるほど。だから整地はしっかりとやるんだね? 」
「まぁ、地面は平な方が良いよね 」
こうして冒険ギルドワンタイ山出張所(仮)ができてしまった。
オウリンギルマスは早速、職員の配置と追加の建物の手配をする事に。
〔喜んでいたオウリンギルマスだった 〕
後に建物の手配が上手くいかず(商人達の建築ラッシュ(宿屋等)の為 )、ブルー卿に泣き付いて来たオウリンギルマスだった。
イングスランド王国ロンドン冒険ギルドグランドマスターのガーランドギルドマスター経由で正式に依頼してきた。
〔ちゃんと筋を通すオウリンギルマスだった 〕
後にできた、冒険ギルドワンタイ山出張所はコンテナ剥き出しハウスから外装をちゃんと張ったそれなりの建物になっていた。
丈夫さには定評の見た目立派な建物となった。
〔1度、ワイバーン騎士団が訓練で野生のワイバーンを謝って落とした時にギルド出張所の上に墜ちたらしいが全く平気だったらしい? 〕
こうして80層までの攻略は完了した。
多分、100層にあの亀さんがいるだろうね。
〔イヨイヨ、ダンジョンコアも見えて来たね 〕
9ーⅩⅦ
70層のボス(ビッグエレキコンダ)撃破!
80層のボス(クインキラースパイダー)撃破!
着々と工事が進むワンタイ山山頂。
冒険ギルドに貸しを作っておこう!
90層のボス何にしようかな?
次は11月の頭に投稿予定です。