第二章 アイドルは女王様 - 13 - 王都襲来
第二章 アイドルは女王様 - 13 - 王都襲来
圭太の手を引っ張りながら、舞が叫ぶとすぐに黄金の髪をなびかせて、全裸のままのミアがよってくる。
「ボルザード級モンスターが尖兵となって多数の敵が侵攻してきました。現在、舞様がお一人でボルザード級の侵攻を食い止めていますが、その他の敵にまでは手が回っていません」
今現在外で何が起こっているのかを、ミアが簡単に説明する。
「全市民に退避命令を出して。ボルザード級にはわたしと舞で対応する。その他の敵はボルザード級を斃すまで足止めさせておくように」
脱衣場についた舞は服を着ながら指示を出す。
身につけた服は、中世欧州風の服などではなく、上下つなぎになった体にぴったりとフィットする近未来的なデザインを持つコンバットスーツであった。コンバットスーツとは言っても、男目線で見ると、とてもエロいスーツである。
一方圭太に着るように渡されたのは、至って普通のスボンとTシャツである。
動きやすいが、防御力とかはまるでなさそうで、明らかに戦いには不向きな服である。
「どういうこと?」
渡された服を着ながら、まったくわけが分かっていない圭太が尋ねると。
「この都市の地下には指揮司令室があり、対消滅エネルギーの直撃にすら耐えられるよう幾重にもシールドが施されています。圭太さんは、これからそこに行って。かならずあたし達が守る」
コンバットスーツのグローブを自分の手になじませながら、舞が圭太に説明する。
「えっ? 俺だけ?」
今更だけど、圭太は心の中にざわつくような感覚があることに、自分でも気づかない違和感を覚えながら聞き返していた。
「ミアがそこまで案内してくれるから安心して。そして、絶対にそこから動かないように。何があっても、圭太さんを失いたくありませんから」
圭太を見る目は真剣そのもので、しかも息を飲まずにはいられないほどの哀しみが見えた。
だから圭太は何も言うことができなくなってしまう。
この状況だからこそ言ったほうがいいのだろう。
それが分かっていてもなを、圭太の口は言葉にすることを拒んでしまった。
なら、舞や希のことは誰が守ってくれるのか、という言葉を。
その言葉を口にするということは、圭太自身が戦うことを選んだということを意味している。
はっきりと言わないにしても、暗にそのことを宣言するような言葉であるのだから。
だが、ほんの少し前の記憶。




