第二章 アイドルは女王様 - 05 - 裸の二人
第二章 アイドルは女王様 - 05 - 裸の二人
そう、彼女は日本を代表するトップアイドルの一人、希舞である。
もちろん、圭太は全裸の舞を目の前にした瞬間に固まってしまっていた。
そのことを予測していたのか、動かなくなった圭太に向かって、舞はゆっくりと歩き近づいてくる。
例え目を逸していても、淡く聞こえてくる水の音が舞の接近を知らせてくる。
少し時間が経って、お湯の中にある圭太の足に舞の存在をはっきりと感じさせる波がよせてきた。
そしてついに、水の音が消え波が少し緩やかなものに変わる。
圭太の目の前まできた舞が、立ち止まったのだ。
目を伏せたまま、あまりにはっきりと自分の欲望の証拠を両手で必死で隠そうとしている圭太に、舞はゆっくりと手を伸ばしその頬に手を触れる。
「恥ずかしがらないで、圭太さん。あなたの目の前にいるのは、貴方のことを愛している一人の女。貴方の欲望が向けられて喜びはしても、嫌だと思うことはけしてないわ。そしてそれは、ここにいる全ての女たち全てがそう。それに、今この場であなたのことを襲ったりはしないわ。だから顔を上げて、わたしを見て」
全裸で向かい合う男と美しき少女。その年齢差は一回り以上もある。
だが、男の反応はまるで少女のようで、逆に少女の反応は経験豊富な男のようであった。
普通に考えれば殆どの女性が引くような状況であったが、今浴場にいるすべての美女達は全員が微笑みを浮かべて見守っている。
圭太は舞に促されるまま、顔を上げるがその途中でこれまで想像と映像の中でしかお目にかかったことのない、とんでもなく美しいものが視界に飛び込んでくる。
一瞬だが目がくらんだ。心臓が破裂しそうだった。それは、ただ美しいだけではない。心の底から圭太を突き動かす衝動。まさにそれは、それこそが人間の男にとって最高の存在たりえるもの。
希舞の裸体であった。
「よく見て、圭太さん。これが私。私の指も、この乳房も、あそこもすべて貴方のためにあるの。本当は今すぐにでも触れて欲しいけど、でもその前にお話ししないとけいないことがあります。それは、圭太さんが巻き込まれてきたこと。置かれていいる状況。そして、敵の話し。たぶん、知りたかったはずのこと。お湯にゆっくりとつかりながらお話ししましょう?」
圭太が自分を見ていることを意識した上で、さらに一歩近づき舞は語りかける。
そして、その美しき裸身を圭太の素肌に重ねて、浴場の奥へと導いていく。




