第二章 アイドルは女王様 - 01 - いたたまれない城
第二章 アイドルは女王様 - 01 - いたたまれない城
いたたまれないという言葉を人の形にしたら、圭太になるのではないかっていうくらいいたたまれない気持ちを圭太は味わっていた。
というのも、城についたとたん想像を絶するような賓客待遇で出迎えられたからだ。
何をするにも、何処へ行くにもおつきの人間が圭太の後を付いてきて、けして一人にしようとはしなかった。
しかも、不思議なことに取り巻きは全員が女性だけで構成されていて、男の姿は影も形もなかった。
ただし、この国に男がいないというわけではなく、何故か圭太の近くには近づけさせないようにしているらしかった。
そのこともあり、生まれてこのかたまともに女性とお話したことのない圭太は、大勢の女性に囲まれながらも言い知れない孤独感と共に、それにも勝るいたたまれなさに苛まれていたのである。
こんな状況であったとしても、まだ上原類か希舞が近くにいたらまだ安心出来たかも知れない。
だが、大量にいる見知らぬ女性達のど真ん中にいきなり圭太を放り込んだまま、二人は姿を消してしまっていた。
もちろん、圭太には何一つとして知らせぬままであった。
当然、圭太は何も知らないままであり、ありとあらゆる謎は膨らみこそすれ一向に解決する様相が見えてこなかった。
ただ、そんな中でも救い主はいた。
呆然としたままの圭太に、話しかけてくれる女性が現れたのだ。
足元まで届く豪奢な黄金の髪をなびかせて歩いてきた、人というより人形めいた美しさを持つ女性だった。
彼女は大勢の女たちを背後に引き連れて、大きな広間を横切ってくると圭太の目の前で跪いた。
すると、その背後にいた女性達もまた同じように跪く。
そして、その美しい女性は、頭を下げたまま実に流暢な日本語で圭太に向かって話しかけてくる。
「加賀圭太さま。私は奥室の御台所を努めます、カスガ・ミアと申します。長きに渡り主不在でありましたこの奥室に、圭太様をお迎えできたこと、誠にに恐悦至極に存じます」
実に迫力のある……というよりは迫力しか感じられないミアの言葉に、圭太はなんと答えを返していいものか迷い、結局何も言えないでいると。
「さぁ、みなさん。圭太さまを浴場にお連れして、全身をお磨きしてさしあげますよ」
突然立ち上がったミアは、後ろに引き連れていた美女達に指示を出す。
するとワラワラと美女達が圭太の周りに集まってきて、圭太をがっちりと囲い込んで問答無用で運び始める。




