第一章 二人の嫁、襲来 - 11 - 第二帝都
第一章 二人の嫁、襲来 - 11 - 第二帝都
どう見ても、誰が見ても、ここは日本ではない。っていうか、圭太の知っている世界ではない。
町並みはゴシック調の中世欧州といった感じだが、主たる交通の手段が空を飛ぶ箒になっているという話しは聞いたことがなかった。
つまりここは、圭太がまったく知らない場所ということになる。
よっぽど圭太が困った顔をしていたのだろう、近くを通りがかった人が話しかけてきた。
「あんた、迷子かね?」
見る限り、金髪碧眼の西洋人風の若い女性だったが、幸いなことに日本語だった。
「え、ええ、まぁ……ここは、どこなんでしょう?」
圭太はパニックに陥らないように、必死で自分を押さえながらどうにか質問する。
すると、金髪美人は笑いながら答える。
「やはり迷子かね。ここは日本だよ、正真正銘のね」
その答えを聞いて、圭太は混乱する。
こんな場所、日本にあったという記憶がなかった。
でも、考えられるとしたら、どこかのテーマパーク、もしくはアトラクション会場なのかも知れない。
「ここは、どういった場所なのでしょう? 新しい遊技場ですか?」
圭太は精一杯の知識を動員して、さぐりさぐり質問をしてみるが。
「ここは、第二帝都。君たちが東京と呼んでいる都市の影に作られた世界だよ」
彼女は説明してくれたが、圭太には彼女が何を言っているのかさっぱり理解することができなかった。
だが、分かっていることもある。
言葉が通じるということと、急いで自宅に戻らなくてはいけないということだ。
「あの……自分の家に戻りたいのですが、どうすればいいか分かりますか?」
今見ていることが信じられないような現実だとしても、すべてを理解するためにはちょっとやそっとの時間ではすみそうもない。
そもそもが、夢のような光景なのだ。というか、夢である可能性の方が高いかも知れない。
夢であったにしても、なかっにしても、自分の部屋に戻る必要があるのは確かであった。
だから、圭太は帰り道を聞いた。
すると、金髪美女は笑いながら答えてくれる。
「この場所は、東京の影に潜む場所だよ。だから、光のある方向に進めば自ずと東京に戻ることはできる。でもね、一度でもこの場所にやって来た人間は、光と影の境目がわからなくなっちまうのさ。だから、すぐにまた第二帝都に戻ってきちまうことになるかもね。きちんとした形で東京に戻りたければ、魔法の理を身につけるのがいいだろうね」




