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3話

「なっ……どこ触ってるんだ!!!」

ユーリは必死に逃しまいとヨハネの腰周りにしがみつく。今日脱走されては今日の仕事分が明日に回されてしまう。そんなことになったら徹夜コース確定だ。自分の大事な休暇を何としても勝ち取りたいユーリは何としてもヨハネの脱走をを阻止せねばならない。しかし、思っていたヨハネの抵抗はなくただ固まっているだけであった。

そして、窓から脱走を試みたユハネは、ユーリの必死のしがみつきに負け、騒ぎに気付いたトーマスに首根っこを捕まれただいま説教中だ。トーマスが他の近衛に呼び出されていた隙に、ヨハネは脱走を試みたらしい。トーマスの説教を正座をして聞いているのだがヨハネは心ここに在らずで顔を背けている。

気のせいと思いたいのだが、さっきからアホ王子が、ちょくちょく目を合わせてくるが目が合うと直ぐに逸らす。そして、また伺うようにこちらを覗き見してくる。何なんだこの王子……キモチワルいな。

その様子に気づいているトーマスは、はぁとため息を付き説教を続けるのだがほとんど意味をなしてない。


「お前これで何回目だの脱走だ?俺も、近衛と補佐官の任を掛け持なんだ。お前に付きっきりも難しいし……あ、そうか。」


トーマスは、ふと私の方を向きちょいちょいと私をよぶ。なぜ、私を呼ぶんだ……と不機嫌さを示し持ってきた書類があるのだっというアピールをしてみるがトーマスはニヤっと笑って見せただけだった。そして、衝撃な提案をするのであった。


「今度からお前の世話係として、ユーリを配置する。ユーリは1日中ヨハネの監視と世話を頼む。ヨハネの執務室で仕事が出来るように勝手だが机を移動させてもらうぞ。」


「は!?」と、ユーリとヨハネの声が執務室に響いたが、そんな、二人を無視してトーマスはそうと決まったらすぐに行動にうつすやつだ。もう、これは決定事項である。そして、トーマスは退室する間際に振り向き、ユーリを見た……とても悪魔の様な笑みで。


「ユーリ……この任を受けるなら、給料今の2倍にするぞ……どうだ?」

なんて、こいつは悪魔なんだ。そんな悪魔の誘惑をチラつかせ私に、嫌とは言わせないように。ユーリは奨学金で学費は払えたが、足りない生活費は実は学生のローンを組んでいたのだ。奨学金を得るためには優秀な成績が伴う。成績を維持するためには、多くの勉強時間が必要だった。アルバイトをする暇は無かったのだ。

またとない給料二倍の提案。ゴクリと乾いた口を潤すために少ない唾液を飲み込む。今のお給料でもかなり破格なのだが……お金は大事だ断れるわけがない。そして、黙って頷いた私に満足したように「よかった」と、トーマスは微笑み部屋を出た。





そして、王子と二人きりでとりのこされた私は、あれよこれよと戻ってきたトーマスからヨハネの世話をする点についての注意点100項目を滝が流れるように聞き、いつの間にか王子執務館に私の机が配置されることになる。


トーマスは裏ボスです!

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