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2話


のろのろ更新すいません!

4月中には終わらす予定で頑張ります!

「で、どうだ!!!俺の良さがわかったか?」

と、ここにいるパワハラ王子様はふふんっと威張り散らし数十分にかけて自分の素晴らしさを熱弁した。そんな王子の話しなんて頭にもちろん入っておらず私は、トーマスに意味有り気な視線を終始送っていたが、トーマスは何も見なかった様に終始笑顔である。こいつ……このままはぐらかすつもりだ。


「おおい!お前、俺を無視するなんて、2度目だぞ!!!」っと王子の叫びにふと現実に戻った。ヨハネはプルプルプと震えて少し涙目になっていた。あぶないあぶない、王子はこんなに大層な性格をしていらっしゃるが一応自分が仕えるべき存在であると冷静さを取り戻す。ここは、適当に褒めといて機嫌を取らなければ

「ええ、さすがです。流石我が主のヨハネ様。そんなヨハネ様に仕えれて私は幸せです。」

と、私はさっきあった感情を押し殺し笑顔で王子を賞賛し微笑みかけた。


「なっ……わっわかればいいんだ。わかればな!!!」

王子は少し狼狽えいきなり、視線を反らせ窓の方に視線を向けた。あれ……もしかして選択ミスったかな?単純なアホ王子だと思って褒めたら機嫌良くなるだろうと思ったがあまり良い反応ではなかった。ぷぷっと後ろからトーマスの笑い声が聞こえたが何がおかしいのやら。

その時、ヨハネが顔が少し赤くなっていたなんて知りもしないで。




「まあまあ、自己紹介はこれくらいにして今日の視察についての予定について話そう。もちろん、ユーリも同行するだろ?」と、出勤初日で、視察なんて考えていなかったがいずれ任される任だ。経験しておいた方がいいと考え無言で頷く。リシア国境付近は、まだ、パミュラ王国が戦争に巻き込まれていた時代に敵国から一番の被害を被った場所だ。街が戦火に覆われることも多くあり人々は街を捨てた。誰も近づかない忘れられた土地……という噂が広がっていたぐらいだ。戦争がようやく終わった時には、リシア国境付近には誰も居着かず荒れた土地が広がっていただけだった。今のリシア国境付近を収めているユシルス伯爵は現国王の幼馴染みである。爵位待ちの貴族の領地の所有について再議論が起こったがリシア国境付近には誰もが寄り付かづ話を反らせしてしまうぐらいの土地であった。誰もが、あの領土は……と話していた時「王よ。私がリシア国境付近をいや未だに広がっている忘れられた土地を王宮街の様な賑やかな街にしてみせよう。」と現ユシルス伯爵は王に宣言したのだ。その宣言も、誰もが鼻で笑っていたり訝し目な目でルシルス伯爵を見ていたが王は彼に任せたのだ。成功することを願って。




時は流れ、今のリシア国境付近は王宮街と張り合えるぐらい豊かな街になった。他国との貿易も盛んで多くの商人が店を構え、パミュラ王国では今では商売するならリシア国境付近だと謳われている。忘れられた土地を一瞬で人々が賑わう街にしたのも現ルシルス伯爵の手腕のお陰であった。





「俺は行かないぞ!あそこには……あそこには絶対行かないぞ!!」っと、王子は2度自分の意思を告げて部屋の隅に勢いよく駆けていき頭を抱えて丸くなっている。まるで蛇に睨まれたカエルだ。

さっきの傲慢な態度はどうしたんですか王子っとツッコミを入れたいぐらいである。そんな、ヨハネの様子もまるで慣れていた様にトーマスはヨハネの手を引きずる。嫌嫌と駄々を捏ね地面に引きづられた現第一王子の姿をみせられた私はどうしたらいいのだ。

「おい、行くぞ。ユーリ」と、トーマスは何やら叫んでいる王子を無視して引きずりやっとの思いで部屋から出した。「ああ」と頷き、二人の後を追い部屋から出た。部屋の外でも王子の恥しい態度が周囲からの視線に入ってしまうこうと恐れどうにかしてヨハネの機嫌をとろうと考えていた時、部屋の外に出るとさっきまで駄々をこねていたトーマスに引くずられたヨハネは姿勢の良い態度でトーマスの隣に立ちいかにも天使のオーラで微笑んでいた。「なっ……え?」と面食らった私に、トーマスが「あいつ、外ズラはいいから駄々こねたら部屋の外に出すのが一番なんだ。」と小さく呟いた。

「どうしたんだユーリ?さては、変なものでも見たよう顔をして?さあ、2人とも行こうか。」と王子は私達二人に視線を掲げ、私たちの先頭を歩く。通り過ぎる貴族やメイド、女官などに万人受けする必殺王子スマイルを送り挨拶するヨハネに、……なんて王子だ!!!と心の中で叫んだのだ。


そんな訳で、強烈的なパワハラ王子様ヨハネとの出会いが私の運命を360°変えてしまう……変えられてしまうなんて思いもしなかった。





それは、私が王宮に務めて1週間が立った時であった。慣れない仕事に終われ毎日毎日王子の代わりに資料を読み漁り、王子の代わりに王宮の会合に参加し、王子の代わりに……そう、このダメ王子は、完璧なるダメ王子であったのだ。毎晩毎晩、日付が変わる頃に寮に帰って泥のように寝て朝早く執務室にこもる生活。なんて、ブラックな職場なんだ。しかし、補佐官以外の前ではムカつくほどにも完璧な王子を演じているヨハネは、天使と崇められ周りも無意識に甘やかしてしまっている。もう一人の王子補佐官のトーマスは近衛も兼任しているらしくトーマスは主にヨハネに付きっきりだ。それもそれで、ストレスが溜まってどうにかなりそうだ。しかし、あの強烈な自己紹介の後お互いに忙しくトーマスに出会う機会が無い。今度あったらみっちりと搾り取らないととな。

やっとのことで紙で埋め尽くされた執務室から、今週までに提出する資料を片手にヨハネの執務室へ向かった。そして、ドアを開けると、庶民の格好をしたヨハネが椅子に寝転がりながらこちらに視線を向けた。



「あ、ユーリーか!丁度いいところにきたな!!俺は今から町へ視察に行くぞ。早く連れて……っおい閉めるな!!!」


私は、いかにも庶民の格好をしたヨハネと目が合うとニッコリ笑い再びドアを勢いよく閉めた。いけない、いけない昨日徹夜してしまって王子の虚言と幻覚が一気に押し寄せるなんて。今日は定時に帰ろう……よしっともう一度気合を込めてドアをノックして、ゆっくりドアノブに手をかける。


そして、ドアを開け目に入った光景に目が点になる。そして、状況を理解するとダッシュでヨハネの元に駆け寄る。

「王子ー!なにやってるんですか!!!」と、私は急いで窓から脱走を試みるヨハネにしがみついた。何やってるんだ、このアホ王子!!!






おバカ王子は、いつ初恋に気づくのやら

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