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「 はぁ… 」
夕日が差し込みキラキラと埃が輝く教室。
「 帰るか… 」
外からは部活の掛け声が微かに響く。
「 まぁそんなもんだよな… 」
そんな微かな声にすら負けそうな声量で呟きながら帰り支度を整える。
「 残念だったわね 」
教室の扉を開くと1人の女子生徒がニヤニヤしながら声をかけてきた。
彼女は光丘高校に通う二年生の女子生徒、蝶野佳菜。
成績は中の上ほどで運動神経も顔もそこそこの普通の女子だ。
ちなみに俺の幼馴染。
「 うっせー。てか、ずっとそこに居たのかよ? 」
「 そんなわけないじゃん。ちょっと様子見に来たら一輝が出てきたってとこよ 」
そんな幼馴染に名前を呼ばれた俺は一輝こと山中一輝。
光丘高校二年の男子。成績、運動、顔、全て平均の男子。
特徴なんて眼鏡ぐらいしかない平凡な生徒だけど一応この高校の生徒会で書記を勤めてる。
「 もう察してると思うけどいたずらっぽいよこれ 」
そういって佳菜に差し出したのは一通のラブレター。
これは今朝、登校してきた時に俺の下駄箱に入ってた人生初のラブレター…だった偽ラブレター。
彼女いない歴=年齢の俺はこれを発見した時、興奮のあまり上履きに履き替えるのを忘れ土足で校内に侵入し佳菜に慌てて止められたのだが偽物だとわかった今はとにかく恥ずかしい。
「 まぁそうよね。一輝ってパッとしないし 」
「 嬉しそうに言うんじゃねぇよ 」
幼馴染なんだから少しは慰めてくれよ…
「 はぁ…これでやっと彼女が出来ると思ってたんだけどなぁ 」
「 もう、シャキっとしなさいよ。帰りにジュースおごってあげるから 」
「 クレープなら… 」
「 わかったわよ。駅前のクレープ屋で一輝の好きなチョコクレープおごってあげる 」
「 おっし!元気でた! 」
「 切り替え早いわね… 」
呆れ顔で呟く佳菜とは対照的に俺の足取りは軽かった。
ども今作品が処女作となるいっちーです。
クオリティがアレですが皆さんの暇つぶし程度に楽しくいただけたら嬉しいです。