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魔法陣の中で

 旅に出る時、親は何も言わなかった。私がコソコソと旅立つ準備をしている時も、見てみぬふりをしてくれた。

 まだ太陽が昇っていない早朝に、私はテントから抜け出し、外に出た。昼は灼熱のように暑い砂漠も、朝は恐ろしく冷える。とりあえず長が言っていた軍の国家資格を受験してみよう。それなら私でも採用されるかもしれないということだった。

 本当は戦うのは好きじゃない。だけど今の私にはこれしかない。いつか自分の夢が叶うように一歩一歩踏みしめていかなくてはならない。

 長から貰った軍の受講要領、薬草や内服薬、自分の愛用のトマホーク、多少の金塊と銀塊。忘れ物はもうないな。

 部族のテントを振り返ることなく、目的地に向かって歩き始めた。

「アナ…」

 急に声をかけられた。ギクリとして立ち止まる。

「…レン」

 涙目になりながらレンが私に近づいてきた。私は少しホッとした。

「アナ」

 バズとカイもいたようだ。いつも生意気な顔をしているバズも今回ばかりは顔が歪んでいる。

 レン、バズ、カイは部族の子供たちだ。まだ小さく戦闘には出て行けない。

「どうしタ? 出迎えに来てくれたのカ?」

 比較的明るく笑うともうレンが泣き出した。レンは女の子だがまだ訓練は受けていない。

「おいおい、どうしタ?」

「だっテ…アナが出て行くなんテ…」

「どうして知っていル?」

「長が教えてくれタ」

 そうか。それでみんな来てくれたのか。

「ありがとウ。レン」

 レンをそっと抱きしめると、声を殺して私の胸で泣いている。だけど不思議と決心が揺るがない。私は動揺しない。

「アナ…こレ…」

 カイが赤いハチマキを私に差し出した。

「これハ?」

「3人で赤い花をかき集めて造ったんダ。結構苦労したんだゼ」

 バズが鼻をすすりながら言う。

「…ありがとウ」

「みんなで一生懸命造ったノ…グスッ…だから…だから忘れないデ…きっと帰ってきテ」

 レンはグシャグシャな顔で私に言う。

「そうだヨ。アナはへたれダ。きっと外に出たってうまくはいかなイ。失敗して戻ってくればいいんダ。そして俺の…」

 バズが素直じゃない言葉を投げかける。その後は後ろを向いて泣く。

「アナ。気をつけテ」

 カイはそれだけ言うと赤いハチマキを私に渡した。

「…大事にするヨ。ずっとずっと大事にするヨ。お前達のことは忘れなイ。私達はずっと一緒ダ」

 そのハチマキをしっかりと頭に結びつけ、私は手を振って子供達と別れた。

(―帰る…か)

 きっとそれは部族の掟上無理なことだろう。それにこの危険な世界で私がこの地を踏むことはもう無理かもしれない。そんなことを考えていると、急に今までの思い出が頭の中を駆け巡った。

(…ウウッ…グスッ…)

 声を殺して泣く。孤独による不安。見えない敵による恐怖。無知なことによる疲労。すべてが混ざり合って私の体を止めようとする。

 だけどそんな意思に反して、私の足は砂漠の向こう側へと歩き始めていた―。



 2つの生命が私の腕の中で鼓動している。暖かくて、柔らかくて、とても心地がいい。この子達を見ていると部族の子達を思い出す。

 レン、バズ、カイ…みんな元気だろうか? みんなと別れていったい何年たっただろうか? 最後に別れの言葉を言ったのはいつだっただろうか?

「…うン?」

 金髪の少女と黒髪の少女が目を閉じたまま動かない。

「…そうカ」

 口元が緩む。恐らく極度の緊張状態から開放され気を失ったのだろう。2つの魂を宝石を抱えるように抱きしめる。

ヒュー…

 一陣の風が吹いた。別に何が起こるわけでもないただの風だ。

「…?」

 空の上から黒い物がヒラヒラと紙のように落ちてきた。風に乗せられながら右へ左へ靡いている。それが偶然なのか、それとも必然なのか私から数十メートル先へと身を落とした。

 それは地面へ降り立つと、ニョキと立ち上がった。まるで地面からはえてきたようだ。真っ黒のローブから何かが光った。それは鋭い牙だった。その牙が耳元まで裂けていき、私に向かってニヤリと笑った。

『―やあ。久しぶりだね。首狩りの女王―』

 そう…聞こえたような気がする。

 黒い物はまた風に乗るとヒラヒラとどこかへ飛んでいった…。



「さてと。それでは尋問させてもらうがここで何してた?」

 バインはレベッカーに剣を向けた。

「変わった剣ですねぇ。刃がまったくない。棍棒のようだ。それは人の命を取らないという事ですか?」

「話を逸らすな」

「いやいや、失礼しました。別に何も。見てのとおり少女を村から誘拐して遊んでいただけです。黒髪の少女はこの辺りを呆然と歩いていたのを捕まえました。金髪の少女は川で洗濯してた所をついでに捕らえました。あとは…爆死してしまいましたのでわかりませんねぇ」

「丁寧に非道な事を言うもんだな」

「おや? これが非道ですか? 私はもっと非道なものを見てきましたけどねぇ」

「そうかい。なら嘘をつくのはやめたらどうだ? グラビドドンのレベッカー」

 レベッカーの微笑みが止まった。

「グラビドドンと言えばうちの国の国境近くで暴れまわってた国の名前だ。あの『24エコーズ』が出てきてからはさすがに沈静化したみたいだがね。未だに帝国と連合を結ぼうとしない」

「………」

「その国で軍事を担当し、帝国軍に対してかなりエグい戦略で抵抗していた奴がいた。グラビドドンのレベッカー。帝国軍内では有名だぜ」

 バインはレベッカーの情報を頭の中から引き出す。貴族誘拐による持久戦、人身売買による裏金、傭兵部隊による奇襲戦…数えていたらきりがない。

「…やはり誤魔化しはききませんか。賞金首になっているみたいですしね」

「ああB級犯罪者に認定されている」

「それは光栄です」

 レベッカーは「ふう」とため息をついた。

「『赤眼化』といいましたっけ? コントロール不可能とされた自然現象を操ることができる『神』と呼ばれた『13人の赤眼の者』の力を借りることができる。魔術の中では最高位。帝国が巨大国家に発展した理由の1つだと聞いています。それとあなたのような『死帝』採用試験を受けるはハンター出身者が多く、『赤眼化』持続時間1時間以上が受験条件。筆記、技能、捕縛試験を突破しなければならない」

「よく知ってるじゃないか」

「遊撃部隊として各地に回っているのは敵を殲滅するだけではなく、帝国軍の品質を広報するため。そのために免許をわざわざ敵の前に出さなければならないんでしょ?」

「…よく知ってるじゃないか」

 確かに理由はわからないが敵と交戦する場合免許携帯が義務づけされている。俺はてっきり敵を威嚇する意味で免許を出すものだと思っていたが、レベッカーの言うとおりそういう意味もあるかもしれない。

「恥ずかしくありませんか? わざわざ敵に身分を明かすなんて」

「…正確には違う。免許を出すときはこっちの権限を行使するにあたって身分証明をするためだ。例えばエコーズなんかに免許だしたって意味ないからな」

 「クク…違いありませんねぇ」とレベッカーがニヤニヤ笑う。こんな状況でよく余裕でいられるなと思う。

「そういえばランク付けされていましたねぇ。免許番号からわかるのですがここにはレテランスがありませんからね。あなたは何番ですか?」

「それは…10…19ぐらいだ」

 特に答えなくてもいいのだがついバインは見栄をはって嘘をついた。

「へえそれはおかしいですねぇ。確か19位は二刀剣術のガバメントのはずですが…」

「…お前、実は知ってて言ってない」

「ほほ。実は知ってます。バインという名前でわかりました。ランクは最下位の50。たぶんあの子は49位のアナさんでしょ。『最下位コンビ』として有名です」

「くっ…最悪だ。こんな辺境にまで悪名が広がってるとは…」

 バインは恥ずかしさで手で顔を覆った。なによりも嘘ついてランクを上げてしまったことがかなり恥ずかしい。

「いやいや。正直馬鹿にはできません。―最下位でこのレベルなのですからねぇ」

 レベッカーは感嘆するように言った。

「もう話をズラすのはいいか?」

「ええ。お話しましょ」

(えらく簡単に承諾するもんだな…)

 バインは少し不審に思ったが、レベッカーは真剣な顔で話を始めた。

「陣をはってたんですよ」

「陣?」

「魔法陣です。円や数字、紋様をいくつも重ねあった…一種の魔術です」

 レベッカーは戦車から体を出すと戦体に「よっこいしょ」と腰をおろした。野太い筋肉にいくつもの傷がついている。ベレー帽をかぶった顔は目ジワがあるものの年を感じさせない。

(さすが百戦錬磨の戦略家だけはあるな…)

「これぐらいはいいでしょ?」

「…話を続けろ」

 バインは気を抜くことなくレベッカーに剣を向け続ける。

「あるお方に頼まれましてね。仕事内容はこの先にあるドラゴニの住人をここから出さないこと…まっ、あなたたちが来たということはたぶん抜け道とかで誰かが出ていたと思いますがね、そういうことです。次の依頼は捕縛した住人達の血を地面に効率よく染めさせること。血液吸収型の魔法陣らしくて専門的なことはわかりませんが、エネルギーを循環させるのに必要だそうです。実際捉えたのは10人前後。体内から血を出させるために首や四肢を切断しました」

「…ろくな事してないな」

 バインは顔をしかめて言った。

「まあそれだけです」

「それだけ? 10人でいいのか? それに魔法陣ってのはそんなに簡単に出来るのか?」

「私もそう思って報告しましたが別にいいということでしたよ。きっと魔法陣はすでに描かれていたんでしょう。まああのお方にとっては1人でも住民に逃げられるのが嫌みたいでしたがね」

「…どうして10人だけなんだ? 何かあれば10人どころじゃないだろ?」

 そう。国に何か災害があれば10人どころじゃなく国民全体が動くはずだ。

「さあ。それは私にもわかりません。ただポイントに配置していた兵からの報告だと命からがら逃げてきたといった感じだったそうですよ。私達に捕まったときはそれはもう絶望してました」

 虫唾が走るような言い方だなとバインは思った。

「それで。あの方とは?」

「そうですねぇ…ねえバインさん」

「話を逸らすな」

「いえ。あそこの空間歪んで見えません?」

 レベッカーが空を指差した。レベッカーを警戒しながらバインが指先を追ってみると、確かに空間に歪みが見える。いや、もしかすると何かのエネルギー熱が発生し、光を捻じ曲げているようにも見える。

「―おや? おかしいですねぇ…もしかしてあのお方…S級犯罪者『π』…―」

ジュッ!!

 バインがレベッカーに向き直した時、すでにレベッカーの姿が見えなくなっていた。

 戦車の上にあったのはレベッカーの手首だけだった。

 「バチッ」と何かが鳴った瞬間、バインは本能的に危険を感じ、戦車から飛び降りた。

ドンッ!!!!

 戦車が弾け飛んだ。何が起こったのかまだ頭の中で理解できないバインは、慌ててその場から離れた。



「!! なんダ!!」

 異様な爆音にアナはバインのいる方向へと視線を向けた。するとそこには奇妙な光景が広がっていた。重さ何tもある巨大な戦車が空中に飛び上がっているのだ。

「おっ! おっ! お姉さあああぁぁぁ〜ん!!!!」

 バインが叫んでいる。叫びながら全速力でこちらに向かってくる。その後ろでは巨大な光の棒が天へと何本も昇っている。

 危険を察知したアナは2人の少女を両脇にかかえると一目散にその場から逃げ出した。

「なっ!? 俺を置いてくな!!」

「お前ならなんとかするだロ!! 今はこの子達が優先ダ!!」

 バインは大声を叫びながらアナの後ろまでちゃっかりと追いついている。アナは2人分の重さを気にすることなく走り続ける。

「なんなんだこれハ!? あいつはどうしタ!?」

「蒸発した!! 跡形もなくなった!! 手首はあったが忘れた!!」

「なんだト!! 報酬金はどうするんダ!!」

「こんな時に金のこといってる場合か!! あっ、でも手首持ってくればよかった!!」

 アナがチラリと後ろを見ると光の棒が2人を追いかけるように迫ってくる。

「なんだあれハ!!」

「知らん!! ものすごい熱エネルギーだ!! 一瞬で人一人消し去るぐらいだから1000℃は超えとる!! そして背中が熱い!!」

「どうして私達を追ってくル!?」

「光に聞いて!!」

 あまりの突然の出来事に2人とも思考が回らなかった。とにかくあれから逃げなければという必死な思いで走り続けた。

「なア!! おかしいと思わないカ!!」

「なにがよ!!」

「周りをよく見ロ!!」

 アナに促されてバインが見回すとそこは異常な事態へと変化していた。

「なっ…なんなんだ!!!!」

 他にも光の棒が何本も地上から天へと向かっている。その数は数百…いや数万だろうか。まるで光が狂乱しているようにうねうねと動き回っている。

「あの光の目的はなんダ!! やけに規則的に動いているゾ!!」

「あっ!! そうか!!」

「どうしタ!!」

「さっきレベッカーの奴が魔法陣がどうとか言ってた!! もしかするとそれが発動したのかもしれん!!」

「マジでカ!! うわっ!! 私見るの初めテ!! はは綺麗ダ!!」

 アナは始めてみる光景にはしゃぎ始めた。いくつもの光の棒が天へと上っていく。それはエネルギーの断片をあらわしているのだ。

「喜んでる場合カ!! 魔法陣は普通最高でも20000ヘーベぐらいだぞ!! それにこのエネルギーの質量といい巨大するぎるわ!!」


「あっ、あの〜」


 気の抜けた声が2人の耳に入る。どうやらエリカが揺れで気絶から起きだしたようだ。反対にコモリはヨダレをたらして楽しそうに寝ている。

「この子はいいな!! 大人の苦労もしらないで!!」

 バインはすでに涙声だ。

「おウ!! 起きたのカ!! 今は危ないから気絶してていいゾ!!」

 そんな事言われてもできるはずがないとエリカは思った。

「森の方へ向かってください。この魔法陣は外郭に特殊な紋様を施し、中心点に向かってエネルギーが貯まるようにできてます。その中心点はドラゴニの城の上です。森に入れば魔力の水も道のない所へは流れないでしょう」

「そうか!! この光は魔法陣作成者が造った道を流れているにすぎないから!! 森なんかの障害物があった場合道を造ることができなかったということだ!!」

「言葉がおかしいゾ!! 落ち着け!!」

「できるか!! もう苦しいんだよ!! 息が止まりそうなんだよ!! それに背中がチリチリと熱いんだよ!! てかこれはもう熱いを通り越して痛い!!」

「あっ!」

 エリカが呟くように叫んだ。それと同時に何かが天から落ちてきた。それは地上にぶつかると「ドチャ!!」という気持ち悪い音をたてて弾けた。

「こんどは何!! もう何がきても驚かんぞ!! かかってこいや!!」

「見ロ!! 空からたくさん落ちてくル!!」

 バインがチラリと空を見上げると確かに黒い物が次々と地上へと向かって落ちてくる。右左前横と順番も落下目的も不規則だ。恐らくこの魔法陣内の範囲すべてから落ちてきているのだろう。

 バインは激しい呼吸による酸欠で視界がぼやけ、もうそんなものはどうでもいいように思えた。

「きっと岩か何かだ!! とにかくあの森へ行こう!! もうすぐ着く!!」

「よシ!! お前舌かむなヨ!!」

 アナはエリカに言うと脚力を上げ、さらにスピードが上がった。

「ぬおっ!? おっ、おっ、お前は………あっ駄目だ酸欠で何も浮かばん」

 バインは先へとさっさと行くアナを追いかけるような形で何とか森へと滑り込んだ。すると、2人を追いかけていた光は宙を飛び、中心点へと向かって走り去っていく。どうやら少女の言ったことは本当のようだ。

「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ…しっ、死ぬ。こんなに走ったのはマルスオフレッド認定に追いかけられたいらいだ。酸素が足りねぇ…」

「よしよシ。大丈夫カ?」

 アナは2人を木陰に下ろすとパンパンと服についた埃を払ってやった。

「ありがとうございます」

 エリカが丁寧に頭を下げた。

「面白かった〜」

 コモリがピョンピョンと飛び上がった。どうやらすでに意識を回復していたようだ。バインは怒る気も失せ、地面に大の字に倒れた。

「あっ」

「うン? なんダ?」

「血が…」

 エリカがアナの肩の部分の服についている赤い液体に気づいた。

「血? 何の血だロ? いつついたのかナ?」

 アナは首をかしげた。

 レベッカーとの戦闘は無傷のままで終わったはずだ。兵士の返り血も浴びていない。

 そういえばさっき黒い物が天から落ちてきたときに、地面にぶつかって飛び散ったものが服についたような…。

 アナはペロッとその液体をなめてみた。

(…人の血の味がすル…)

 アナは森の外を見た。光の棒は光の柱となり、規則的に魔法陣内を循環している。天から落ちてきた黒い物はいくら探してもどこにも見当たらない。

(…気のせいカ…悲鳴も叫び声も聞こえなかったシ…)

 アナはあまり気にしないことにした。

「はっ!!!!」

 バインが急に立ち上がった。

「どうしタ!? バイン!?」

 この液体について何か気づいたんだろうか? 呆然と森の外を見つめている。それに目が激しく動揺している。

「…なんてことだ…」

「何かわかったのカ!?」



「…俺の心のアイドル。帝国政府広報統括官、第5皇女『紅紀こうき』様のプロマイド写真落としちゃった…」



 バインは両手で顔を覆うとシクシクと泣き始めた。演技ではなくマジ泣きである。そうバインが『死帝』に入った理由はいつか紅紀様の護衛を引き受けたいからである。

「…バイン」

 アナは同情するようにポンポンとバインの背中を叩いた。

「プロマイド写真?」

 コモリが疑問の顔でエリカを見た。エリカはクスッと笑うとコモリの頭を優しく撫でた。

「…どうやら信用してもよさそうですね」

 あの武装兵達をたった数分で壊滅させた2人の男女。その強さとは裏腹に、ちゃんと人間らしい心を持っている。

 それだけで私は彼らは信用に値すると判断できた。

「また盗撮すればいいサ」

「そだね。お姉さん」

 「盗撮って何?」という顔をコモリに向けられ、エリカは言葉が返せなかった。

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