1. 小さな檻での目覚め
初作品、初投稿です〜!
目が覚めると、赤い獅斗と青い梟が見えた。徐々に意識が冴えていき、周りを観察してみる。自分を見てみると身綺麗にされたようだ。天使が着ていそうな、純白でふわふわとした質感、そして精緻な模様があしらわれたドレスを着ている。先程の獅子と梟は天井に描かれた絵のようだ。
ここは、私達のいた部屋より小さいかもしれない。四方に柱があり、床はとてもやわらかい。不思議な部屋だ。部屋の外にも部屋がある。檻なら納得であるが、この檻には格子がなく、代わりに布がかけられ、カーテンのようにまとめられているだけだ。部屋としか言えない。不思議な入れ子構造打だ。また新たなご主人様の趣味だろうか。ん? “あらたな”?
自身の思考に違和感に気が付くと同時にガチャと外側の扉が開く音がした。
「あれ、起きたのかい?」
「……」
そこには、袖口が広くゆったりとした上掛けを着ている男性が立っていた。そこには私のドレス同様細かな装飾の施されていた。お客様ではなかなか見ない服装だが、しっかりとした生地で誂えてあるようで、それなりの地位を感じさせる。どのような立場なのだろうか。外の部屋に現れた人は、私の部屋のすぐ側に置かれた椅子に腰かける。
「初めまして。僕の名前はアランだよ。君の名前は?」
「……ネアと申します。」
頭の片隅にしかなかったものを思い出すかのように、懐かしさを感じながら自分の名前を答える。
「じゃあ、ネアと呼んでも構わないかな。体の具合はどうだい?」
「構いません。実験をできるほどには、良好です」
「……ネア。もう実験はしないよ」
私の美しい白い衣服より、更に豪奢な服を着ているその男性は、私を憐れむ目で見ながら微笑んだ。しかし、それはオークションの時に、商品に向けられたときのものとはまた違った眼差しだった。
とにかくもう実験はしないようだ。
「では、何をすればよろしいでしょう。貴方様は新しいご主人様なのですか?」
「僕は、ご主人様というより、親かな?」
「親……」
「うん」
「……そうですか」
二人の間に沈黙が落ちる。ご主人様やお客様の前では、基本的に無駄口を叩かず微笑んでいなければならなかった。しかし、男性は気まずそうな顔をしている。そもそもこの方は、ご主人様ではないそうだ。どう対応すればよいのか……。
ふと、自分の顔が普段と違う気がする。あぁ、そもそも私は笑えてすらいなかったようだ。自分の行動、環境、そして彼、全てが幻なのではないかと思い始め、また目が覚めるのかもと思ったその時
「何か、質問などはあるかな? ほら、いきなり、見知らぬ場所に連れてこられて不安だろう。疑問にはなんでも答えるよ」
そう男性は尋ねてきた。
一番の疑問である、ここが夢の中なのか否かは、夢であれば答えるはずがないし、現実だとしても支離滅裂だと思われるだろう。そこで適当な質問をすることにした。




