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盲目の元聖女と元護衛騎士  作者: 立花 みどり


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元聖女と元護衛騎士 03


 安定して魔力視を発動できるようになってきた頃、アロン先生とアルから治癒の仕事の許可が降りた。


 治癒活動の再開については、まずシェーマスの神殿に所属することになると思っていたのだけど、個人での仕事になると言われて驚いた。

 

 この街、というか領全体に神殿が一つもないらしい。


 かつての戦で神殿と一悶着あったらしく、領主様が神殿の人を出禁にしてしまったんだとか。一体どんなことをすればそういう措置になるんだろう。


 神殿がないので、領主様から直接依頼を受ける形になるらしい。


 挨拶に行こうと言われた時は緊張した。

 元神殿に所属していた身なので、もしかして会う前から印象が悪いのでは、怒られるんじゃないかとかびくびくした。


 実際会ってみれば決してそんなことはなく、神殿がないのでとてもありがたい、ぜひともお願いしたいと頭を下げられてしまった。

 こちらこそ働かせてください、ぜひお願いしたい、と始終お互いぺこぺこと頭を下げあった。



 辺境の地、と言われるだけあってシェーマスの土地には魔物が多い。人の暮らす場所に現れるのを防ぐために定期的に討伐が行われている。

 討伐では怪我人が出るので、討伐の日程に合わせて領主様のお城へ治癒しに行く。


 民間の病院では直せないくらいの病気や、流行病が発生した時も依頼が来れば行く。領主様とアルの取り決めで、治癒は領主様のお城でだけ行うことになっている。

 

 この街には長年聖女がいなかったせいか、民間の小さな病院が多い。私が街でほいほい治療をすると彼らの仕事を奪ってしまうことになるので彼らの手の及ばない時だけ城で引き受けているのだ。


 王都に比べると人口は少ないし医療も発達しているから、治癒が必要な人も治癒する頻度もずっと減った。

 それなのに報酬としてびっくりするくらいのお金をもらった。間違ってないかと確認すれば、神殿に払う金に比べればずっと安いし合っていると言われた。神殿からこんな大金をもらったことがないけれど、そうなのだろうか。

 大金を手にしたことがなくて、お金はそこそこの分だけ手元に残して残りはアルに預けている。自分で持っている方が怖い。


 治癒には常にアルが付き添った。

 仕事が忙しいのではないかと確認したら、領内で唯一治癒の力を持つ人をそばで守るのもまた仕事だからと言われた。


 確かに王都では余るほどいた聖女も、この土地では唯一である。


 私が来るまではものすごく高額なお金を払って、隣国から聖女を借りていたらしい。隣国からわざわざ呼ぶほどにこの国の神殿と折り合いが悪いようだ。


 私の治癒に対する報酬を「普通の金額だ」と言っていたアルが「ものすごく高額」と表現していたので、想像もつかないほどのお金を払うんだろう。

 そう考えれば確かに自分は今の所は貴重な人材のようだった。聖女は自分のことは治療ができないので、怪我をしないように生きなくては。


 仕事中もアルが付き添うようになったので一緒に過ごす時間が増えた。特に治療対象が多い時や足元の悪い道ではアルが私をすぐに抱えて歩くので距離感も近くなっていった。


 仕事中もアルは変わらず私に優しかった。治癒ができる便利な人、ではなくて、私をシーラとして扱ってくれた。


 私はそれがとても嬉しかった。

 孤児院でも神殿でも呼ばれることも少なかった名前をたくさん呼んでくれた。


 シェーマスに移住して八ヶ月がたった頃、アルは改めてもう一度私に告白をしてくれて、恋人関係になった。


 恋人になってもうすぐ四ヶ月が経つ。

 関係性が変わってからも、アルの態度は変わらず紳士的なんだろうと思っていたけれど、これに関しては予想が外れた。


 紳士的ではあるけれど身体的接触がすごく増えた。それまで異性との交流なんて神官との事務連絡くらいしかなかったのに、どうにも触れられることが嫌ではないから困る。



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