【伝説の勇者】
この大陸に存在している英雄伝説がある。 英雄一族・最後の生き残りが存在していた。 その英雄一族・最後の生き残りの一人の男が、やがて…伝説の勇者を名乗ることになる。 それが彼―――メメント・モリである。 そしてメメント・モリを含めた勇者一行の五人組がいた。
⑧.メメント・モリ
(死を忘れるな)
25歳:人間:男性:独身
177cm:黄金の鎧剣使用者・BC
黒髪・深紅瞳
英雄一族・最後の末裔
伝説の勇者:禁断の幽術使い
父母:死別
特典異能力【ボルテージ】
⑨.パルフェ
(完璧・フランスのスイーツ)
16歳:エルフ:女性:独身
160cm:3S:B86/W59/H84
灰色髪・碧色瞳
勇者の第二弟子
勇者見習い:禁断の融術使い
父母:不在
特典異能力【スライム】
⑩.アナベル
(アメリカの花)
17歳:猫獣人:女性:独身
161cm:3S:B85/W57/H86
紫色髪・蒼色瞳
勇者の第三弟子
勇者見習い:禁断の油術使い
父母:死別
特典異能力【フラワー】
⑪.リディア
(ある王国の名称)
18歳:人間:女性:独身
159cm:3S:B83/W58/H83
黒髪・茶色瞳
勇者の第一弟子
勇者見習い:禁断の誘術使い
父母:不在
特典異能力【スピネル】
⑫.ドクター・エロス
(ある女神の名称)
38歳:魔族:女性:独身
144cm:漆黒の白衣着用
謎のフード・ローブ・マント・杖
勇者の知人:英雄一族・最後の末裔
伝説の医師:禁断の柳術使い
父母:死別
特典異能力【フォビドゥン】
この五人組パーティーが、とある大陸を旅していた。 彼らが何の目的で何処へ向かって旅しているのか…? この伝説の勇者一行が向かうべき先は…一体…?
そんなある日の夜のこと。
勇者一行が、街と街との中間にある道の横にある空地で夜営・野宿していた。 勇者一行を乗せた馬車を空地に停めて、そこに焚き火をして、パルフェ・アナベル・リディアの三人は即席の枕に頭を乗せて毛布を被って眠っていた。 一方のメメント・モリとドクター・エロスの二人はまだ起きていて、焚き火の方を見つめていた。
「ようやく…ここまで来たか……」
「そうだね……」
「俺たちは一体何処へ向かって行くのだろうか?」
「………?」
「俺たちは一体何をやっているのだろうか?」
「………」
「それを探す旅でもある……」
「大魔王を倒す旅をしているのでは…?」
「きっと、それだけではダメだと思う。 きっと、まだ「何か」が必要なハズだ…」
「その「何か」とは……?」
「―――解らない。 でもきっと、重要な事だ。 それをしないで大魔王に向かうのは、正直いって厳しいハズだ。」
「………」
一体何をすればいいのか?
伝説の勇者だけではなく、何かそれ以上の事をしなければ、大魔王を倒すことはできない。 それは感覚的には理解できる。 でも、それが一体何なのか、よく解らない。 それをしなければならないけど、一体どうすればいいのか、全く解らない。 それが今現在の動揺・困惑・苦悩に繋がっていた。
「だけど……それでも大魔王を倒さないといけないんだろう?」
「ああ、そうだ。 それが勇者としての使命であり、勇者としての誇りでもあるからな。 だから俺が大魔王を倒さなければならないのだ。」
「だけど……今のままでは勝てない―――ということか……?」
「ああ、そういうことになるな」
「……大変だな……」
「……そうだな……」
それでも伝説の勇者は大魔王を倒さなければならない。 それが伝説の勇者としての使命と誇りである。 そして伝説の勇者となったメメント・モリこそが、伝説の勇者から真の勇者『超勇者』になれる最後の希望でもある。 だから一体どうやったら『超勇者』になれるのか、その『超勇者』の定義とは一体何なのか? それを探す途方もない旅でもある。 だがしかし、あえてもう一度言う。 それでもメメント・モリは大魔王を倒さなければならないのだ。
「私から、あなたに聞きたいことがある。」
「……なんだ?」
「あなたは "エロ術師" というのを知っているか?」
「…… "エロ術師" ……? なんだそれは……?」
「そうか……まだ知らないか……」
「?」
「いや、つまらないことを聞いて悪かったな。 今のは忘れてくれ」
「?」
――― "エロ術師" ………??
なんだ……ソレは……!?
「それでは、そろそろ私も寝かせてもらうよ」
「ああ、わかったよ」
そう言うと、ドクター・エロスもパルフェたちと同じように即席の枕に頭を乗せて毛布を被って眠ってしまった。 一方のメメント・モリはまだ寝る様子も見せず、一人だけ焚き火を見つめていた。 こうして、夜も深まっていった。
翌日、勇者一行が全員起床。 簡単な朝食を済ませて、馬車に乗っていき、近くの街へ到着した。
街は賑やかで、人の往来も盛んである。 道が人で溢れていた。 ちなみに馬車は街の外の所定の場所に停車してある。 勇者メメント・モリ一行は街の大通りを歩く。
「「………」」
「賑わってますね?」
「ええ、そうね」
「なかなかいい所ですよね?」
「ああ、そうだな」
「これからどうします?」
「買い物してから冒険者ギルドに行く?」
「ああ、そうだな」
「いや、先に冒険者ギルドに行ってから、買い物した方がいいのでは?」
「………」
「だが…その前に宿屋に行った方がいいんじゃないのか?」
「ああ、そうだな」
大通りを歩く勇者一行。
ここでやるべきことは、冒険者ギルドへ行くことと、必要な物を買い物することと、今夜宿泊する宿屋を予約することである。 まず、何処から行くべきか、迷っていた。
街中・雑踏・人混み―――
そんな中、勇者が不思議な人物とすれ違った時、ある違和感を覚えた。
「!?」
だが、あえて後ろを振り返らずに、気づかないフリをして、そのまま前へ歩き続けた。 今のは一体誰だったのか、それを確認するすべはない。
「………」
その後で結局は、最初に行ったのが…冒険者ギルドであった。
━・ー●ー・━
この大陸に存在する英雄伝説がある。 英雄一族・最後の生き残りが存在する。 そんな英雄一族・最後の生き残りの一人の男が、やがて…伝説の勇者と称する。 それが彼―――イモータルである。 そして、そんなイモータルと共に聖女もいる。
⑬.イモータル
(不死者)
27歳:人間:男性:独身
180cm:黄金の鎧剣使用者・BC
黒髪・真紅瞳
自称勇者・ぼっち属性
必殺技:バーストフェニックス
父母:存在せず
特典異能力【インフェルノ】
⑭.アクエリアス
(水瓶座)
22歳:人間:女性:独身
160cm:3S:B88/W57/H89
金髪・真紅瞳
勇者の監視者
聖女:禁断の聖術使い
父母:死別
特典異能力【ミネルヴァ】
何故、勇者と聖女が一緒にいるのか、この二人の関係は一体何なのか? 何故、勇者と聖女の二人が、こんな所にいるのか…? この二人の目的は一体何なのか? それがわかる時が来るのか…?
そんなある日の夜のこと。
勇者と聖女の二人が、街と街との中間にある道の横にある空地で夜営・野宿する。 その空地の隅っこに焚き火をして、イモータルとアクエリアスが焚き火を見ている。
「………」
「………」
「―――何故、オレと一緒にいる…?」
「あなたが勇者だからです」
「オレが勇者……だからか?」
「はい、そうです。 あなたが伝説の勇者であり、『超勇者』になれる可能性があるからです。」
「―――伝説の勇者………『超勇者』………か………」
「はい、そうです。 伝説の勇者が一体何人いて、そこからどうやって、幻の真の勇者『超勇者』になれるかは、私にも解りません。 しかしながら、もし本気で大魔王を倒すつもりがあるのなら、あなたは『超勇者』にならなければなりません。 それが大魔王を倒す唯一の方法だからです。」
「その『超勇者』とは、一体何なんだ?」
「はい、その『超勇者』とは、全ての種族・職業・階級・爵位・ランク・レベルなどを超えた最強の存在。 同じく全てを超えた大魔王を相手にするならば、あなたも伝説の勇者をも超えた存在『超勇者』にならないといけません。」
「その『超勇者』になる方法は?」
「残念ながら、その方法は自分で見つけなければなりません。 その方法を見つけた時にこそ、あなたは選ばれた存在『超勇者』になれるのです。」
「自分の力だけで見つけろか………なるほど、確かに他力本願ができないイベントのようだな。 つまり、その『超勇者』とやらを見つけ出して、ならないと大魔王に勝てない……ということか……?」
「はい、その通りです。 付け加えて、その『超勇者』を上手く使いこなさないといけません。」
「―――そうか……」
「その為に私がここにいるのです。 そして私の……『聖女』の力が必要になるでしょう。」
「………」
伝説の勇者の中でも、選ばれた存在でしかなれない『超勇者』。 その力を得れば、たとえ相手が大魔王でもなんとか打倒・封印ができるはず。 しかし、その方法も手段も誰も知らない。 否、今まで誰も知らないのだからこそ、この世はまさに大魔王の天下なのだ。 それをさせない為にも一刻も早く、その『超勇者』になる方法・手段を見つけ出して、その力を使いこなさないといけない。 そもそも『超勇者』が一体どういったモノなのか、全く誰にも解らない。 まさにここからが問題なのだ。
「それから私から、あとひとつ…聞きたいことがあります。」
「……なんだ?」
「あなたはエロ術師って知ってますか?」
「……エロ術師……?」
「―――知らないですか?」
「ああ」
「そうですか? 判りました」
「………」
―――エロ術師……だとっ!?
なんだ……ソイツは……!?
「もうそろそろ眠りますね」
「ああ、わかった」
「それではお休みなさい」
「ああ、お休み」
そう言って、アクエリアスが即席の枕に頭を乗せて毛布を被って眠ってしまった。 一方のイモータルはまだ寝ずに、一人だけで焚き火を見つめている。 こうして、夜も深まっていった。
翌日、勇者と聖女が起床。 簡単に朝食を済ませてから、そのまま向かって行って、近くの街に到着する。
街は賑やかで、人の往来が盛んである。 道が人で溢れている。 勇者と聖女も街の道を歩く。 ちなみに彼女を誰も聖女だとは気づいていない。
「「………」」
「なるほど、賑わっているな?」
「はい、そうですね。 これからどうします?」
「そうだな。 君はどうする?」
「そうですね。 まず買い物からですかね?」
「なるほど、まずは買い物からか……」
道を歩く勇者と聖女。
ここでやるべきことは、冒険者ギルドへ行くことと、必要な物を買い物することと、今夜宿泊する宿屋を予約することである。 まず、何処から行くべきかを迷っている。
街中・雑踏・人混み―――
そんな中、勇者が不思議な人物とすれ違った時、ある違和感を覚える。
「!?」
だが…あえて後ろを振り向かずに、気づかないフリをして、そのまま前へと歩き続ける。 今のは一体何者だったのか、それを確認する方法がない。
「………」
その後で結局、最初に行った所が…冒険者ギルドだった。
━・ー●ー・━
それでも・・・やっぱり―――【ボクはエロ術師】―――なのか・・・?
※BC→→【ブラック・カード】=勇者の身分証明書のことである。