【円卓会議】
大陸全土にある王国のお姫様が大陸の中央にある某所古跡の地下の一室にある円卓に座り話し合うシステム。 七つの王国に一人ずつお姫様がいて、それぞれが特殊な方法で全員と連絡を取り合い合流して、円卓を囲って夜な夜な話し合う。
①.ストレス姫
(外部からの刺激による緊張状態)
24歳:人間:女性:独身
159cm:3S:B82/W57/H83
黒髪・紫色瞳
大陸北側ストレス王国
父・国王トップ:武器防具産業
母・王妃
特典異能力【フリーダム】
②.ガバナンス姫
(組織統治および管理)
24歳:人間:女性:独身
158cm:3S:B83/W58/H84
クリーム色髪・茶色瞳
大陸北東側ガバナンス王国
父・国王トップ:片栗粉農業
母・王妃
特典異能力【インデックス】
③.ハラスメント姫
(肉体的・精神的な不快感・不利益)
22歳:猫獣人:女性:独身
163cm:3S:B86/W59/H88
ピンク色髪・黄色瞳
大陸東側ハラスメント王国
父・死別
母・女王トップ:造船産業
特典異能力【ミラージュ】
④.バイオメトリクス姫
(生体認証システム)
24歳:人間:女性:独身
158cm:3S:B82/W57/H84
茶色髪・碧色瞳
大陸南側バイオメトリクス王国
父・国王トップ:漁業
母・王妃
特典異能力【カーディナル】
⑤.コンプライアンス姫
(法令遵守)
28歳:エルフ:女性:独身
160cm:3S:B86/W59/H89
水色髪・翠色瞳
大陸西南側コンプライアンス王国
父・不在
母・女王トップ:パン粉農業
特典異能力【ジャスティス】
⑥.コンプレックス姫
(感情の複合と劣等感)
28歳:エルフ:女性:独身
161cm:3S:B87/W58/H90
黒髪・ピンク色瞳
大陸西側コンプレックス王国
父・不在
母・女王トップ:小麦粉農業
特典異能力【インビジブル】
⑦.インスピレーション姫
(直感・閃き)
36歳:魔族:女性:独身
163cm:3S:B88/W60/H91
赤髪・紅色瞳
大陸中央魔族の国・インスピレーション王国
父・魔王トップ:養鶏場産業
母・死別
特典異能力【カラミティ】
女神ウルズが創造した異世界。
スーパーフォーンが普及した世界。
このスーパーフォーンとは、小型端末で出来ていて、そこから時計・通話・通信・動画・転送・娯楽などができて魔法・異能力以外では、普通の一般人でも使用できる唯一の人工的な魔法・異能力である。 製品や製造については不明。 現在は特定の道具屋で購入可能。 金額としては、道具屋でまちまちだけど、銅貨3枚ぐらいだと思われる。
お姫様は全員で七人。
しかし、円卓には八席用意されている。 つまり、一席がまだ空いている状態なのだ。 その七人のお姫様が、それぞれ指定された椅子に座る。 大陸中から集められた王族の皇女が某所地下にいる。
「それでは今夜も夜姫会議を始めます。 皆様、宜しいですか?」
(訳して、夜コン)
「「「はい」」」
「ああ」
「はいは~い~」
「アレ? 一人足りませんけど…?」
「後から来る予定です」
「勿論、用事が済めばの話です。」
「はい、判りました。 では先に進めましょう」
「まず小麦粉・片栗粉・パン粉の製造・収穫状況についてですが…」
「私の所は大丈夫です。 収穫も問題ないです」
「私の所も大丈夫です。 収穫も順調です」
「私の所も問題ないです。 収穫も進んでいます」
「それでは引き続き宜しくお願いします。」
「「「はい」」」
小麦粉・パン粉・片栗粉は主にパン・蕎麦・うどん・揚げ物料理などに重宝される料理の必需品である。 どうやら今年は製造・収穫共に順調のようで、ホッと一安心だ。
「次に鳥と魚ですね?」
「漁業と養鶏場の様子はどうですか?」
「私の所は問題ありません。 順調に魚が獲れています。 問題なく出荷できると思います」
「私の所も問題ないよ。 順調に鶏も育っていて、鶏肉も卵も問題なく、出荷できるはず」
「それは良かったです」
「それでは引き続き宜しくお願いします。」
「はい」
「わかったよ」
漁業も養鶏場も食用・食材としては、立派な収入源。 魚と鶏肉・卵は食卓に並ぶ料理の具材として取りこぼすことはできない。 今年も順調だと聞いて、とりあえずホッと一安心だ。
「続いて武器防具の製造・販売と造船所の経営・運営についてですが、武器防具の製造・販売は順調に推移していて、取り扱い・売れ行き共に順調です。 このまま継続していきます」
「造船所の経営・運営も順調です。 連絡船や漁船なども問題なく稼働しており、新しい船もどんどん製造しております。 こちらも引き続き続けていきます」
「武器防具の新作もどんどん出ているのですか?」
「はい、強力な武器防具もどんどん出ています。」
「そうですか、それは良かったです」
「ふぅ~ん、そうかい」
「はい、判りました。 では引き続き宜しくお願いしますね。」
「「はい、判りました」」
食べ物ではないが、武器防具と船も製造・販売しており、売れ行きも順調そうだ。 主に軍や冒険者や港経営や漁師などが購入している傾向である。 当然、魔族も購入している。
どうやら今年も小麦粉・片栗粉・パン粉・漁業・養鶏場・武器防具製造・造船所共に高水準の順調をキープしているようだ。 これでまた来年に向けて弾みがつきそうだ。
「続いて魔法虫について、なんですけど…?」
「ええ、そうですね。 魔法虫は外来種なので、在来種の昆虫に影響を及ぼす場合があります。」
「魔法虫……ですか?」
「そもそも魔法虫って、何処から来たんだ?」
「それは解っていません」
「あの魔法虫が一体何なのか、何処から来たモノなのか、未だに調査・研究が続けられています。」
「単に魔法が使える昆虫ではないのですか?」
「そんな簡単な問題ではないと思いますけど……」
「そうか……」
「私共の王宮魔術師たちも魔法虫についての調査・研究が進められています。 全容解明には今しばらくのお時間が必要かと思います。」
「そうか、なるほどね」
「はい、魔法虫については、今後も注視する必要がありますね?」
「はい、果たして魔法虫とは、一体何なのか、注視する必要があります。」
「「はい、判りました」」
「……」
その魔法虫とは、一体何者なのか、随時調査・研究中だとしている。 外来種らしいが一体何処からやって来て、どうやってこの大陸に紛れ込んできたのか、また容姿・能力・生態系など、そのほとんどが謎に包まれた存在である。 いずれにしてもサンプルを捕獲して、調査・研究したいところだけど、稀少価値が高すぎて、なかなか見つからないようだ。 まずは魔法虫のサンプル確保を優先的に進められてる。 この魔法虫の謎を解析するために―――
「魔法使用の実用性についてですが―――」
「たしか……人間では "魔法使い" や "賢者" といった特殊な職業でないと使えないとか……」
「あと…… "勇者" とか "魔法剣士" とかも魔法が使用可能です」
「しかし、当然……普通の人間には魔法の使用が出来ません。 やっぱり一般人には無理なのでしょうか?」
「少なくとも魔族でもある一定の階級・爵位・能力がないと、魔法は扱えないと思う。」
「それに亜人や獣人なども限られた者だけしか魔法が使えないと思うけど……」
「そうですか。 全ての者が好きな時に魔法が使えるみたいな事が出来ますかね?」
「そんな都合のいい事が出来るのか?」
「「「………」」」
「そうですか。 確かにそうですよね?」
「なるほど、魔法ですか………」
この世界にも魔法は当然ある。
だけど…限定された者・職業や階級・爵位・能力等がある程度あるモノしか使用できないシロモノになっている。 とてもじゃないけど、全ての者が好きな時に自由に使用できるシロモノじゃないのだ。 しかし、ここの王国の姫たちには、それでも魔法使用の可能性を求めている。 何故、そこまでして魔法使用にこだわるのか、それは単に攻撃方法・攻撃種類の幅を広げたいだけではないのかもしれない。 また魔法については、引き続き研究・開発していく。
「最後に勇者についてです」
「伝説の勇者が二人いることが判明しました。」
「へぇ~、それはぁ~」
「あらあら、それは凄いですね?」
「………」
「それで伝説の勇者は『超勇者』になれるのか?」
「いいえ、残念ですがまだです」
「そうか、まだ伝説の勇者止まりか………」
「伝説の勇者が『超勇者』に覚醒すれば爆発的に圧倒的に力が増します。 それはもうとんでもない力を生み出すでしょうね。」
「伝説の勇者が『超勇者』にさえなれば、あの大魔王とも互角以上の戦いが出来ます。 もしかすると勝てるかも……?」
「あの大魔王に勝つには、伝説の勇者だけではダメです。 少なくとも『超勇者』になる必要があります。」
「でも…まだなれないんだろ?」
「はい、残念ながら……。 でも…希望は持たないといけません。」
「必ずなれると信じて―――」
「……希望……ねぇ~~~」
「………」
伝説の勇者は二人いた。
あの大魔王を倒せるのは、伝説の勇者だけ。 しかし、それだけでもまだ足りない。 そこからさらに進化・成長して、伝説の勇者が『超勇者』になる必要がある。 しかし、伝説の勇者が『超勇者』になった記録や文献はなく、未だにこの世界では大魔王の天下であり、支配が続いていた。 ここからいかにして、伝説の勇者が『超勇者』になるのか、そこが勝負のポイントとなる。
今回は『産業・農業・製造』に関する問題と『魔法虫・魔法使用』に関する問題と『伝説の勇者・超勇者』に関する問題の三つの問題を話し合った。 しかし、今夜は最後の一人、八人目の者は結局現れなかった。
「それでは今夜の会議はここまでとします。」
「皆さん、お疲れ様でした」
「次回の会議の詳細はおって連絡します。」
「はい、判りました」
「はい、了解しました」
「それでは皆さん、失礼します」
「お疲れ様でした」
「お疲れ様」
こうして、今夜の夜姫会議は終了した。
(訳して、夜コン)
七人の姫たちが立ち上がって、それぞれの王国に帰還する。