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第八十六話 こいつ!脳内に直接ッ!?

 ヤンニョムチキン味を犠牲にしながら、家へと誘導し終えた。玄関先でこいつをどこに押し込もうと考えていると月島ちゃんが玄関から出てきた。


 月島「悟さん!?」


 悟「何と言うか、察してくれると助かるんだが」


 月島「まあ、分かりますけど。この子どうするんですか?」


 悟「弱ってそうな感じもあるし、元気になるまで面倒見ようとは思うんだが。それでもいいか?」


 月島「私は別に構いませんけど、この子どうします?どこに押し込むんですか?」


 悟「そう、それ今考えてる。家自体は広いから放置でもいいかとも考えてる。」


 月島「それ大丈夫なんですか?」


 一先ず、サラダチキンを皿の上に置いて竜を外に放置し、一応自室の窓から竜を監視しながら深夜ぐらいに竜が寝たのを確認し俺も寝た。


 ────────…俺は水面から上を見ていた。


 聞こえるのはいつも、ぷくぷく、ぶくぶく…という水の音だけで、見えるのは水面越しの空だけだった。それに対する特別な感情はなかった。寂しいとも苦しいとも思わなかったし、嬉しいも楽しいもなかった。


 そんな時間を…どれくらいだろうか…結構な間そうして過ごしていた。


 しかしある日、樽状の体に球根状の首と五芒星型の頭を持った生物がやって来て、わけのわからないことを話しながら、俺を水面から持ち上げた。


 俺のことを「――――」と呼んで、彼の住処と思しき室内に連れて行き、俺に頭絡(とうらく)とハーネスのようなものを装着する。


 それからは苦痛の日々だった。


 ある日は一日中重たい荷物を運ばされた。


 とある日は一晩中固い岩を削らされた。


 またある日は巨大な生物たちと戦わされた。


 初めて「辛い、苦しい」と感じた。逃げたいと思った。自由で、安全で、優しさのある場所へ行かねば、そう思った。


 そうして俺は逃げた。光が点々とともった場所へと駆けた。


 「──…」


 「──…」


 後ろから、必死に名前を呼ばれている。俺は振り返らずに走った。


 




 名前を呼ばれて、目が覚める。目の前には”竜”があなたの顔を覗き込んでいた。


 そして


 「悟!」


 と。言葉を発したのだ。

 いや、正確には”話した”のではなく、脳内に直接語りかけてきた、と表現するのが良いだろうか。テレパシーか何かを使って、俺に話しかけたのだ。


 悟「こいつ!脳内に直接ッ!?というか、SIZ小さくなってね?」


 

 








 萬代社-社長室


 萬「Mr.G、今回君に依頼したい仕事があるんだけどいいかな?」


 Mr.G「どのような依頼で?」


 萬「楽器断罪を使って、ある町の調査に行ってもらいたくて。」


 Mr.G「別に構いませんが、調査というのは?」


 萬「神話生物に動きがあった。それも結構厄介めな存在でね。その神話生物が動き出した理由はまだわからないが、おそらく数日前から騒がれている竜の情報関連だろうと踏んでいてね。」


 Mr.G「具体的な調査について聞きたいのですが…」


 萬「おっと、すまなかった。調査は竜についての調査と中川悟についてだ。彼のことは信頼してるけど、念の為だね。」


 Mr.G「彼に信頼を置きすぎではありませんか?前も述べたようにあの男は既に我々の世界では死亡しているのですよ。」


 萬「確かに、彼は死亡している。だが、今僕たちが接触している中川悟はアレとは別だ。悟はシナリオの攻略に前向きだ。そんな彼が僕たちの敵にでも回ると思うかい?」


 Mr.G「ですが、彼がニャルラトホテプと接触を果たしているという事実に変わりありません!それこそ既に唆されているとするのであれば、お前から制裁に向かってるはずだろ!?」


 萬「Mr.G…いや、後藤くん。確かに彼が既に唆さられているのであるなら、僕は彼を殺す。けど、今の彼からはその予兆が見られない。心の奥底にあのニャルラトホテプを信仰するような心はなかった。」


 Mr.G「お前がそう言うなら信用するが、一応はそのことを考慮して調査を行う。それでいいか?」


 萬「ああ、それで構わない。頼んだよ、後藤くん。」

セーフってことでいいんだよね?

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