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第四十二話 悟の考察

 月島たちが学校に行っている間の午前、俺は部屋で1人ノートに色々とメモにまとめていた。あの時初めてニャル子に会った時に渡されたAF(アーティファクト):キャラシメーカーを手に取り振り返りながら。


 まずこの世界のわかっていることについてまとめよう。


 この世界は今、俺たちが住む現実世界とCoC世界の2種類が混ざり合い、融合状態である。

 その根拠としては、絶望の孤島に行った時にニャル子が言っていた、CoC世界が崩壊しかけており、並行世界の一つと一体化させて、バランス保たせると。

 この発言でまず疑問となってくるのは"CoC世界が崩壊しかけている"ということ。

 何であの世界が崩壊しかけているのかは検討しようがない。アザトースが正規召喚されたとかぐらいの出来事じゃないとCoC世界はそう簡単には崩壊なんて起きやしないからだ。

 そして最近になってわかったこと、伊角の中にいるイス人についてだ。

 伊角の中にいるイス人は何者からか追われている可能性が高い「私の正体がイス人であると言うことを悟られないため」と言ってたのが何よりの証拠である。

 まあ追っているのは予想としてはティンダロスの猟犬だろうな、アイツらは某アニメで言うタイムパトロールみたいな存在だ。

 基本的に時間旅行や未来視・過去視を行った際に、アイツらの存在する時空(角ばった時間)に接してしまうことで、ターゲットロックオンされる。イス人は精神を過去に飛ばす事ができる神話生物だし、大抵のイス人はアイツらを回避できるが、伊角の中のイス人がヘマでもしたんだろう。


 そして一番重要な事が伊角の口から溢れていた。

 伊角が3年前に脳死状態で亡くなったところに、イス人が乗り移って今の伊角がいる訳だが。

 既に3年前にこの現実世界にイス人が存在していたことになる。有り得ない話だが、事実だ。

 だけどここで1つ違和感を覚える。それはどちらの世界のイス人であるのかどうかだ。

 この世界には数多くの銀河が存在する。俺たちが住んでいるのは天の川銀河だが、現状俺たち地球生命体以外の観測はできていない。宇宙は無限に膨張するだったらイス人に酷似した生命体も存在する可能性がある。

 さらにで言えば世界の融合は一体どのタイミングで始まったのか?という疑問が出てくる。

 俺がキャラシメーカーを貰ったのは2024年の4月5日つまりは約1ヶ月前になるのだが、俺が絶望の孤島で融合の話を聞いたのは、その翌日、5日の土曜日だ。

 最初は世界の融合が始まったのはここ最近のことだと思っていた、最初に会った時はニャル子もそんな焦ってはいなかったからだ。だが伊角が3年前にはイス人に乗り移られていることを考えると。

 この世界は3年前から融合していた。

 3年前以上から融合は始まり、つい最近になって融合が完了した。のどちらかになる。


 ニャルラトホテプ、あいつは一体何を考えているんだ。

 

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