第三十三話 プレイヤーにホラーは効かないはず
悟「なんでこのタイミングで非日常開始するんだよ!」
伊角「シナリオ...あっ、悟が前に言ってたクトゥルフ神話trpgのことかい?」
悟「説明すると難しんだけど。」
俺は今まであったことを事細かく話した。クトゥルフ神話trpg世界と現実世界が融合していることや月島ちゃんのこと。
悟「でも何でお前までシナリオに巻き込まれているんだ?もしかしてあのノート使った?」
伊角「いや、私は手にとって見たぐらいだよ。」
悟「じゃあその指の傷は?」
そう言われると伊角はハッとした表情をし、指を見る。伊角の人差し指には紙で切れたかのような傷ができており、血が流れた跡があった。
伊角「たぶんこれのせいかな?」
悟「ぜってぇそれだ。とりあえずはコンビニ目指そう。」
現在地から振り返らずにコンビニに行くには以下のルートを通らなくちゃいけなかった。
最短ルート
住宅街を突っ切り、ほぼ直線距離で行くことができるが住宅街なため、街灯が少ない。
大通りルート
大通りに出る。街灯が多く信号がそこそこあるが最短ルートより距離がある。
遠回りルート
軽い坂道を行く遠回りになるが神社などがあり神聖さを感じる、あの化け物は襲ってこれないかも?ある程度車も通る道なので街灯も信号もある。
悟「どのルートで行く?」
伊角「そうだね、どんな神話生物かもわからなかったんだろ悟?なら急ぐのもいいけど見失うのもまずいと思うんだ。だから遠回りの方がいいと思う。」
俺たちは直進せず、少し遠回りする道を選んだ。
坂道を登ると左手に公民館が見えてくる。
深夜なのでもちろん閉館しており、人の気配はない。
[悟
アイデア(75)→失敗(89)
伊角
アイデア(??)→成功(52)]
伊角「ここ確か、普段は子どもの折り紙教室や、主婦向けの生花教室などをやってたよね?」
悟「そう言えばそうだったな。小さい頃よくお世話になっよな、ここに集まって部屋借りて3dsとかで遊んだよな懐かしいぜ。」
伊角「あれもうネットサービス終了してるらしいね。」
悟「まじ!?知らんかった。」
雑談をしながら公民館を通り過ぎると、後方から子ども達の遊ぶ声が聞こえてくる。
トントントン
後ろからオレンジ色のボールが転がってきた
「あっお兄さん達すみませーん!」
後ろから声をかけられる。
「ボール投げてもらえますか?」
その時、俺たちは不思議に思った。
先ほど公民館の近くには人の気配がなかった。
そもそもこんな時間に子どもが外にいるはずがない。
後ろにいる子どもの声は一体何だ?
SANチェック[1/1d2]
[悟
正気度ロール(80)→成功(67)
SAN80→79
CON × 5(75)→成功(16)
伊角
正気度ロール(74)→成功(7)
SAN74→73
CON × 5(60)→スペシャル(11)]
俺たちは後ろからかけられた声に耐え、振り返らなかった。
しばらくすると目の前にあったボールは消えた……。




