第二十九話 おひさー
家近くの公園にて俺は友達を待っていた。久しぶりの再会で若干の興奮している。
現在時刻の18時、公園のベンチに座っていると遠くの方から声をかけられる。
「久しぶりー!」
悟「この声は!」
声をかけられた方を見ると、黄と紫色が交じった長髪の男とも女とも取れないような中性的な見た目をした人がこちらに向けて手を振っていた。そう俺の友達伊角真人である。
悟「久しぶりだな、伊角!」
伊角「おひさー悟。」
悟「体調の方は大丈夫そうか?」
伊角「おかげさまでね全然健康だよ、病院生活がこんなにも長引くとも思ってなかったよ。」
悟「それにしても、相変わらずすげぇ髪色してんな、さすがは副業でモデルやってるだけあるな。」
伊角「まあねぇー。」
そうこの男副業でモデルをやってんのである。こいつは大学で生物学を学び23歳時点で博士号を取得できるほどにやべー天才である。
本来ストレートで博士号を取るのは27歳ごろとと言われているがこの天才は17歳で飛び入学し、3年間で学士を取得した時点で20歳。修士1年、博士2年で、最短23歳の最速ルートで来た生粋の研究者である。
んで何で23歳と20歳がこんなに仲がいいと言う話なんだが、同じ塾、同じ英会話教室と、やたら一緒になる事が多く、親同士の仲が良く、幼少期から一緒にキャンプとか行っていたため、友達と家族の中間みたいな関係性になっている。
悟「じゃスーパーで飯買った後に宅飲みするぞ!」
伊角「おー!」
悟「骨折+病み上がりなんだから酒入れるのもほどほどにしろよ?」
伊角「わかってるさ。」
悟「ならいいんだけどよ。」
そして俺たちはスーパーで買い物を済ませて家へと向かっていた。その道中伊角が疑問を吹っかけてきた。
伊角「ところで悟。」
悟「ん、なんだ?」
伊角「姪っ子の面倒見てるって言ってたけど今日はいるのかい?」
悟「ああ、いるけどどうかした?」
伊角「私のファンだったりしたどうしようかと、だって一応は結構大手の事務所のモデルやらせてもらってるから知名度自体はあるわけじゃん。何と言うか絡まないでほしいなぁと。」
悟「そこは安心しろ、何しろ上京したての田舎娘だから。」
そう言って俺はこんなポーズをするd( ̄  ̄)
伊角「それ信用していいんだろうか?」
とちょっと不安しながらも伊角は姪っ子のことを信じてくれた。ちょろいな。これなら月島ちゃんのことに勘付かれることはないだろう。昔から頭が回るから嫌なことにも勘づくからな。




