第十一話 絶望から脱却後
あの日、非日常に入り込んだと思っていた。でも、その本質は俺たちの世界とCOCの世界が混ざり合っている状態ってニャルが言っていた。
俺のせいでこんなことになったのだろうか?
最近となってより一層不可解な失踪事件などが相次ぎ、世の中は少しの混乱状態になっている。
現状この世界は一つのシナリオの並行上の世界と仮定した時、全ての終わりのシナリオがある。
そしてそのシナリオによってこの世界はCOC世界ごと壊れるのだろうか、それとも、取り込まれるのか、それは定かではないが不安が募るばかりである。
絶望の孤島からの帰還後、スマホに一件のLINEが入る。
《LINE (ニャル)》
(悟さーん!今後のシナリオ予定なんですけど。実は僕お仕事とかバイトとかで、土日くらいに唐突に始まります!)
(ふざけんな、凄くめんどくさいです。)
(良いじゃないですか!悟さんの夢を叶えてあげているんですから。)
(それはそうだけどさ。)
(まぁ気長に待っててくださいよ。)
(わかった)
(気になったんだけど、お前どんな仕事してんの?てか仕事する意味あるの?)
(悟さんが僕に興味を持った...!?ウレシイ。あっ、仕事は萬代社で働いてます!バイトはコンビニバイトとか色々です。)
(そっかお前人間の時は、全技能自動成功だもんな。)
(そ、そうですよー、僕は完璧で究極の邪神ですから!)
(あと一つ聞きたいんだど、シナリオのクリア報酬ってあるの?)
(そういえばそうでしたね、シナリオ報酬SAN値回復1d10!)
(銀の鍵って今後も使える感じ?)
(まぁ、いいか。使って良いですよ!)
てか、あいついつの間に俺のLINE追加しやがった?とりあえずはSAN値回復するか。
[SAN値回復
1d10→7
SAN(72)→(79)]
AFの欄に銀の鍵を追加してと、これでok。でも銀の鍵持ってても使う機会少ないからなぁ。正味あってもなくてもそんな変わらないし。
戦闘もなんか疲れたし、今日はとりあえず寝るかー。明日は土日で大学もないし、ゆっくりするかー。
俺は風呂に入り布団に潜り込んで、体を寝かせて目を閉じる。
今度はどんなシナリオが襲ってくるのか不安が過るが、今はどうだってよかった、初シナリオで生還できた、それだけでも俺は満足して意識が遠のき眠りにつく。
目が覚める。寝ぼけた頭で周りを見渡す、いつものように見慣れた空間、全面が真っ白で、四角く、四方に四つの扉と目の前にテーブルがある。
あれ?なんかおかしくね?
俺が目覚めたそこは家ではなかった。知ってるけど知らない空間、そして案の定テーブルの上に置かれている一つのスープ皿。
あっ…これ毒入りスープだ。