第7話:見覚えのある女の子
ここは一体どこなのか?
部屋の窓から外を見ても、雪景色の深い森が見えるだけ。
俺とモチは部屋の外に出て、あちこち見て回った。
部屋の外は扉がズラリと並ぶ廊下だった。
壁も床もレトロなデザインで、ヨーロッパの古城風味だ。
照明は電気ではなく、光る石がランプのようなものの中で輝いて辺りを照らしている。
廊下の左右は扉ばかりで窓が無い。
突き当りまで進んだら、ようやく窓があった。
その窓から、別の建物が見える。
「「あっちも見に行こう」」
ハモったからOKだな、という事で次の建物も見に行く事に。
通路の突き当りには階段があり、降りて行くと外への出入り口はすぐ分った。
「どこ行くの?」
「「!!!」」
外への扉を開けようとしたら、いきなり声をかけられた。
モチと揃って飛び上がりそうなくらい驚きつつ振り返ったら、そこにいたのは小柄な女の子。
あれ? なんか見覚えあるぞ?
ピンク色の髪、たぶんそれも地毛なんだろう、肩くらいの長さのボブヘアの可愛い子。
幼くなってるけど、その顔は…
「「カジュちゃん?!」」
ハモりつつ聞いたら、女の子は苦笑して「うん」と答えた。
カジュちゃんは俺やモチと同じ会社・同じイベントチームの準社員だ。
声優を目指して声優養成スクールも通った事があるその声は、ちょっと高めのアニメ声。
見た目は可愛いけどたまーにそのアニメ声で毒を吐くので、残念な美少女と言われている。
って事はカジュちゃんも異世界転生か?
とりあえず、カジュちゃんに話を聞いてみよう。