第76話:聖歌鳥
リユが机の引き出しで飼ってる水色ヒヨコ。
ふわふわ、ぽわぽわの丸い体型でメチャ可愛いんだけど。
手乗りサイズで、巨大ヘビの腹の足しになるようには思えない。
「先生、これ何の鳥ですか?」
モチと俺は研究棟へ行き、ヘビを渡すついでに、水色ヒヨコの画像をロッサ先生に見せてみた。
「これは聖歌鳥のヒナだね」
ロッサ先生、すぐに分った様子。
さすが動植物学部の先生だね。
「ウタドリのタマゴを、聖女が孵化させると生まれる神鳥だよ」
「「聖女?!」」
続く先生の話に、ハモるモチ&俺。
リユ、聖女なのか。
世界樹の民の転生者で、巨大ヘビをボコり倒したくらいだから、てっきり女勇者かと思ったよ。
魔法学部の生徒なのに物理で倒してるから、女格闘家って言われたら納得しちゃうかも。
何なら狂戦士………イヤ、ナンデモナイ
聖歌鳥については、俺は禁書を読んで少し学んでいた。
優しい柔らかな旋律で歌う鳥で、メンタルを癒やしたり勇気付けたりすると書いてあった。
その鳥の主となる者にも、同様の力が宿るとか。
「親鳥は多分、リユ君の髪色を見てタマゴを託したんじゃないかな」
「それってピピルが俺にタマゴ当てさせたみたいな?」
「おそらく、そうだろうね」
魔法協会のガラポン抽選会で、俺に特賞を当てさせたチッチとピピル。
それはチッチが1等を当てたかったのもあるけど、ピピルは福音鳥仲間の魂が俺にくっついてるのを見て、生まれさせる目的もあったと後から聞いた。
更に裏の裏事情を聞いたら、イツキの召喚獣のホムラからも頼まれていたらしい。
ホムラは同じ不死鳥の魂が、モチに付いてる事に気付いていたという。
「それで、まだ食べるとこ少ないヒナを、どうしてヘビが狙ったんですか?」
「それはおそらく、聖歌鳥が魔法の威力や魔力を底上げするからかな。食べる事で、その力を取り込もうとしたのかもしれない」
俺の問いに、ロッサ先生はヘビの狙いは空腹を満たす以外にあると教えてくれた。
「そういえば、カジュもウタドリのタマゴを育ててたよ」
すると、ヘビを調べつつ先生の話を聞いていたチッチが、ハッと気付いた感じで告げてくる。
「「行ってくる!」」
そこまで聞けば、モチも俺も次は予想出来た。
「じゃあワープさせるよ」
「「ありがと!」」
チッチの好意に甘えてワープしたんだけどさ。
転送魔法覚えたての人に、飛ばしてもらうもんじゃないね。
それは例えて言うなら、免許とりたての人が運転する車に乗るくらいスリル満点だ。
いや、むしろ仮免許の人が運転する講習車に同乗するくらい、怖いかもしれない。
どういう事かって?
「「!!!」」
移動した先は、巨大ヘビの頭の上だったよ!




