第5話:魔法学部は自爆注意
自由度高過ぎなアサケ学園。
他の学校と違うのは、「魔法学部」がある事。
本気で魔法使いを目指す熱き魂の持ち主だけが、この学部に入る事が出来る。
魔力値? 属性への適正? そんなもん関係無い。
「魔法使いになりたい」と希望すれば誰でも入れるクラスである。
自由な魔法クラスもまた、この学校らしく授業内容は時にデンジャラス。
「♪今日~も元気に、はいっ自爆!」
…ちゅど~んっっ!
「うわぁっ、モチが自爆したぁっ」
悲鳴が上がり、ガラガラと崩れる教室。
「こらぁっモチ! 自爆呪文は外でやれっつったろっ!」
怒鳴るのは担任のM本先生。
現在所属している生徒の中で、自爆魔法を習得してしまった少年モチ。
他の誰もまだ使えない魔法を覚えたのが嬉しくて、日課のように自爆する。
え? 自爆したら死んじゃうだろって?
問題無い、その対策となる魔法を覚えた生徒がいる。
「E原、モチに死者蘇生かけとけ」
M本先生に言われ、溜息をつく少年はE原君。
彼はこのクラスで蘇生魔法を習得した生徒だ。
その魔法は完璧で、自爆で吹っ飛んで死んだ奴でも完全に元通りに復活させられる。
「これで何回目? そろそろお金とっていい? 死者蘇生」
E原君が魔法を発動させると、秒で完全復活する自爆少年モチ。
「たとえ自爆しちゃっても、回復してもらえるから大丈夫」
復活したモチは、教室の外に向かって何故か得意気に言う。
「さあ、君も今すぐメガンテ隊に入ろう!」
誰に宣伝しているのやら。
既に日課な魔法部の爆発には、野次馬なんて来ないのであった。